2022年2月の映画  戻る
ナイル殺人事件 DEATH ON THE NILE
2020年 米国 127分 
監督 ケネス・ブラナー
キャスト ケネス・ブラナー(エルキュール・ポアロ)/ガル・ガドット(大富豪リネット「ワンダーウーマン」)/アーミー・ハマー(リネットの夫サイモン・ドイル)/エマ・マッキー(サイモンの元婚約者ジャッキー)/トム・ベイトマン(ブーク「オリエント急行殺人事件」)/ローズ・レスリー(メイドのルイーズ「ダウントンアビー」「グッドファイト」)/アネット・ベニング(ブークの母)
メモ 2022.2.26(土)大阪ステーションシティシネマ
感想
4組かな5組になるのかな、親が反対とかお金がないとかそれぞれ障害のある愛の物語が横糸、エジプトのエキゾチックな風景が縦糸になっている。
「ナイルに死す」は、ピーター・ユスティノフがポワロの映画を昔見た。デヴィッド・スーシェのTVドラマは何回も見ている。
このドラマ版のサイモン・ドイルと大富豪リネットが私のイメージに一番近い。富豪の令嬢リネットはなんと金髪のエミリー・ブラントなのだ。
そして原作も読んでいる。
知りすぎているくらいなのに、引き込まれる。何回でも楽しめるのは何故? トリックは言わずもがな、メロドラマも大舞台も魅力なんやね。
雄大なナイル河の流れと砂漠の神殿の荘厳さ。神殿は4カ月かけて造ったそうです。
カルナック号の造形を始め、登場人物が多いから画面がごちゃごちゃしないよう整理されわかりやすく作られていた。
夜間は船員たちが岸に戻り、事件当時は主要人物だけになっている。
エルキュール・ポワロ、サイモンとリネットの新婚夫婦、ストーカーのジャッキー、リネットの元婚約者の医者、リネットの名づけ親と看護師、リネットの従兄弟(弁護士だったか)、リネットのメイドのルイーズ、ブークと画家の母親、リネットの同級生ロザリーと歌手のおばサロメ、総勢13人かな。
ケネス・ブラナーのポワロが小柄で頭でっかちに見える。映像のマジック。
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希望の灯り 
2018年 ドイツ 125分 
監督 トーマス・ステューバー
原作 クレメンス・マイヤー『夜と灯りと』
キャスト フランツ・ロゴフスキ(クリスティアン)/ペーター・クルト(ブルーノ)/ザンドラ・ヒュラー(マリオン)
メモ 2022.2.17(木)WOWOW録画
感想
原作は短編らしい。時代は東西ドイツ統一から10年後の2000年くらいかな。
映画の中で「ドイツ再統一」という言葉が出てくる。
調べてみると「ドイツ統一」というのは1871年プロイセン王国のヴィルヘルム1世を皇帝として帝政ドイツとなった時のことらしい。
宰相はビスマルク。
中世までのドイツは小国家の連合体に過ぎなかったらしい。そうなんや。
デンマーク王国は同じ半島国家ながら朝鮮半島のような事大主義(長いも物には巻かれろ)ではなくスウェーデンやノルウェーまでも従えるような強い国やったのは何故? 背後にドイツがいるのに? と思っていたけど、ドイツの統一は近世やったのか。
 
お話は旧東ドイツ領のライプツィヒにある巨大スーパーに深夜番の在庫係として雇われた青年クリスティアンが主人公。手の甲に刺青がある。
ワルかったのか。過去があるのか。彼はあまりしゃべらない。
指導係となった50がらみのブルーノとふたり煙草を吸う。こいつとやっていけるかもという連帯感と、この青年は子供の頃父親不在やったんちゃうかなと思わす。
名シーンと思う。
クリスティアンは手動リフト、電動リフト、そしてフォークリフトの扱いを少しずつ教えてもらい理屈と法を知るため講習も受ける。
瓶を満載したパレットをフォークリフトを操って高所に格納したり取出したり。
フォークリフトの操縦がたどたどしいだけやなく、この青年は危ういねん。崖っぷちを歩いている風に見える。おまけに恋までする。
スーパーで働いている人たちは愛想はなく、あまり豊かそうでもないがユーモアがあり、肩寄せ合ったひとつの大きな家族の様。
東ドイツ時代はトラックの集配所で、ブルーノ達は長距離トラックの運転手だったらしい。ブルーノは東ドイツ時代を懐かしく感じている。
「今はフォークリフトを運転だ」とつぶやく。
東ドイツというと秘密警察とか密告とか怖い社会やったと思うけど、市井の暮らしもあり旧東ドイツの人にとって統一後がもろ手を挙げてよかったとは言えないみたい。
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