― 丁度その頃 ―
サジェス達が通るであろう国境近くに陣取る一団が二人を待ちかまえていた、その仮設の司令部らしきテントから二人の男の話声がする。
「国皇も、お人が悪い。」
立派な鎧に身を包んだ男性が微笑みながらそう言うと。
「二人んときぐれぇ『国皇』はやめようぜ、レス、だいたいお前こそ、やる気まんまんじゃねえか?鎧まで引っ張りだしてよ。」
その返答に『たしかに』といったそぶりをみせる」
「しかしディライト、『課題』としては少し厳しいのではないか?。」
レスは少し真面目な表情をする。
国皇ディライトが、ソニアに課した課題、、、、、。
それは『生きて皇国から抜け出す』といったことだった。
はたから見ればむちゃくちゃな課題である。
「ま、可愛い娘をくれてやるってんだ、このくれぇいいだろ?それによ・・・・。」
ディライトは言葉に少し間を置きあらぬ方向をみつめながら。
「この程度の事をクリアできねぇんじゃ、いつか『あいつらが背負ってるもの』につぶされちまわぁな。」
そういって立ち上がった。
「ヴィドゥ!!指揮はお前に任せる!!。」
その『命令』にレスは司令部を後にする、外には皇国聖騎士団千余名が乱れることなく整列している、レスは大きく息を吸い込んだ。
「よいかぁ!!これは訓練ではないっ!!敵はドラゴンクラス!!例えなにがあっても容赦するなぁ!!。」
その言葉に騎士達が戸惑わないわけがない『敵』が『誰』なのか知っているからだ。
「いいかっ!!われらヴィレオの仔、けっして、不名誉な敗北だけはしてはならぬ!!。」
異様な不陰気のなか、むりやり士気が上がっていく。
「はりきりすぎじゃねえのか?。」
ディライトは少し後悔をした。
「たのむぜ、サジェス・・・まじで・・・。」