2018年12月の映画  戻る


大阪物語
1999年制作 120分 日本
監督 市川準
脚本 犬童一心
出演 池脇千鶴(霜月若菜)/沢田研二(父・りゅう介)/田中裕子(母・はる美)/南野公助
メモ 2018.12.15(土)シネ・ヌーボォ九条
あらすじ
霜月若菜は大阪に暮らす中学生。14才。両親は「はる美&りゅう介」という漫才師。夫婦漫才がなりわい。
父はもてるせいか女にだらしがない。生活全般だらしがない。そういう父を母はデーンと見ている。
若菜と弟一郎の名前は夫婦漫才“ワカナと一郎”から名付けられていた
感想
懐かしい人がたくさんでてはった。ミヤコ蝶々さん、夢路いとし・喜味こいしさん、チャンバラトリオ(あーみんな亡くなってしまいはってんな)
千原兄弟が生意気な若手漫才師でちょっと笑った。当時からこういうポジションやったんか。
前半すごく面白い。沢田研二と田中裕子の「夫婦善哉」みたいなからみが面白い。
後半若菜が「家出したおとうちゃん」の軌跡をたどるシーンが少し長いと思う。
りゅう介が大学通ってたインテリやったとは。目の前の誰にでも優しく自由に漂っていた人やってんな。
 
若菜が母親違いの妹に言ってきかす。
  「あんたがちょっと納得でけへんことでも、ウチのいう事聞くんやで。
    あんたに悪い事は言えへんから。ずっと面倒みたるさかい。」
おしめかえてるやあこの妹に。ちょっと笑った。
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ごっこ
 
2016年制作 114分 日本
監督 熊澤尚人(「ユリゴコロ」
原作 小路啓之
出演  千原ジュニア(城宮/パパやん)/平尾菜々花(ひらおななは・ヨヨ子)/優香(交通課警官マチ)/ちすん(母)/清水富美加(戸神紅葉)/秋野太作(父)/中野英雄(リサイクル屋)/石橋蓮司
メモ 2018.12.1(土)シネ・リーブス梅田
あらすじ
会社を辞め、引きこもり、日々フィギアを作っていた城宮はある夜更け向かいの家のベランダに幼い少女が立っているのを目にする。少女の体は傷だらけだった。虐待を疑った城宮は少女を部屋に連れ帰る。
感想
2016年10月に46才で急死された小路啓之(しょうじひろゆき)という方の漫画が原作だそうです。(自転車でサイクリング中突然の死)
当時9歳だった平尾菜々花が「お姉ちゃんやから」とけなげな5歳児ヨヨ子を演じる。
 
千原ジュニアは数年前にNHKの番組で地方の高校生たちに「△△って訳ね」という偉そうな言い方をされて「感じ悪い人やなあ」と思ったんやけど、いやいやお笑いの事はほとんど知らんし世事に疎いし決めつけはよくないと謙虚に思い返し、行きつけの美容院でTVっこ事情通の店長に「千原ジュニアってどうなん?」って聞いたところ「人気あるけど何が面白いのかわからん。」というお返事やったので、ああそうなんやと思っていた。今回この映画を見て評価が急上昇した訳やないけど「この人はこれでいいんやろな」と感じる。
 
「働かざる者食うべからず」はごもっともでも、身を粉にして働いてもなかなか食べられない世になってしまった。「頭がいい、偏差値の高い学校を出た、大企業や官公庁にもぐりこめる、器用で才能がある、手に技術がある、人と気楽に付き合える、世渡りうまい、生きる力が強い、やりたい事がある」が乏しい人間は生きづらい。これから夢のようなAIがほんまに広まったらおつむのいい人も生きにくくなるんかな。
 
舞台は大阪なんやけど東京で撮影されたそうです。(「清水富美加」の余波もありお蔵入り寸前くらいお金がなかったらしい。)
大阪は街がもっと雑然としてるし色々な距離が近い。優香の言葉づかいも原作どおりなんかな。ちょっと違和感があった。
おすすめ度★★★1/2戻る