2024年4月のミステリ 戻る

脅迫 上下 THE BRICKLAYER
ソフトバンク文庫 2010年 ノア・ボイド著 寶村信二訳 上294頁 下291頁
あらすじ
FBIは困り果てていた。
アンチFBIの有名人物が殺され世間的にはFBIの仕業に見える。これ以上の殺戮を止めたいなら金を払えと正体不明の人物に脅迫されていた。
贋金を渡そうとしたところ手痛い目にあったFBIは、こんな犯人相手にまっとうなFBI職員では太刀打ちできないと悟り、変り者で一匹狼のヤメFBIに白羽が立つ。
感想
映画「ブリックレイヤー」がアレやったもんで、原作もやっぱりアレなのかと読んでみる。
煉瓦職人という設定だけで別物のはずなのに、悪い予感がしていたラストが同じで。ラストが同じってどうなの。ネタバラシしたいわけ? 
と、映画に喧嘩売りたい気もちょっとしたけどまあまあ映画見たからこの本に出会えた訳やし。「ブリックレイヤー」に素直に感謝いたします。
犯人が有能過ぎる理由が足りないのはいささか残念やけど、主人公の煉瓦職人はいいヤツやし、人探し宝探しのお話で面白い。
著者はポール・リンゼイという作家の別名だそうです。
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黄金蝶を追って 
竹書房文庫 2023年 相川英輔著 
あらすじ
『星は沈まない』
『ハミングバード』
『日曜日の翌日はいつも』
『黄金蝶を追って』
『シュン=カン』
『引力』の短編集
感想
文章がうまい人と感じる。必要かつ十分でよけいな言葉はなく読みやすい、そして美しい。
登場人物はちょっとうまく行っていない日常を送りながらも今できることを頑張っている。
時間の狭間にはまってしまった『日曜日の翌日はいつも』が好みやけど
部屋に前の住人が住んでいる『ハミングバード』もいい。
いつ大地震が起こるかわからない国土に住んでいる日本国の民に寄り添いつつ軽くいなした『引力』もいいな。
『ハミングバード』は米国のSF専門誌「ローカス」に書評が載ったそうです。
(『シュン=カン』、、、読み始めは中国人かと思っていた・・・)
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探偵が早すぎる