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12/31  小牧では、朝から雪が降りました。まるで今年最後のカーテン
       コールのようで。この雪の白のように、今年最後の日でもいつで
       も、真新しい一日。
        植木屋さんをしていると、基本的にはどんな木も、古い葉っぱ
       を落として、新しい芽を残します。だからお手入れをした後の木は
       年をとるというよりも、新しい生命に生まれ変わったようです。木
       を見ていると、木の中でも毎日のように「死」と「再生」を繰り返し
       ているのがよく分かります。
        ドン・カ・ジョンは今年一年も、たくさんの人に可愛がってもらい
       まして、心からの感謝です。来年も、みなさんのやわらかい新芽が
       空に伸び、きれいな花を咲かせますように。どうぞよいお年を。



12/30  Tシャツなどのデザインをしてらっしゃるお友達のマサルさんが、
       動く画像を作ってくれたので、バナーとトップページに使わさせて
       頂きました。マサルさん、ありがとー。



12/29  最近少し眼が疲れるので、ビワの葉っぱを採ってきて、ビワの葉
       パスターなんて作ったりしています。
        医者いらずの木として、3000年も昔からビワの葉療法があるそ
       うですが、どうして家の庭に植えてはいけないなんて迷信があるん
       でしょ。薬草の本によると、効く薬を置いとくと、逆にその病気が寄
       ってくるから、みたいに書いてあったけど、理屈が通ってそうで通っ
       てない。病人のうなり声を聞いて育つ、なんても言われるそうですが
       それもビワに悪い気がするなあ。奈良時代から、ビワの葉治療は
       行われていて、全国のお寺さんに植えられたそうだから、うなり声の
       話もおそらく近代に入ってからのことだろな。例えば、うなぎ屋さんが
       一番うなぎの味が落ちる夏に、「土用の丑(どようのうし)にはうなぎ
       を食べようキャンペーン」を始めたように、「ビワの木うなり声説」も、
       誰かが考えたんでしょうか。
        ビワの木もアロエみたいに、みんなの生活の中にうまく入ったら
       いいのになあ、と思います。



12/28  CDレビュー。
       チャーリー・パーカーの「バード&ディズ」を聴きました。
       このアルバムはパーカー名義ですが、ディジー・ガレスピー、
       セロニアス・モンクというビ・バップ時代3人の役者が揃った作品
       でもあって、以外にも3人が一緒に録音するというのは、これが
       最初で最後だそうです。特にモンクファンの僕には、パーカーとモ
       ンクが一緒の空間にいるってだけで、ワクワクしちゃいます。
       内容は、タイトル通りパーカーとディジー・ガレスピーのラッパ吹き
       あい合戦ですが、それでもところどころに顔を出すモンクのピアノ。
       ひたすらクールに吹きまくる2人に対して、ピアノソロになったとた
       ん、へんてこで奇妙な世界に塗り替えちゃう。やっぱりモンクはえ
       らいなあ。パーカーの前でもこびない。というより、自分流でしかで
       きないんだろな。それでも、軽くセッションを決めちゃうモンクでした。
        余談ですが、この記念すべき録音日は、僕が生まれた日のちょ
       うど20年前の僕の誕生日でした。うれし。



12/27  先日TVで、いけばな作家の中川幸夫さんのことをやっていま
       した。かっこいいなあ。以前より随分お歳になったようにみえた
       中川さん。86歳。彼もアルツハイマーを患っているそうです。
       いけばなといっても中川さんの場合、前衛的で挑戦的。番組の
       中で、ある花を見て「若くない。」って言ってた。そう、中川さんの
       作品は、まるで産まれたての子供が泣き叫ぶよう。「僕の人生、
       実はこれからなんです。」って言う86歳。僕も86歳になったとき
       そんなふうにスタート地点に立っていられるかな。産まれたての
       子供のように、真新しい自分でいられるかな。



12/26  今日は、神奈川県藤野から、横山茂さんが名古屋にいらっしゃ
       るというので、お友達の花屋さんで花束を買って行ってきました。
       78歳。アルツハイマーはまだ進行しており、隣で奥さんが寄り
       添いながらの演奏でした。劇団わらび座を作ったお人でもある
       ので、劇団関係者の方も大勢いらっしゃっていました。
        僕は1曲目から、ジーンとしちゃって涙でした。まるで横山さん
       の声がやわらかい腕となって、僕の中に入ってきたようで。
       横山さんのように、何かを表現するとき、その人のお人柄や人生
       がにじみ出てくるって素敵やなあ。



12/25  「あたたかい雪が降る」
       と言っても、愛知県で雪が降ったわけではありません。今日
       届いた小包を開けてみると、陶芸作家・きもとさちこさんから
       以前いただいた作品が届きました。このオブジェには、きもと
       さんがつけた素敵なタイトルがあったんですが、見当たらず、
       僕も忘れちゃいました。でも作品を観て、僕の中でタイトルが
       浮かびました。「あたたかい雪が降る」。勝手にそんな題名に
       して眺めています。透明であたたかい雪が、僕の部屋にも降
       りました。



12/24  下のんは、先日行われたイベント「ドン・カ・ジョンがシャン
       ソンに出会う場所」の演奏会冒頭に朗読した「詩のようなも
       の」です。HAPPY CHRISTMASを。


       あるところに仲むつまじい男と女がおりました
       2人は毎晩、お月様を見ながらお話をするのが好きでした
       ときには歌を歌いながら ときには詩を読みながら
       お月様も、そんな2人の声を聴くのが大好きでした

       あるクリスマスの夜 2人はいつものように
       お月様を見ながらお話をしていました
       お月様もいつものように2人の声にうっとりしていました
       そして男が「今日はクリスマスだから、君が欲しいものを
       何でもあげるよ」と言いました
       すると女が「それじゃあ ずっと欲しかったあのお月様を
       私に獲ってくださいな」と言いました
        「*?#*!!」
       お月様はあわてて逃げたのか 男に獲られてしまったのか
       それは分かりませんが その晩からクリスマスの夜には
       お月様が出なくなった、ということです




12/23  今日は焚き火にあたりながら、その中におイモさんを入れまし
       た。冬は遅れてやって来て、僕の隣であたたかいおイモさんを
       ほおばっていました。
        最近は、よく歌が降りてきます。うん、この表現がぴったり。
       昨日も、2曲作りました。いい歌っていうのは、シンプルなメロデ
       ィと詩で、たくさんのことを表現するものだと僕は思うのですが、
       降りてくる歌ってのは直感的にできるので、そんな感じに近い
       んです。また機会があったら聴いてやってくださいね。冬にでき
       た新曲たち。



12/22  今年の2月に引き続き来年も、大阪の富田幼稚園で演奏会さ
       せていただくことになりました。こんなふうに少しでも継続してお
       誘いしてもらえるのはほんとーに、うれしいな。楽しみ。と言いつ
       つ、前回よりも少しでもいい演奏会にすることが僕の願いなので
       これから、構成考えます。なにせ、前回はすごい熱気の演奏会
       だったので、来年もあの熱気に負けないようにしないとね。子供
       たちの気持ちが宇宙まで飛んでいくように。飛べ!富田幼稚園



12/20  今日、喫茶店に入って冷たい紅茶をいただきました。12月は
       どこへいったんだろ。あたたかい。それでも、明日からは少し
       寒くなるみたいですね。どうぞお気をつけ下さい。
        A−space newnewの青山さんから、グループ展のお誘い
       をいただいたので、やってみようかなと思っています。
       「My favorite books」展といって、好きな本の装丁を自分が
       デザインするなら、という企画です。このお話をいただいて、最
       初に装丁してみたいなと思った本は、稲垣足穂の「一千一秒
       物語」。あまりにドン・カ・ジョンっぽすぎてヒネリがないかな、と
       も思うのですが、ファーストインプレッションも大事やもんね。
       どうなることでしょう。展覧会は、来年の2月11日〜27日だそ
       うです。みなさんでしたら、どんな本にします?



12/19  今、植木屋さんしているところは、大きな道路ができるので、
       立ち退きをしなければならないお家の庭木の移植。ご主人の
       お話では、「せっかく長い間、一緒に生きてきた木を倒すのが
       かわいそう、と女房も涙をポロポロ流すんです。」って。
        木を「もの」として考えている道路を作る人たちと、木を一緒
       に共存してきた「生きもの」と考える人とでは、あまりにも隔た
       りが大きいように思います。変な言い方だけど、会話するにも
       共通の標準語が見つからないんじゃないかなあ。このご夫妻
       のように、「生きもの」をいつも感じていられる人は、きっと自分
       が「生きる」ということにも謙虚な人だと思いました。



12/17  踊れ 宮川村!
       台風災害で中止になったドン・カ・ジョンのワークショップとライ
       ブの企画がもう一度できることになり、その詳細が決まりました
       のでUPしました。こんなに早く実現できるのも、大杉谷自然学
       校のスタッフの方、それから村を復興させようというたくさんの
       人々の思いが詰まっているからだと思います。
       自然は圧倒的な大きさで村を飲み込んでしまったけど、今この
       瞬間にも、土の中、川の中で新しい何かがまたはじまっている。
       そんな「何度でもはじまる」イメージを表現できたらいいなあ、と
       思っています。毎日が小さな誕生日、そんな祝祭的な「踊れ宮川
       村!」なのです。
        イベントは、ライブ、ワークショップ材料費、ランチ、それからな
       んと温泉入浴までついてます。そう思うと、すごく安い。これもほ
       んと宮川村のみなさんの思いを感じます。会場のフォレストピア
       はとっても素敵な所で、宿泊施設もあります。もしご都合が合い
       ましたら、のんびり温泉旅行なんていいです。



12/16  今日はいろんな人からいろんなお便りが、ドバッとあった日。
       こんな日もあるんだなあ。
        その中で帽子作家の村岡亨子さんからの郵便もあって、開け
       てみると、新しい帽子でした。わあ、なんてフラワー。僕がステ
       ージでよくかぶっている帽子は、てっぺんに花が咲いているも
       のですが、今回のんは「花をそのままかぶる」とでも言いましょ
       うか。犬のプクちゃんの帽子として写真集にも載っていたもの
       で、その色違いです。フラワー。今度のステージでかぶりましょ
       う。
        僕の部屋は、だんだん帽子屋さんみたいになってきました。



12/15  今日は仕事先にキンカンがなっていたので、いただいて
       お風呂に入れました。はあ、いい匂い。思わずひとつ食べ
       ちゃいました。甘かった。
        昨日の新聞に載っていたこと。自閉症の障害を持つ人類
       学者ドーン・プリンスヒューズさんという人のお話です。
       「私は小さい頃から、チョウの呼吸を感じ、天の回転を感じ
       た。世界は刺激的過ぎて、圧倒されてしまう・・・・。」
       この感じ、なんだか分かるなあ。こういう人に出会うと、病的
       なのは彼女でなくて、世界の方に見えてしまいます。僕らが
       普通と思っている世界って、実はとってもおかしくて、幻の
       ようなものだと僕も思うときがあるから。彼女のことをよく分
       かっているわけでないけれど、こんな人にも居心地のいい
       場所がある世界だといいなあ。
        家出、薬、ホームレスを経験し、動物園でゴリラに出会っ
       てからは、ゴリラとだけ心を開くようになり、今では類人猿と
       会話する研究をしているそうです。彼女の自伝「ゴリラの国
       の歌」がもうすぐ翻訳されるそうで、読んでみたいな。映画
       にもなるそうです。



12/13  今夜は犬のモーツアルトと一緒に流れ星を見ていました。
       キーンとした風が頬にあたって、冬の空を見上げているだ
       けでも、いい夜。5つの流れ星を見つけました。双子座流星
       群というらしいです。明日も見えるかな。



12/12  僕は小さい頃から文系人間なので、理数系の頭がうまく働
       きません。数学なんて、答えがひとつしかないと思うだけで
       不安になるくらい。それでも、コーヒーをスプーンで混ぜると
       き、右回りにするとおいしいらしいとか、えんどう豆の蔦を左
       巻きに育てるより右巻きに育てた方が、3倍たくさん収穫で
       きるとか。(本当かどうか分かりませんが、いずれも地球の
       自転と関係するらしいです)そんな「おまじない」みたいな科
       学が、なんかいいなあって思います。
        以前、ラジオの子供相談室みたいな番組で、子供が「どう
       して植物は緑色なんですか?」って聞いたとき、理科の先生
       が「それは決まっているから」みたいに答えたとき、がっか
       りだったなあ。この子供は、「神様の秘密」みたいな次元に
       いる。きっと科学も数学も「神様の秘密」までいけば、最高
       楽しい。



12/10  先月予定していた三重県・宮川村でのワークショップ「自然
       を僕らの絵本にしよう」は、皮肉にも台風災害という自然の
       猛威によって中止となりました。そんな時期に僕が関わって
       しかも自然をテーマに企画してただけに、残念ではあったけ
       れど、逆に大事なご縁をいただいたようにも思っています。
       それで、僕にしかできないことで何かお手伝いできたら、と
       思っていたところに、もう一度ワークショップと演奏会のお話
       をいただきました。こんなに早く村を元気づけようというイベ
       ントが企画できるなんて、すごくうれしい。そこで思いついた
       のは「踊れ 宮川村」というイメージ。絵も音楽もワークショッ
       プも全部躍らせたい。そんなイメージで今、企画しなおして
       います。詳しいことが決まりしだいUPしますね。日時は2月
       27日(日)。すばらしい宿泊施設(温泉つき)もありますので
       是非遊びにいらしてください。
       自然災害ではあったけど、やっぱり僕らが帰るところは自然
       であって、自然に浄化され、再生されていくしかないんだって
       僕はどこかで信じています。「踊れ 宮川村」。



12/9   大阪の茨木養護学校と淀川キリスト教病院で演奏させてい
       ただくことになりました。こんなお誘いは、とってもうれしい。
       キリスト教病院には、重い症状の子供たちがいるとのことで
       す。僕は、神様っていうのは、自分の外にあるもんじゃなくて
       誰の中にも潜んでいるもんだと、勝手に思っているのですが
       子供たちに出会うと、それがなんとなく分かる。
        早く会いたいな、たくさんの子供たち。早く会いたいな、たく
       さんの神様たち。とびっきりの演奏会にします。



12/8   僕の家では、ずっとシェパード犬を何代か飼っています。
       もう僕が小さい頃から。一度飼うと愛着が湧くからでしょうか。
       それで、初めて家に来たシェパードの名前は、ジョンでした。
       ありきたり。ジョン・レノンが好きやったから。懐かしいなあ。
       チャップリンが好きやった頃は、チャーリーだったし、今では
       モーツアルトになってる。有名人が多いなあ。
        今日は、たしかジョン・レノンの命日。ジョンは雲の上でジョ
       ン・レノンに出会ったかなあ。



12/6   「センブリ」
       野草のセンブリがあったので、煎じて目薬にしました。これが
       スーパー苦い。苦いって、鼻から伝って口に落ちてくるから。
        僕の持っている薬草の本によると、センブリは何回振り出
       しても苦いことから「千振」と名づけられたそうです。なんと50
       万倍に薄めても、なお苦いそう。苦い薬草選手の代表みた
       いなもんです。こんなに苦いのんさして、眼は苦くないんだろ
       か。



12/5    「ダイナ」
        昭和初期のジャズで、たくさんの人が唄ったり演奏したり
        しています。「上海バンスキング」で吉田日出子さんが唄
        った「ダイナ」もよかったし、エノケンが唄った「だんな〜
        おごってちょうだいな〜 飲ませてちょうだいな〜」の訳詞
        なんて最高やったなあ。意外なところでは、セロニアス・
        モンクもアルバム「ソロ・モンク」の1曲目に演奏してた。
        モンクのたくさんの演奏の中で、あんなに陽気で明るい
        演奏は聴いたことないくらい、子供が遊んでいるような演奏
        やったなあ。
         僕だったら、どうんなふうに唄おう。定番な歌ほど演奏
        する人の個性が必要かもしれませんね。



12/4    今日は雨が降ってくる前に、犬のモーツァルトと一緒に
        柿ちぎり大会です。子供のほっぺのような色をした柿が、
        ダンボールに4箱くらいとれました。砂糖をかけたように
        甘い柿。木の上でかぶりついていると、秋の一番てっぺん
        にいるような気分になりました。これからどんどん冬にな
        っていくんだなあ。



12/2    ビデオにとったままだった「もののけ姫」を観ました。あの
        映画、いいねえ。見入っちゃいました。
         僕は、なにかものの本質を表現するとき、そのものを抽象
        化することって大事じゃないかなって思うのですが。この映
        画の場合まったく逆で、自然の霊性のような抽象的なもの
        を、手足をつけたりして具体化していく作業をしてる。すご
        いパワーやなあ。神話を創造するのに似てる。



12/1    木の上で。
        木の上に一日いると、木のことばかり考えているわけでなく
        自然に体が動くので、頭では他のこと考えたりします。よく
        作曲もします。こないだ作った「ポポトロハイナーゼ」もそう
        だったし。今日も1曲なんとなくできました。家で机に向かっ
        て作るよりも木の上のほうが、なんだかいいのんができる
        ような気もします。自然の中にいると、創作の神様が降りて
        来やすいんでしょうか。
         今日の仕事先には小さな女の子がいて、「マツボックリあ
        ったら、とっといてね。」とご注文を受けていたので、縁側に
        マツボックリを置いて帰ってきました。もう12月だなあ。



11/30   先日の岡本光平さんとのジョイントコンサートには、いつも
        ステージ用の帽子を作ってくれている帽子作家の村岡亨子
        さんも観に来ていただきました。久しぶりにお会いできて
        うれしかったな。それで、またもうひとつ新しい帽子を作って
        もらうことになりました。どんな帽子になるかは、どーぞお楽
        しみに。
         不思議なつながりですが、春に村岡さんの写真集の出版
        記念ライブをしたとき、岡本さんご夫妻も観に来てただきま
        した。それで、岡本さんも写真集をお買い上げになって村
        岡さんにサインしてもらったそうです。後から分かったんで
        すが、そのサインが村岡さんが生まれて初めて書いたサイ
        ンだったそうです。なんだか、うれしいつながり。



11/28    「ポポトロハイナーゼ」
        岡本光平さんから、本当にたくさんのシャンソンを教えて
        いただきました。その中にLIVEでは唄わなかったのですが
        年老いたピエロが、若い女の子を勇気づけていく唄があっ
        て、まるでチャップリンの「ライムライト」のようでした。それ
        で、そのお話(曲)からイメージを膨らまして、僕も1曲作っ
        てみました。岡本さんが唄ってくれたらいいなあ、なんて思
        いながら。「ポポトロハイナーゼ」。おまじないの唄です。
         シャンソンのほうは、人間のピエロが勇気づけていくお話
        ですが、僕のんは無意識の中に住んでいるピエロで、彼女
        が悲しんでいるとき、夢の中でそっと支えていくというお話
        です。
         人は、1日8時間ぐらい眠るとしたら、人生の3分の1は
        無意識の中に住んでいるんですよね。神様がそうしたのは
        きっと無意識の中にも現実と同じくらいの世界があるんじゃ
        ないかと思います。そんな無意識の中に住むピエロと、
        現実の彼女との恋を描いてみたかったのです。なぜかタン
        ゴですが、僕もいつか唄ってみたいと思っているので、また
        聴いてやってください。



11/27   旅から帰ると、小包がひとつ届いていました。僕の大好き
        な人、絵本作家の西村繁男さんから。新しく出版された絵
        本「雪むかえの村」でした。実はこの本を送っていただいた
        同じ日、僕も大阪のある本屋さんでこの本を見つけて、立ち
        読みしていました。
         1年くらい前に西村さんのお宅に遊びに行ったとき、この
        絵本のラフスケッチを見せてもらいました。それが、きれい
        に装丁されて、遠い街の本屋さんで偶然出会うと、絵に命
        が吹きこまれて、世の中に生まれ出てきたみたいで、すご
        くうれしかった。1年前も思ったんですが、おばあちゃんが
        空を飛ぶシーンがあって、すごく好きな絵です。いつか原
        画展があったら、観てみたいな。
         「雪むかえの村」は西村さんの文章ではありませんが、
        1年前にもうひとつ見せてもらったラフスケッチがあって、
        それは文章も西村さんで、独特のナンセンスが詰まってい
        ました。来年、福音館より出版されるそうです。また新しい
        命が生み落とされるの、楽しみだな。



11/26   been to KOBE。
        24日は神戸に足を伸ばしました。お昼は南京町にある
        「ロクツボヤ」さんで。フォーランチ、おいしかったあ。
        フォーとは、ベトナムのきしめんみたいなもの。とっても
        おすすめ。神戸には僕の恩人が何人かいて、「ロクツボ
        ヤ」さんにはその中のおひとり、「たまちゃん(玉川さん)
        」がいらっしゃいます。いつもはお店に出てらっしゃらな
        いんだけど、この日はたまたまお会いできて胸いっぱい
        でした。
         それから、ギャラリーVIEさんへ。今は沢野ひとしさん
        の展覧会やって、よかったなあ。エッチングなんてすごく
        いい。これまたおすすめです。
         それから、陶芸家・きもとさちこさんの展覧会を観に
        ナフシャさんへ。きもとさんの作品はすぐ売れてしまうの
        で早く行かないとね。今回も素敵なカップとオブジェをい
        ただきました。この冬は、このカップでホットミルクを飲も
        う。もちろん、おすすめの展覧会です。



11/25   「ドン・カ・ジョンがシャンソンに出会った場所」
        23日は、本当にたくさんのご来場ありがとうございました。
        敬愛するシャンソン歌手・岡本光平さんとのジョイントコン
        サート、無事終わりました。岡本さんとご一緒に4曲もシャ
        ンソンを歌わせてもらって、幸せでした。シャンソンといって
        もかわいい曲ばかりで、親しみやすかったなあ。
         それから、ドン・カ・ジョンのステージでは、なんといって
        も新曲「ら行のミュゼット」。フランスの古いミュゼットに歌
        詞を勝手につけたものですが。実はリハーサルでしたとき
        あまりの難しさに、「本番はやめにしよう。」となったのです
        が、岡本さんのバックでピアノを弾いていた深見真理子さ
        んがご一緒してくれるということもあり、急遽3人でチャレ
        ンジすることになりました。もう、いちかばちかで。そしたら
        すごくウケて、自分でもノリノリで歌っちゃいました。いろん
        な意味でこの曲は新しい試みだったので、忘れられない
        演奏となりました。よかった、よかった。
         ドン・カ・ジョンは、今年の演奏は終了しました。後半は
        荒井良二さんや岡本光平さんとジョイントさせてもらったり
        で、光栄な年でした、なんて早くも今年を振り返っておりま
        す。それでも、新曲も結構できていて、早くどこかで歌いた
        いなあ、なんて思っています。



11/21   僕の家のご近所さんは、ほとんど畑など持ってはって、
        お野菜が採れると持ってきてくれます。今年は不作とはい
        え、収穫の秋。お野菜いっぱいです。今日は、さつまいも
        2種類、枝豆、それから柿。並べると、色が違ってきれいで
        す。こんな田舎でも今年は、ほとんどの人が野菜泥棒なん
        てあっているようです。そんな盗ったお野菜食べてもおい
        しくないのにねえ。
         明日からいよいよ大阪。新しいこといっぱいで、楽しみ。
        もしご予約される方がおられましたら、明日(22日)の朝
        までによろしくお願いしますー。



11/20   ある曲がずっと頭の中でまわっているときありますよね。
        なぜだか自分の願望とはぜんぜん関係ない選曲で。
        今日一日、僕の中でまわっていたのは、トニー谷の「さい
        ざんすマンボ」。「♪ざ〜んす ざ〜んす さいざ〜んす
        あたしゃ あなたに I ブラ YOU!」。何回終わっても
        また始まる。そんなこんなで一日中。これはこれで、ある
        意味かっこいいですが。せっかくの秋晴れ、哀愁ある曲で
        も流れてくれればなあ。
        まわった曲日記、なんてつけたら面白いかもしれません。



11/19   演奏会で紙ふぶきを使うときがあって、そのときは自分で
        作ります。紙を切るとき、四角形に切るよりも台形に切った
        方が、ふあふあ落ちていきます。風の抵抗のせいなんでし
        ょうか。
         今、公園で風が吹くと、たくさんの葉っぱが降ってきます。
        自然の紙ふぶき。きれいなあ。赤やオレンジ色の葉っぱ。
        もうすぐ季節は、秋色のじゅうたんをひきます。



11/18   鳥と車と季節の関係。
        僕の車は、よく鳥にウンチをかけられるなあ。と思ってよく
        見たら、僕の家の車庫に入っている車みんなにかかってる。
        それも、全部サイドミラー付近に。ん?さらに、隣の家の車
        のサイドミラーにも。あれ?
        どうやら、鳥がバックミラーに映った自分の姿をつつきにや
        って来るようです。今、交尾の季節で、自分以外の鳥が入っ
        てきたら、攻撃してるんじゃないかな。鏡の中の鳥は、つつ
        いても逃げないからね。鳥さん、気付いてくれないかなあ。



11/15   CDレビュー。
        セロニアス・モンクがブルーノートで録音したものを集め
        た「ブルーノートイヤーズ」を聴きました。かっこ良すぎる
        モンク。ほとんどが、「ジーニアス オブ モダンミュージッ
        ク1&2」からの曲ですが、彼が初めてリーダーをとった
        初期の録音ばかりなので、「俺はこんなんしたいんや。」
        っていう生気に溢れていて息吹が聴こえてくるようでした。
        荒削りでも最初の頃の演奏、いいなあ。
         それから、モンクのバックドラマーは「ドタバタ、ドタバタ」
        やっぱりアート・ブレイキーがいい。二人ともうまいとか下
        手とか、関係ないところにいる感じで。



11/13   アヒル話。
        少し前、家ではアヒルを飼っていました。3羽。それも放し
        飼いで。今思うと田舎とはいえ、おもしろかったなあ。でも
        アヒルって結構、なつくもので脱走したりしません。時々
        裏の大きな道を横断して遊びに出かけるので、通行中の
        車に、ご迷惑をおかけしたりしてたんですけどね。
        今日アヒル話が出たので、懐しく思い出しました。グワ。



11/12   映画「フリーダ」を観ました。思ったよりよかった。こない
        だ「永遠のマリア・カラス」を観て、ちょっとがっかりしたの
        で、こういう映画はあんまり期待しない方がいいと思って
        いたから。伝記的な映画って、監督の思い入れひとつで
        どのようにでも変わっちゃうし、観客はその映画を観て
        主人公をイメージしたような気になっちゃう。難しいなあ。
        そう言えば、レイ・チャールズの伝記映画もできるそうや
        けど、どうかな。ちょっとひいて観るぐらいのほうがいいか
        もしれませんね。



11/10   朝一番に木に登って、鳥の声が聴こえるだけのような
        静けさが大好きです。食欲の秋は、鳥にとってもそうであ
        り、彼らが食べる物を見ていると、今何がおいしいのかわ
        かります。おいしいものから順に食べていくから。今はや
        っぱり柿で、甘いものから順につついてらっしゃいます。
        ピラカンサスなんて木の実は、赤くてすごくきれいなんや
        けど、冬ごろまで残ります。よほどまずいようです。トゲも
        あるし。
         今年はあまり柿がなっていないようですが、僕の家の柿
        は、まるで満開の花が咲いたようです。



11/8    昨日は、オリジナルTシャツを作っているお友達が、フリ
        ーマーケットに出展していたので、行ってきました。普通
        のフリマじゃなくて、全員クリエイターの人たちで、手作り
        がいっぱいでおもしろかった。あれだけ個性が集まると、
        こちらも目が慣れてきて、ちょっとやそっとじゃ驚かなくな
        るもんですね。不思議に。お友達のマサルさんは、僕と同
        じ「缶バッチ作り機」を持っていて、缶バッチ仲間でもあり
        ます。歯のデザインがかわいいマサルさんのHPをリンク
        しましたので、どーぞ。



11/7    CDレビュー。
        ネビルブラザーズの新譜「WALKIN’ IN THE SHADOW
        OF LIFE」を聴きました。もう前作から5年もなるんやなあ。
        今回は、かなりファンク色が強かったな。僕はこんな方向
        性が好きなので、うれしい。「ロマンティックやメロウな曲に
        走らず、今回はファンクでいこうぜ。」っていうアートお兄
        ちゃんの声が聞こえてきそうです。それでも、数少ないロ
        マンティックな最後の「RIVERS OF BABYLON」って
        いう曲では、アーロンの声の魅力がぎゅっと詰まってて、
        ジーンとしちゃった。ああ、ありがたや。ネビルズ、来日し
        てー。



11/4    稲刈りをすませた田んぼのあぜ道に座っていると、乾い
        た藁の匂いがして、たくさんのスズメたちがいっせいに
        空へ飛び立って。少し早い冬の空気を吸い込みました。
        はあ、穏やかな日。



11/3    2日目のカレー。昨日の残り物のカレーを、そのままい
        ただいても、味が染みこんでおいしいですが、いらんこと
        しいのドン・カ・ジョン。ハヤシ・カレーライスなんてチャレ
        ンジしてみました。めっちゃおいしかった。久しぶりヒット
        なので、ちょっとご紹介。
         まず残り物カレーをフライパンに入れ、火にかけます。
        それから、ケチャップ、ブラックペッパー適量、トマトをザク
        切りにして馴染むまで火にかけます。最後にバターをひと
        かけ入れます。(ここポイント。洋食屋さん度をUPさせる
        には、やっぱりバター。) ご飯にも、バターをひとかけ、
        ブラックペッパーを混ぜてバターライスを作っておきます。
        その上にハヤシカレーをかけ、最後に粉チーズ、パセリ
        を散らしたらできあがり。洋食屋さんで食べるような感じ
        になるよー。(ハヤシカレーなんて、洋食屋さんにないけ
        どね。)ほんと、おいしいんだから。



11/2    アリさん実験。
        アリさんのながーい列を見つけました。見事にきれいな
        一列になって、えっちら歩いておられました。アリさんの列
        は、匂いを道につけて、それをたよりにみんな歩いていくそ
        うです。で、ひとつ実験してみました。匂いが消えるように
        道筋の一箇所を石で削ってみました。すると、その場所か
        らたちまちアリさん大混乱、パニックになってしまいました。
        眼があるんだから、前のアリさんに続いて歩いていけばい
        いように思うんだけど、やっぱり匂いだけがたよりのようで
        す。ふーん、おもしろいな。15分ぐらいしたら、徐々に誰か
        が匂いをつけなおし、列は元に戻っていきました。
        アリさん、どうもお騒がせしました。



10/31   「FLAMBE’E MONTALBANAISE」
        フランスの古いミュゼットで、好きな曲です。アコーディオ
        ンを弾いているパンチャックに、「この曲、練習してくれた
        ら、歌詞つけるよ。」と軽く言ってしまったら、本当に練習し
        てくれたので、これは歌詞をつけるしかない、と今創作して
        いるんですが、めちゃくちゃ難しい。もともとミュゼットだか
        ら歌詞なんてないんだけど、僕が持っているあるCDには
        フランス語で歌詞がついている。これぞフランス語!まさ
        にフランス語がバッチリのるメロディ。なので全く日本語が
        のりません。トホ。いちおう「ラ行のミュゼット」なんてタイト
        ルにして、はちゃめちゃ作っているんですが、ちょっとこれ
        は無理かもしれません。もう少しチャレンジしてみます。



10/27   今度ご一緒させていただく岡本光平さんのお宅におじゃ
        ましました。今年最後にして、最高楽しみな演奏会。「ドン
        ・カ・ジョンがシャンソンに出会う場所」の打ち合わせです。
        シャンソンをたくさん教えてもらいました。僕は、戦前戦後
        くらいのフランスのキッチュなシャンソンが好きなんですが
        全然知らなかった日本語のシャンソンをたくさん教えても
        らいました。シャンソンと言えば、失恋などの暗い印象が
        強いかもしれませんが、明るくて可愛い歌もたくさんあるん
        ですよね。なによりも、岡本さんの生の歌声をすぐ隣で聴
        ける幸せ。贅沢でした。それから、シャンソンにはどんな
        曲にも、その背景に映画のような物語があって、そんなお
        話もたくさん、たくさんしてもらいました。
         今からドン・カ・ジョンは約1ヶ月の間、フランスモードに
        入ります。教えていただいたシャンソンを何曲か練習しま
        す。今回は、子供さんにも楽しんでもらえるよう趣向をこら
        しております。大人の方も、心の中にいる子供を連れて来
        てくらはい。ケーキ付きだよ。ヤム!



10/26   日曜日はフェスタイン湊川でした。震災関連のイベント
        ですが、はからずも前の晩に新潟で大きな地震が起きて
        しまいました。僕はあの朝、実は地震雲っていうのんを眺
        めていました。自然の力、はかりしれませんね。
         フェスタでの演奏は、久しぶりに一人ポロンと歌って、
        とても気持ちよかった。青空のはるかかなたに飛行機が
        飛んでいたり、鳥の群れが通り過ぎていったり。歌ってる
        自分が眠くなるくらい気持ちよかった。
         それから、ライブペインティングを2回しました。
        HOTLINEさんの演奏のとき、「浜辺の歌」に合わせて。
        イベントの最後には、PAをしてたさっちゃんの演奏で。
        さっちゃんが「おっぱいがいっぱい」って曲で描いてほしい
        と言われたので、始まるまでどんな歌かなと思ってたら、
        結構ロマンチックでした。(よく知られている「おっぱいが
        いっぱい」ではなくて、オリジナルだそうです。)この絵も
        描いててすごく面白かったなあ。散歩カメラとトップページ
        に載せたものです。
         それから司会も無事終わりました。つたない司会でした
        が、いろんな人に支えてもらって楽しかったです。震災から
        10年。このイベントも15年、20年とずっと続いていったら
        いいな。



10/25   23日の土曜日は、いったん東京に行って、その夜に神
        戸に到着するという日程でした。東京行きのチケットと一
        冊の本。こんな小さな幸せが大好きです。たまたまポケット
        に入れた文庫本は、田口ランディの「ひかりのあめふるし
        ま屋久島」。東へ向かう新幹線の中で、すっかり僕は南の
        森の中に入り込んでしまいました。「とーきょー、とーきょー
        」というアナウンスの声で、ふと窓の外を見ると、そこは都
        会のビルの森でした。少し肌寒かった東京。久しぶりに会
        った友達。僕たちの記憶の森は、アメリカの田舎町にまで
        続いていて、ゲラゲラ笑いあったのでした。
        深夜に着いた神戸の空には、きれいなお月さんが座って
        いました。



10/22   J160。
        ここ何年か、ずっとガットギター(ナイロン弦のん)が好
        きで、そればかり弾いていたんですが、日曜日は一人
        でポロンと歌うので、久しぶりにフォークギターでも弾こ
        うかなあと思って、ギブソンのJ160ってギターに鉄弦
        を張りました。張ったばかりのギター。やっぱ、ええ音や
        なあ。「ボワーン」とお腹に響きます。
         J160は、僕が一番永く使っているギターで、エレア
        コ用なのであまり生音は出ないようになっています。
        ジョン・レノンはレコーディングのとき、わざわざこの
        J160の出すぎない生音をマイクで拾って、録音した
        そうです。



10/21   家に傷んだリンゴがあったので、「リンゴと豚丼」なんて
        のを作ってみました。それが結構おいしかった。思いつ
        いたらやってみるもんですね。
         そういえば、昨日の台風でたくさんの野菜や果物が、
        また傷んでしまったんでしょうね。うまくみんなの手に渡る
        といいけどな。



10/19    映画レビュー。
        今日は雨が降ったので、ヴィム・ヴェンダースの「ソウル
        ・オブ・マン」を観てきました。映画は3人のブルーズマン
        を辿っていくもので、そのうちの一人が、僕の大好きな
        ブラインド・ウィリー・ジョンソンやって、かなりワクワクし
        ました。昨日、日記に書いたマーク・リボーが、ブラインド
        ウィリー・ジョンソンの「DARK WAS THE NIGHT」
        を弾き語るなんてシーンもあって、涙もんでした。なんか
        好きなものって、ほんと集まってきますね。
         1977年、宇宙に打ち上げられ、もう地球には帰ってこ
        ないボイジャー。そこには、もしも宇宙人と出くわしたとき
        のために、地球のあらゆる音や言語が乗ってるそうです。
        その中に、なんとブラインド・ウィリー・ジョンソンの演奏が
        入っているそうです。人間代表としてはあまりのダミ声。
        でも、声から人間の魂を感じられるという点では、最もふ
        さわしいかもしれません。



10/18    CDレビュー。
        TOM・WAITSの新譜「REAL GONE」を聴きました。
        年をおうごとに若くなっていくTOM・WAITS。(デビュー
        が「CLOSING TIME」だもんね。閉店から始まってる)
        今回も、若いというより前衛的。地下室で秘密の作業を
        しているようであり、聴いてはいけないものを聴いてしま
        ったようでもありました。 自分の声をサンプリングして
        打楽器にするのんって、結構いろんな人がやってるけど
        TOM・WAITSがやったら、かなりかっこいい。どんどん
        頭おかしくなっていくTOM・WAITS。好きです。
         それからいつも彼のバックでギターを弾いてるMARC
        RIBOT。ここ何年か音楽性がだいぶん変化したせいも
        あり、このアルバムにもその影響が結構出てました。
         もしこのアルバム聴く人がいたら、お取り扱いご注意
        です。



10/16   おかしいなあ。昨日今日と花粉症そっくりの症状。
        こんな秋になるの初めてなんですけど。異常気象で、
        僕の体がびっくりしたのか、自然がびっくりしたのか。
        花粉症仲間は平気な顔してて、そのかわり今まで花粉
        症などなったことがない人が、鼻水出てたりで。やっぱ
        り、おかしいなあ。
         今日は、塩番茶で鼻を洗ったり、大根おろしの汁を鼻
        に塗ったり、あげくの果てはアロエをおろして鼻に塗る
        なんて荒技もチャレンジしたんですが、なかなか良くな
        りません。ああ、なんだろな、、、



10/15   トミさんのライブ前に、あ・うんの梶木さんとパンチャッ
        クと陶芸家のきもとさちこさんで、芦屋の川辺の公園
        に座って、練習していました。気持ちよかった。
         で、芦屋の公園には、いろんな種類の犬達が散歩に
        現れるんですね。子供の頃、犬の図鑑ばかり見ていた
        僕には、楽しくてしょうがありませんでした。今覚えてい
        るだけでやってきたのは、ブルドッグ、パグ、ビーグル、
        ダルメシアン、ラブラドール、スピッツ、ワイヤーへヤード
        フォックステリア、パピヨン、ピレニアンマウンテンドッグ。
        芦屋の公園は犬図鑑です。それでまた、当然飼い主さ
        んもご一緒で、失礼ながらやっぱりそっくり。「犬の顔、
        飼い主の顔」っていう写真集、作りたいと思いました。
        それじゃあ、僕はコーギー顔なんでしょうか。



10/14   仕事先のお庭に金木犀の木があると、その日一日は
        とても満たされた気持ちになります。ほんと、いい匂い。
         ドン・カ・ジョンの次の演奏は、フェスタイン湊川にて。
        もう14回になるこのイベント。ドン・カ・ジョンは、1回目を
        除いては全部参加しているそうです。それで、今回はひ
        とりポロンと歌おうかなあ、と思っています。別になんて
        ことないんですが、きっと6〜7年ぶりくらいのひとりライ
        ブです。たかーい空の下、しょぼいドン・カ・ジョンを観た
        いお方、どーぞ。せっかくですから、普段しない曲を歌い
        たいですね。



10/13   トミアサエさんのLIVE冒頭に、詩を朗読しました。
        展覧会のお祝いのプレゼントのつもりで。
         誰の中にもきっと絵の具箱があって、その人が今まで
        見たり感じたりしたことが、絵の具のようにいっぱい詰ま
        っているんでしょうね。それは、絵の具の赤よりも赤い夕
        焼けだったり、絵の具の青よりも青い海の色だったり。
        はたまた、絵の具の赤よりも赤い情熱だったり、絵の具
        の青よりも青い悲しみだったり。人それぞれの絵の具箱。
        そんなことを詩にしたいなあと思って書きました。下のん
        です。

        君の絵の具箱の中へやってきたよ
        君がふと空を見上げたので ノックもせずに入ってきたよ
        そこには君がはじめて食べたザクロの赤い汁があり
        そこには君がバスの窓から見上げた紺碧の空があり
        そこには君が学校の帰り道に見た茜色の夕焼けがあった
        それらはまるで脱いだばかりのシャツのように
        まだ温かいままで ころがっていた
        君の絵の具箱の中へやってきたよ
        ここにもやがて夜がきて
        いろんな色たちがゆっくり交じり合って 深い黒色になった
        その黒は宇宙のはるかかなた
        新しい星が生まれるのを待っているようでもあり
        君の絵の具箱の中では
        また無数の色たちが まばゆいばかりの朝を待っている

         それから突然ですが、昨日の夜PCが壊れたんです。
        もうダメかなあと思ったら、復活しました。きっとまた壊れる
        ので、この日記が途絶えたらそう思ってくださいね。



10/12   トミアサエさんの展覧会記念LIVEに行ってきました。
        一週間ほど前に、トミさんが作った詩集のような絵本が
        僕のポストに入っていて、その絵本をイメージして「君の
        絵の具箱の中へやってきたよ」っていう曲も作りました。
        曲の間奏でトミさんに詩を朗読してもらうコラボで、とて
        もおもしろかったな。 他にも、あ・うんのボーカル・梶木
        ゆりさんに歌ってもらったり、最初はトミさん一人で描い
        ていたライブペインティングも、最後には会場の皆さんが
        加わって、すごくおもしろい絵になったり、とても盛りだく
        さんの演奏会でした。
         ほんと10年近く仲良くさせてもらっているけど、いまだ
        に変わらず大切にしているものと、新しい今の自分、そ
        の両方をみんなで見せ合いっこしたような夜でした。
        また何年か後、こんなふうに集まって見せ合いっこした
        いな。



10/9    庭になった柿が、もうお腹のあたりまでオレンジ色になっ
        ていて、雨の中に立つ柿の木を見ていると、まるでたくさん
        の灯りがついているようでした。
         明日は、newnewさんへ歌いに行ってきます。いつもは
        絵を観に行くところですが、明日は歌いに行くところです。
        雨上がりの芦屋の街へ。明日はきれいな秋の空が見られ
        るかなあ。



10/7    連日、報道されているように、三重県宮川村では未曾有
        の台風災害にみまわれ、いまだにその被害は拡大してい
        るようです。それで、来月ワークショップを予定していた大
        杉谷自然学校はまさにその地域にあり、復興のめどが立
        たず、残念ながら自然学校での10月11月の行事は全て
        キャンセルせざるをえなくなりました。それにともない、ドン
        ・カ・ジョンのイベントも中止となりました。楽しみにしてくだ
        さった皆様、大変申し訳ありません。なにより、一日も早い
        復興をお祈りしています。
         先日下見に行った宮川村の美しい自然が、つい昨日の
        ことのように思われます。自然も宮川村のみなさんも元気
        いっぱいになったとき、またワークショップも実現できたら
        な、と思っています。「森を絵本にしたい」という想い、持ち
        続けていたいですね。



10/5    以前何かの本で読んで「へえー」って思ったことが、今日
        も違う本に書いてあって、また「なるほどー」って思ってし
        まいました。それは、歯と食べ物についてのこと。(地味や
        なあ。)
         それは、すべての人間の歯は32本って決まっていて、
        臼歯は20本、門歯は8本、犬歯は4本だそうです。臼歯
        は、ウスの形をしていて穀物をすり潰すのに適していて、
        門歯はお野菜を切るのに適していて、犬歯はお肉などを
        噛み切るのに適しています。この歯の数は、太古の昔か
        ら人間がずっと食べてきて、人に適した食べ物の割合に
        なっているという考え。つまり、穀物62%、お野菜25%、
        お肉や魚12%。 5:2:1の割合で食べるのが、最も自
        然なんだそうです。体が覚えているってすごいなあ。こうい
        う考え、いいなって思います。
         僕の秋はなんといっても食欲の秋ですから、食べ過ぎな
        いようにしないと、、、、



10/3    最近はアロエを3cmぐらいちぎってきて、毎日食べていま
        す。別にどこか体が悪いわけでもなく、ただなんとなく。
        家には、にがくないアロエ、にがいアロエ、めちゃくちゃにが
        いアロエと3種類あります。本によると、にがければにがい
        ほど体に良いそうです。アロエっていう言葉自体、アラビア
        語で「にがい」という意味だそうです。でも今は初心者なの
        で、にがくないのんを食べています。もう少ししたら、次のス
        テップに進んでみたいです。



10/2    映画「ピアノブルース」を観ました。よかったあ。
        古いブルースが好きなお人には、たまらない映像の数々
        ですね。アート・テイタムやマーサ・デイヴィッドなど、珠玉
        のひとときでした。まだブルースがブルースであった良き
        時代の匂いがプンプン。思わず3日連続で観てしまいまし
        た。
         クリント・イーストウッドっていう人は、セロニアス・モンク
        の「ストレイト・ノー・チェイサー」もそうだったけど、音楽の
        ドキュメンタリーを撮ったら、すごくいい感じ。編集のかっこ
        よさに走らず、音楽に潜むなにかを中心に撮ってる感じが
        します。この映画、残念ながら劇場では公開されないそう
        です。
         トム・ウェイツの「Piano has been drinkin」が聴き
        たい気分です。



9/29    神戸で時間が空いたときは、ナフシャさんで本を読んだり
        青少年科学館や大谷美術館なんかに行ったりしてました。
         僕は今までプラネタリウムっていうのんに行ったことがな
        くて、青少年科学館でデビューしてきました。きれいなあ。
        大きな望遠鏡で太陽も観測できて、プロミネンスっていう
        太陽のまわりの炎のようなものが観られて、ちょっとワクワ
        クしちゃいました。
         大谷美術館では、偶然「ボローニャ国際絵本原画展」をし
        てました。毎年、世界中の若いアーティストが参加するこの
        イベント。やっぱりちょっと優等生な絵が多かったかなあ。
        あれは審査員さんが優等生なのかなあ。僕なんてどうして
        もはみ出したり破れたりしているような、不良な絵が観たい
        という欲求にかられちゃいます。すずかけさんの絵なんて
        心にまっすぐ「ガツン」とくるもんね。自分の中でも、もっと
        不良な絵を描きたいな、と思いました。
         イチョウの木がオレンジ色にほてっていた神戸の街。
        来月行くときは、どんな表情しているだろうな。



9/28     小さな夢の中・そのA
        今回の滞在は思いがけず、すずかけ作業所さんとの
        関わりがたくさんでした。神戸についたその日(20日)、
        ナフシャさんではワークショップがあって、音楽に合わせ
        てすずかけのアーティストさんや一般の方が、絵を描きま
        した。普段、画集で観るだけのアーティストさんが、普通
        に絵を描いていて、感激でした。
        ゆっくり、丁寧に、少しずつ描いていく舛次崇くん。まるで
        細胞が増殖するかのように、同じものをすごい勢いで描
        いていく角谷祥子さん。楽しい音楽に合わせて「男性用カ
        ツラ」「女性用カツラ」を描いていた尾崎昌弘さん。
        違う会場でライブだった僕は、途中までしか観れなかった
        けど、いいもん観させてもらいました。
         23日は、恒例のランプフェスティバル。武庫川すずかけ
        作業所前の公園でのイベントです。ここにも、いつも本で
        観ていたアーティストさんが、普通にいてて。大きな紙に
        みんなで絵を描くコーナーでは、敬愛する舛次くんのお隣
        で僕も絵が描けて、小さな夢の中でした。
         ドン・カ・ジョンのステージは、最後の2曲でみんなにシャ
        ボン玉や鳴り物で共演してもらったんですが、大好きな絵
        描きさん達がすぐ隣にいたりして、うれしかったなあ。
        舛次くんが笛をくわえて、客席の周りを散歩してはるのん
        も、あまりにPeacefulで。夢の中でした。
         僕は、すずかけ作業所さんに行くと、いつも心のコップが
        「うれしい」でいっぱいになります。それはきっと、どんな小
        さな「生きる」も、宇宙にたったひとつの「生きる」ってことを
        みんなで大事にしているからだからかもしれません。
         今度はいつ行けるだろ。大好きなすずかけさん。



9/27    たらいま。長い間留守にしまして、どうもすみませんでし
        た。今回もいろんな思い出をいただいたので、また少し
        ずつこの日記に書けたらなと思っています。
         20日は「荒井良二さんとドン・カ・ジョンの歌謡しょう」。
        僕は愛知県から車に乗って、荒井さんはフィリピンから
        飛行機に乗って、ギャラリーVieさんで待ち合わせです。
        演奏会では、一緒に演奏したり、僕の「夜が踊る」ってい
        う曲に合わせてライブペインティングしてくれたり、小さな
        夢の中にいるような演奏会でした。描いてくれた絵は、
        歌っていくあいだに、街の空にいろんなものが現れては
        消えて、そのいろんなものが黒い夜になりました。最後
        は、その夜に僕とパンチャックの絵が浮かび上がりまし
        た。すごいなあ。ライブペインティングでしかできないこと
        こんなふうに表現できるなんて。
        僕も荒井さんもたっぷり歌った何時間。会場にいたみん
        なが、素敵な黒い色になったような夜でした。

         えっと、トップページの絵は、あるご依頼のために描い
        たものです。木の葉っぱに、思いつくまま言葉を書いたら
        こんな詩になりました。

         ぼくが見ている空と 君が見ている空
         おんなじ星の上 おんなじ空をながめている
         ぼくが見ている月と 君が見ている月
         おんなじ宇宙の中 おんなじ星をながめている
         見えないところにある木の根っこは
         見えないところにあるぼくたちの気持ち
         おんなじ土の中に おんなじ星の中に



9/18    明日からドン・カ・ジョンは、荒井良二さんとのジョイント
        ライブ、すずかけ作業所さんのイベントに出演のため、
        しばらく関西方面に行ってきます。荒井さんとのライブに
        は、本当にたくさんのお問い合わせをいただきまして、
        どうもありがとうございました。荒井さんの人気あって
        すぐにご予約がいっぱいになったそうで、今回ご覧にな
        れなかった方、本当にすみませんでした。
         ナフシャさんとギャラリーぷれんとりさんでは、すずかけ
        さん関連の展覧会が、2箇所同時に開催されていて、
        偶然20日の荒井さんとのジョイントの日に、ロビンロイド
        さんのカリンバにあわせて絵を描くというワークショップが
        ナフシャさんであるそうです。僕の敬愛する、すずかけの
        舛治くんもやってくるという噂で、是非観たい。と思って
        いるのですが、リハで無理かなあ。



9/16    「ピアノ・ブルーズ」という映画を、楽しみにしています。
        僕にとって、ブルースのピアノ弾きといえば、1950年代の
        レイ・チャールズもいいけど、やっぱりプロフェッサー・ロン
        グヘア。あんなすごいリズム感、他に知りません。まるで、
        鍵盤が洪水のように溢れ出てくるよう。
         アメリカ・ニューオリンズには、プロフェス(彼の名前を縮
        めてこう言うんです。)のホームグランドだったライブハウス
        「ティピティーナ」っていう所があって、以前僕も行ってきまし
        た。お店に入るとプロフェスの銅像があって、みんなが撫で
        たりして、いまだに地元の人に愛されている感じがすごく
        よかったなあ。「ああ、プロフェスの魂が、まだ生きている
        ところに来たんだ。」って、ジーンとしたこと覚えています。
        彼のステージをティピティーナで観たことがある人にも出会
        って、いろいろお話できました。とてもシャイで紳士的な人
        だったそう。そんな感じやなあ。
         映画「ピアノ・ブルーズ」には、彼の映像もあるそうで、
        楽しみなんです。



9/14    泣きたくなるくらいきれいやった今日の夕焼け。
        思わず屋根の上に座って、しばらく眺めてました。たとえ
        「夕日がきれい」って100回言っても、この感情を伝える
        ことはできないだろな。だって僕たちの心には、「夕日が
        きれい」っていう文字が浮かんでくるわけじゃないから。
        何かを表現する人たちは、きっと「夕日がきれい」という
        言葉よりもっと、「夕日がきれい」ということを伝えること
        ができる表現を持っているんだな。だけど、やっぱり僕が
        今日抱いたこの感情は、もう何にも変えることはできない
        んだな、きっと。それは、一瞬を永遠にしてしまったような
        ことだから。「ああ、きれいやったなあ。」



9/13    ここのところ何ヶ月、1日に3回くらいストレッチ体操を
        します。こう書くと、「体が柔らかいのかなあ。」なんて思
        われるかもしれませんが、実際のところはその正反対
        で、人の3倍くらい体が硬いのです。もうコチンコチン。
        だからせめて人並みくらいになりたいなあ、と思って。
        こんなことでも続けていると、少し体が「ふわ」っとして
        きた気になります。
         こないだTVで、曹洞宗のお坊さんが「座禅」について
        お話をしてはりました。「心と身体とは一体なので、まず
        は正しい姿勢をとることが、心を正しくする始まりなんで
        す。」みたいなお話。「ふーん。そうなんだー。」ってありが
        たく聞いていた僕は、ソファで「でれ〜」っとしてました。



9/11    お寺さんの庭仕事をしていると、休憩には境内に座っ
        て風に触ります。お寺には、日々たくさんの人がお供え
        物を持ってお参りにやってくるので、休憩になるとお寺
        のかたがそのお供え物を下げてきて、僕たちに出して
        くれるのです。だから、僕たちのおやつは、神様が一度
        食べたとてもありがたいものなんです。
         毎年、畳コンサートを開いてくれる大阪の溝口さんの
        お宅では、よく近所の人がおいしいものを持ち寄って、
        お食事会をします。食前に溝口さんのご家族は、神棚
        に向かってお祈りをします。僕には宇宙語にしか聞こえ
        ないその祝詞。「どんなことを言っているんですか?」
        って聞いてみると、「まわりにいるたくさんの神様や霊
        に、まず先に食べてください。」っていうようなことを言
        っているんだそうです。そんなふうに、毎日大事にして
        いる人もいるんだな。
         昨日読んだ本の中に、「食べ物を(もの)としてとらえ
        るより、(生き物)としてとらえた方がいい。」みたいなこと
        が書いてありました。確かに、たいていの食べ物は少し
        前まで生きていたもので、僕たちが「生きる」ってことは
        たえず他者の「生きる」に関係してるんですよね。「食べ
        物を大事にしなさい」って言われるよりも、そんなイメー
        ジを持っていたほうが、なんだかしっくりくるな。 きっと
        他者の「生きる」をどこかでイメージしてる人は、結局
        自分が「生きる」ってことに対して、誠実な人なんじゃな
        いかなあ。僕なんてハンバーガーは食べるし、缶ジュー
        スは飲むし、ああ、、、、



9/10    この半月あまり、仕事で行っていた大きなお寺さんの庭
        の手入れが終わりました。最後は、樹齢何百年という楠
        の大木に登って。うっそうと生い茂ったその大木に登る
        と、木肌は湿っていて、黄緑色の苔がとてもきれいで。
        そこは、まるで香水のような何百年分の匂いがします。
        こんなに雄々しく見える大木ですが、その中へ入ると、
        いろんなものを包み込むような母性的な印象さえうけま
        す。内側には光がほとんど届かないので、枝を切るとそ
        こから青空と光がこぼれます。切れば切るほど、まわり
        が全部青空になって、風が大木を通り抜け、僕を通り抜
        けていきます。そうして、涼しげになった大木の上にいる
        と、自分が秋の空に浮かんでいるような、そんな気持ち
        になるのです。



9/9     先日お友達から、愛犬が永眠したというお便りをいただ
        きました。
         それはみんなに愛された犬でした。僕も白い睫毛が大
        好きでした。そしてなによりも、そのお友達からの本当に
        気持ちのこもったお便りに、思わず涙がこぼれました。
         人間と動物の関わりって、なんて愛らしくて強い絆で結
        ばれているんでしょうね。生き物と生き物が「心」でつなが
        っているんだったら、もう人間と動物なんていう概念は、
        意味がないのかもしれません。
         「死」というものは、心臓が止まったから、身体がなくな
        ったから、というものでなく、それを「愛する人」が死者と
        ゆっくり対話し、鎮魂され、その「死」を自分の中に受け
        入れることができたとき、初めて成り立つもんじゃないか
        なあ、って僕には思えます。
         どこかでまた会えるような気がするな。ゆっくり歩くあの
        犬。



9/8     三島由紀夫さんのエッセイの中にあった文章です。
        「思春期の思い出は、実に恥ずかしいものです。〜やがて
        それが、ほほえましい思い出に変わるものです。だから思
        春期の自己嫌悪は、自分で自分を一番醜悪な人間だと考
        えがちですが、時がたつにつれて、そのころの自分を一番
        純で美しかったと思うようになります。しかしそのどちらにも
        誇張があるので、結局思春期の真実は、その中ほどのとこ
        ろでしょう。」
         愛知県に暮らすようになると、いまだにみんなで会おうと
        言ってくれて、原石を知り合った昔の友達って、ほんとあり
        がたいな。それでみんなに会うと、まさにその頃の僕は、
        恥ずかしいことばかりで、穴があったら入りたくなります。
        そんな頃の自分を、純で美しいなどとはとうてい思えず、
        それどころか、いまだに恥ずかしいことをしてしまっている
        自分に、ふと気付くのです。だけど、このまま振り返ることも
        なく、「子供のままの老人」になるってのも、一人くらいいたっ
        ていいかな、とちょっとだけ思いました。
         Rickie Lee Jonesが唄った「I won’t grow up」が
        聴こえてくるような夜です。



9/7     僕の家には、モーツアルトがいます。
        それは愛犬の名前で、立つと僕の胸に足が「ちょこん」との
        るくらい大きなシェパード犬です。大きいくせに、どうしようも
        なく子供っぽい犬です。どうして、モーツアルトになったかとい
        うと、その頃、谷川俊太郎さんの「モーツアルトを聴く人」って
        いう詩集が好きだったから。
         その詩集に付いていたCDにも入っているんですが、モー
        ツアルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」っていう曲が、僕は
        大好きです。それは曲というより、まるで天上から降ってきた
        たくさんの光の粒のようで。
         愛犬・モーツアルトの瞳には、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」
        にそっくりの「純粋」があります。その「純粋」は、ただ僕を見
        つめるだけですが、それは小さな魔法のように、僕をそっと
        浄化するのです。どうしようもなく子供っぽいくせに、ときには
        神様のような犬です。



9/6     今日はマタギ。
        僕は前から、なぜかマタギに惹かれるものがあって、小説
        「邂逅の森」が出版されたときも、すぐに読みたかったんです
        が、あれよあれよと時間が過ぎてしまいました。
        「マタギ」とは、東北地方で主に熊を狩猟することを生業とし
        ている人のこと。この小説、読んでみると結構「毒」があって
        少し以外でしたが、なんといっても「マタギ」のかっこよさ。
        しびれました。
         マタギには、厳しい戒律や掟があって、いつも山の神様と
        対話しながら生活している。「おまじない」もあったり。
        例えば、月の輪のない全身真っ黒の「ミナグロ」という熊を撃
        ってしまったら、マタギを辞めなければならない。なぜなら「ミ
        ナグロ」は、山の神様のお使いだから。とか。
         僕は、そんな自然の霊性と共生している人を、たまらなく
        かっこいいなあ、って思う。山や自然をコントロールしような
        んて思わない。ただ謙虚に、自然の中に身を預けて暮らす。
        いいなあ。僕なんて、とてもそんな資質がないけれど、気持
        ちだけでも、授かりたいな。



9/3     森。
        昨日、本屋さんで本を買いました。「邂逅の森」と「森の
        イスキアで話したこと」。買った後で気付いたんですが、
        「あれ、森の本2冊。」
         それから家に帰って、めくり忘れていたカレンダーを
        剥がしてみると、9月の絵は「森のささやき」、というタイト
        ルの知的障害の人が描いた素敵な絵でした。ちょっとし
        たこんな重なりでも、「森がどこかから呼んでいる。」
        なんてひとり思ってしまいました。
         宮川村でのワークショップ。森に絵を展示して、森を歩
        いて読んでいく絵本ができたらな、とイメージしていたん
        ですが。先日行ったとき下見してみると、川を渡って、
        小道を進んで、演奏会場の古い民家へたどり着くという
        もので、これはこれですごくいい感じでした。でも「森」
        という印象が薄くて、「森を絵本にしよう」というタイトル
        を変えた方がいいのでは、ということになりました。
        できれば、「自然」という言葉を入れてください、との
        ご要望もあって、「自然を僕らの絵本にしよう」になりま
        した。もし第2弾があれば、森を絵本にしたいな。
         そんなわけで、今僕のひっかかってるキーワードの
        ひとつは、「森」です。



9/2     先日行った宮川村や、よく訪れる神奈川県・藤野のよ
        うに、圧倒的な自然の中へ入っていくと、僕はその自然
        を、特に「夜」感じます。それは、澄んだ星や月のきれい
        さよりも、本当に深い夜の闇に。いくら街で暗闇を体験
        しても、あの闇の濃度とは全く違うように思います。それ
        は、まるで宇宙を見つめているようで。
        宇宙飛行士が、宇宙へ行ってまず感じるのは、惑星の
        きれいさよりも、果てしなく広がる「闇」、みたいなことを
        本で読んだことがありますが、それに似た体験かもしれ
        ません。
        僕が今まで一番きれいな星を観たのは、アメリカ・アイ
        オワ州の、とうもろこし畑で観た満天の星空。 360度
        地平線の暗闇の中に、ひとりポツンと立っていると、
        まるで、自分と夜の境目がなくなったようでした。
         きっとそんな「暗闇」があるからこそ、星や月に憧れて
        光がいとおしくて、人の「ぬくもりみたいなもの」を暖かく
        感じるんでしょうね。僕には、自然の持つ暗闇というもの
        が、どこか人の心とつながっているように思えます。



8/30    芦屋にあるa−space newnewさんでは、秋から冬に
        かけて、お友達が次々と展覧会されるようで、なんだか
        うれしいな。冨朝恵さん、久本直子さん、つもっちさん。
        なかでも、冨さんとは、とても古くから仲良くさせてもらっ
        ていて、今回はお祝いに演奏会をすることになりました。
        「君の絵の具箱のなかへやってきたよLIVE」。
         彼女は、小さい体でとても物静か。でも、絵筆を握ると
        まるで大地から伸びてきたようにぐんぐん力強く、堂々と
        してる。ひとりの小さな女性から出てきた色や線が、地球
        の奥から湧き出てきたように感じるのは、きっと彼女が、
        この地球にちゃんと根を下ろしているからなんだ。 僕は
        そんな冨さんの絵に出会うのが、とてもうれしい。今回の
        展覧会も、楽しみだな。
         展覧会は、10/3〜10/11。演奏会は10/10。
        詳しくは、演奏会のページでどーぞ。



8/29    来月参加させていただく、すずかけ作業所さんでのイベン
        トの詳細が分かりましたので、UPしました。すずかけさんは
        知的障害のアーティストさんがたくさんいて、僕も大ファンな
        んです。
        すずかけさんの絵画クラブでは、はたよしこさんっていう絵
        本作家の方がご指導されていて、一人一人の個性を、とて
        もうまく引き出していらっしゃるなあ、といつも感心させられ
        ます。やっぱり、指導される方によって大分違うんですよね。
         英語の「educate」(教育する)の語源は、「e」と「ducate」
        に分けられて、「e」には「e−xit」のように、「中から外へ」と
        う意味があって、「ducate」には「導く」という意味があるそう
        です。だから、「educate」という言葉が持つ本質は、外側か
        ら何かを教えこむ、ということではなくて、その人の持ついい
        ところや可能性を「中から外へ導いてあげる」、ということな
        んだそうです。
        そんなふうに「自分」を見つけられるって、とても自然でいい
        ですよね。僕も子供たちに出会ったとき、そんな眼を持って
        いられたらいいな、って思います。



8/27    仕事に行くと、よく近くに神社がないか探してしまいます。
        休憩時間になると、そこへ行って「ボー」っとするんです。
        神社には、なにか大きな時間のリズムが流れていて、
        心が「スー」っと座るようです。風さえも、ずーっと遠い昔
        から吹いているようで。
        たいてい神社には、大木があるんですよね。僕は、大木
        の下にいるのが大好きです。圧倒的に長い時間を生き
        てきた大木と、それに比べたら、とてもちっぽけな時間を
        生きてきた僕。「今」という小さな一瞬を共有する喜びは、
        きっと僕の小さな時間が持つ「はかなさ」があるから、
        余計いとおしいんでしょうね。大木は、どんなことを記憶
        しているんだろ。大木と話すことができたらいいな。



8/25    ファンファーレ・チォカリーアのライブに行ってきました。
        もう、スーパーかっこいかったー。「バースト」してました。
        ファンファーレは、ルーマニアのある村に住むおじさん達
        ブラスバンド。ほーんと普通のおじさん達でした。15人ぐら
        いのメンバーは、2人を除いて全員、管楽器。
        なにもそこまで、管楽器でやらなくても。なにもそこまで、
        みんなでユニゾンしなくても。なにもそこまで、早く演奏し
        なくても。このバンドの魅力は、「なにもそこまで」なとこ。
        ベースラインの管楽器隊が4人もいて、絶えずこのウネリ
        がぐんぐんひっぱる。もう、頭おかしくなるくらい。
        でも、これって奇をてらってるわけじゃないんですよね。
        綿々と伝えられてきた「血」の音楽なんですよね。だから
        脱帽するしかありません。世界はまだまだ、すごい音楽
        で溢れています。
         今、来日してるファンファーレ。もし皆さんの街にやって
        きたら、よかったら体験してみてくださいませ。頭、おかし
        くなりますので、ご注意を。彼らのドキュメンタリー映画も、
        もうすぐ公開だそうです。



8/23    11月にワークショップをする宮川村というところに、打ち合
        わせも兼ねて行ってきました。最近は、どういうわけか引き
        寄せられるように、「お水」との関わりがでてきます。もちろん
        それは、僕が共鳴してしまうからなんですけど。
         今回の旅で一番感じたのは「村の人々がお水と共生してい
        る」ということ。日本で最も降水量が多く、一級河川の中で一
        番きれいと認定されているこの川に住む人々にとっては、
        当然のことかもしれないけれど。
         特に印象的だったのは、山奥の源流の方にある「のまた
        池」というところに、連れて行ってもらったこと。途中で土砂崩
        れで道がふさがっていたので、そこからは車を降りてひたす
        ら歩きました。そして、突然現れたのが、静まり返った神秘
        的な池。僕は、あまりの神々しさにジーンとしてしまって。
        まるで、この地と天上とをつないでいるような場所。
        霧を含んだその空気を胸に吸い込むと、僕の体までが水滴
        になったようで。心が浄化されるって、こういうことなんだ。
         ワークショップは、僕が絵本のストーリーを考えて、参加者
        の皆さんにその絵本の1ページずつを描いてもらうもので、
        そのストーリーはなんとなく決めていたんです。だけど今回
        の体験で、この土地と「お水」とのことをうまく表現できたら、
        と今思いはじめています。僕が体験したあの神聖な場所。
        きっと古くからの言い伝えや物語が、あるんじゃないかなあ。
        今は担当の方に、そんな神話などをご存知のお年寄りが
        いらっしゃらないか、聞いてもらっています。そんなエッセン
        スを絵本に入れて表現できるかな、なんて漠然と思ってい
        ます。過去、水の調査のような科学的な研究はされていても
        語り伝えのような、「人々と自然の霊性との関わり」につい
        ては、ほとんど調べられたことがないそうです。だから、ひょ
        っとしたら興味深いことが分かるかもしれません。神格化さ
        れ、信仰の対象となるような自然には、きっと物語が創造
        されていると思うんです。あの池にも、きっとそんな物語が、
        隠されているような気がするなあ。
         今日は、ちょっと長くなっちゃいました。



8/20    「言根」という山川 ノリオさんが書いた詩を、なんとなく覚えて
        います。それは、「言葉」っていうのは、字の通り「言の葉っぱ」
        だから、僕はたくさんの「言の葉っぱ」を使って、根っこの部分
        (自分の本当の気持ち)を、伝えようとしているんだ。僕の根っ
        こがうまく伝わるといいな、というような内容だったと思います。
         根っこの部分を伝えるって難しいですね。僕は自分の木の根
        っこを両手に載せて、そのまま渡すことができたらいいのにな
        ってときどき思います。でも、根っこは僕の中だけにあるものだ
        から、やっぱり「言の葉っぱ」一枚一枚に、自分の気持ちを込
        めて、大事に手渡すことしかないんですよね。たくさんの「言の
        葉っぱ」だって、「言の根っこ」につながっているんだから。
        今日も僕の「言の葉っぱ」は、自分の根っこに誠実であったか。
        相手の根っこを傷つけたりしてないか。この文章を書いている
        今も自分に問いかけています。
        そして、たった一枚でもいいから、僕の「言の葉っぱ」が、人の
        枝にとまってくれたらいいな、って思います。



8/16    人それぞれ好きな季節があるように、僕は季節の変わり目
        っていうのが大好きです。何度繰り返しても、新しい季節の
        訪れは、ある「懐かしさ」と共にやってきて、僕のドアを叩きま
        す。だから、少し切ないところがあるのかもしれません。
        季節の変わり目には、僕が生きてきた時間がぎゅっと詰まっ
        ていて、今までの自分にまた会えるような、そんな不思議な
        気持ちになります。それは、学校の帰り道だったり、風の温度
        だったり、空の色だったり、、。 考えてみれば、どんな思い出
        も、いつも季節の中にあるんですもんね。
         今日、新しい季節の変わり目が、僕のドアを叩きました。
        いい風だったなあ。



8/14    僕は宗教に関しては、お恥ずかしながらあまり真面目じゃ
        ないんですけど、人がお祈りしている姿っていいなぁ、って
        単純に思います。純粋で無垢で。そんな無垢なものを目の当
        たりにすると、僕はたまらなく人が愛らしくなります。
        「祈り」というのは、なにか心が開かれた状態にあって、とて
        も真摯に霊性とつながろうとしている行為のように思えます。
        その「祈る」ということが、いっけん無力のようだけど、きっと
        ほんの少しでも何かを変えていく力があるように、僕はどこ
        かで信じています。
        今この瞬間にも、世界のどこかでたくさんの人がお祈りし
        てる。ひとつでも、たくさんの祈りが届くといいな。



8/12    今日も、岐阜県に湧き水を汲みに行ってきました。
        そういえば展覧会中に、あるお客さんから「明日で世界が
        終わるとしたら、なに食べます?」って聞かれたとき、迷わ
        ず「お水かな。」って答えました。今、食べたいものなら
        たくさんあるけど、最後の晩餐ですもんね。僕の場合、いろ
        んな事を積み重ねていったり、成熟していくほど、いろんな
        ことがシンプルに見えるんじゃないかなあって思います。
        だから、きっといちばんシンプルなお水、でいいな。
        雨となって空から降ってきて、川や海を旅してまた空へ昇
        っていくお水。自然って、きっと僕の外だけにあるんじゃな
        くて、僕の中にもあるんだな。
         みなさんだったら、なに食べます?



8/10    ある本の中にあった、鎌田東二さんという人の言葉です。
        「聴くという字は、耳へんに十四の心と書きます。14歳の
        感受性で、言葉や音を受け止めることが、聴くということな
        んです。」
        きっと、今まで無音だと思っていた世界も、こうして「聴く」
        ことができたら、世界はもっともっと美しいんだろな。それ
        は人の言葉に対しても、「聴く」ことができたら、お水がお
        腹に染みわたるように、気持ちも伝わるんだろな。僕は、
        「聞く」ことばかりだったかもしれません。
         こないだ書いた星野道夫さんっていう人は、きっと「聴く」
        ことができる人なんだ。まっすぐな言葉を持つ人は、多分
        いつも何かを聴いている。それは、自然の中に、人の言葉
        の中に、そして自分の心の中に。



8/7     星野道夫さんの「旅をする木」を読みました。
        まっすぐな人から発せられる、まっすぐな言葉っていうのは、
        無条件に人の胸を打つものですね。言霊(ことだま)っていう
        言葉があるけれど、まさに星野さんの文章って、言葉が体温
        を持って生きているよう。なんてことのない素朴な文章なんで
        すけどね。きっとそれは、文章がうまいとか下手っていう次元
        のことじゃない気がします。
         「世界が明日終わりになろうとも、私は今日りんごの木を植
        える」っていう文章がありました。なんだか、ぼんやりとしか意
        味が分からないけど、僕にはこの文章がとてもしっくりきます。
        説明してはいけないようなこと。
         他にもまるで宝石箱のような、たっくさんの素敵な文章が詰
        まった一冊でした。
         僕も、まっすぐな言葉を持つことができたらいいな。



8/5     9・20の荒井良二さんとのジョイントコンサートのご予約が、
        いっぱいになったそうです。なんだか、こないだチラシ作った
        ばかりなのにね。ありがとうございます。
         荒井さんといえば、3冊も新刊が出るそうですが、その中の
        1冊。「モンテロッソのピンクの壁」が文庫本になってました。
        1992年に発刊されたこの絵本の絵が僕は好きで、ちひろ美
        術館で原画に出会ったときの感動をまだ覚えています。今回
        は、結構たくさんの新しい絵を加えて再発されたので、絵本
        で持っている人にもうれしいです。昔の荒井さんの感じと、今
        のスタイルが混ざって、すごくいい感じ。
        お気に入りの一冊です。



8/4     昨日は、ジャック・ジョンソンとドノヴァン・フランケンレイター
        のライブに行ってきまーした。フジロックに出演するアーティス
        トが、こうしてツアーを組んでくれるって、ありがたいな。
         ドノヴァン君、よかった。バンドもグルーブしてました。ジャッ
        クは、CDにもましてゆるーいライブでした。彼のCDって、ジャ
        ックはもちろんだけど、ドラム、ベースのリズム隊が、すごーく
        かっこいいなあって思うんですけど、ライブでは控えめな印象
        でした。アンコールで弾き語りした「TIMES LIKE THESE」
        かっこいかったー。



8/2      秋の風を見ました。一瞬だったけど。それは僕の肩をポンっ
        てたたいて過ぎ去ったようで。僕たちが、麦茶を飲んだり、ス
        イカを食べたり、蚊取り線香に火をつけている間にも、季節
        はゆっくりだけど、少しずつ歩いているんですね。



8/1     頭からモクモク。
       「BLUES」って無造作に書かれた古いビデオテープが、ひょこっ
       と出てきて観てみたら、昔いろんなところから録画したブルースの
       映像やって、おもしろかった。サニー・ボーイ・ウィリアムソンやオ
       ーティス・スパンなどの映像もあって、「わ、すごいな」でした。
        その中に、まだ今ほど有名でなかった頃のベン・ハ―パーの
       演奏なんてあって、大きなアフロヘアーで歌ってた。で、そのアフ
       ロの頭のてっぺんから、なぜか煙がモクモク出てる。どう観ても、
       頭からモクモク出てる。暑くて湯気が出てるようにも見えないし。
       火事?お灸??「気」の流れを良くしながら歌ってるんかなあ。
       それやったら健康そう。やってみたい気もするけど、熱いよね。
       不思議な映像でした。
        そういえば、昨日はフジロックに来てたんやなあ。





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