2017年9月の映画  戻る


三度目の殺人 
2017年 125分 日本
監督・脚本・編集 是枝裕和
美術監督 種田陽平
出演 福山雅治(弁護士・重盛)/役所広司(被告人・三隅)/橋爪功(重盛の父。元裁判官)/広瀬すず(被害者の娘・山中咲江)/満島真之介(弁護士・川島)/市川実日子(いちかわみかこ・検事・篠原)/斉藤由貴(被害者の妻・山中美津江)/吉田鋼太郎(弁護士・摂津)
メモ 2017.9.23(土)TOHOシネマズ
あらすじ
強盗殺人犯が捕まる。犯人は過去にも2人殺していた。3度目となると死刑が近い。クールな弁護士・重盛は被告も自供しているし負けがわかっている裁判に時間を取られたくない。じぶんにおいしい裁判にしか興味がないのだ。
ただ、被告人はしたたかだった。自供を変え弁護士を翻弄する。
感想
俯瞰したり近接したりと色々工夫されている絵なんやけど。どこか異常でいびつで気持ちがざわざわする。
この監督さんのねっとりしているのか、突き放しているのか爽やかなのかわからない演出と神目線がちょっと苦手なんかな。
昨今の報道とかぶる斉藤由貴さんのつかみどころのない頼りないおかしな様子と、市川実日子さんの張りつめた表情の過労で疲れすぎ風の検事が良かった。
役所広司さんの犯罪者は「うなぎ」に続き2作目かな。善人と言うか気のいいあんちゃん風に見える人やねんな。(この人、コメディがもっとうまかったらな。大滝秀治さんみたいになれる・・かもしれんのに)
おすすめ度★★★1/2戻る

裁き COURT
2014年 116分 印度
監督・脚本 チャイタニヤ・タームハネー
キャスト ヴィーラー・サーティダル(詩人歌カンブレ)/ヴィヴェーク・ゴーンバル(弁護士)/ギータンジャリ・クルカルニー(検察官)/プラディープ・ジョーシー(裁判官)
メモ 2017.9.9(土)シネ・リーブル梅田
あらすじ
ムンバイで下水清掃人の死体が発見される。警察は自殺とみなし原因は「下水清掃人は自殺しろ」と扇動する歌を歌ったカンブレとみなし逮捕する。そして始まった裁判。
感想
興味深く見る。カンブレの歌は力強かった。 弁護士のお母さんが面白い。国は変われど世話好きのお母さんは一緒。
カースト制度が廃止されてもなお残る身分制度。多言語多宗教国家、大国インドの様々な暮らしをしている人々の今が見える。
 
印度には昔、人の排泄した物を処理する最下層のカーストの人々がいて、早朝に人々の目に触れないように仕事をしていたというのを以前TVで見た。物が入った容器を頭の上に乗せて運ぶそうだ。眼を病む人が多いらしい。裁判官だった祖父を持つ孫娘の人は、祖母がけがらわしそうにそのカーストの人々が通った道を清めていたのを覚えていると言ってはった。
詩人で歌手のカンブレは「不可触民」と呼ばれカーストのさらに外側にいた人らしい。
 
一方、10年ほどに前新聞にボンベイ大学の先生が書いてはったのは、貧民への優先入学について。先生の息子さんが大学入学試験かにお姉さんを上回る得点をたたきだし、「家始まって以来の快挙!」と一族喜んだのもつかの間、その得点では既にお姉さんが通っている大学にも入れない事がわかったこと。金持ちの子弟は海外留学するしかないらしい。
(ボンペイだったかボンベイだったかを調べてボンベイがムンバイに変わっていた事を今知りました。オハズカシイ)
おすすめ度★★★★戻る

ベイビー・ドライバー BABY DRIVER
2017年 113分 米国
監督・脚本 エドガー・ライト
撮影 ビル・ポープ
音楽 スティーヴン・プライス
キャスト  アンセル・エルゴート(ドライバー・ベイビー)/ケヴィン・スペイシー(プランナー・ドク)/ジョン・ハム(バディ)/ジェイミー・フォックス(バッツ)/リリー・ジェームズ(ウェイトレスのデボラ)/エイザ・ゴンザレス(ダーリン)/フリー(ベイビーの里親エディ)
メモ 2017.9.2(土)なんばパークスシネマ
あらすじ
銀行強盗の3人を乗せた車はパトカーとヘリの追跡をかわし見事に逃げおおせる。走り屋、逃がし屋のドライバー、ベイビーは音楽中毒。いつもいつもイヤホンをしてミュージックと切り離せない。
感想
痛快な逃走劇と仕事仲間の軋轢と緊張のストーリー自体はそれほど目新しくはないねんけど、背後に控えているはずの音楽が
全面に出て自己主張してはる。ミュージカルやないのに。(それぞれが時々は口ずさむけど)
TVでの放映はどういう感じになるのかわからない。
ちょっとキャラクターが変わってたかな。それぞれが意外な行動に走ったり、あっけない結末に至る。
ベイビーはドクが言うように事故の後遺症で耳鳴りがするのか、本当は聞こえないのかは最後まで明かされない。
おすすめ度★★★1/2戻る