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ミロはカミュの纏っていた服を、下半身だけ剥ぎ取った。 「何するッ」 すかさず、ミロは中指を突き立て、ぐいぐいと押してきた。 「ッ痛いっ!!」 完治していない直腸にその刺激は強過ぎた。腫れぼったい内壁がさらに圧迫感を感じさせる。ミロはそれを知りながら内壁を擦り上げた。 「うあ・・・」 カミュのつま先に力が入る。震えていた。 「指一本で痛がってどうするんだ、最終的には」 指を回す。 「客のが入るようになるんだぜ」 指を二本にした。 「いたい・・・」 「水夫のは入ったんだ、我慢しろ」 ミロはしつこく指を動かしていた。カミュはだんだん気分が悪くなってきた。 「吐きそうだ、やめてくれ」 「広げてやってるのに、つべこべ言うな」 「本当に吐きそうなんだ!!」 「しょうがないな」 水夫たちの洗礼が強過ぎて、体が鈍くなっていた。 「指じゃ満足できないか、それじゃあ、裂傷は避けられないぞ」 そう言うと、ミロは手早く昂った己を出すと、カミュに見せた。カミュは顔を背けている。反り立ったそれとミロの平然とした顔は、完全に自分をコントロールできていることの現れだ。 厄介な奴に引っ掛かったと思った時は、すでに遅かった。 突然、ベッドの上に乗ったミロはカミュの腰を強靱な力で掴み上げると、自身を突いてきた。 「っあぁ・・・止めろ!!」 ミロは何度も抜き差しをしながら、カミュに苦渋の声を挙げさせる。その度に、手足に纏わりつくベルトが皮を擦りむかせた。 「これなら刺激的だろう?」 カミュの腫れているそこはミロを受け入れきれずに裂けてしまった。 「痛いッ」 「そりゃそうだ」 「違うッ、ベルトが、痛い、んだッ」 カミュの手足からは血が滲み出ていた。だが、ミロはそれを聞き入れず、攻撃の手を休めはしなかった。 「痛い・・・」 カミュ自身もどちらが痛いのか分からなくなっていた。目には涙が浮かんでいた。 「泣くなよ」 ミロは痛がるカミュから離れると、ベッドから降りて何かを取りに行った。解放されたカミュはぐったりと首を項垂れていた。 ミロはカートを引きながら戻ってきた。ボードにはガラス瓶が2、3個乗せてある。 「何だと思う?」 嫌な予感がした。 「航海に出ると、いろんなものが集まるんだ」 ミロは説明を続ける。カミュは鈍った集中力を掻き集めてミロの話を聞いていた。 「特に、異文化には素晴らしいとしか言いようがないものもある」 慣れた手付きで蓋を開け、中身を取った。植物の根だった。 「裂傷が治まるまでこれを使う」 ミロは手に持っていた根を何本もカミュに無理矢理銜えさた。 「ッ痛・・・!やめろ!!」 「痛いのは今だけだ。すぐに慣れる」 そして何もなかったかのように服を着せた。 カミュは腹部にじわじわと響いてくる圧迫感を感じながら、少ししか動かない手足を捩って楽な体勢を見付けようとした。 「無駄だな。明日はもっと動くことになるぞ。今は大人しくしておく方が賢明だな」 「なんで・・・だッ」 カミュは苦しそうに言葉を継いだ。 「昔、南国で戦いに負けた国の姫に、服従を誓わせるのに使ったものだ。そのうちどろどろに溶けて強烈な催淫効果がお前を襲う」 「何だと」 「悶え苦しむ姿を想像するだけで、トランスできるぜ」 プライベートルームにミロの高笑いがこだましていた。 |