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表情に引き込まれた映画

●OZさん
●北京好日(ニン・イン監督、1993年中国/香港)

 北京へ行って京劇を観たい、と考えるようになったきっかけがこの映画だ。

 「北京好日」は、京劇を趣味としている北京の老人たちの物語だ。老人たちが京劇サークルを作り、コンクールに向けて練習をしていく。その中で人間関係のごたごたなんかもある。
 この映画で圧巻なのは、京劇の舞台で役者の顔がスクリーンいっぱいに広がるシーンだ。表情とその変化の細かいところまでがよく分かる。そして、なんといっても迫力がある。力強く、しなやかな動きだ。
 京劇といえば、レスリー・チャン(張國栄)主演の「さらば我が愛」(原題「覇王別姫」)の演技もすばらしいが、私は「北京好日」のほうを先に観たこともあり、“京劇の映画”としての印象はこちらのほうが強い。
 この作品を観て、ぼくは京劇を実際に観てみたい、と考えるようになった。北京へ旅行する機会はなかなかなかったが、昨年やっと行くことができ、外国人向けの上演ではあったがじかに舞台を観ることができた。
 でも、舞台の役者の顔をアップで見ることはむずかしい。迫力ある表情は、映画ならではの「強み」なのだと実感した。


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