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明転、舞台中、歩き去ろうとするあかね、それを。
草剪 「待ってください、あかねさん!」
立ち止まり、振り向くあかね。
草剪 「ここ、辞めちゃうんですか。」
息を切らしている、草剪。
草剪 「どうして…。もう、戻って来ないんですか?」
うなずく、あかね。
あかね 「ケーキありがとう。それから…、今までいろいろごめんなさい。」
草剪 「え…。」
音楽、静かに流れる。
あかね 「あたし、素直になれなかったの…。今もまだ、本当に素直になれたわけじゃないけど。もう一回、一から考えてみるの。だからここ、出て行くわ。戻って来るかどうかは、わからない。」
草剪 「…」
あかね 「さようなら。」
雑踏の音、あかねは草剪に背を向け、やがて草剪もあかねに背を向け走り去ろうとする。ハケる前、
草剪 「あかねさんいなくなるの淋しいけど、俺、うれしいです。あかねさんのその笑顔が見れたから、ちょっとホッとしました。」
草剪去る。舞台中央で立ち止まる、あかね。サングラスをかけた、中年男、ロッカー、藍、ミドリが四方のハケから登場し、ゆっくり反対側のハケに歩いていく。あかね、携帯で電話をかけはじめる。音楽が途中でもりあがり、携帯電話の音が入る。音楽はCUTOUT。あかね、以外ストップモーション。
あかね 「もしもし。…」
あかねの最後の言葉をかき消す音楽。そのまま、暗転。
幕。
(作:川村圭/写真:池田景)
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