韓国版では子供は息子やったけど日本版では娘になっていた。 韓国の息子は
「探偵なふたり」のソン・ドンイルで母と妻の間に挟まれ疲れている心優しい男をとても好演していた。歌を聴いているシーンと母の若い頃の写真を見るシーンは忘れがたい。
日本版も息子にしてたらとてもかなわない。 それに今時「オモニ」に反抗できない日本のお嫁さんもあんまりいてへんやろうし姑さんの方が遠慮してるし、日本の男が泣くのはだいぶましになったとしても少し抵抗あるし、だいたい孝行息子っていうよりマザコンに見えかねない。(日本の男って大変やね)
結果、夫、息子、孫と3人3代の少しあかんたれで心優しい男に囲まれたばっちゃんの気の強さが際立ったなかったな。(話は脱線するけど、そしてたまたまと思うけれどウチは気の弱い女の人にお目にかかったことがない。女はみんな気が強い。それは単に生まれてからずっと大阪にいるせいか? まあ男の人は気の強さがむき出しやない方がええと思うけど) それに戦災孤児にして次郎との関係は説明しやすいけど元々が恵まれておらず、お嬢様育ちから駆け落ちして勘当されその上夫に先立たれ生活が一転するという悲劇がない。それを補う「見上げてごらん夜の星を」(坂本九) 「真っ赤な太陽」(美空ひばり) 「悲しくてやりきれない」(ザ・フォーク・クルセイダーズ)の名曲の数々が頑張っている。
初めてTVで放映されせつせつと歌いあげるシーンで、赤貧の苦労が走馬灯のように流れるのが泣かせどころやわ。
韓国版の孫息子たちのパンクロックを聞いてバーチャン走りするところや、音楽プロデューサにストーカーされるのを魚で撃退するところはいい絵やのに、そのまま使わず脚本は苦労があると思う。面白い絵やのに残念。その代り、「子育て真っ最中の母」のエピソードが入っていた。韓国、中国、ベトナムに次ぐ4度目の映画化だそうです。