第2章『戦い続けるのにもってこいの理由』
3.<剣に詰め込んだ想い>

たった一日の『指導』の中で、アナは確実に目指すべき方向を見つける、その後も繰り返す『素振り』、ひと振りの重みを感じながら。

「ようし、アナ、今日はもうオシマイだ。」

月夜からその言葉がはっせられた時、日も落ちかけて辺りはもう闇を誘いはじめていた。

「アナ、今日は・・・がんばってたね・・・。」

帰り道、カチュアがそういうと。

「いつもがんばってるサ、けど・・・絶対『いつも』とちがってた、解らないけど、なんか『手に入れた』ような・・・。」

そしてアナは月夜を見上げる、月夜は少し考えた後口を開く。

「ま、とにかくさ、もしアナがその『手にいれたもの』ってのを信じ続けることができたら・・・・。」

月夜は空を見上げる、空にはもう星が瞬きはじめていた、アナとカチュアもつられて空を見上げる。

「お前は、自分の望む『場所』を手に入れられる。」

「自分が・・・・望む場所?。」

聞き返すアナに月夜は空を見上げながら話を続ける。

「お前があこがれた『父親』や『英雄達』と同じ場所、大切な物や人や・・・そう、お前なら、カチュアを守り続けるために目指す場所ってことかな。」

アナとカチュアはその言葉に顔を赤らめ、下を向く、そしてカチュアが言った。

「アナが・・・強くなって、私を守ってくれたら、すごく嬉しいけど・・・そんな小さな事と同じなんですか?。」

月夜はカチュアの問に微笑みを浮かべる。

「小さくなんかねぇよ。」

アナとカチュアは再び月夜を見上げる。

「国を守るのも、人々を守るのも、ま、たしかに『規模』ってやつはでけぇケドさ、『自分にとって一番大切な人』を守るのも、同じくれぇ価値があるさ。」

その言葉は二人に何を感じ取らせただろう、『小さいけど大きな』、大切な物、たしかにココロのなかに響く言葉だった。

「男なら、好きな女の子を守る『ついで』に世界も救えってな、ま、コレはダチの受け売りだけどな。」

そしてまた月夜は微笑む、二人はその笑顔が、『ツキ』が好きになっていた、

『師』として、『友人』として。

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