Fちいむ いん ぴーえすおー
森その1『どらごん狂想曲』

 

2・晴れた日に

「くっ・・・・ふぁ〜〜・・・。」

ラグオル地表、セントラルドームを望む高台、二人のハンターが青々と風に揺れる芝生の上に横たわっている。

「しかし・・・まりりん、おそいなぁ〜。」

「ユウル、焦っても仕方ありませんよ。」

メンバーに助けを求めるためパイオニア2にもどったマリエラを待つミカエルとユウル。

「しっかしさあ、きれーな青空だよなぁ。」

ユウルがまぶしそうに空を見上げている。

「母星は・・空の青ささえ・・・失っていましたからね・・・。」

人間は高度な技術がもたらす恩恵と引き替えに母なる星の寿命を削り、宇宙をさすらうことを余儀なくされた、そして出会った『この星』ふたりともテキストでしか見たことがない青空に感動さえ覚えていた。

「知ってますか?ユウル、初めて宇宙(そら)から母星を見た宇宙船のパイロットは『青い宝石』と母星を称えたと。」

ミカエルの言葉にユウルはパイオニア2から見た、母星を思い出していた。

「青くは・・・なかったなあ・・・。」

しばし押し黙る二人、不意にユウルが何かを思い出して笑う。

「しっかしラッピーだけは母星とかわんないよなぁ〜。」

ミカエルも微笑む。

「ラグオルのラッピー、『ラグラッピー』と言った所でしょうか?。」

二人の笑い声が風に流れていく、ふいに後ろに気配を感じ振り返るとマリエラが走ってきた。

「すみませぇ〜ん、遅れましたぁ〜。」

また二人は顔を見合わせて笑い、目的地まで進もうと起き上がる。

「あ・・・いまソナーで周囲を・・・。」

マリエラがそう言いかけた時、ミカエルが。

「必要ありませんよ、エネミー反応は無いはずですから。」

不思議そうな顔をして二人をみるマリエラ、ニ、三歩進んで高台の下を覗くと、数え切れないほどの原生生物が倒されていた。

あっけにとられているマリエラをよそに二人は早足で進んでいく。

「さあて・・・なにがでるかなってかぁ?。」

「楽しめる程度には・・・強力な敵であってほしいですね・・・・。」

 

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