和歌山 夜回り会 - 目的

はじめに

わたしたちは、和歌山市内で野宿生活を余儀なくされている方々を支援する活動を続けています。

現代におけるわたしたちの日常生活のすぐ間近にある問題。もうすでに皆さんお気づきの方もいらっしゃると思います。ふと散歩しながら公園に立ち寄ってみると、ダンボールや青いブルーシートの中で生活している人たちがいます。彼らの存在をいつまでも見て見ぬ振りしているままで、わたしたちの社会、つまりわたしたちの日常生活は善くなっていくのでしょうか。


現状報告

和歌山での夜回りも今年で7年目を迎えました。始めた頃と大いに違うのは、野宿からアパートに移った人が70人以上になり、野宿の人たちとわたしたちの協力関係が増えていることです。

野宿からアパートに移った人たちにとって、アパートに移れたことは最初は大きな喜びですが、生活保護の資金を自己管理出来ない人や、寂しさからお酒に慰めをもとめて健康を害してしまう人もいます。7月の2〜3日に明石市でおこなわれた「全国地域・寄せ場交流会」に和歌山の野宿者連帯組織のふれあい会のメンバーと夜回り会のメンバーが5人で参加しました。そこで「神戸大震災で仮設住宅に移った人の中で孤独死する人たちの多くは、アルコール依存症になり、医者や地域の人との連帯を失ってしまい、孤独の生活を続けていくうちに、生活が成り立たなくなる人たちだ。」との報告がありました。わたしたちの活動も、夜回りだけでなく、訪問グループをつくり、あの人どうしているかなと気になる人たちを交代で訪ねる活動が必要になってきています。今年に入ってから和歌山でも2名の孤独死、死後3日とか2週間とか経ってから発見された方がでてしまいました。一人は家族が見つかり引き取りにきてくれましたが、もう一人は私たちでお葬式をして、教会の納骨堂におさめました。今までに私たちが関わった人で亡くなった人はおよそ20人。教会に納骨している人は9人になりました。

野宿の人たちとの協力については、いろいろの形がありますが、亡くなったり、捕まったりした人のアパートの引き上げに、引っ越し作業と車の運転で協力してくれたり、食事会(炊き出し)のときに、台所で野菜を刻み、皿洗いをし、半ドラム缶で魚を200匹焼いてくれたり、急に亡くなった方があれば通報してくれたり、見つけた期限切れの弁当などで自分が使わないものを30人分持ってきてくれたり、アルコール依存症で暴れてアパートを追い出された人を自分のアパートに「おれも一人で寂しいし、こいつは酒飲まないときは仏様みたいにおとなしいからな」と引き受けてくれたり、 「あいつ、このごろ買い物も持ちきれんと信号待ちで下に置いてるぜ。そのうち、よう歩かんと違うか?入院させてあげてよ。」とか情報を持ってきてくれます。
夜回り会のメンバーの中には、兄や連れ合いが民生委員をしている人もいて、互いの連携がうまくいく時もあります。野宿の人たちの生活は詰まるところ、地域の人たちの理解がないと成り立ちません。そんなことから、ふれあい会では市役所との交渉が一段落した時には折をみて、市民向けの啓発ビラを手分けして住民のポストに入れていく活動もしています。

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