夏休み、高校2年の健二は、3年生の夏希先輩にバイトを持ちかけられ、先輩の田舎長野に向かう。夏希先輩の曾祖母・栄の90歳の誕生日に彼氏と紹介され仰天! 「東大、旧家の出身、アメリカ留学帰り」という「それ誰ですか?」というプロフィール付き。
ぞくぞくと集まる一族が宴会の最中、招かれざる客人が現われる。10年前、勝手に山をうっぱらってアメリカに出奔した侘助(わびすけ)だった。曽祖父の外に出来た子で、どういう事情か養子になり栄が育てた子も41歳になっていた。どうやら夏希の初恋の相手らしい。
その夜、健二に正体不明のメールが届き、数学オタクの血が騒ぎ夢中になって解いてしまう。夢うつつで回答を送り、翌朝TVニュースを見ると指名手配されていた・・・・・・。仮想空間のOZを大混乱に陥れた犯人にされていたのだ。OZの混乱は、日本のライフラインをも狂わせて行く。
感想
実に荒唐無稽なお話だった。
「時をかける少女」の細田守監督作品。「時をかける少女」のように、せつないお話ではなく、痛快作。
一族郎党がゲーム機やケータイを手に、
コイコイの掛け声で勝負を挑むシーンがいい。
失われた大家族主義(いいことばかりではなかったと思うけど)に、胸が少しチクリとするが(ジジババもいなかったし、田舎もなかったしな)、何も考えずに元気になれる作品。