主人公レベッカ・ロバーツはニューヨーク・トリビューン紙の通信員。新聞社へ顔を出すことも無く当然ながら机も居場所も無く電話ひとつで現場を駆けずり回り取材をするのが仕事。ライバル紙でも現場ではそれとなく助け合っている。
レベッカはキリスト教徒の父と、正統派ユダヤ教徒の母の子供。母は17才でレベッカを生むと5カ月の子供をフロリダに置いてニューヨークに帰ってしまった。レベッカは24才の今も母に捨てられた子と感じている。こちらが2つ目の主題。
殺人事件と犯人の探査は上の2つを描くために「読者の興味を引っ張る道具」の要素大。
ふたつのルーツ、ふたつに引き裂かれたアイデンティティ(自分が自分であるためのもの)に主人公は苦しむ。そして母は何者だったのか? ハシドの世界とは自分よりも大切なものだったのかを見極めたいと願う。