2025.4藤咲整形外科医院だより
春のうららの、と、冬の名残をとどめつつ、名歌「花」の歌いだしのように、夏の香気をかぐわせる、桜の季節となりました。歌は「のぼりくだりの船人」と、隅田川川べりを大きく俯瞰したのち、「櫂のしずく」へとミクロの視点に大胆な躍動を示し、花の季節の到来に始まりの予感をあらわします。
うららという言葉は、のどかのようでありながら、のたりのたりのようでありながら、どこかに次の変化を感じさせます。激しい変化の予兆を伺わせます。花は花のまま咲くにあらず、蕾(つぼみ)を経て開きます。花蕾には雷の文字を含有し、花を開くということは、植物にとっての大事であることがうかがわれます。命が生まれるに等しい開花は、その後の長短に関わらず、生きる喜び、生きる難苦すら感じさせます。
うららとは、フランス語では軽い驚きを意味するとされるようですが、日本語ではオララ、ウララと表記され、これを二つ三つ重ねると、とんでもない躍動感が生まれることは、昭和歌謡を知るものなら、老若男女問わず、広く記憶にあるところでしょう。歌の出自を詳しく知る知る方からの、あれはまったく違う経緯だとの指摘は知るところではありますが、関連を感じざるを得ないこともまた事実です。
ウォーキングは躍動の結果です。体を前に傾けて、前に足を踏み出す行為は、不安定を作り上げるということに同じです。そのうえで足を踏みしめて安定感を作り出し、さらに次の不安定を作り出して、歩を進めるという連続がウォーキングの本態です。その一歩に花開き、次の一歩に実りがあります。
皆様お体大切に。
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2025.4藤咲整形外科医院院長 藤咲 裕