英雄候補!

ライルはアナに一瞥くれると視線をレイオウにむける。

「エンノイアに見入られたか、レイオウ、一族の恥曝しが。」

レイオウはその言葉を受け流し、冷静に答える。

「『血』で人を見る貴殿よりは・・・・誇りを持ち生きているつもりだが・・・。」

レイオウの、その言葉にライルの表情が険しくなる。

「ヒクノ王家が皇国に弓を引いたこと、ヴィドゥの人間が黙認するかっ!!レイオウ。」

レイオウはため息をつき、口を開く。

「アナ殿は、その闘いを終わらせた『竜破・ツキヤ殿』の紹介でここへ来たこと、貴殿も知っていよう?。」

ライルは軽蔑の笑いを浮かる、取り巻きたちも笑い出す。

「闘いを終わらせただと?本気か貴様。」

ライルはまたアナを一瞥した後。

「闘いを終わらせたのは、皇国の百万の騎士、個人の力など戦にどれほどの影響を与えられるものか、あの三人とて、所詮偶像にすぎん!。」

「てめぇ・・・ライル!!。」

アナが飛びかかろうとするのをレイオウが制止する。

「一族の誇り、サジェス殿を含めた上での・・・話か?。」

レイオウの瞳に炎が灯る。

「しょせんサジェス殿とて、祭り上げられたに過ぎぬ、ソニア様のお気に入りだしなあ、ツキヤ、エステルとて、サジェス殿の学友でなければ、時に埋もれていく名もなき騎士にすぎぬ。」

レイオウの怒りが限界に達した、アナも止めるきは無いらしい、その時、今度は、先ほどの新騎生が二人に割ってはいる。

「先輩、ここは私に任せてはもらえませんか?。」

いきなりの申し出にレイオウが呆気にとられた、アナはあわてて止めようとする。

「おい!あいつはヤな野郎だが、腕は立つ、それに、ここまできたら、これはレイオウの戦だ。」

アナのことばをフードの中からのぞき込むようにして聞く新騎生、しばし考えた後、首を横に振り。

「無関係では・・・無いです。」

そしてライルに向かい、背中に差している剣に手をかけた。

「貴様・・・後悔させてやる・・・くらえっ!!」

ライルのかざした手から、先ほどの『威嚇』の光弾とはケタちがいの威力のそれが放たれた、先ほどのようにアナも間に合わないタイミングで新騎生に向かっていく、しかし、新騎生は光弾に臆すること無くつぶやく。

「・・・・切れるっ!。」

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