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【2004年1学期】
青稜中学校、高等学校の情報A特別講義を聴いてくださっているみなさまへ
いつも講義を聴いていただき ありがとうございます。
教科書が昨年と同じものですからお話しする内容も繰り返しになってしまいます。
いつも、限られた時間の中でもっと具体的でつっこんだお話をしたいと思いながら終わっています。
このホームページの「お便りコーナー」を利用し、質問や感想などお寄せください。
Asys 阿 部 智(あべ さとし)
●自己紹介
1973年(S48)より月刊誌「モービルハム」の編集に関わる。
1980年(S50)より月刊誌「RAM」の編集に関わる
年表(参考資料)
|
誕生 |
小学 |
中学 |
高校 |
西暦 |
1987 |
1994〜1999 |
2000〜2002 |
2003〜2005 |
和暦 |
S62 |
H06〜H12 |
H12〜H14 |
H15〜H17 |
青稜中学・高等学校「情報A」特別講義 1学期
●AさんとBさんがケイタイでメールをしました。
いま何が行われたのでしょうか?
@最初にAさんは文字を入力しました。(パソコンの文字入力)
Aこれを送信しました。(トランシーバの送信)
Biモード局はこれを受信し(メールの預かり)
CBさんへ着信のベルを鳴らします。(着信を知らせる)
DBさんは、iモード局に問い合わせをします。
Eiモード局が、Bさんへメールを届けます。(着信)
FBさんがこれを読みます。
携帯電話は無線通信です(電波の周波数800MHz・1.9GHz)
●
移動無線のしくみ
・この技術は1985年(S60)頃よりアマチュア無線の通信技術で開発されました。この通信方法はやがて携帯電話に応用され現在の「ケイタイ」全盛時代を迎えたのです。
・移動通信は固定局と移動局、または移動局同士で行われます。電波の届かない遠くの局とは中継局(レピータ局)を介して行われるます。
固定局 ←→ レピータ局 ←→ 移動局
移動局 ←→ レピータ局 ←→ 移動局
・
移動通信はやがてパソコンをつないだ文字通信(パケット通信)へと発展します。キーボードから入力された文字はTNCという変換装置を使ってディスプレーに表示されます。
(送信側)
パソコン → TNC → 無線機 → アンテナへ
(受信側)
アンテナから → 無線機 → TNC → パソコン
●携帯電話に生かされた技術
この技術は携帯電話へと受け継がれていきます。通信網が整備されアマチュア無線のレピータ局と同じ機能の中継局が各地に設けられ、さらにインターネットが中継網となって全世界で通信が可能となりました。
iモード局
←→ 中継局(インターネット網) ←→ iモード局
↑↓
↑↓
携帯電話 携帯電話
●これからのケイタイ
そしていま携帯は電話、パソコン、カメラの機能を併せもった最先端の通信機器として受け入れられ、次のような機能も一部ではすでに試されていますています。
1. 交通状況のチェック
2. テレビ電話機能(テレビ会議)
3. GPSシステム(自分の位置情報)
4. レジ精算、自動販売機機能
5. 建物への出入りチェック(鍵の代わり)
さらに、第3世代の携帯電話は、GSM携帯の普及により国際電話フリーの時代となるだろうと予想されています。旅行先の国でSIMカードを求め装填するだけで自分の家へ自由に連絡ができるところまできています。
さて、今後はどう発展するのでしょうか?
資料1 使用されている周波数帯
携帯電話 800MHz PHS 1.9GHz IMT
2GHz 無線LAN 2.4GHz 5.2GHz
19.0GHz 22/26/38GHz など |
通信の発達 (P129)
情報を他の人に伝えるために人類はさまざまな方法を考え、進化させてきました。
●古代の通信方法
・のろし → 太鼓、ホラ貝など
●電気による通信
・
モールス信号(1844) → 有線電話(1876) → 無線通信
コンピュータの発達 (P131)
コンピュータはどのようにして生まれ発達してきたのでしょうか
・手動式計算機から→リレー式計算機へ(1944)
・真空管式計算機エニアック(1946)1万8千本の真空管を使用。
・1950年代になってミサイルの軌道計算に使用される。
・1970年代後半からパソコンは急速に小型化しパーソナルなも
のへと進化していく。
●パソコンと日本語の問題
・ 1977年頃、日本でBASIC言語が主流に。
・ 1985年以後、OSと機器がMS-DOSに乗り換え。
このころまで日本の各メーカーは独自のソフトと規格でパソコンを作っていた。
・ 1992年IBMの機械で日本語が表示できるようになり、日本語の壁が崩れた。
・ 1993年、Windows3.1普及し始める。
・ 1995年、Windows95が発売され、ウィンドウズ時代となる。
・ 1998年以後、ウィンドウズ支配が続く。しかしセキュリティやウィルスの問題が起きてウィンドウズに対する批判が出てきている。
●小型化と高機能化
・1980年以降、ICやLSI(集積回路)が普及し機器が小さくなる。デジタル、液晶なども普及し高性能化も進んだ。ケイタイが生まれた
●ネットワーク
・ コンピュータをインターネットのネットワークに接続することにより情報の広域化がすすみ世界中の人々と情報の交換ができるようになった。
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(資料)コンピュータによる通信の歴史
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1944(S19) 米ハーバード大リレー式計算機MARK-1(マークワン)完成。
1945(S20) 米、ノイマン教授プログラム内蔵方式の計算機第2次大戦終わる(ノイマン型)発表。
1946(S21) 米、ペンシルバニア大学で真空管式計算機、ENIAC( エアニック)完成。
1948(S23) 米、ベル研究所、トランジスタを発明。
1957(S32) ソ連の核攻オンラインシステムは米ソ冷戦下、撃に対する迎撃体制を整えるため、米大陸全土にオンライン・リアルタイム処理の防空システムとして建設された。これを通じて米のコンピューター技術は飛躍的に進んだ。このシステム「SAGE」は1963年に完成し、1984年に廃止された。また、核分裂計算法や、核弾頭、核兵器の設計でもコンピュータ技術は活躍した。
1964(S39) 11月、火星探査船マリーナ4号打ち上げ。
1965(S40) 7月、デジタル信号による写真(走査線200本)が火星から地球に対し送られた。(画像処理はIBM-7094)
1969(S44) 実験の成功 「Lの字を受け取ったか?」
コンピューター通信が成功。IMP(DDP516)
カリフォルニア大学ロサンゼルス校←→スタンフォード研究所間。
1970(S45) 続いてマサチューセッツ工科大←→ハーバー大学間でも成功。
※この頃、日本では各メーカーが独自仕様による製品を送り出していた時期が長く続いておりました。それ以前からパソコン同士を2台、3台と接続してデータをやったりとったりする処理は同じ規格のパソコン同士ではできていました。
1980(S55) 日本でも熱心な愛好家の間でパソコン同士、電話回線を通じて行うパソコン通信があちこちで試みられていました。これには、パソコンの信号を電話信号に変換するための機器(モデム)のスピード化が必須でした。
1986(S62) 大手企業がパソコン通信ネットを開始(NIFTY、PC-VANなど)多数のパソコンが1局を介して通信する方式。
この頃アマチュア無線NTC
による「パケット通信」もさかんに運用されこの技術はやがて今の携帯電話に利用され、開花する。
1992(H04) WWW(ワールドワイドウエッブ)の原型が登場。
コンピュータ「ネクスト」上で開発され、テキスト画面のみの表示。作者は、インターネット上でソースコードを公開し「世界中の学生、のみなさん、プログラマーのみなさん、ワールドワイドウエッブに関するソフトウェアをつくってみませんか情報はすべて提供します」と、呼び掛ける。(作者:ティム・バーナード・リー)
1993(H05) これをもとにモザイク(MOSAIC)が開発され、ただちにインターネット上で公開される。(作者:イリノイ大学の学生アンドリーセンとそのグループ)
1994(H06) 「モジラVer.9」完成。これがこの後「ネットスケープ ナビゲーター」となる。
※パソコン以外のワークステーション等の環境で動作する。
1995(H07) Windows95誕生。MS-DOSからWindowsへ。
この時マイクロソフトのEメール機能は「Express」を搭載。既にマック(Mac)では「ネットスケープ」が動作していた。
1996(H08) マイクロソフト社、モザイクのライセンスを得て、インターネットエクスプローラV3.0を開発。
1998(H10) Windows98発売される。
1999(H11) NTTが「iモード」を開発。携帯電話普及する。
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