△ 「ブリジニツィー」シーン19


トップページ > ページシアター > ブリジニツィー > シーン19 【公演データ

<前一覧次>

オレンジ、逃げて来るが行き止まり。すぐにピンクが追って来る。

ピンク 「やっと見つけた。」
オレンジ 「来るな!」
ピンク 「逃げても無駄よ。君のお腹には、まだセンサー付き爆弾が入ってるんだから。」

ピンク、オレンジの腕を縛る。グレイ、入ってくる。

グレイ 「おう、ピンク。」
ピンク 「見つけましたよ。」
グレイ 「でかした。レッドはどうした?」
ピンク 「完璧にはぐれちゃったみたい。」
グレイ 「こっちもヴァイオレットとはぐれちまった。仕方ねぇ、先に行こう。」
ピンク 「そうね、安倍さん。(グレイに銃を向ける)」
グレイ 「…おめぇ…」舞台写真
ピンク 「どうしてその名前を知ってる?ですか?」
グレイ 「フッ。」
ピンク 「銃をよこして。(銃を奪う)ディスクもよ。(ディスクを奪う)もう一枚も。」
グレイ 「何?」
ピンク 「さっき新垣から奪ったやつよ。」
グレイ 「チッ。ヴァイオレットか。」
ピンク 「ええ。あのこが教えてくれたわ。お互い詮索しないなんて、よくも嘘ついてくれたわね。あたしの情報何もかも調べてたくせに!」
グレイ 「本名永瀬一太郎。」
ピンク 「やめて。」
グレイ 「まさかおめえが男だとは、他の奴らにもわかるめぇ。」
ピンク 「やめなさいよ。」
グレイ 「声と胸は変えられたが、金がなくってまだついてんだって?」
ピンク 「やめろって言ってんだろぉ!!…ふん!このディスクをマーケットでさばいて大儲け?よくもそんな大嘘ついてくれたわね!」
グレイ 「落ち着けピンク。確かにお前の言う通りだ。中身はエイベキスタンの国家機密だ。2枚のディスクに分けて入っている。一つは今朝盗んだそっちのディスクに、もう一つはこのブラームスのCDに。買い手はもう見つけてある。どうだ?二人で山分けってのは?」
ピンク 「うさん臭いけど、悪い話でもなさそうね。」
グレイ 「よぉし、じゃぁとっととずらかろうぜ。」
ピンク 「(いったん銃を降ろすが、すぐに何かに気づき銃を構え直す。)ちょっと待って!」
グレイ 「何だ?」
ピンク 「あんたさっき、ブラームスのCDだって言ってたわよね?」
グレイ 「ああ。」
ピンク 「本当にブラームスに間違い無い?」
グレイ 「もちろんだ。こいつはCDとしてもちゃんと聴けんだ。前にブルーの奴に聴かせて貰った事がある。」
ピンク 「ハハハハハハ!!」
グレイ 「何だ?何がおかしい?」
ピンク 「良く見てみなそのCD!ハハハハハ!」
グレイ 「何っ?…ん?…サード・ラブ・パラダイス…モーニング娘…って、こりゃあ!!」
ピンク 「ブラームスじゃなくて、モームスのCDよ!」
グレイ 「ムスしか合ってないじゃねぇか、ムスしか!」
ピンク 「新垣にしてやられたわね!」
グレイ 「ヂヤーヴァルの奴〜っ!」
ピンク 「これであんたはもう用無しよ。」
グレイ 「どうする気だ?ディスクは一枚じゃ売りもんには…」
ピンク 「なるわよ。もう片方を持ってる人になら。」
グレイ 「ヂヤーヴァルに渡すつもりか?!」
ピンク 「ええ。こいつ(オレンジ)とセットにすれば、いくらかにはなるでしょ。」
グレイ 「おい待て。考え直せ。」
ピンク 「さよなら。安倍開発部長さん。(銃を向ける) 」

オレンジがピンクに体当たりする。

オレンジ 「うわあああっ!」

ピンク、CDを落とし、オレンジがそれを拾って逃げる。

ピンク 「あっ!何すんのよ!待ちなさいよ!」

ピンクとグレイがもみ合いになり、銃が天井に向けられたところで発砲される。
地鳴りが響く。

ピンク 「まずいわ!天井が!」

二人が左右に避けたところで照明落ちる。

ピンク・グレイ 「うわあああああああっ!…・」

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

Next! オレンジグレイピンク

<前一覧次>


トップページ > ページシアター > ブリジニツィー > シーン19 【公演データ