第2章『戦い続けるのにもってこいの理由』
「くっは〜、色気出して街道をそれるんじゃなかったぜ〜・・・。」 封印戦争後、ハーヴベルヌ指揮下で自治区となったヒクノ、そこにほど近い森の中に若い男が迷い込んでいた。 「あ〜あ・・・『見えた』のが一週間前・・さいじの奴、もうエステルんトコ、ついてっかもな〜・・・・・。」 なにやら独り言を言いながらそれでも、歩き続けている、かなりの時間森の中にいる様子で、疲れもピークに達している。 「あ〜!!やめやめ、今日はここで寝まくるっ!!くっそ〜月夜様ともあろう者が道に迷うなんて世も末だなっ!!。」 意味不明の言葉を発しながらあおむけになる、木の枝の隙間から星が美しく瞬いてるのが見える。 こういうのも悪くない、そう想い始めていた。 「一年ぶりだもんよぉ、早く逢いたいよなぁ・・元気かなあ、さいじ、エステル。」 落ち着くと今度は睡魔が心地よく囁き始める、今日のところはひとまずここで寝よう、そしてまた明日街道への道を探そう、と決意した。 「イイ・・・夜空だ・・・・。」 今はただ体を休める。
― これから続く旅の中で ― ― 俺自身の目的 ― ― 願いや望みや ― ― それ以上に大切な ― ― 生きていくための理由 ― ― あいつらと一緒に ― ― 見つけられるだろうか? ― |