2015年6月のミステリ 戻る

元保安官コーク・オコナー・シリーズ
ウィリアム・ケント・クルーガー
第一作 凍りつく心臓
あらすじ
ミネソタ州、湖のほとりの町オーロラで少年が行方不明になる。母親に探してくれと頼まれた元保安官コーク・オコナーは少年が新聞配達をしていた老判事の家を訪ねる。見つけたのは判事の自殺死体だった。 アンソニー賞・バリー賞ダブル受賞作
感想
ありふれた祈りがいい具合やったので、同じ作者のコーク・オコナーシリーズに手を出すことに。
コーコラン・オコナーの祖母はオジブワ族でインディオの血が流れている。それゆえ白人からもインディオからも時として仲間とも違うとも見なされ複雑な立場にいる。フェアな男コークは思ったようにならない人生にもがき苦しむ。
銀景色が美しい。そこは映画「ファーゴ」の世界。
そやねんけど、本で言葉を尽くしてもコークの妻で弁護士のジョーがいまいち魅力的に思えない。
第ニ作 2002年 狼の震える夜
あらすじ
人気歌手が隠れた湖の奥地を捜査するコークとFBI。彼女は何者かに狙われているらしい。
感想
アドベンチャーな話で困難を切り抜けた男と男の絆が描かれている。ちょっと泣ける。
話は面白いし、敵役も冷酷でタフでGOODやねんけど、またしても歌手の彼女の魅力がわからない。
第三作 煉獄の丘
あらすじ
杉の木を切る会社と環境保護団体の戦士が対立している地で爆破事件が発生。会社の一部が焼け、焼死体が見つかる。その会社の妻子が誘拐され、たまたまその場にいたコーク・オコナーの妻ジョーと6歳の息子スティーブも拉致された。
感想
やっとジョーの活躍の場が現れたとおもいきや、幼い息子の頑張りが印象に残る。
この話の主人公はどっちかというと拉致した犯人側やね。というより美しく残酷な湖か。
第四作 2004年二度死んだ少女
あらすじ
女子高生が行方不明になる。捜索隊のひとりコーク・オコナーはミネソタの激しい冬のホワイトアウトにまきこれ天地もわからなくなる。そこで何かに導かれた様に助かるオコナー。あれは少女だったのでは。アンソニー賞最優秀長編賞
感想
おしどり夫婦の推理物。
だいたい女の人を描くのがうまくないなー。まるで男をたぶらかすファムファタール扱いやもんね。女に振り回されているのがかわいそうな男ですねん。みたいやなと4作品読んできたんやけど、今回はな・ん・と・ジョーの妹で姉の家族の面倒を見てきた家庭的でふっくらした善良なローズが恋に落ちるというか。相手がな・ん・と・カトリックの神父様。ローズまでもファムやったんか。
作者の女性観なんかね。男は不器用で男気のある魅力的な人物が多いねんよ。まあ高倉健さんみたいな。もっとごつくて野性味あるけど。
お薦め度★★★★戻る