映画を思い出したせいかなんのせいか映画的に感じられた。しかし群像劇でありながら「ハイウェイ・パニック」のように最後の一瞬に全てが向かうという事はない。それぞれが軽くタッチしていく。死体とか拳銃とかで。「トリコロール」や
「go」よりは関わり合いが強いかな。ジュリアン・デュヴィヴィエ監督「運命の饗宴」は燕尾服が次々と渡っていく話だったな。話戻して本作は
工夫された構成に感心する話なんやけれどもやもやが残る。カタルシスが感じられなかったせいかもしれない。タランティーノの「パルプ・フィクション」は好きな映画やねんけれど。
だいたい殺しを計画する京子と青山はあまりに
バカ稚拙やし(ドタバタブラックコメディのようだ)、泥棒の黒澤はかっこ
つけすぎよすぎ、脂ぎった戸田と志奈子がキモイ。そこまで来て泊まりたくないなんてそれはないやろ。教祖を崇め奉る塚本と河原崎は気持ち悪さがやや足りない。元サラリーマンの豊田の「いえ、すでに人生どうにもなりません。」の一言はいいな。一番なじめたのは「2001年宇宙の旅は退屈な映画」なのだった。
はちゃめちゃではなくすがすがしく終わるところが慣れていないのかもしれん。一度読んだだけではよく理解できなかったせいかもしれん。と、謙虚に整理してみる。まず全ての組はふたりで構成されている訳だ。ここで別組との交叉のチャンスは2倍となる。なるほど。タイムスケジュールを作ってみる。どうやら4日間の出来事のようというのが
やっとわかる。泥棒の黒澤が神出鬼没。惑わすんだ、こやつが。ジグソーパズルのようになんとか納まった。すんなり飲み込めた。コレ
よーできているやん。
おすすめ度★★★★
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