中世までのドイツは小国家の連合体に過ぎなかったらしい。そうなんや。
デンマーク王国は同じ半島国家ながら朝鮮半島のような事大主義(長いも物には巻かれろ)ではなくスウェーデンやノルウェーまでも従えるような強い国やったのは何故? 背後にドイツがいるのに? と思っていたけど、ドイツの統一は近世やったのか。
お話は旧東ドイツ領のライプツィヒにある巨大スーパーに深夜番の在庫係として雇われた青年クリスティアンが主人公。手の甲に刺青がある。
ワルかったのか。過去があるのか。彼はあまりしゃべらない。
指導係となった50がらみのブルーノとふたり煙草を吸う。こいつとやっていけるかもという連帯感と、この青年は子供の頃父親不在やったんちゃうかなと思わす。
名シーンと思う。
クリスティアンは手動リフト、電動リフト、そしてフォークリフトの扱いを少しずつ教えてもらい理屈と法を知るため講習も受ける。
瓶を満載したパレットをフォークリフトを操って高所に格納したり取出したり。
フォークリフトの操縦がたどたどしいだけやなく、この青年は危ういねん。崖っぷちを歩いている風に見える。おまけに恋までする。
スーパーで働いている人たちは愛想はなく、あまり豊かそうでもないがユーモアがあり、肩寄せ合ったひとつの大きな家族の様。
東ドイツ時代はトラックの集配所で、ブルーノ達は長距離トラックの運転手だったらしい。ブルーノは東ドイツ時代を懐かしく感じている。
「今はフォークリフトを運転だ」とつぶやく。
東ドイツというと秘密警察とか密告とか怖い社会やったと思うけど、市井の暮らしもあり旧東ドイツの人にとって統一後がもろ手を挙げてよかったとは言えないみたい。