Fちいむ いん ぴーえすおー
森その1『どらごん狂想曲』

 

パイオニア2がラグオルに着き三日、原因不明の爆発で地表の人々の安否が気遣われる中、総督府はついにハンター達に応援要請を内密に出した。

1・ペネトレイト

「ひまじゃの・・・・・。」

いまだ下りない降下許可にソニアはイライラしていた、ここ二日間、正式に地上探索の許可が下りたにもかかわらず、先発隊に選ばれなかったので半ばいじけていた。

「しかたない・・・グラストに武器でもカスタマイズしてもらうかの。」

パイオニア2はいわば巨大な町といっても過言ではない、グラストの店までの距離は散歩程度はある、この気分転換も二日目、そろそろ変化がほしかった。

そんな時、地上行きのトランスポーターの近くを通りがかった時、見覚えのあるアンドロイドがなにやらあわてた様子で衛兵と話している。

「あれは・・・・お〜い、マリリン、なにをしておる?」

マリエラ、カワのサポートユニット、彼女もまた『留守番組』だったはずだが・・・。

「あ、ソニア様、ソニア様も急いで降りましょう、許可はもらっています、早く!。」

メモリが焼き切れるのではないかというくらいあわてているマリエラ、なんでもカワとハギが巨大エネミーのテリトリーで孤立してしまったらしいのだ。

「ほかの・・・ツキヤやサジェスは?サオリどのもいたはずじゃろ?」

「さいじさん達と二手に分かれてる時に故障したトランスポーターに乗ってセントラルドームの中へ・・・。」

そしてその中に『巨大エネミー』がいるらしく、さらに運の悪いことに二人が乗った直後トランスポーターが壊れてしまってもどるにもどれなくなってしまったのだ。

ソニアは暫くして口を開く。

「後からいく、準備無しの役たたずはイヤじゃからのっ!」

マリエラはその言葉にうなずき手続きをすませる。

「お願いします、ミカエルさんやユウルさんはもう降りてます、お早めに!」

地上に転送されるマリエラを見送ったあとソニアはグラストの店に走り出した。

「万が一と言うことは無いとは思うが・・・持っていっても邪魔にはならんじゃろっ。」

不謹慎にも顔が好奇心でほころぶ、この星最初の冒険が始まろうとしていた。

 

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