
2025.11藤咲整形外科医院だより
剥きたて吊るしたての干し柿が、夕暮れに灯りをともしたように鮮やかだった初秋は、残照の赤に変わって夕に馴染む、晩秋を迎えようとするころとなりました。干し柿は柔らかいのが好物ゆえ、あと幾つと数えながらも、硬く干しあがることを待たずに楽しんでいきます。雨が気がかり、外出時、夜中は柿を気にかけます。
干すという調理法は、素材を作るうえでも重要な技法です。果物なら甘味を増し保存期間が向上します。渋いものなら甘くなるという、魔法のような現象も、干すことによってもたらされます。魚なら干物、風味が増しうまみが増します。きのこ類は天日の力でうま味だけでなく、ビタミンDまでが増すと言います。肉なら味付けして干せば、保存してよし、つまみにしてよしの優れた食材になります。天日でというのが味噌です。天日に干したのか、乾燥させたのかがはっきりしているときには、天日を使ったものが優れるでしょう。
干すには、もう一つ気がかりな用法があります。干される、というと、意図的に仕事を減らされる、という意味になります。転じて、自分の意中の人に冷たくされるという意味に使われることがあるようです。調理の食についても、干す側は美味くなれと念じてのことですが、干される食材には、何らかの苦労が潜んでいるかもしれません。等しく食は感謝していただくことが大切です。
山歩きの言葉に、突然の雨に濡れた時にそのまま歩き続けて干す、歩き干し、という荒業があると言います。雨中無理をする必要はありませんが、アクシデントに構え、雨に備えたうえで、気持ちよくウォーキングしましょう。
皆様お体大切に
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2025.11藤咲整形外科医院院長 藤咲 裕