ーさらにその頃ー
波状攻撃を仕掛けてきていた騎士団も二人の圧倒的な火力の前に次々と倒れていった。
「おれは・・・なにをしているんだ?。」
騎士団の気配がしなくなった頃、サジェスは今自分が何をしているのか冷静に考えていた、そして、足を止める。
「どうしたのじゃ?サジェス。」
ソニアが振り返る、サジェスは聞きたいことがたくさんあった。
しかし昨日の一方的な別れ方の負い目があり、うまく言葉がでなかった。
「のう・・・・サジェス。」
ソニアがうつむいているサジェスをのぞき込むように話しかける。
「まだ、余とお前が出会った時の事、おぼえておるか?。」
ソニアはサジェスの目をまっすぐ見つめながら話し始める、、、、。
自分が舌足らずながらもまだ少年だったサジェスにした、たった一つの願い。
「いつまでも側にいてくれ、と・・・。」
さすがに恥ずかしかったのか、ソニアは後ろを向く。
「あの頃の『想い』とは少しちがう・・・でも、余は、今でも、いつも側にいてほしいと・・。」
サジェスは自分が情けなく思えた。
きっと今の言葉は『この女の子』にとって全てだったのだろう。
自分はただこの想いが重く、そして恐かったのだ。
「サジェス・・・・?。」
ふたたびソニアが振り返るとサジェスは大きく深呼吸をして目を見開く。
「ソニア様、再びこの地を踏むまで・・・貴方をお守りします。」
今のサジェスにはこの言葉が精いっぱいだった、しかし、ソニアは目を輝かせて大きくうなずいた、無言の了解、そこに全てのわだかまりが消えた二人の姿があった。
「ソニア様、たぶん騎士団を動かしているのは、父上です、ここからは立ち止まらず一気に国境まで駆け抜け、目指すはヒクノです。」
ソニアがその言葉に微笑む。
「なあに、さしものヴィドゥ伯爵とて、今の余をとめられぬ、ゆくぞサジェス、余の力見せてくれるっ!!。」
走り出す二人、これから走り続ける先に在る『運命』は二人にどの様な『結末』を見せるのか、、、、、、?