2005年1月のミステリ 戻る

空中ブランコ
2004年 奥田英朗著 文芸春秋
あらすじ
怪精神科医「イン・ザ・プール」の伊良部一郎シリーズ第二弾。
感想
尖端恐怖症のヤーさん。お箸が恐くて3才児のごとくスプーンでご飯を食べている。もちろんヤッパなんぞ。出入りがあった際にはおおごとだの「ハリネズミ」。   一塁に送球できない三塁手。スローイング・イップスと言うらしい。伊良部一郎のおかげでキャッチボールさえできなくなったプロ選手の「ホットコーナー」。   このおふたりが絶体絶命の窮地に陥った際、やぶれかぶれで乗り切るところが大好きだ。体をはって生きてきた人は違うなー。などと思う。
そして直木賞を取った「義父のズラ」。大学病院の学部長の義父。精神科医の池山達郎は義父のズラを大衆の面前ではがしたい衝動を押さえるため脂汗をかいている。そこを同級生の伊良部一郎につけこまれガキのいたずらにひきこまれてしまうねん。
池山の親友の倉本が伊良部にささやき声で怒鳴る。
 
  「伊良部。てめえ、池山に何をした」
 
さぼてんは「人の外見をあれこれ言うのは、あかん。」と育てられたせいか、、、、会社のお昼に「あの人はカツラやねー。3バージョンはあるねー」とか言う話題はきづつない。のれないのだ。そやねんけど、こういう行儀よさ優等生のえーかっこしいはいささか窮屈。その窮屈さを突き抜けさせた作品やったなー。本人に聞こえへんとこやったらえーんやろか。
おすすめ度★★★★1/2
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