基本的なインプラントの手術は二回法により行われます。一次手術は骨の中にフィクスチャーを埋入するための手術で、歯肉で被覆して治癒期間をおきます。二
次手術はアバットメントを連結するための手術になります。一回法の手術ではフィクスチャーを歯肉で被覆せず、一回でアバットメントまで立てます。
ここでは、二回法の術式について簡単に説明します。なお、細かい術式や使用する器具の名称はシステムにより異なります。
切開は唇頬側から行い、骨膜剥離子(=こつまくはくりし)で全層弁(=ぜんそうべん ; 骨膜を粘膜と一緒に剥離)を形成します。術前の診査から得られた埋入予定部位にガイドドリルにて穿孔します。骨組織は43度で火傷となり、47度で細胞障害が現れるため、低速回転で注水しながら行う必要があります。
ドリルホールは埋入長に合わせて、小さなドリルから大きなドリルの順に行います(左からスモール・ツイストドリル、パイロットドリル、ラージ・ツイストドリル)。途中で長さや方向を確認しながら行います。
カウンターシンクでフィクスチャーの頭部とカバースクリュー(フィクスチャーのカバー)が入る部分に、ショルダーを形成します。次にスクリュータップでタッピング(ネジのメス型になる部分の形成)し、フィクスチャーを埋入します。
カバースクリューを装着し、縫合します。治癒期間(上顎で5〜6ヵ月、下顎で3〜4ヵ月)は義歯を装着し、機能圧が加わらないよう、内面を何度が調整します。
エキスプローラーでカバースクリューの探索を行い、メスで約5mmの切開を入れます。スプリング式のパンチブレードで軟組織を除去します。
カバースクリューにかぶっている骨組織をカバースクリュー・ミルで除去します。カバースクリューを除去し、軟組織の高さを計測し、適切な高さのアバットメントを連結します。ヒーリングキャップを被せ、必要であれば縫合します。二次手術の治癒は1〜2週間です。
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インプラントの上部構造を製作するための印象は、石膏模型の中にアバットメントのレプリカを埋め込むため、特殊な方法で行われます。 ゴールドシリンダーと一体化して作られたものをゴールドスクリューでネジ止めします。観察期間中はゴールドスクリューの穴を仮封しておきます。最終的に、光重合レジンで穴を塞ぎます。 システムにより、上部構造を固定するための方法は異なります。 |
最終更新2013.1.10