ミロはカミュの後ろで寝ていた。小鳥のさえずりに目を覚ました。
「・・・カミュ、また好きになってしまったよ」
耳元で囁いた。カミュに聞こえていないことなど分かっていた。
でも、やっぱり、聞いてほしかった。
気付いてほしいと思いながら、うなじに口付けた。
ぴくっとカミュの体が動く。それを見たミロはうれしそうに腰に回している腕をきつくした。
カミュがそれに応えるようにミロの腕を触った。
「なんだ、起きてたのか?」
返事がない。
「答えろよ」
くすくすと笑い声が聞こえて来た。カミュが笑うなんて珍しい。
うれしくて、つい本音が出た。
「今日、このままずっとここにいてくれないか?」
カミュは答えなかった。
代わりにミロの腕をぎゅっと握った。
少し、考えていた反応と違っていた。いつもなら、拒否される・・・。
いつもと違う・・・。
少し寂しかった。
ミロはカミュを引き寄せると目を閉じた。
耳のうしろのにおい・・・。二人は心地よい眠りに落ちていった。
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