2024年12月の映画
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いいひと
2022年 中国 127分
監督 大鵬(ダー・ポン)
メモ 2024.12.22(日) テアトル梅田
あらすじ
墓地のセールスマンをしているピンアン。自分が売った墓をお金持ちが引っ越しさせるという話を聞き、阻止するため走り回る(一元にもならないのに)。
感想
主人公のピンアンは見た目は若い頃の小沢昭一さんみたい。大鵬(ダー・ポン)という監督さんが演じられているそうです。
小沢昭一さんの賢そうというか、こすっからそうな役どころではなく、男気はあるねんけど直情型でおひとよしで損ばかりしている男。
それでもめげず警察官叫ぶ「たかが遺灰じゃないか!」の遺灰のために、風評の元を探り追いかける。
LIVE配信しているピンアンが、聞きこみ相手のおばさんに「どこの報道?」と聞かれて「・・・個人報道」と答えるのに笑った。
ピンアンの追跡劇を自撮り棒を使ってLIVE配信している人も面白い。総「個人報道」の時代やわ。
最近「中国人が不正を追及するのは、自分が分け前をもらっていない時だけ」というジョークなのか自虐ネタなのかを聞いたこともあって
色々笑える(よそ様の国の話と笑っている場合とちゃうねんけど)
★★★★
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椒麻堂会
しょうま どうかい
2021年 中国 200分くらい
メモ 2024.12.18(水) テアトル梅田
感想
四川の劇団のチュウ・フーは牛神、馬神に迎えられる。閻魔大王様がチュウ・フーの芝居を見たいとおっしゃっているから早く三途の川を渡ってくれと牛神馬神は頼むが飄々としたチュウ・フーは「どうしょっかな」とのらりくらりとかわす。そして牛神馬神と昔劇団のまかない雑役夫だったおじさんと四人で麻雀をはじめる(「第七の封印」みたい)。前衛劇っぽいねんけどわかりやすくて楽しい。
時は1920年、1911年の辛亥革命により清朝が倒れて10年。幼いチュウ・フーは再婚した母に捨てられ劇団に居つく。
それから日中戦争(1937-1945)、毛沢東の人民解放軍は蒋介石の国民党軍に勝ち(1949年)、毛沢東の大躍進政策による大飢饉(1958-1962 何千万人かが餓死したといわれる)がおこり、そして文化大革命(1966-1976)に翻弄される劇団員とチュウ・フーと家族。
「さらば、わが愛/覇王別姫」・・・と似たようなお話やんな。それをこれほど洒脱にそしてコミカルに描くことができるとは(**)。
映画が始まる前にビデオで邱炯炯(チュウ・ジョンジョン)という監督さんが、祖父がモデルと語られていました。画家でもある監督さんは全編スタジオ撮影して手作り感満載とか(400mくらいのスタジオらしい)。現実とお芝居が交りあった世界です。
奥さんと息子が紙のお札を燃やすと、冥土への旅の途中のチュウ・フーがお札を手にするとか、奥さんがやあこの代わりに瓢箪みたいなカボチャを抱かえているんやけどやっぱりカボチャを食べちゃうブラックさとか、紅衛兵による吊るし上げで「夫の悪いところを告発せよ」と迫られた奥さんが語る言葉。と風習、歴史、悲惨さをユーモアに変える手腕に驚く。
劇団を創設したおじさんが座っている後ろの壁に書かれていた言葉が「苟日新 日日新 又日新」に見える。
儒教の四書五経の内の「大学」の「湯之盤銘曰 苟日新 日日新 又日新」。
↑の6月に書いて焼いてもらったお皿の「金文」と同じで面白かった。
(拙い文字ですみません。せいいっぱい書きました。右上の印は来年の干支 乙巳きのとみ 左下は大学と書いています)
殷王朝を起こした湯王というひとが、洗面器(盤)に「苟日新 日日新 又日新」の九文字を刻んで、毎日顔を洗うたびに気持ちを新たにしたって話らしい。
★★★★1/2
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アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師
2024年 日本 120分
監督 上田慎一郎
メモ 2024.12.11(水) 大阪ステーションシティシネマ
感想
「カメラを止めるな!」
の上田慎一郎監督作品
「元カレは天才詐欺師」という韓国ドラマのリメイク作品だそうです。
税務署員が詐欺師に騙される。騙し返すのかと思ったら、そんな知恵も度胸も無く詐欺師の悪魔の囁き「どうせならもっと大物を狙おうぜ」を受け入れてしまう。。
その大物は篤志家のふりをして大脱税している。許すまじ!と税務署員の血が騒いでしまう。
コンゲームは舞台劇みたいにも作ってあって面白いねんけど、一番びっくりしたのは映画が始まりしばらくたってからのオープニング。冴えない中年男の税務署員が内野聖陽って知った事!
最近ではドラマ「フィクサー」の藤木直人にもびっくりしたし、ああ。きっとこれは鏡なんだと思う。
★★★1/2
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