2020年12月のミステリ 戻る
死んだレモン Dead Lemons
フィン・ベル著  安達眞弓訳 創元推理文庫 416頁 201年
あらすじ
南アフリカで生まれ育ち、仕事で成功し美しい妻もいてこの世の春を謳歌しているかに見えたフィン・ベルは不眠に苦しみ酒に溺れていた。
そのあげく妻と離婚しおまけに酔っぱらい運転の自損事故で下半身不随となる。事業と家を畳みいままでの人間関係人生すべてを棄て
車椅子に乗ってニュージーランド南島の最南端の町サウスランドへ引っ越す。
”死んだレモン(人生の落伍者)”になるの、それとも人生を取り戻すのと過激なセラピストに迫られるフィン。
もっていくとこのない人生と自分への憤りにより、マオリ族や白人の入植者の末裔など町のひとたちに「やめとけ。かかわるな」と言われながらも26年前の少女誘拐事件の謎を解こうと車椅子であがく。
感想
電子書籍の自費出版市場からニュージーランドのミステリ賞「ナイオ・マーシュ賞」新人賞を受賞した作品だそうです。
ニュージーランドという日本とは「環太平洋」の仲間ながら遠い南半球の島。
ニュージーランドって、人より羊の方が多いとか、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督とか「ジョジョ・ラビット」のタイカ・ワイティティ監督くらいしか知らんねんけど、本作は先進国ながら粗削りで野性味のあるミステリやね。