1977 750SS ヘッド分解
ベベルエンジンOH記録もお終かと思われましたが リバーズ古川氏のご好意により
内撚機屋さんで加工されて帰ってきた後のヘッド組み込み作業も 
見せていただくことができました 続編とさせていただきます
痛んでいた燃焼室に ペーパーが掛けられて綺麗になっています
新造されたシートリングとポート間に 段差が確認できるでしょうか?
古いガイドを削りだして 新しいリン青銅製のリングを圧入するだけなのに
何故 段差ができるのでしょうか?

ビッグバルブにしたのではありません
(バルブガイドに穴が無いのは 切子が入るのを嫌って塞いであります)

バルブガイドの素材は リン青銅ではなく 「SUH31」 
ベリリウム銅でもなく 「SUH31」だそうです
「SUH31」を調べてみましたが   オーステナイト系 1150℃以下の耐酸化用、
ガソリン及びディーゼルエンジン用排気弁と あり バルブシートに使用例は
見つけられませんでしたが このバルブ素材をバルブガイドに使っているそうです

「SUH31バルブシートは バルブと同素材系の為に馴染みが良く 非常に硬い為に 
デスモドロミックが嫌がる バルブ当たり面の打ち込みよるバルブ位置の移動を
最小限に抑えられるが 硬いため加工に注意を要する」と言う話でした
 
またまた出ました 難図解
バルブシート部分を垂直にカットした図です


バルブシートの切削 製作入れ替え シートカット セット長合わせ シート内取り
などの加工は バルブセンターが基準となり加工されます

ベベルはブルブ挟み角が広いために ボートが水平に寝ています

オリジナルのバルブ当たり面から ボートに繋がる面は バルブセンターとは関係なく
当たり面のすぐ下から角度が付けられて削られています
そこに バルブセンターを基準として加工された バルブシートが削り出されると
赤い線で表された面が 段差となり現れてしまいます

この二箇所の段差 燃焼室中心側のポートの段差と スッキッシュ側のバルブシートの
段差を削ってやらなければなりません
ポートとバルブシートの段差修正中    
マニホールドとポート入り口の位置大きさあわせ
ヘッドに供給されるオイルは カムホルダーからカムの内部を通り 
ロッカーアームとの接地面に散布される 振り撒かれたオイルが落ちてきて
クランクケースに戻る通路が バルブガイドの横の穴です
エンジンを止めるとオイルはクランクケースにもどるはずですが
このトンネルの入り口の高さが バルブシールの位置より高い位置にあり
ヘッドが傾いて装着されることも含めて バルブシールがエンシンオイルに
常に漬かってしまいまい 劣化を早めてしまいます

写真はエンジンオイルを一滴でも多くヘッドから落とし バルブシールを守ろうと
トンネルの入り口を低く加工した物です

ゴムのバルブシールが エンジンオイルや含まれる添加剤によって
ふやけることはご存知だと思います 

劣化を遅らせるように 溝を彫る 運河
私は 古川氏の所で初めて知りました  DUCAへの「思いやり」です
締めロッカーアームが並んでいます ロッカーアームの変遷です
一番ボリュームの有る物が 750SSで 900SS  銅メッキの掛かっているのが
レプリカだったかな?

もともと750SSのバルブシールは バルブガイドの中にOリングが仕込まれた物で
ヘッド内部への突き出しが小さい物ですが 今回キャップ式のオイルシールに
変更したために しめシムの当たり面の反対側を加工する必要があります
締めロッカーアームのセンター出しが終りました
クランクケースとシリンダーとの装着面のガスケットを剥がしたら
クランクケースの合わせ面に段差があり 
ガスケットを二枚重ねることでごまかされいたそうです
750SS ベベルデスモ分解記録  続編2は 多分有ります

もどる  << 注意 >>  此処に書かれている事は保証をするものでは有りませんので、 作業をする場合は個人の責任で行って下さい。  また、安全には十分に気を付けて下さいね