DEVOUR GAME





カミュは引き摺られて、ロープに手を突っ込むのが精一杯だった。
着いた先は汗臭い水夫たちの部屋。ほとんどが出払っているらしく、部屋には4、5人が残っていた。
二人の男に手荒に引き摺られ、転げながら階段を降りた。
部屋に着くなり投げ飛ばされ、壁で体を打った。

「この時化で何をしていた?」
「俺たちもな、これが商売なんだ。悪く思うなよ」
そう言うと、一人の男が金目のものを物色し始めた。
ボディチェックでズボンのポケットの硬いものに気付いた。
「なんだ、これは」
ポケットからもぎ取ったそれは、カギだった。
「おい、これ」
「倉庫のカギじゃねえか、1時間ぐらい前にビルが持ってったぜ」
「お前、あいつをどうした!?」
「行って調べろ!!」
一人の水夫が部屋を飛び出していった。
「お前、まさか」
残った水夫は黙っているカミュを睨み始めた。



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2000.5.27
月下