母の三番目の姉が彦根の田舎の床屋に嫁ぎ、小学生の頃は夏休み冬休みと息子ひとりの伯母の手伝いに泊まりに行っていた。店のタオルを畳んだり掃除したりいい子してた。伯父も伯母も潔癖症やったので店はもっと物が少なかったけど、こんな雰囲気やったなとなつかしい。伯父がよくしていた革のベルトで剃刀を研ぐシーンはなかった。伯父は若い頃は飲む打つ買うの3拍子やったけど、腕はよくて頼まれたら内緒でお客さんの耳の穴も剃ってた。
床屋の腕があったので兵隊に行った時も連隊長付でそれほど大変な目にはあわなかったそうだ。理髪師すごい。
理髪師と言えば通っている美容院の店長さん(オーナー)が前に言ってたけど、一度お客さんと髪で
揉めた話し合った時に
「店長は私の頭を管理しているんやから」と言われたそうだ。
「・・・庭師みたいやね
庭の木々も年と共に老いて変わっていくから。手入れの仕方も変わるんやろね」と答える。理髪師と植木屋。どちらも長いお付き合いなのか。
今書いていて思う。伯父の床屋は従兄が継ぎその息子の3代目も理髪師になったけどインドに長期滞在した後店を継がず植木屋になったらしい。その時は「なんで植木屋?」と思ったけどやはり似ているのかもしれん。
長々と無駄話をしてしまいました。
監督さんのお母さんは理髪師で実家のお店でロケしたそうです。
旧式ボルボがロードレース用の自転車と走っているところとアールイが元娘婿の選択を受け入れるシーンがいい。
美容師さんと言えどお客さんをヨイショしていい気持ちにさせるのがうまいひともそんなん苦手なひともいるし、お客さんの方もおしゃべりして楽しい人もしゃべりたくなくてさっさと切って欲しい人も色々いるもんね。人生色々、人も色々。アールイは時は移ろいジリ貧でもお客さんに寄り添っていこうと思ってる。