昭和十年、十六〜二十年、1952年と戦前、戦中、戦後の時代が、浅木謙太郎、謎の人物、寺元進の3つの視点で描かれている。「文芸とミステリの融合作」との事で、その少年少女のひと夏という「文芸」の部分は読みづらかったんやけど、六甲山でハイキングをしているように、しんどくてもそこをひと頑張りして読んでいけば、最後には
あっと驚く光景があらわれた。有名な避暑地の軽井沢が舞台やないのは、理由があったん。
作者は、この小説の後、2009年12月に「探さないで欲しい」と書き残して、失踪されたそうです。失明の不安を苦にされての事だった様子とか。もしかしたら、六甲にいてはるのかもしれないと思ったりする。