1977 750SS ヘッド分解 5
内撚機やさんから ヘッドとシリンダーの加工が上がってきたので見せてもらいました

右側の写真が加工後 左側が外した状態です
バルブガイド

四本ともに リン青銅製で製作 ステムシールはキャップ式が使用できる形状に 
加工してある
オイルレスでバルブを挿入すると ガラスの注射器のようなすべり具合を感じます

内部も洗浄されていて タペットカバー取り付け面にもオイルストーンが
当てられている  後日のオイルにじみを考えれば当然の作業であるが
見習わなければならない作業です 

バルブステムの先端も 平面性を重視する為に 軽く面が当てられています
ホリゾン シリンダー

腐食のような跡があり状態は良くなかったのですが
やはり ライナー製作打ち換えになりました

まったく同形状に作れるものですね 新品のライナーのホーニングは美しいです
バーチカル シリンダー
ツルツルに磨耗して ピストンスカートの当たり跡も激しく残っていましたが 
こちらはライナーの入れ替えをせずに修復できました

消耗したスリーブの再生は 現在可能な技術だそうです
当然 スリーブ製作 打ち換え作業よりコストは低くなります
通常のducaショップでは 内撚機やさんへの下請け作業です 
ユーザーに負担を掛けてスリーブ製作したほうが 単価が下がらないわけで 
この再生技術には興味が無いようですね
バーチカル ヘッド

バルブシートもリン青銅で製作 ピカピカに光っています

シートの位置はバルブガイドの中心と カムに制約されたロッカーアームの位置で
決められてしまいます
デスモ機構はシム調整範囲がせまく その中で微調整の可能な位置にバルブステムヘッドを
収めなければなりません 
削られて 新たに挿入されたリン青銅製のリングを削りながら 適切な位置に
バルブを収められるかが 内撚機屋さんの腕の見せ所です

右の図はバルブシートの断面図です 
シートはバルブ当たり面と 燃焼室 ポートを繋ぐ三つの面に切られています
赤のライン内がバルブの当たり面です 当たり幅は当然直線になっていますが
最近燃焼室とバルブ当たり面を繋ぐ面に Rを付けるのが基本となっているようです
同然 今回の加工もR面で切られています
このRによって 混合気をスムーズに吸入できるようにする訳です
ホリゾン ヘッド

分解時はカーボンで覆われていて 表面確認できませんでしたが
すこし荒れきみです

この時代のアルミは現在のDUCAエンジンのアルミと成分が違うと言う話もあります
デリケートなように感じます
バルブ

バルブフェイス(光っている面)の中で つや消しの面が当たり面です
右写真が ベタ当たりしていたのが良く分かります


加工済みヘッドを見て
ベベルのボートにほとんど角度が付いていないのが解りました
バルブ挟み角が広い 問題もあるでしょうが 
ほぼ平行に入ってきてバルブ付近で急に曲がっていますし バルブに比べてボードが
狭い気がします 
欲を言えば バルブ当たり面をバルブフェイスの端に寄せて ボートを拡大できそうです
バルブの小さい400乗りの 貧乏な発想でしょうか?


ベベル分解記はとりあえず お終いです
これで解ったなどとは思いませんが かいま見ることは出来ました
この勉強の機会を与えてくれた リバーズの古川さんと オーナーのR君に感謝しています

その後

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