2020年2月のミステリ
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5分間SF
早川書房 236頁 早川仁著
感想
1991年から2019年著作の16作品からなるSFショートショート
『川口浩探検隊』みたいな「大恐竜」と(読後、思わずあほ〜と夜中に笑ってしまった)
「そういや『それを先に言えー』みたいなお料理番組の先生いてはったなあ」と昔を思い出した「マダム・フィグスのお料理教室」
に笑う。
「二つ折りの恋文が」は平和でロマンティックでかわいく、この3作品がいい。
★★★1/2
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座席ナンバー7Aの恐怖
FLUGANGST 7A
文芸春秋 366頁 セバスチャン・フィツェック著 酒寄進一訳 2017年
あらすじ
飛行機恐怖症の精神科医マッツ・クリューガーは、決死の覚悟でブエノスアイレスから飛行機に乗る。
それはベルリンにいる身重の娘ネレに会うためだ。
何カ月も前から周到な準備は、した。過去の墜落の報告書を読み検討の末、4席確保したのだ。
その結果乗務員たちからはしょっぱなから「変人」「神経病み」「問題児」と目されていたことは知る由もない。
飛行機が離陸してほっとしたのもつかの間iPhoneに発信者不明の電話がかかってくる。
脅迫者の命令は「精神爆弾を機内で起爆させ」626人の乗客乗務員もろとも墜落させろというものだった。後12時間30分の内に。
感想
「乗客ナンバー23の消失」
の作者の作品。
今回の舞台は航空機というまたしても閉鎖空間の中のタイムリミットサスペンス。
何をどうしろというの、何ができるの、という絶体絶命のピンチに主人公はどう動くのか。犯人は何者なのか。
登場人物は雑魚を含めると空の上は6人、ベルリンの地上も6人くらい、過去は3人くらいかな。
臨月の妊婦が陣痛でひーひーする恐怖の時間にヒリヒリした。ほんま体が引き裂かれそうなんよ。この作者はだいたいサドなの。
最初の
妊婦がHIV感染者
という設定がなんに使われていたのかさっぱりわからない。高名なドクターを登場させるためなのか。
旅客機といえば、
テロリストの進入を阻止するために頑丈なドアを付けたら付けたで、精神を病んだ操縦士が乗客もろとも自殺するために閉じこもる。
無関係の人を巻き添えにして。「死ぬならひとりで死ねぇ〜」・・・・・・ってゆーたらアカンらしいし、
世知辛い世の中やねぇ。
★★★1/2
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