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                 2005年

   





7/26   最近は、暑かったり台風だったりジメジメしたりで、なんだかすっきりし
       なかったですが。今日の夕暮れ、南の空を見たら虹がかかっていまし
       た。なんか「スッ」と気持ちを洗ってくれたようで、気持ちよかった。
       この虹が僕を真新しくしてくれたようで、あともう少しとなった僕の展覧
       会への気持ちも、そのまま真新しくしてくれたようでした。展覧会中、
       最後の神戸。またたくさんの「待ちあわせ」に出会えるかな。
       そんなわけで、ドン・カ・ジョンは明日から展覧会最終日まで神戸にい
       てます。演奏会、僕へのご予約は今晩まででお願いします。その後は
       ナフシャさんまでどーぞ。



7/25   ナフシャのまりさんが貸してくれたビデオを観ました。草間やよいさん
       があるTV番組に出ていたもの。面白かった。草間さんのアートは、よく
       怖かったり不安になるように言われますが、僕は全然そんなことなく、
       むしろポジティブな印象を受けます。ある本の中で草間さんが、インタ
       ビュアーに「あなたも私も水玉です。宇宙に無限に続く水玉です。」みた
       いなことをおっしゃっていたのを読みましたが、これいいなあ。自分が
       大きなものに属してしまうんでなく、ひとつの個として消滅していく感じ。
       無限なんだけど、あくまで個として広がっていく感じが、僕なんかは救
       われます。前にも同じようなことを書きましたが、病的であったりおかし
       な人と言われる人たちでも、その人の視点から世界を観てみるととって
       も純粋で、病的なのは実は私たちの側である、みたいなことが多いよう
       に僕は思います。



7/23   よせばいいのに。
       展覧会も残すところ1週間ほどとなったのですが、新しい作品を4つ
       描いちゃいました。展覧会をしているときは、なんだか体が泉になった
       ようで、どんどん何かが沸いてくるのです。こういうときは、何も考えず
       に思うまま続けたほうがいいんだな、きっと。ほんと、展覧会の最後数
       日にしか発表できませんが、よかったら観てやってくださーい。



7/22   おんぼろカーに乗って。
       僕が乗っている青い車は、もう10年ぐらい乗ってるおんぼろカー。
       先日も神戸滞在中に調子が悪くなって、ボロいのにいちおう外国
       の車なので、部品の取り寄せや修理が大変です。治してもらった
       つもりでも、愛知に帰る途中でもうダメ。坂を登るにもえっちらおっ
       ちら。やっとのことで家に辿り着きました。思えばこの車。東京、
       神戸たくさん旅をしたなあ。だけど、もう止まりそう。



7/21   いつもは展覧会の搬入が終わると、記念のライブに向けてミュー
       ジシャンモードにかわるんですが、今回は初めて新しい絵を追加し
       たりで、いまだに描きたいことが湧いてきます。きっと27日も新し
       い作品を持っていくと思います。とはいえ、30日の演奏会では、
       たくさんの新しい「お楽しみ」を考えていて、少しずつ練習です。
       今回も、とびっきりの演奏会にするよー。6時からで少し早めですが
       演奏会後また皆さんと交わる時間があればと思って、おひとり
       ずつ葉書きに絵を描いていけたらと思っています。ご都合が合
       いましたら、是非演奏会で「まちあわせ」しましょう。
        それから遅ればせながら、9日に行われたワークショップ「君に
       しか描けない絵がある」の模様を少しUPしました。まちあわせ展
       のページからご覧になれますので、よろしかったらどーぞ。



7/20   あっというまにもう20日だなあ。「まちあわせ展」も残すところ10
       日あまりとなりました。
        今ナフシャのスタッフの間では、「手作りパン焼き機」が話題で
       毎日違う味のパンを焼いてきてくれます。(お店では出していませ
       んが。)それがびっくりするくらいおいしくって、ちょっと感動の毎日
       なのです。パン焼き機のメーカーによってもぜんぜん違って、比べ
       てみると面白い。僕も欲しいな。実は展覧会前に、「期間限定ドン
       ・カ・ジョンランチなんてやってみてはいかが」、というお話をいた
       だいて、やる気満々だったのですが、さすがに個展1ヶ月前は、
       絵の事以外考えることができなくなって、実現できませんでした。
       次回はやってみたいな、ドン・カ・ジョンランチ。絵と音楽とおいしい
       もんのある展覧会。そんなこんなで、いつも食べ物のことばかりの
       ドン・カ・ジョンでした。
        えっと、今度は27日に神戸に行けそうです。ちょっと変更。



7/13   都合がついたので、また明日からナフシャさんへ行きます。今回
       は18日までいる予定。明日は、シャンソン歌手の岡本光平さん、
       ピアニストの深見真理子さんと待ちあわせです。楽しみだな。
        以前、ナフシャさんの表のメニューの看板を描いたんですが、
       ずいぶん傷みが激しくなって、昨日家で新しい看板を描きました。
       描いてたら楽しくなって、めっちゃドン・カ・ジョン色の強い看板に
       なってしまいました。それから木片の絵4点、時計も1点描きました。
       明日その新しい絵を持って出かけます。一度ご来場いただいた方
       も、是非また遊びにいらしてくださいね。
        9日に行われたワークショップ「君にしか描けない絵がある」も、
       無事終了いたしました。みんな最高かっこいい作品が出来上がり
       ました。また改めで時間ができたら、まとめたいなと思っています。
        でーは、明日から18日まで留守にしますので、メッセージなど
       ありましたら残しておいて下さいませ。



7/12   ちょっと、帰宅です。いよいよ始まりました。2005年夏のドン・カ
       ・ジョン。今年は搬入時に、陶芸家の木本さん、バー・ブルースの
       マスター、アコーディオン弾きのパンチャックがお手伝いに来て
       くれたので、4倍の速さで飾れた感じです。みんな、ありがとう。
       今回はイメージがはっきりしていて、「待ち合せ時計店」、「モノト
       ーンの絵たち」、「木片の絵たち」の3つのコンセプトで「まちあわ
       せ」を表現しました。木片の絵たちは「CIRCUS DE IN THE
       KICHEN」とうおかしな言葉からできた歌の、台所でサーカスが
       はじまるようなイメージも含んでいます。
        初日から、たくさんの人にご来場いただき本当に心よりの感謝で
       す。お花もいただいて、「草原の匂い」のする空間になりました。
       たくさんの「まちあわせ」、嬉しかったです。
        今回は、少し新しい絵を加えながらできたらいいな、と思ってい
       ます。一度ご来場になった方も、もしお近くにいらしたら、是非覗い
       てやってくださいね。これから約1ヶ月の間、どんな「まちあわせ」
       にめぐり会えるかな。



7/4    それではドン・カ・ジョンは、10日まで神戸に滞在します。
       お近くに寄られたらどーぞ。それまでPCが見れませんので、ワー
       クショップのご予約は、直接ナフシャさんまでお願いします。
       たくさんの「まちあわせ」、楽しみにしています。



7/3    そう言えば昨年の搬入日、神戸では記録的な台風にみまわれた
       ことを思い出しました。なんだか明日もお天気荒れそうですね。
       どうなることでしょう、、、。
        今日、看板を描き終えて全て終了。明日、車に乗せてえっちら
       神戸まで。最後に木片に絵を描いたら止まらなくなって、結構たく
       さんの作品になりました。さっき数えてみると、小さいのも合わせ
       ると全部で100以上ありました。
        今回は時計もいくつか作って、今日電池を入れてみると、針が
       動き出し、まるで絵に命が吹き込まれたようでした。絵の鼓動。
       カチコチ、カチコチ、、、僕の展覧会もいよいよ動き出します。
       お近くにいらっしゃいましたら、是非おいでくださいね。



7/1    YES!見えました。待ちあわせ展。もう、いけそう。
       今日は、無敵の勢いで描きました。ひとつの作品をゆっくりじっくり
       作り上げるより、こんなふうに「ちぎっては投げ」、じゃんじゃん描く
       方が僕には向いているかもしれないなあ。ああ、楽し。毎日が展覧
       会やったらええのになあ。
        えっと、毎年楽しみにしている、すずかけ作業所さんの前の広場
       で行われる「ランプフェスティバル」。今年も誘っていただきました。
       日にちは、9月23日(祝)。もちろん、一般の方もご来場できます
       ので、遊びにいらしてくださいませ。



6/30   待ちあわせTシャツ
       楽しいなあ。思いつくまま、手描きで作っています。誰か、Tシャツデ
       ザイナーとして雇ってくんないかなあ。今回は20枚限定、オール
       1点ものです。黒と水色の2色。今、10枚くらい出来上がって、部屋
       の中は大変なことになっています。後ろ側にも描いているんで、
       展覧会では楽しんで観てほしいな。



6/28   なんだか暑くて寝苦しい日が続きますね。僕はただでさえ寝つき
       が悪いので、すぐに寝られる人が羨ましい。眠れないとき、みんな
       寝やすくなるようなことを持っているんかなあ。坂本竜馬は、足の
       裏で呼吸しようとしたらしいですが。昨日はとりあえず、好きなCD
       アーロン・ネヴィルの「WARM YOUR HEART」を聴くんですが
       好きなアルバムというのは、一瞬にしてそのCDをよく聴いていた
       頃が蘇ってくる装置のようで、大学生の頃の自分に戻ってしまい
       ました。これまた眠れない夜。



6/25   おもしろくなってきた
       毎年、展覧会に向けて絵を描いていると、何度かは小さな絵の
       神様が降りてきて、誰かに描かされているようなそんな気持ちに
       なります。今日はまさにそれで、無我夢中で一日が終わりました。
       それを文章でお伝えできないのが残念ですが。
        「めちゃくちゃ」とよく言いますが、「めちゃくちゃに絵を描く」とい
       うのは、実は相当難しいように思います。めちゃくちゃのつもりでも
       実はある規則性や秩序を持った線や色だったりするんですよね。
       例えば、右利きの人は線を左から右にひきやすい。それだけで
       少しパターン化された絵になりやすいんですよね。きっと、本当の
       意味で「めちゃくちゃに描く」ことができたら、最高かっこいい絵に
       なる、と僕は思います。



6/23   アメリカの方のホームステイを1週間ほどお願いされて、あんま
       り忙しいので一度はお断りさせていただいんですが、ステイ先が
       なかなか見つからないようで、3日間だけお引き受けしました。
       生徒さんを引率されてきたスージーさんという先生で、昨日から
       いらっしゃいました。朝、5時に起きてランニングされる習慣があ
       って、寝坊の僕が起きた頃にはひと汗かかれた後でした。
        今日はよく行くお寿司屋さんに行きました。おかみさんがおみや
       げに大きな湯飲みをくれたり、漢字の書いた和紙をくれたりでした。
       その和紙で思いついたのですが、スージーさんというお名前の漢
       字は「数字」がいい。発音も似てるし、なんといっても数学の先生
       をしてらっしゃるから。自分の名前って、ひょっとしたら他の国で
       は何かの意味があるかもしれないですね。



6/21   以前、青い卵っていうのをTVでやっていました。青いといっても
       パッと見は白く、よく見るとうっすら青い卵。最近、僕の家には新鮮
       なお魚などを積んだ小さなトラックがやってくるのですが、その中
       にありました、青い卵。ひとつのパックに、茶色と青色の卵が入っ
       ていて、早速いただいてみましたが、甘味があっておいしかった。
       おいしいものって、みんな甘味がありますね。散歩カメラに載せて
       みたんですが、青いのはちょっと分からないかな。



6/20   最近は、にわかに植木屋さんが忙しくなっていたんですが、よう
       やく落ち着いて、やっと展覧会の追い込みにかかろうかなと思っ
       ています。まだ半分くらいしか描けてないんですが、今回はなぜか
       あまり焦ったりしていません。きっとそれは僕の中に描きたいこ
       とがはっきりしているから。あとはそれを紙の上に出していくだけ
       です。今はたくさんの絵たちが、僕の中で生まれ出るのを待って
       いる時間です。



6/19   神戸のお友達でTシャツのデザインをしてられるマサルさんが、
       名古屋で開催された「クリエイターズ マーケット」というアーティ
       ストさんたちのフリーマーケットに出展されたので、行ってきまし
       た。とっても個性的なお店ばかりで楽しかった。ひとつ、てんとう
       虫の財布も買っちゃいました。季節がら、Tシャツを作っている
       人もたくさんいました。僕もマサルさんから無地のTシャツを譲っ
       てもらって今度の展覧会で出そうと思っていたので、いろいろ
       観られてよかったな。たくさんの作家さんの作品を観るというの
       は、「僕だったらこう作る」ってのが客観的によく分かるもんで
       す。今回は全部手描きで作るつもりですので、よろしかったら
       また観てやってくださいね、夏の「待ちあわせTシャツ」。



6/15   子供の頃よく行っていた画材屋さんに行ってきました。20何年
       ぶりくらいに訪れた小さなお店。今は大きなお店に行けば、何で
       も揃うようになったけれど、やっぱり昔ながらのお店はいいな。
       まだあってよかった。足の踏み場もないほどの狭い空間には、
       油絵の具の匂いがして。ゴッホやミレーに憧れていたあの頃の
       匂いがしました。お店を出たとき、僕の影は子供くらいの大きさ
       だったに違いありません。



6/14   スイートチリソースをひと瓶作ったので、最近はベトナム風の
       料理をよくしています。今日は生春巻きに挑戦。不器用なので
       皮を巻く作業がなかなかうまくいかず、コツをつかんだ頃には
       皮がなくなってしまいました。それでも具が余ってしまったので
       なにか春巻きの皮になるものないかなあ、と冷蔵庫を探して
       いたら、ありました、サイズぴったり、のりです。ベトナム風料
       理を作っていたのに、のりを巻いたとたん「和風」度がぐんと
       UPするのはなぜでしょう。やっぱりチリソースより、からし醤
       油の方がいいな。そんなこんなで今日もご馳走様でした。



6/13   「名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実ひとつ、、、、」
       島崎藤村・作詞の「椰子の実」ですが。昨日、椰子の実をひとつ
       いただきました。大きい。穴を開ければなんとなく果汁が飲めるの
       かなあ、くらいの乏しい知識しか僕にはないので、いざ穴を開け
       ようとするんですが堅い、堅い。それでもやっと開けて出てきたの
       が、ちょうどコップ1杯分の果汁。この大きさ、労力でコップ1杯分
       なんだなあ。さっそく飲んでみたけど、味はほとんどないのに、
       ちょっとクセがある感じ。ぬるっとしてた。1日冷蔵庫に冷やして
       今日飲んでみたら、なかなかすっきりおいしかったです。
       椰子の実ジュースを飲みながら、AIMOS LEEを聴いていると
       自分がどこにいるのか分からなくなったような、そんな昼下がり
       でした。遠き島かあ。



6/12   姉が旅行に行っていて、姉の家で飼っているコーギー犬2匹が
       家に来たので、合計3匹のコーギーで大騒ぎです。もともと家に
       いるマウイは、日頃部屋でのんびり暮らしているので、御飯を
       食べるときもボロボロこぼしながらゆっくり食べます。姉の犬た
       ちは競い合うようにして食べるので、もし一緒にいたらあっとい
       う間にマウイの御飯も食べてしまうので、別の部屋にして食べ
       ます。競争社会に生きる犬と、「ボー」と生きる犬との違いです。
       それでも昼寝のとき、扇風機にあたるよう、3匹が一列に並ん
       で寝ているのが、なんともおかしかった。



6/9    コーヒー1杯分の1日。
       僕はコーヒーが大好きなんですが、体がまだちびっ子らしく、
       実はコーヒーが飲めるようになったのは最近のことなんです。
       だから今でも「飲む」というより、香りを楽しんでいる方かもし
       れません。
        朝の光の中、コーヒーを入れて絵を描くのはなんとも幸せで
       すが、日が暮れたころ気付いてみると、まだカップにコーヒー
       が残っていることがよくあります。コーヒー好きな人には怒ら
       れそうですが、1日かけてゆっくりゆっくり飲む1杯のコーヒー
       も、それはそれでとても幸せなんです。コーヒーの匂いとずっ
       と一緒にいられるし。今日も絵を描き終えた夕暮れ、最後の
       ひとくちをいただきました。



6/8    植木屋さんで最近行っているところには、ほっぺがほんの
       り赤くなった梅がたわわになっていて、おばちゃんが「持っ
       ていってー。」とたくさんくれました。庭のアジサイも、「ぽっ」
       と青くなり、やわらかい緑の季節から、たくさんの色が生ま
       れる季節になったみたい。こうしている間にも、どこかで小
       さな色が生まれてるんだな。



6/5    夢の中で。
       僕はたまに夢の中で作曲なんてします。とは言え、そんな
       たいしたものでなく、勝手に歌っている自分がいて、作る
       と言うよりは誰かに作らされた感じです。今朝も夢の中、
       なぜか南の島の海岸で歌っていました。夢のあと、テープ
       レコーダーに鼻歌で録音して、また寝ます。あとで聴くと、
       寝ぼけた鼻歌がマヌケなんですが、結構いい曲だったりす
       るんです。最近JAZZばかり聴いているので自然とJAZZ
       でも生まれるのかなと思うのですが、なぜかレゲエでした。
       それから夢の中で歌っていた歌詞もあまりにかっこ悪く、
       ちょっと歌詞を代えてうまく仕上げられたらいいなあと思い
       ます。夢の中のレゲエ、いかがでしょう。



6/4    田んぼにいっせいに水がはられて、地球はまるで青空を映す
       鏡のようですね。僕のいる田舎の夜は、カエルの合唱です。
        映画レビュー。「ア・グレイトデイ・イン・ハーレム」を観ました。
       58年、雑誌「エスクァイア」の呼びかけで、57人のJAZZミュージ
       シャンがNYハーレムに集まり、一枚の写真に収まりました。映
       画はその一枚の写真にまつわる話。アート・ブレイキー、ディジー
       ガレスピー、セロニアス・モンク、ソニーロリンズ他、、、よくもこ
       んなに集まったなあという人たちの写真ですが、その豪華さよ
       りも僕はハーレムの子供たちと一緒にくつろぐミュージシャンた
       ちの表情がすごくいいなと思います。きっとJAZZという音楽が
       持つ「黒人の温度感」が、ハーレムの街や子供たちそのものだ
       から、こんなにとけあって観えるんだろな。



6/2    今日はなんかいい絵が描けたなあ。ゾウと小鳥が待ちあわせし
       ている絵。よかったら展覧会で観てやってくださいね。
        毎回神戸に行くと立ち寄るJAZZのお店。今回は、61年アート
       ブレイキー、それから最近のケニー・バレルの映像をいただきま
       した。どちらもかっこいかったー。アート・ブレイキーの方は、なん
       といっても若き日のウェイン・ショーター(ts)、リー・モーガン(tp)
       のラッパ吹き合い合戦、みずみずしかった。ピアノのボビー・ティ
       モンズも泥臭くていい感じやなあ。
        ケニー・バレル先生の方は、どう観てもパンチパーマ普通のお
       じさんですが、ギターを弾いた途端かっこいいんだなあ。ハートで
       音楽をしている人は、何年経っても音が呼吸しているようです。
       指がめっちゃきれいやったのが印象的でした。
        他にも、ずっと観たかったドキュメンタリー映画「グレイトデイ・
       イン・ハーレム」もいただいたので、また映画レビューしまーす。



6/1    今、世界で一番坊主頭が似合う男。
       ジャック・ジョンソンのライブに行ってきまーした。Gラブとの共演
       ということもあって、すごいお客さんで、ジャックも御機嫌だった
       なあ。
        えっと、はじめて自分でズボンなんてデザインしてみました。
       といっても、形は今持っているものと同じですが。それで、いつ
       もライブに来ていただいている洋服屋さんにお勤めのお友達に
       いろいろ無理を言って作ってもらいました。(RさんMさん、どーも
       ありがとう。)とっても気に入っています。最初はステージ用にデザ
       インしたんですが、実物を見たら春らしくて、これを履いて散歩し
       たいなあって思いました。



5/31   神戸での初日。午前中にいくつかまわるつもりで、まず武庫川
       すずかけ作業所さん(カフェ・ぷれんとりさん)へ行ってきました。
       そしたら「今、2階でTシャツ作っているんですよ。」ってことで、
       見学させてもらいました。知的障害の人が描いたぶっとび絵画を
       1枚1枚プリントしてはって、すごく面白かった。今は布に描く材料
       も進化していて、本当に紙に描くみたいに描けちゃうんだなあ。
       手描き1点ものもあってかっこいかった。それで僕にも描かせ
       てもらえるというんで、スタッフの方のTシャツに描かせてもらい
       ました。あんまり楽しくて、時計を見たらもう12時を過ぎていて、
       最初から計画性がないなあ、の初日でした。



5/30   どーも、たらいまです。
       お世話になったところを中心に、いろんなところにDM配りでまわ
       っていると、ついつい長居しちゃってなかなか予定通りいかない
       もんですが、それでも昨日までに全部まわってきました。
        ナフシャさんでは展覧会をしていたつよしさんに、Vieさんでは
       わっくんにもお会いできたし、神戸の街もおしゃれな新しいお店が
       たくさんできていて、そんなお店に入ったり、たくさん歩いた3日間
       でした。それでたくさんの人に「ドン君、痩せたねえ。」って言われ
       て、普段ほとんど人に会わず、体重計にものらない生活をしてい
       るので、銭湯で体重計にのってみました。すると、なるほど前より
       すごく痩せていて、これは神様が「もっと食べてよい。」と言ってい
       るに違いなく、食いしん坊になろうと少しハッピーです。
       あと、展覧会中に在廊する日をよく聞かれたんですが、予定をた
       ててなくてお答えできませんでした。きっとたくさん行けると思う
       んですが、今行けそうな日は「初日から10日まで。16日から18
       日。30、31日」は大丈夫のような気がします。その他にもまだあ
       ると思うので、またHPにUPしますので、念のためご来場の際は
       ご確認していただけるとうれしいです。初夏のナフシャさんで「待ち
       あわせ」しましょう。



5/25   今日はご依頼をいただいていた絵を描きました。愛犬がダッ
       クスフンドだそうで「毎日運ぶ犬(けん)」という絵です。喜んで
       もらえるといいな。
        明日から少し時間ができたので、神戸方面に行って展覧会の
       DMをいろんなところに置いてこようと思います。なので2,3日
       留守にしますけど、どーぞよろしく。時間が空いたら、ナフシャさ
       んで、コーヒーでも飲んでいると思うので、もし神戸方面でお近
       くに寄られたら、覗いてやってください。



5/24   2月に行われたワークショップでは、本当にいい経験をさせて
       いただきました。それで、ひとりでも多くの方に「君にしか描けな
       い絵がある」ってことを伝えたいなと思って、今回の展覧会期間
       中にもワークショップをさせてもらうことになりました。
        内容は、何かひとつのものに向かって描くというのではなく、
       それぞれがその人でしか描けないものを見つける、ということ。
       と言っても難しいことでなく、みんなで子供になって「わー」っと
       絵を描けたらと思っています。ちょっと視点を変えて。
       ナフシャさんのテーブルいっぱいに、みんなの色や線が溢れ
       出てくるのが今からとっても楽しみです。よろしかったらご参加
       くださいね。ナフシャさんの奥の大きなテーブルを囲めるくらい
       の人数がちょうどいいので、いちおう定員8人です。詳細は「演
       奏会&展覧会」のページにUPしました。



5/23   本屋さんに行ったら、今出ている「こどものとも・年中」が、
       西村繁男さんの絵やって、早速買ってきました。フキやたん
       ぽぽの葉っぱ、たんぽぽの綿帽子など、春の草花のスケッ
       チがたくさんでした。失礼かもしれないけど、西村さんのスケ
       ッチは、完璧でないところがいい。人の手触りみたいなところ
       を残していく感じ。西村さんの本に登場する人物も、変な顔
       の人が多い。それもきっと、人それぞれ完璧な形でない方が
       世界は面白くて美しいってことなんだな。
       この絵本を読んだら、西村さんの住んでいる藤野の山を思
       い出しました。ああ、5月の藤野の空、きれいなんだろな。



5/20   展覧会のDMができました。
       もし、どこかでこのDMを手に取られましたら、実物はもっと淡
       くてふわっとした感じと思って下さいまーせ。メールのない方を
       中心にお送りするつもりですが、なかなか住所無くしてしまった
       りで、全部の方に届かないと思います。もしDMご希望の方が
       あれば、お送りしますのでご連絡くださいませ。
        7月30日(土)は「6時にナフシャで演奏会」決定です。
       それから期間中、ワークショップも行うことになりました。それは
       また近々UPしますね。



5/18   僕の家には1メートルくらいある大きなボンボン時計がありま
       す。もう亡くなったおじいちゃんが、ある所に寄贈し、そのある
       所が取り壊されることになって、家に戻ってきたものです。だか
       らまさに「大きなのっぽの古時計」。僕なんかよりずっとたくさん
       の歴史を抱えた古時計。もし話すことができたら、どんなことを
       話してくれるだろな。
        今回の展覧会のテーマは「待ちあわせ」なので、時間や時計
       も大事なものです。絵という平面の中に「時の流れ」を描き込ん
       で、この古時計のようにいつまでも作品が生き続けたらいいな
       あと思っています。



5/17   昨晩ふとTVをつけてみると、「ニュース23」に写真家の大西
       暢夫さんが出演されていました。精神病院の精神障害者の方
       を撮り続けておられて、昨年「ひとりひとりの人」という写真集
       が出版されました。番組は、その病院で障害者の方とお話する
       大西さんを追うもの。「精神病院というひとつの塊としてでなく、
       それぞれに歴史があるひとりひとりの人間に興味を持った。」
       とおっしゃる大西さん。ほんと、いいお仕事してらっしゃるなあ。
       以前にも少し書きましたが、僕は大西さんとは一度しかお会い
       したことないけれど、お話したとたんまるでもう何年も前から仲
       良くさせてもらっているようでした。ハートがある人って、そうや
       って人を惹きつけていくんだろな。「この人、信頼できる」って人。
       またお会いできたらいいなあ。応援しています。



5/16   再び。
       展覧会に向けて缶バッチ作ろう、と思って缶バッチ作り機を回
       したら、うまく作れません。きっと前回消耗しすぎてもう寿命なん
       やろうな。なので今日、また新たな缶バッチ作り機を買ってきま
       した。なんとこれでもう4台目。こんなにこのおもちゃメーカーに
       貢献しているのも珍しいんじゃないかな。僕は作るとき、100
       個単位で作るので、やっぱり傷んでしまうんですよね。
        さあ、缶バッチ職人再開。ワクワクしてきました。



5/15   CDレビュー。
       マイアイドル、セロニアス・モンクの「It’s Monk’s Time」
       を聴きました。1曲目「Lulu's back in town」の不協和音
       のようなイントロ。もう満足です。モンクが弾くピアノには、鍵盤
       と鍵盤の間にもうひとつ鍵盤があるみたい。
        後半(コロンビア時代)のモンクは、共演メンバーがずっと
       一緒でそれが評判悪いんですが、僕はこの頃の演奏もかえっ
       て縛られてない感じが気に入っています。特に新しい曲作り
       は肩の力が抜けてて楽しい。だけど僕がもしメンバーで、モン
       クに「こんなフレーズ弾いてよ」って譜面渡されたら、思わず笑
       ってしまうやろな。「この人、なに考えてるんやろ。こんなフレー
       ズ、どっから出てくるんやろ」って思うやろな。その宇宙人さが
       偉いのだ。
        ちなみにこのアルバム名は64年、モンクがタイムス誌の
       表紙になったことに由来しているんだそうです。



5/14   今日は犬の予防注射の日。
       特にシェパード犬のモーツアルトの方は、とびっきり臆病で
       それはそれは暴れまくります。大型犬なので、もう大騒ぎ。
       犬によっては、飼い主が適切に注射の指導を受けて、犬が
       穏やかなときに、そっとしてあげるようになったらいいのに
       なあと思います。
       犬が噛みつくのは強暴だからでなく、おびえているからって
       のが多いような気がします。すごく吠えるのも、実はおびえ
       て吠えていたり、例え吠えてなくても、しっぽや目を見たら犬
       の気持ちも分かるから、人間の一方通行にならないように
       したいなあと思っています。



5/13   採りたての旬な野菜をいただくのは、なによりもうれしい。寒い
       ときは体を温めてくれ、暑いときには体を冷やしてくれ、旬の野
       菜ってのは、ほんとによくできてる。なんといっても、最高おいし
       い。
        それで、今僕のまわりの畑ではえんどう豆が旬で、ありがたい
       ことに食べても食べてもえんどう豆がまわってきます。そんなに
       食べたら体がえんどう豆色に変色してしまうよ、ってくらい。
       今日また、大きなバケツいっぱいのえんどう豆が届きました。
       えんどう豆料理のバリエーションって、どんなんがあるんだろ。



5/11   僕は、できるだけ食べ物を「物」としてでなく、「生き物」と考え
       ることができたらなあと思っています。そんな考え方を持つきっ
       かけとなったひとつが、森のイスキアの佐藤初女さんの本です。
       昨日読んだ田口ランディさんの本の中にも、森のイスキアに行
       ったことが書いてあって「じゃがいもが痛くないように皮を剥く」
       とか「お米の息がしやすいように」という言葉を使う初女さんの
       ことが書いてありました。僕は初女さんの料理を食べたことが
       ないから、そうして作られた料理がどんなんかは分からないけ
       れど、それはそれはおいしいんだそうで。
        よく考えてみれば、そういった考えは何も料理だけでなく、僕
       の生活の中でも多々あてはまることなんですよね。植木屋さん
       をしているときも、できるだけ木が痛くないように切ってあげる。
       そうすると、木がなんだかいつもより男前になったように見える
       んですよね。(木が男かどうか知らないけれど。)まあ、思い入
       れもあるだろうから、そう見えるだけかもしれない。だけどそう
       して木と関わると、自分自身がとても気持ちいい。木も喜んでい
       るみたいで。だから、他者の「生きる」を感じることは、つまり
       自分が少しでも気持ちいい、それだけでも充分だなあと思った
       のでした。



5/10   友達の絵本作家さんから、男の子が生まれたというお知ら
       せをいただきました。無事生まれてよかった、よかった。
       春に生まれるって、なんだかいいなあ。やわらかい新芽があち
       らこちらで空に伸び、鳥の声もいっせいにたくさんの種類になり
       世界がみんな淡い色になっていく。こんな祝祭的な世界に生ま
       れ出るのはやっぱりいい。春は「はじまり」の季節ですね。
       今度生まれるときは、春にしよう。



5/8    「博士の愛した数式」という小説を読みました。記憶をなくした
       数学博士をめぐる物語ですが、阪神タイガースが結構重要な
       キーワードでした。
        小さい頃から野球少年だった僕は、ドラゴンズファンで、暗く
       なるまで白い球を追いかけていたものです。ゴールデンウィーク
       など、その頃の友達に会うと、そのまんま野球少年に戻ります。
       こないだは野球観戦に誘われ、ナゴヤ球場なんて行ってきまし
       た。ナゴヤドームでなく、2軍の試合のやっているナゴヤ球場。
       高い青空の下、2軍の選手の試合をのんびり見ていると、隣の
       おじいちゃんが、遠藤という選手に向かって「えんどう豆ー、がん
       ばれー。」と応援していたり。ああこの感じ、世界は地平線まで
       寝転んでいるようでした。



5/7    雨上がりの朝。久しぶりにニコン・FM2を持って歩きました。
       雨を浴びて、自然がひとまわり背伸びしたようでした。
        「日本には宗教はないという話だが、歩くことが宗教であっ
       たかもしれない。神様は天に在すのではなく、山川草木の中
       に充満している、、、。」これは白洲正子さんの「両性具有の
       美」という本の中にあった言葉です。
        きっと僕は、おじいちゃんになるまで、こんな小さな幸せを
       探し続けるでしょう。神様のようなものは、いつでも僕の隣に
       いて、僕はそれに気付くか気付かないだけのことなんだろな
       きっと。



5/5    犬のモーツアルトは、不思議なことがあると首をかしげます。
       木の上の鳥も、よく首をかしげます。「あれ。」と思ったとき
       首をかしげるのは、人間だけの共通でなく、生き物みんなの
       共通でしょうか。水の中の魚もかしげるのかなあ。「あれ。」
       と思ったら、見る角度を変えるためにかしげるのもあるだろう
       けど、きっとそれだけじゃない気がします。
        身体と感情の関係は面白い。僕たちは、当たり前のように
       悲しんだり、感動したりしたとき涙を流すけれど、どうして涙が
       出るのかだって、実はよく分かっていないんですよね。こんな
       に科学が発達していても。
       世界中の生き物たちが首をかしげるところを想像すると、
       なんだか愛らしい。



4/30   あっというまに半袖、半ズボンになってしまいました。あれ、
       春服はどこへいったんだろ。
        ニューオリンズ話ついでに。僕が持っているアルバムの中で
       最もジャケットがかっこ悪いアルバム、「リジュビネイション」。
       大変失礼なんですけど、100歩譲ってもやっぱりかっこ悪い。
       だけど、僕がニューオリンズといってまず思いつくのがこのア
       ルバム。以前は、今のようにミーターズのCDが再発されて
       お手軽に買えることなんてなかったので、まめに中古レコード
       屋さんをまわるしかなかったんですよね。なんといってもこの
       アルバムには、「ヘイ・ポッキー・アウェイ」や「アフリカ」のオリ
       ジナルが入っていて、何年も探していました。それで遂には、
       ニューオリンズの中古レコード屋さんで見つけました。レコード
       盤がベロンベロンに歪んでいて、ついでに音楽も一緒に歪ん
       でいましたが、最初に友達の家でプレーヤーにのせた瞬間
       を今でも覚えています。そんな思い入れがあるから、やっぱり
       僕には大事な一枚。たとえジャケットが世界一かっこ悪くても。



4/28   本当に、好きなことって集まってくるもんですね。なぜか、ニュ
       ーオリンズな最近。アン・サリーにとってのニューオリンズが、
       古いJAZZだったように、僕にとってはセカンドラインファンク
       が好きで。ミーターズなんて気に入っています。それで以前ネット
       で見つけたミーターズのライブ映像なんてのが、今日届いたん
       です。彼らの演奏がこんなにまとめて観られるなんて、ああ、
       ありがたい。といっても今のグループ名は「ファンキー・ミーター
       ズ」で、元のメンバーはジョージ君とアートお兄ちゃんの2人で
       すが、ドラムのバティステ君も、ギターのブライアンおじさんも、
       僕のお気に入りで、今のメンバーの方が好きだったりします。
       もし生まれかわったら、こんなバンドでベース弾きたい。そう、
       ジョージ君になりたい。それにしても、この映像のジョージ君、
       半ズボンに白いハイソックス、妙に気になりました。



4/27   額が届きました。僕は毎回、知的障害の人が働くすずかけ作
       業所さんの関係のところで作ってもらっているんですが、今回
       もシンプルで素朴な額が届きました。
       いつも計画性もなく、展覧会前日まで絵を描いてしまうので、
       それからでは額を買うのが間に合わず、こうしてあらかじめ買
       っておくのです。あとは額の大きさに合わせて描きます。
       この素敵な額に似合うような絵が描けたらいいなあ。



4/26   アン・サリー「ブランニューオリンズ」を聴きました。
       ニューオリンズ、3年間の生活を終える記念に作れたそうで、
       ニューオリンズへの思い入れがたくさんのアルバムでした。
       アン・サリーといえば、無国籍な透明感というのが僕の印象で
       すが、今回は地元のミュージシャンと一緒にしているせいもあ
       り、バックはかなり黒人っぽい。最初にこのアルバムを聴いた
       とき、蓄音機からパティ・ペイジが流れてきたようでした。それ
       でも、僕の体内には彼女の声や歌いまわしが、しっくりくる細胞
       があって、彼女の声がするだけで、なんだか落ち着いてしまうの
       です。



4/24   僕の部屋は2階にあって、南側が全部窓です。何があると
       いうわけでもないですが、ここで無数の光のシャワーを浴びる
       のが至上の喜びです。花をどこかで拾ってきて、家に帰って
       お水に入れるまではぐったりしているけど、お水に浸かり、
       光を浴びると、みるみる鮮やかに背伸びするように、きっと
       人も光に影響されているんでしょうね。心にとっても体にとって
       も、光を浴びれば何かが動き出す。



4/22   CDレビュー。
       バド・パウエル「スウィンギング・ウィズ・バド」を聴きました。
       僕の場合、特にJAZZのアルバムを聴くときは、プレーヤーに
       CDを入れて、10秒くらいでだいたい決まります。「わ、かっこい
       い」。そう最初に思ったCDは、結局何回も聴くアルバムになるし
       その逆の場合は、評判がいいアルバムでもやっぱりあまり聴か
       なくなりますね。
       「スウィンギング〜」の1曲目。「ANOTHER DOZEN」。かっこ
       いい。決まりました。晩年のバドのピアノは、黒人らしい「粘りっ
       け」があって、こんなん好きやなあ。



4/21   居眠りをしているときに電話がかかってきたら、頭の中で全力を
       あげて「起きる」の状態にして、起きてたフリをして電話にでるんで
       すが、だいたい「寝てた?」とバレます。あれなんでだろ?寝ぼけて
       いるときの自分は、手ごわい。
       以前、朝起きて歯を磨こうとしたら、歯ブラシに歯磨き粉をつける
       ところ、料理用の油をつけていました。寝ぼけているときの自分は
       やっぱり手ごわい。



4/20   今日は雨だったので植木屋さんは休みで、1日絵を描いてい
       ました。そろそろ展覧会のDMの絵を描かないとね。僕はDMを
       作るのが苦手で、いつもあまりうまくいかないんです。今回はう
       まくいくといいなあ。
       7月は「3時にナフシャで待ちあわせ展」です。ナフシャさんは、
       待ちあわせするにはとってもいい場所。昨日会ったばかりの人
       も、何年かぶりに会う人も、たくさんの待ちあわせが期間中に
       あるといいな。



4/19   京都に住んでいたとき、ある大きなCD屋さんでバイトしてたこ
       とがあります。どういうわけかクラシック・JAZZ担当になってし
       まい、そのときは「えー。」と思ったものですが、今思うととっても
       いい経験をさせてもらったなあと思います。クラシックやJAZZの
       ことを何も知らない僕は、毎日レジのところでそれらの本を読ん
       でいたわけですが、そんな音楽が好きなお客さんというのは、
       「○○年の、誰々演奏のCDありますか?」みたいに「通」な人
       ばかり。普通のことすら知らない僕には、もうお手上げなわけ
       で。でもそうやって働いているうちに、なんとなく本当にいいも
       のが分かってくるんですよね。「わ、これやっぱりいいな。」みた
       いに。
       中学生のとき読んだ本で、淀川長治さんが映画を学ぶ人のた
       めに書いたものの中に、「映画だけでなく歌舞伎やお能、演劇
       などを観なさい。それも本当にいいものを観なさい。」ってあった
       ことが僕の中にはずっと残っていて、「ああ、こういうことなんだ
       なあ。」って思えるようになりました。



4/18   「散歩カメラ」を見ると、花粉症の季節そのまんま散歩していな
       いのがよく分かります。ああ早くカメラ持ってのんびり散歩したい。
       そう言えば、今日植木屋さんで行った所は、マスクを作る所でした。
       そこのおばあちゃんが、帰りにたくさんマスクをくれました。



4/16   信じられないんですが、高田渡さんがお亡くなりになったそうです。
       お知り合いから、北海道で倒れたとは聞いていたんですが、まさか
       まさか。56歳だったそうです。ご冥福を。
        残念ながら、渡さんのライブを生で観たことはないんですが、
       何度かお見かけしたことはありました。一度は、東京・井の頭公園
       の立ち飲み屋さんから出てきた渡さん。一度は、中道商店街を自
       転車に乗って過ぎ去る渡さん。カゴにはネギがささっていました。
       一度は、京都のライブハウスで隣同士、ライブを観ました。本当に
       歌と現実が同じで、生活がにじみ出てたようだったな。
       「アイスクリーム」という曲が好きで、ドン・カ・ジョンでもいつか歌
       ってみたいなあ、と思っていました。残念。



4/15   今回のみっけもん。
       少しだけの神戸でしたが、最近神戸に行くと必ず立ち寄るJAZZの
       お店。今回もたくさんDVDをいただきました。サニー・ボーイ・ウィリ
       アムソン、オーティス・スパン、チャールズ・ミンガス、コルトレーン、
       モンク、チャーリー・パーカー。うーん、お宝いっぱい、いっぱい。
       なかでも一番よかったのは、トム・ウェイツ。95年イタリアでのライ
       ブ映像。いつもは演劇のようなステージを作るトムですが、この映
       像ではベースと2人、シンプルに淡々と歌ってました。こんなピュア
       な彼の演奏を観るのは初めて。選曲も最高よかった。
       トム・ウェイツが描くアメリカは、ほんとにいいなあ。まるで酔っ払い
       の背中から天使の羽根がはえたみたいでした。



4/14   音楽(主にヴァイオリン)を教えてらっしゃるリンダさん。彼女からい
       ただいた冊子の中に、鈴木鎮一さんのことが書いてありました。偶然
       彼の本がナフシャの本棚にあって読みました。ヴァイオリンを通して
       子供さんを教える「スズキメソッド」という教育方針は、日本より海外
       で支持されているそうです。「才能は生まれつきでない」という「愛に
       生きる」という本。とってもいい本でした。リンダさんも、きっと才能を
       育てているんだろうな。
        彼女との9年ぶりの再会もあっという間に過ぎて、何か贈り物をと
       「詩のようなもの」を作ってお贈りしました。今度はいつ会えるかな。


        月にお話すれば

       君が月にお話すれば 月は僕にお話するでしょう
       どんなに遠く離れていても 僕らはおんなじ月の下にいる
       どうぞ月にお話してください
       そうすれば月は僕にお話してくれるでしょう

       僕が月に歌えば 月は君に歌をうたうでしょう
       どんなに遠く離れていても 僕らはおんなじ星の上にいる
       さあ月に1曲歌うよ
       そうすれば月は君に歌をうたってくれるでしょう



4/13   日本にいらしたリンダさん。
       アメリカにはないということで、くるくる寿司にもお連れしました。
       カッパ巻きでは、日本の想像上の生き物「河童」について、いなり
       寿司では、日本の神様のお使いとしての「きつね」について、以外
       にも結構ディープな日本文化が、お皿に乗って廻っていました。
       改めて言葉をくだいて説明していると、自分でも勉強になるもん
       です。
       それでナフシャさんで、そんなお話をしていたら、「万博とくるくる寿
       司の関係」について教えてもらいました。1970年、大阪万博のとき
       お寿司屋さんでは、あまりにお客さんが多いので、ひとりでも多くの
       人に食べてもらえるように、くるくる寿司が発明されたそうです。へえ
       くるくる寿司といい、万博といい、タイムリーでした。



4/12   日本にいらしたリンダさんとは、桜を観に行ったり、美術館へ行っ
       たり、神戸に行ったりでした。
        外国から京都などにいらっしゃるときは、紅葉の季節と桜の季節
       が最も旅費が高いんだそうです。そのうち、紅葉は期間が1ヶ月くら
       いあるけど、桜は5日間くらいしか満開の期間がないので、こちらの
       方が高いんだそうです。ふーん、なるほど。
        お花見というのは、外国の人に「花より団子」という諺をお教えす
       るには最適。本当に皆さん、「花より団子」でした。
       「どうして日本人は桜をこんなに大切にするんですか?」というリン
       ダさんの問いに対して、思ったんですが、単純に「きれい」ということ
       もあるだろうけど、日本っていうのは昔から、皇室、将軍などの権力
       闘争によって、暗殺されたり左遷されたりする人がいて、その人の
       祟りを鎮めるために「神様」として奉る文化があるんですよね。それ
       で、そのように暗殺された人を桜の元に埋めて以来、桜を奉った
       というような話を、本で読んだことがあります。だから、昔はそんな
       意味合いもあったかもしれません。って、そんなことを英語で話す
       のはちょっとハードでしたが、どのくらい伝わったかなあ。



4/11   ずいぶん、日記をサボってしまいまして、、、。
       アメリカからリンダさんというお友達がいらっしゃっていて、少しお
       世話させていただいていました。最高スウィートなリンダさん。お母
       さんくらいのお人ですが、アイリッシュ音楽のフィドルを弾いてられ
       ます。音楽の先生もされていて、どんな楽器も弾ける。うらやましい
       (彼女の部屋には、世界中の面白い形をした楽器が、所狭しと飾
       ってありました。)
        僕が彼女に出会ったのはもう13〜14年位前、シアトルに行った
       とき。まるで絵本の中のような、深い森の中に家があって、煙突か
       ら暖炉の煙がぽんぽん空に飛んで、木の上にも小さな家があった
       り、15mくらいの大きなブランコが木にかけてあったり、朝は庭の
       ニワトリの卵を取ってきて食べたり、、、、。彼女のお家やご家族
       のお話をしたら、ほんとキリがないんです。9年くらい前に、もう一度
       お会いしに行ったので、それ以来の再会でした。僕に英語がもっと
       できたら、もっとたくさんのお話ができたんだろうけど、それでもす
       ばらしい時間を共有することができました。とても全部を書ききれな
       いですが、印象に残ったことをまた書けたらなあ、と思っています。



4/5    もうセーターいらないですね。あったかい。
       それでも、花粉症の僕にはまだまだ、本当の春は清々しい空気を
       胸いっぱい吸い込めるようになったとき。花粉症の方々、あともう
       少し、がんばりましょう。
        少し前にも書きましたが、今年は漢方薬が魔法のように効いて
       すごく助かっています。「小青竜湯」というもので、朝一番、空腹時
       に飲んで、そのあと2〜3時間後にもう一度飲みます。そうすると
       寝るときまで楽になりました。もしまだ苦しいお方がいましたら、
       ご参考までに。



4/4    ベン・ハーパー&ブラインドボーイズ・オブ・アラバマのライブ映
       像「LIVE AT APOLLO」を観ました。昨年出たアルバムのライ
       ブ版です。ブラインドボーイズは、文字通り盲目のおじさんゴスぺ
       ルグループ。なんと言ってもこのライブのハイライトは、ブラインド
       ボーイズのジミー・カーターをフューチャーした「I shall not
       walk alone」。泣きました。
        僕たちの魂のところには、言葉や国を超えて、みんなが共通の
       大きな波動みたいなのが流れていて、ある表現が人間の域を越
       えたとき、「スポ」っとその波動の流れに乗るように感じました。
       眼が見えるというのは、その波動を感じて表現するにはあまり
       意味がないんだなあ、と思いました。



4/3    「日月山水図屏風絵」という絵が観たくて、愛知県美術館へ行っ
       てきました。万博に合わせて、日本の歴史的な美術を集めようと
       いう企画みたいですが、理由はどうあれいい作品が観られたら
       うれしい。
        「日月山水図屏風絵」は、室町時代に描かれたもので、京都の
       金剛寺にあるものです。本当は、巡礼の道をたどってお寺で観る
       方が何倍かいいんでしょうけどね。怠け者の僕は、こんな機会を
       選んでしまうのでした。ばかでっかい二枚の屏風絵。圧巻でした。
       何かに取り憑かれたように描いた「すごみ」があって、あまりのパ
       ワーに「ボワン」と胸を突き押されたようでした。(なぜかこの絵を
       観ていると、僕の中ではソニー・ロリンズのサックスが流れていま
       した。)
       春から夏の景色が一枚、秋から冬の景色が一枚。二枚でひとつ
       の作品ですが、四季の移り変わりと夜と昼を封じ込めたようにな
       っています。遠くのものを大きく、近くのものを小さくという「逆遠近
       法」も、めっちゃかっこいい。あれはやっぱり、その場で観ないと感
       じられない気勢なんでしょうね。
       その隣にあった加山又造の「春秋波涛」という作品は、「日月山
       水図屏風絵」に影響されて描かれた昭和のものだそうですが、
       これもよかったなあ。おしゃれやった。
       いいもん観させていただきました。



4/1    ケニー・バレル「ミッドナイトブルー」を聴きました。
       こんなにブルースが持つ「色気」みたいなものを、漂わせたアル
       バムって、今まで聴いたことがあるかなあ。「ミッドナイトブルー」
       のブルーは、ブルースのブルーってことがよく分かりました。
       彼は白人の人だけど、黒人が持つ「色気」に満ちていて、このア
       ルバムを色に例えるなら、青ではなくやっぱり黒っぽい。きっと
       作るときに「こんなん作るんや。」っていうイメージが、ものすごく
       明確にあったんだろな。最後まで張り詰めた緊張感は、楽器編
       成のシンプルさ、音数の少なさにあって、音楽は「間」の芸術っ
       てことを、改めて教えてくれたようでした。
        朝起きてこのアルバムが聴きたくなったら、あなたもきっとヤバ
       いでしょう。



3/31   少し前、漢方の薬局屋さんに行って、花粉症の薬をいただきま
       した。それが僕に合っているみたいで、助かっています。
        植木屋さんをしていると、「あそこの枝が枯れたから、消毒して
       ください。」みたいなことがあります。その木が、日当たりが悪く
       やせた土に植えてあると、日当たりがよくて肥えた土に植えた
       方がいいのになあ、って思います。その方が、その枝は枯れる
       かもしれないけど、根を張ってたくましく育つように思います。
       きっと、枯れたところに消毒液をかけようというのが、西洋医学
       的で、日当たりのいい場所に移そうというのが、東洋医学的の
       ように思います。僕はナチュラリストでないから、西洋医学にも
       頼ってしまうけど、医療だけでなくいろんな考え方についても、
       肥えた土の上で大木になるほうがいいな、って思います。



3/30   喫茶店でコーヒーを飲みながら新聞を読んでいたら、ある子供
       さんの詩があって、すごくよかった。忙しくて、何かに写すことが
       できなかったんですが、記憶が正しければこんなような詩です。

        人は空気が見えないよね
        じゃあ魚は水が見えないのかもしれない
        そして空気は見えるかもしれないね

        僕には、この子供さんが神様の眼を通して世界を見ているよ
       うに思えます。少し前にも書きましたが、「ほんとうのこと」を探っ
       ていくと、科学が文学や哲学を必要としてくるんですよね。
       例えば、人の眼には赤に見えるリンゴも、実際の本当の色は違
       うかもしれない。どれだけ科学が発達しても、証明するのは人の
       眼だから、永遠に分からないんですよね。この子供さんは、その
       向こう側にある「ほんとうのこと」をイメージしてる。すごいな。
       直感するということは、文学や科学の向こうにある、神様の秘密
       に最も近づけることなのかもしれません。



3/28   遅ればせながら、先日、宮川村で行われたワークショップ「踊れ
       宮川村〜君の絵を詩にしよう 音楽にしよう」で、参加者の皆さ
       んの素敵な絵たちに、即興で書いた「詩のようなもの」をUPしま
       した。お昼を食べて演奏会までの1〜2時間、あまりに短い間に
       作って、かつその詩に曲もつけたので、今読むと言葉足らずな
       ところがたくさんありますが、あえて即興で書いたままにしました。
       よろしかったら、ご覧下さい。
       「僕の作ったもの→詩のようなもの」、もしくは「演奏会」のページ
       からご覧いただけます。



3/27  僕の体内では免疫系統ががんばりすぎて、鼻水がどんどん出て
      きてしまう毎日です。まだ、どれくらい続くんだろう。
       10年位前、多田富雄さんの「免疫の意味論」という本を読んで、
      大変ショックを受けたのを覚えています。僕には難しくて、どれほど
      理解できたかは分かりませんが。それで最近、また多田さんの本
      を読みました。免疫というのは、外からの異物に対して「非自己」か
      「自己」かを判断するもの、というようなことが一貫してよく書かれ
      てます。これは、考え方によってはすごいことで、今まで「自分」を
      司るものは、脳やDNAのように考えられてきたけれど、心も含め
      て「自分」とういうものは、それだけではどうも説明できないんじゃ
      ないか、と考えることもできるんですよね。科学が哲学を必要とし
      てきたところも新鮮で。
       それでも、僕にとって当面の問題は花粉症で、僕の免疫もそん
      なにがんばらなくていいのになあ、と思うのでした。



3/26  犬のマウイが一番好きなこと、それはテニスボールで遊ぶこと。
      結構、ボールもすぐ壊れてしまうんですよね。
       今、植木屋さんである高校に行っているんですが、テニス部のボ
      ールでいらなくなったものを、いただきました。たくさんあったらいい
      なあと思っていたら、たくさんありました。100〜200個はあるでし
      ょうか。全部いただきました。これで、マウイもテニスボールの中で泳
      げるくらい。



3/25  「つくしんぼう」をいただいたので、食べました。おいし。
      子供の頃、家の裏の方に使われていない古い線路があって、暗く
      なるまでそこでよくつくし採りをしたものです。春の風景ですね。
       バド・パウエルの「bud!」を聴きました。彼のことが書いてある文
      章を読むと、必ずといっていいくらい「後期のバドは、前半に比べる
      とよくない」みたいなことが書いてあるんですが、JAZZ素人の僕に
      はそれがよく分かりません。このアルバムも後半のものですが、ピ
      アノの一音一音、沁みわたりました。かっこいい。僕は音楽を聴くと
      き、演奏者の魂みたいなものを共有できたらうれしい。直感的なと
      ころで聴きたいから、うまいとか下手はあまり気にしません。早く弾
      けることイコールすばらしい演奏ってのも、なんだか違うし。そんな
      意味でも「bud!」は、実に渾身のアルバムで、生気が漂っていま
      した。やっぱり、音楽はフィーリング。
      あと、グレン・グールドやモンクもそうですが、録音するときにどうし
      ても入ってしまうあの「ウー」とか「アー」といううなり声、バドもあの
      声がいいな。グールドの場合、クラシック音楽というのもあって、
      レコード会社の人は、なんとかその声を入れないように苦労した
      そうですが、ああいう声は絶対入れたほうがいい。



3/23  CD「アート・テイタム1938〜39」を聴きました。ピアノという楽器
      の表現を探っていくと、アート・テイタムという人は、ジャンルを越え
      て通らなければならない人かもしれません。
       僕は昔の音楽ばかり聴いて、ほんと時代遅れなんですが。50〜
      60年もの時間を経て、なお新鮮かつそのときの息吹きが感じられ
      るってすごいなあと思います。自分の内から表現せずにおれないも
      のがあって、誰も表現したことのないやり方で何かが生まれたとし
      たら、もうそれは「永遠に新しい」ように思います。作品の新しさは、
      その作品が経た時間ではなく、その作品が持つ「うぶさ」みたいな
      もので決まるんじゃないかなあ。今、僕たちのまわりに50〜60年
      を経て、なお新しい音楽がどれくらいあるだろう。



3/22  今朝、ビクターさんから小包がきて、ネットでCDを頼んでいたの
      で、それかなあと思って開けてみたらトートバッグでした。ん??
       「あ、そっか。」
      最近、JAZZのCDをよく買っていて、そうしているうちに集めるつ
      もりもないのに、なんかが当たる抽選券がたまるわけで、せっかく
      たまったら送ってみようとなるわけで、そしたらビクターのロゴ入り
      トートバッグなんてのが当ったというわけでした。僕なんかに、当た
      ってしまって、なんだか悪いなあ。でもちょっとハッピーな気分にな
      った雨の火曜日でした。



3/21  植木を取りに、コーギー犬のマウイ君を乗せてドライブです。
      こんなに長時間、マウイがドライブするのは初めてです。観るもの
      観るものがめずらしくて、いちいち驚いていました。両眼、両耳、鼻
      全部を駆使して。きっと僕が子供のときも、はじめて観るものに
      いちいち驚いていたんだろな。美しいものは、おそらくはじめて観
      たときが一番美しい。マウイにとって、たくさん感動したドライブだ
      ったことでしょう。また、遠くまで行こう。



3/20  前にも少し書きましたが、最近は白洲正子さんの本を読んでいま
      す。相変わらず「つん読」ばかりで、本棚には「西行」など彼女の本
      が積まれるばかりです。
       今日、お寺に手を合わせに行ってきました。何の変哲もない田舎
      の小さな小さなお寺。それで、本殿の一番隅の方を見たら、「西行
      法師」と書かれた木彫りの像がありました。暗くてお顔も分かりませ
      んでした。説明を読んでみると、親戚の家に来た西行が、やること
      がないので、自分で自分の像を彫っていったそう。嘘かまことか、
      西行に彫刻の才があったかどうか、僕には分からないことばかり
      ですが、木彫りの仏像についても造詣の深かった白洲さんに、是
      非、天国にお電話して聞いてみたくなりました。もし本当だったら、
      白洲さんも、こんなさえないお寺にいらしたのかなあ。とりあえず、
      白洲さんの書いた「西行」をじっくり読んでみよう。



3/19  歯医者さんイヤ。
      歯医者さんに行きました。何度行っても、好きになれない所ですね。
      治療しているあいだは、好きなCDを大音量で流してほしい。天上に
      は、好きな映画を大画面で流してほしい。治療するのは、古今亭志
      ん生さんがいい。
       それでもたったひとつだけ、子供のころから気に入っているものが
      あります。あのコップを置くと自動で水が「ジャー」って出て、ちょうど
      いいところで止まる機械。なんだか、近未来なのにどことなくクラシッ
      ク。あれ欲しい。治療中も早くうがいタイムにならないかなあ、と大人
      になった今でも思っています。



3/18  CDレビュー。またJAZZで申し訳ないんですが。
      「ソニークラーククインテッツ」を聴きました。このアルバムは長い
      間、お蔵入りしていたものだそうです。
       ソニー・クラークのピアノといえば、あの粘りっけと言おうか、泥臭
      さと言おうか、タイム感がたまらなくかっこいい。
      僕は「クールストラッティン」よりも、「ソニークラークトリオ」という
      2枚のアルバムがお気に入り。(ソニークラークトリオという名前の
      アルバムは、ブルーノートとタイム、2つのレーベルから全く違う内
      容のものが出ていて、両方ともかっこいい。) それで、タイムレー
      ベルの「ソニークラークトリオ」には、「マイナーミーティング」とい
      う曲があって、ご機嫌ノリノリ弾きまくってる。で、今回のクインティ
      ッツにもその曲が入っていて、流れたとたん目がくらみました。ミィ
      ディアム・テンポで、分厚く重く、さらに泥臭く、かっこよすぎるー。
      この「あとノリタイム感」、ええなあ。もし、トリオのCDをお持ちの
      方がいらっしゃったら、是非聴き比べてみてくださいませ。
      この1曲で、僕は満足の1枚でした。



3/17  すっかり葉っぱの散ったもみじの枝に、無数の雨粒がくっつい
     て、そのひとつひとつが光を反射してすごくきれいやった。まるで
     木にたくさんの星がなっているようで。



3/16  今日、植木屋さんの仕事を終えて帰るとき、そこのおばあちゃん
      が、卵をザルに山盛り入れて持ってきてくれました。なんでも、
      昨日卵をお買いになったそうですが、「ボテ」っと落としてしまい、
      ほとんどの卵にひびが入ってしまったそうです。それで、ゆで卵
      にしたのでよかったら持って帰ってください、ということでした。
      その山盛りのゆで卵を持ったおばあちゃんの姿が、なんだかとて
      も可愛くて。
       そんなわけで、今日の夕ご飯は、卵サラダを作ったのでした。



3/14  先月歌いに行った茨木養護学校さんからお便りがきて、○○通
      信みたいな学校で出されたものを送っていただきました。そこに
      は演奏会のことがたくさん書いてあって、子供さん達ひとりひとり
      の表情や感想も書いてあって、うれしかった。大勢の人前で歌う
      ということは、僕にとってははじめてお会いするたくさんの人の前
      で歌うということだけど、伝わるというのはいつも個人的で、「ひと
      りひとり」なんだな。当たり前のことだけど。例えば、10万人の前
      で歌うことがあったとしても、伝わるのは「10万人というかたまり」
      ではなく、やっぱりその中のひとりひとりなんだ。世界はいつも
      「僕から君へ」「君から僕へ」という関係でなってる。歌も絵も言葉
      も、そしてこの日記も、ひとりひとりの君へ。そんなことを改めて
      気付かせていただきました。
      養護学校の皆さん、ほんとにありがとう。また会いに行くね。



3/13  最近、白洲正子さんの本を読んでいたんですが、新聞を観てい
      たら、偶然にも「白洲正子とその世界展」っていうのを見つけて、
      今日観てきました。生前最後のインタビューが会場に放映してあ
      って、タバコをくゆらせながらお話しする白洲さんが印象的でした。
      白洲さんにまつわる古い器や古美術品が飾ってあって、「触って
      みたいなあ。」と思いました。ああいうものは、ケースに入れられ、
      スポットライトを浴びているより、生活の中でお茶が入っていたり、
      棚に座っていたりするのが、きっと一番いいんだろうな。
      日本の自然や神様、美術や文学、それから言葉。僕が自分の中
      にあったらいいなあと思うことが、白洲正子さんという人の中に、
      たくさん詰まっていました。



3/12  お箸。
      お箸がかけたので、新しいお箸を買いに行きました。できるだけ
      コーティングしてなくて自然のまんまのんを探したんですが、なかな
      かないもんですね。でもやっと見つけたシンプルなお箸。桜の木を
      削っただけのデコボコしたのんです。それで、自分に合ったお箸
      の長さっていうのがあるそうで、人差し指と親指を伸ばし、指の間
      が90度になるようにして、そのときの指先間の長さ×1.5が、そ
      の人に合った長さだそうです。実際やってみると、随分短いような
      気がするし、普通のお箸よりもやっぱり短い。その短さに、最初は
      失敗したかなあと思ったんですが、なるほど使っていくと、無駄な
      部分がなくてとっても使いやすいです。
       お箸を買う機会がありましたら、ご参考までに。



3/11  こんな雨の日は、ハービー・ニコルスでも聴きながら、ギターの弦
      を張ろう。以前は、鉄弦ばかり弾いていたので、ライブがあるごと
      に弦を張りかえていたんですけどね。最近はガットギター(クラシッ
      クギター)を弾いているので、ほとんど弦を張りかえなくていいんで
      す。ガットギターは一度弦を張りかえると、弦が伸びて音が落ち着
      くまでに数ヶ月かかります。だから当分ライブのない今、ちょうどい
      いんです。ガットギターのガット(ガッツ)は、確か羊の内臓を表す言
      葉だったと思います。昔はそれから弦が作られていたんですね。
      僕は弦を張りかえるのが苦手ですが、張りたての2本のガットギタ
      ー、やっぱりいい音だなあ。



3/9   昔は、春の訪れがうれしくてしょうがなかったのに、今ではすっ
      かり春の訪れイコール花粉症のはじまり、となってしまいました。
      ああ、つらい。ここ1〜2年は結構野菜中心の食生活で、少しは
      花粉症にもいい影響があるかなあ、なんて思っていたのですが
      なんてことはなく、例年通りすっかり花粉症です。ズルズル、、、。



3/8   「一度死んでも生き返る、と思う子供たちがいます」
      先日、新聞の一面に大きく書かれていたものです。愛知県庁か
      らのもので、子供たちが関係する事件の影響で書かれたもので
      しょうか。僕はこの記事、怖い。そう思う子供じゃなくて、こう書く
      大人の人たちが。この言葉には、身体的な死だけでなく、精神性
      や物語性もなくしてしまう響きが僕にはあります。
       例えば、愛犬が死んだとき、「きっと愛犬は空に昇って、やがて
      雨となって木を濡らし、花となってもどってくるんだ。」という物語性
      を通して、死を受け入れる子供だっているかもしれない。その人
      の死生観って、物語性とすごく関係しているように僕は思います。
      それから、この大人の人たちは、神話や宗教をどうやって子供た
      ちに教えるんだろう。僕は未熟と言われてもいいから、あらゆる自
      然の命に、物語を持っていたい。こういう圧倒的な世界に直面す
      ると、繊細な子供たちと一緒に、僕もできるだけそういう大人の人
      に関わらないように生きていこう、と思います。



3/7   そう言えば、宮川村を帰るとき、「グーチョキパン屋さん」という
      看板がありました。これは入らないといけないので、パンを買って
      帰りました。
       僕は看板に敏感です。UPはしていませんが、デジカメの中にも
      面白い看板が結構撮ってあるのです。看板やお店の名前って
      その人のセンスや「こんなお店にしたい。」ってのがよく表れます
      よね。時代が一周した面白さもあれば、思い切った名前の面白
      さもある。変な看板でもその人の愛らしさがでた看板は、やっぱり
      いいですね。僕は一度だけ、京都の好きな食堂、中島食堂さんの
      看板を作ったことがあるけど、看板職人なんていいなあ。
       グーチョキパン屋さん。店内でも「あいこでパン」とか「あっち向
      いてパン」なんて名前のパンがあったら、このお店に恋してただ
      ろな。



3/6    わたしという特別。
      ワークを終えて、今僕の中にあるこの青空のように澄んだ気持
      ち。それは、今までどこかで信じていて伝えようとしてきたもの。
      そんなものが、実際「形」となって目の前に現れてきたから。
      なかなか信じていても、形にならないものって不安だったりするけ
      ど。それを確信できた喜び。ピカソやゴッホのような人が「特別」
      なんじゃなくて、全ての人がみんな特別である、ということ。みん
      なが自分にしかできないことがあって、そこで宇宙でたったひとり
      の「わたし」と出会う喜び。100人いたら、100人の人それぞれ
      にしか描けない線や色がある、そのことを観させていただいたこ
      とは、僕にとってものすごいことでした。
      僕は、知的障害の人や子供さんの絵を観るのが好きですが、それ
      は、その人でしか描けない絵がガツーンとあるから。でも、改めて
      思ったことは、彼らは自分自身を表現できる状態にあるだけで、
      実は全ての人がその状態にあれば、自分だけの表現を発揮する
      んですよね。みんなの「特別」を感じられると、自分の生活もなんだ
      か味わい深くなるような気がします。そんなことを確信させてくれた
      今、僕は青空を観ているようなのです。



3/5   芦屋で行われていた「MY FAVORITE BOOK展」。無事終了し
      ました。結局僕は最終日の27日が、宮川村でのイベントだったので
      まったく顔も出せずに、という感じでした。昨日、ギャラリーの青山さん
      からお便りをいただいて、来ていただいたお客さんの感想などを見さ
      せてもらいました。グループ展なので1点しか出していないのに、たく
      さんのお知り合いの方が行ってくれたみたいで、ほんと感謝です。
      この場をお借りしまして、どうもありがとう。もちろん、初めて出会っ
      た方にも。少しでも、広がりができたらいいですね。
       今度の僕の予定は、7月頃に神戸のナフシャさんで個展をする予
      定です。そのときは、たっくさんの絵を描きたいと思っているので、
      またよかったら観てやってください。



3/4   CDレビュー。バド・パウエル「ポートレイト・オブ・セロニアス」を聴
      きました。レコード屋さんでは一度も見たことがなかったこのCD。
      ネットで頼んで、2ヶ月ぐらい待ってようやく届きました。
       バド・パウエルとセロニアス・モンクの関係は、すごく面白い。最初
      はモンクがバドにピアノを教えていたそう。個性のかたまり同士が、
      教え教えられるっていうのが、想像しただけでもなんだかおかしい。
      それから、ブルーノートに入ってきたこの2人、アルフレッド・ライオン
      という人は、モンクのCDを最初に作る。(この時点でライオンという
      人はすごいな、と思うんだけど。)でも一般の人にはあまりに奇妙な
      モンクの音楽は、全く売れなかったそう。そしてバド・パウエルのアル
      バムが出ると、一気にスターダムにのし上がっていって、神様のよ
      うになったバドが、晩年、師匠だったモンクに捧げたのがこのアル
      バム。精神病を患っていたバドのアルバムは、前期と後期ではあま
      りにも違うらしく、凡人の僕には、それがよく分かりません。後期の
      アルバムも好きだし、話題にも上がらないこの「ポートレイト・オブ・
      セロニアス」もすごくよかった。モンクの曲が半分、他の人の曲が
      半分って感じで、僕はモンク以外の人の曲がよかったな。1961年
      といえば、きっとハードバップやモダンなJAZZの時代だっただろう
      けど、ビ・バップを走り抜けた彼が、ひとたび「これぞビ・バップ!」
      って曲をすれば、やっぱり時を越えてかっこいい。
       そういえば昨日の夜、バド・パウエルが夢の中に出てきました。



3/3   イベントの次の日。きれいな山の朝。昨年の夏、下見に来た場所
      はどうなっているだろうと、車で行ってみました。災害のため中止に
      なったワークショップ「森を絵本にしよう」の予定地まで。結局、山奥
      なので、道を間違えてたどり着くことはできなかったのですが、それ
      でも災害の傷跡、というよりそのままの姿をあちらこちらに見ました。
      神戸の震災と違うのは、神戸が街での出来事であったことに対し、
      宮川村は自然の中での出来事であったということ。山が崩れ落ち
      て形が変わっていたり、圧倒的過ぎて呆然としてしまいます。同時に
      自然と共に人々が暮らす、かわいい風景などもやっぱりあって、今
      度カメラを持ってのんびり来たいなあ、とも思いました。
       地球が今怒っているのだとしたら、あんなにきれいな自然の中に
      ある宮川村で災害が起こってしまったことが、なんだか少し切なかっ
      た。もう元には戻らない部分はあるけれど、新しい自然がまた宮川
      村を覆いますように。僕にとっては何度でも戻って来たい場所です。



3/2   午前中のワークショップで、すっかり現代アーティストとなった参加
      者の皆さん。次々とびっくりするような絵の描き方が湧き出てきて、
      机の上はかっこいいポストカードが並びました。足で踏んづける人、
      ラッピングする人、毛糸のように編みだす人、ねじる人、、、、。
       最初戸惑っていた方に、好きなものをお聞きしたら「自然の風景」
      とおっしゃったので、目をつぶったまま心の中にあるその風景を描
      いてもらいました。そしたら、見事にその人の心象風景が出てきて
      ジーンとしました。おひとりおひとり、こんなふうに何かが生まれる瞬
      間があって、とても劇的でした。デジカメを持っていったのですが、
      あまりの忙しさに一枚も撮ることができずに残念。きっといい写真集
      になっただろな。
       それで、お昼を食べてライブまでの2〜3時間。おひとり1枚づつ選
      んでいただいたポストカードに、僕が詩をつけていきました。最終的
      にはその詩をつなげて、1曲の音楽にしました。「生まれたての絵た
      ち」という歌。だからこの詩と合わせて、皆さんの作品をご紹介でき
      たらよかったんですけどね。その間、参加者の皆さんは自然素材を
      使って額縁を作りました。午前中の自由な発想のまま、見たことも
      ない額が出来上がっていました。脱帽です。



3/1   ワークショップ&ライブ「踊れ 宮川村!」。ほんと感動しました。
      こんな機会を与えてくださいました大杉谷自然学校・スタッフの皆様、
      ワークに参加していただきました皆様、それからお客さまに心からの
      ありがとうです。
       特にワークショップでは、「ある一つのものに向かって何かを作る」
      というのでなく、「一人一人が自分にしか描けないものを見つける」と
      いうところをやりたかったので、やっぱり最初はみなさんとっても戸惑
      っておられましたが、1時間もしたら部屋は現代アート集団になってい
      ました。個性の爆発。もう、あの開花していく瞬間を目の当たりにでき
      て、ほんと感動でした。
       ワークは、今まで思っていた「絵を描く」というやり方でない方法で描
      いてみる、というもので。例えば、思いっきりはみ出したり、クレヨンを
      5本ぐらい持って描いたり、目をつぶって描いたり、左手で描いたり、
      破ったり、、、。そうしてできた、今までの自分にはなかった線や色か
      ら、新しい何かが生まれるんじゃないかな、と思いました。していけな
      いことといえば、「お行儀のいい絵や、きれいな絵を描く」ということぐ
      らい。テーマは「踊る」ですが、踊る何かを描くのではなく、線や色そ
      のものを躍らせてもらいました。きっと僕たちが子供の頃、最初に絵
      を描いたとき、白い紙に線や色が描けただけで、夢中やったと思う
      んです。その感じをもう一度思い起こすように。
      予想をはるかに越え、皆さんぶっとんでしまいました。全員が全員
      の個性で。もう最高。人ってみんな違うから面白い。「今までに誰も
      表現したことのないものを表現する」ってことが、本当のアートだった
      ら、全員が世界に誇るアーティストでした。最高かっこいかったよー。
       まだまだ書きたいことはあるんですが、続きはまた明日。



2/25  いよいよ明日から、宮川村へ行ってきます。災害後初めてなので、どう
      なってるかな。少しでも復興してるといいけど。
       僕にとって、初めてさせてもらうワークショップ。それから新曲など、新
      しい試みがたくさんなので、不安と楽しみがこんがらがっています。
      でも、テーマは「何度でもはじまる」ですから、僕の中でも何かがはじまっ
      て、帰って来れたらいいな。ワークも演奏会も、全部躍らせたい。



2/23  あれ?僕、勘違いしてたかなあ。
      今、開催中の「MY FAVORITE BOOK展」。好きな本の装丁をす
      るならどんなふうにする?っていう企画なんですが、僕は稲垣足穂の
      「一千一秒物語」にしました。それで、表紙に時計が回っていたらい
      いなあと思って、本物の時計をつけたんです。でも本の装丁には
      見えなかったかなあ。自分では、「結構、ええなあ」と思ったんですが。
      他の人の作品を観てないから、どんなふうになってるか分からないけ
      れど、あれ?なんか勘違いしてるかなあ。



2/20  もう、あと一週間で宮川村のイベントです。早いな。
      それで、テーマ曲みたいなのんを1曲書きました。「はじまりのうた」
      結構ストレートな気持ちをそのまま曲にしました。たまにはこんなス
      トレートな曲もいいな。曲調はニューオリンズで、詞は、土の中、川
      の中、雲の上、風の中、今日も何かが生まれてる、という感じ。毎日
      が小さな誕生日のつもりで作りました。気に入ってもらえるといいな。



2/19  CDレビュー。
      ジャック・ジョンソンの新譜「IN BETWEEN DREAMS」を聴きま
      した。朝起きたらJAZZ、夜寝るときもJAZZ。そんな毎日を過ごして
      いた僕には、すごく久しぶりの感触で。1曲目が流れたとたん、体中
      の細胞ひとつひとつに、彼の声が浸透していくようでした。ゆるーく、
      水面に差し込む光を、海の底から触っているような気持ち。
      はあ、心地よかった。



2/18  神戸の知人が観たいということで、昔録画した「ツインピークス」
      (ドラマの方)を、棚からゴソゴソ引っ張り出しました。3倍速で5巻も
      あったんだなあ。改めて少し観てみると、やっぱり面白いデビッド・
      リンチが描く奇妙な人々。
       最近よく思うんですが、誰にでもその人が毎日やらないと気が済ま
      ないようなことや、こだわりなどがあって、自分ではごくごく当たり前
      のことなのに、客観的に観たらとてもおかしくって、ときには奇妙に
      観えることってあると思うんです。そんな普通(と思っている)の人の
      「おかしなところ」を集めて、本やドキュメンタリーにしたら、愛らしく
      て面白いだろうな、って神戸の知人と話してました。タイトルは「誰も
      がきっとおかしい」ぐらいで。僕自身なにかあるんだろうけど、きっと
      当たり前すぎて分かっていません。



2/17  昨日から、近所にあった名古屋空港がなくなったので、こころなしか
      静かになったような気がします。でも、生まれたときから飛行機の音
      と一緒に過ごしてきたので、他の人には爆音に聞こえるかもしれない
      音にも免疫ができていて、実際はあってもなくてもあまり変わらない
      というのが本当かもしれません。初めて京都に暮らしたとき、飛行機
      の音がないのが不思議なくらいでした。この免疫は、もう永遠に僕の
      中に残るのかなあ。



2/16  伝えよう。
      今度、宮川村でのイベントのとき、ある種を持っていこうと思っていま
      す。先日、神戸の震災のイベントでいただいた種です。
       阪神大震災のとき、6年生だったはるかちゃんが亡くなりました。
      彼女の家があった場所には、その年の夏、ひまわりがたくさん咲いた
      そうです。その花を、みんなは「はるかのひまわり」と呼んで、その種
      を取って植え続けているそうです。
       僕は、神戸でも宮川村でも被災したわけじゃないけれど、こんな僕に
      もできることがあれば、伝えていこう。こうしてHPに書くことでも、誰か
      に伝えることができるもんね。



2/15  改めて、動くバド・パウエル。
      とびっきり破天荒な人生をおくり、かつその生き様がそのまま音楽に
      なっているバド・パウエル。きっとほとばしるようにピアノ弾くんだろう
      なあ、と想像していました。先日譲ってもらった映像を観てみると、
      なんて紳士的。最初、ガムを噛みながら弾いているのかな、と思った
      んですが、クセのようでずっと口を動かして、歌うように弾いていたの
      が印象的。録音のとき、どうしても入ってしまう声の原因はこれだっ
      たんだなあ。あと、ものすごいフレーズを弾いているにもかかわらず
      一瞬足りとも鍵盤を見ない。ひたすら一点を見つめているので、思わ
      ず盲目のピアニストかと思うくらい。きっと、鍵盤が自分の体の一部
      になっているんだな。映画「ピアノブルース」を観たときも思ったんで
      すが、過去の名ピアニストって、鍵盤を全く見ない人が多いんですよ
      ね。鍵盤を弾けない僕には、ただ神業でした。



2/14  僕の次の予定は、宮川村でのワークショップ&ライブです。
      初めてのワークショップで、いろいろ考えましたが、何かを教えるという
      より、参加者の皆さんの可能性をうまく導き出せたらなと思っています。
      自分の中にあった新しい自分。そんな「新しいはじまり」を、絵を描くこ
      とによって発見できたらな、と思っています。そうは言っても難しいこと
      でなく、みんなで子供になって「わあー」って描けたら、「ポロッ」と新しい
      自分が生まれてくるんじゃないかな、ぐらいに思っています。今まで宣
      伝してきたものとは少し変わると思います。僕にとって大事なことは、
      自分の中で「新しい自分」を発見することで、それに沿うものであれば
      いろいろ変えるつもりです。できあがった絵にも是非、詩をつけたり音
      楽をつけたりしてみたいな。これもあまり今から決めず、そのとき生ま
      れた僕で、やってみようと思っています。何が生まれるかな。
       ご存知のように、三重県宮川村は昨年の台風災害によって、村が飲
      み込まれた状態になってしまいました。自然はあまりにも圧倒的だった
      けれど、その瞬間からもう新しいなにかが始まっていると思うんです。
      その「何度でもはじまる」ということを、このワークを通して少しでも表現
      したいな、と思っています。



2/12  頭寒足熱
      先日、新聞に書いてあったんですが、頭を冷やして足を温かくすると
      とても体にいい、という昔の人の知恵だそうです。
       ちょっと前に100円ショップで、底の面積の広いバケツがあったので
      買いました。それで足湯をするんです。でも、部屋の中で足湯をすると、
      どうしても床が濡れたりするんですよね。そうこうしているうちに、よく結
      婚式などで、カタログの中からギフトを選べるのんがありますが、あの
      中に「モミホカ」なんてマシーンがあって、足の裏を振動させて温めるの
      んがありました。楽しそうなのでそれにしたんですが、昨日そのマシー
      ンがやってきました。「ぶーん」とモミホカマシーンに乗った後は、世界が
      まだ揺れているようで、軽くおじいちゃんになった気分です。結構気に
      入ってしまいました。今、こうしてパソコンしているあいだも、「ぶーん」と
      揺れているのです。



2/11  今回のみっけもん。
      神戸に行くと、最近よく行くJAZZのCD屋さんがあって、今回もお邪魔
      してきました。店主さんとお話していたら、奥からいろいろお宝を出して
      きてくれました。モンクの映像が観たいと言ったら、59年フランスでの
      映像、63年に来日したときの映像(これはノリノリモンク、かっこいかっ
      たあ。)それからモンクじゃないけど、なんとバド・パウエルの映像まで
      出てきました。わは。それも全部すごーく安く譲っていただいて。なんで
      も「内緒にしといて」ってことで、お店のお名前は出せなくて残念なんで
      すが。みっけもんでした。
       バド・パウエルやチャーリー・パーカーが、こんなにカリスマ性がある
      のも、きっと彼らが精神病を患いながら、短い命を疾走するように生き
      た、ってこともあるでしょうね。だから映像があるなんて、ほんと、ありが
      たや。



2/10  演奏会の次の日、神戸に行って、11日から開催される「MY FAVO
      RITE BOOK展」の作品を搬入してきました。それで、少し時間があっ
      たので、近くの大谷美術館に行ってきました。絵を観て帰ろうとしたら、
      出口にポストカードが売っていて、その中に僕の好きなクヴィエタ・パツ
      オウスカーさんのカードもありました。観たこともない絵。それで100円
      と書いてあったので、「2枚、買おう!」とレジに持っていったところ、
      おねえさんが、「あ、それ。10枚で100円なんです。」って。えーー。
      びっくり。なんでも昔のポストカードで、郵便番号のマスが昔のままとい
      うことでした。気にしない。気にしない。パツオウスカーさんの他にも
      たくさんのカードがあったけど、僕は同じのんを10枚買って帰りました。
      こんなこともあるんだなあ。



2/9   留守しまして。ただいまです。
      大阪での演奏会、楽しかった。茨木養護学校と淀川キリスト病院での演
      奏会。たくさんのすばらしい子供たちに会えて。
       養護学校はノリノリ。踊るちびっ子、まわるちびっ子、大声のちびっ子、
      静かなちびっ子。みんな思い思いに楽しんでくれました。アンコールでは
      「とんだよ、とんだ」って唄を、即興で子供たちの名前を歌詞に入れて唄
      ってみました。体全部で感じたことを表現してくれて、とっても素敵でした。
       演奏が終わってから、子供たちと一緒に給食を食べました。何年ぶり
      だろ。でも全然変わってなかった。パンと牛乳とおかず。食器を返しにい
      ったりするのんも懐かしくて。
       それから、淀川キリスト病院では、重度の障害を持つ子供たちのいる
      病室での演奏。看護士さんたちの心のこもった温かい空間でした。
      なかなか表情に出して音楽を聴くのは難しそうだったけど、きっとなにか
      伝わってると思うな。少しでも心の中に、思い出として残ってくれたらうれ
      しい。
       以前ある本で、人間の感覚の中では、聴覚(聴くこと)が一番最後に
      衰えるって書いてました。だから反応がなくても、ちゃんと聴こえていて
      それを脳に送ることはできても、脳からどこかに伝えることが難しくなる
      ことが多いんですよね。だから、伝え続けることって大事。
       また、是非戻って来たいな。養護学校もキリスト病院も。僕も唄い続け
      れば、きっとまた会える。



2/5   最近、豆乳に大麦若葉を入れて毎日のように飲んでいます。
      それで、大麦若葉がなくなったので昨日買いに行ったら、シェイカーな
      んてのんがついていて、早速シェイクしてみました。シェイク、シェイク。
      すると、3回に1回くらいは、「バーン」ってフタが取れて、緑の液が飛
      び散ります。ちょっと毒々しい色なので、まるで発明に失敗した博士の
      ようです。きっとシェイクすると、中の空気圧の加減で爆発しやすくなる
      んでしょうが、まだよくコツがつかめません。うーん。
       明日から、また3日間くらい関西に出かけます。留守にしますけど、
      どうぞよろしく。ナフシャさんで開催されているアシリ・レラさんの写真展
      は、是非行ってみたいと思っています。掲示板にも書きましたが、最近
      読んだ本にレラさんのことが書いてあって、とても偶然。北海道、アイヌ
      のお人です。



2/4   旅を振り返っているまに、もう次の旅は迫っていて、、、。
      次の演奏会は、大阪の養護学校。ここでも演奏会の中でライブペイン
      ティングをしようかなと思っています。それで、午後からは重い症状の
      子供さんがいらっしゃる淀川キリスト病院での演奏なんですが、子供
      さんの人数も少ないみたいなので、おひとりづつに夢や好きなものを
      描いてみようかな、と思っています。それで、事前に夢や好きなことを
      聞いてもらいました。そうしたら、以外にも「お風呂が好き」という子供
      さんが一番多かったんです。日々の生活の中で、お風呂に入るときが
      とっても幸せな時間なんだなあ。お風呂以外にも、夢や好きなことが、
      とても素朴で根源的で、なんだかジーンとしちゃいました。ステキな子
      供たち。もしも演奏会が終わって、「音楽」が夢になる子供がいてたら
      うれしいな。とびっきりのライブにするね。大阪の子供たち。



2/3   旅日記C・ディック・ミネ
      神戸で僕の好きなCD屋さん、南京町にあるリズムキング。CDなんて
      言うてもLPと違って限られているようなもんですが、このお店は、なぜ
      だか違う。世界の音楽から古い音源まで、見たこともないようなお宝が
      いっぱい。それで今回見っけた掘り出し物は、ディック・ミネの「JAZZ
      SONGS」。1930年代の音源、ええ感じです。ディック・ミネが唄う「ダ
      イナ」「青空」、いいなあ。彼が楽器を弾く人ということもあって、バックバ
      ンドも上品でとってもいい演奏。甘く、まったり、昭和の夜です。



2/2   朝、窓を開けたら、世界はペンキ塗りを終えていました。真っ白。
      昨日、ショートケーキを食べたので、なんだか世界がおいしくも見えま
      した。雪が生クリームだったらなあ。

       旅日記B・絵を観る
      神戸に滞在中、イベントがないときは美術館なんかに行っていました。
      兵庫県立美術館では、震災後の「再生」をテーマに、世界から公募で
      選ばれた絵が100点ほど展示してありました。無名のアーティストって
      何が出てくるか分からない面白さがあるからね。でも100点あっても
      胸にくるものがなかったかなあ。残念ながら。みんな、頭が良すぎるの
      かなあ。
      それで会場を出たら、隣の館で兵庫の子供たちの作品を集めた大き
      な催しをしていました。そうしたら、それが最高かっこよかった。ガツー
      ンときました。子供の絵こそ、今からはじまるエネルギーそのもので、
      僕がイメージしていた「再生」がそこにありました。
       今回の旅のキーワードは、「子供」ですね。



2/1   旅日記A・第5回ボランタリースクエア21
      毎年行われているイベントで、震災後、いろんなところでコツコツとボ
      ランティア活動をされてきた人々を表彰するものです。メインステージ
      では、表彰式やたくさんのパフォーマンスが行われ、僕はその司会で
      した。
       みんなとてもステキだったんですが、特に印象に残ったのは、ある
      小学校3〜6年生の子供たち100人による合唱。まるで100個の光
      の粒が音を発しているようで、体がジーンとしちゃいました。それで、
      偶然のめぐり合わせなんですが、演奏が終わった後、その中の何人
      かの子供たちが僕のところへやってきてくれました。お話を聞いてみ
      ると、なんと僕がずっと以前に演奏会で行った保育所を卒業した子
      供たちやって、すっかり大きくなっていました。驚いた。
      震災10年というのは、僕にとってはあっという間だったけど、その間
      に子供たちは、幼児から少年・少女へ劇的に成長しているんですよ
      ね、当たり前のことだけど。あのとき、僕の歌を聴く側だった子供た
      ちが、今こんなにステキな歌声を聴かせてくれた、っていうめぐり合
      わせも、なんだかとってもうれしくて。なんとも言えず満たされた気持
      ちになりました。



1/31  たらいま。
      今回も、たくさんの人に出会って、再会して、たくさんの思い出をいただ
      いた旅でした。また少しずつこの日記に書けたらな、と思っています。

       旅日記@・富田幼稚園
      1年ぶりに帰ってきた富田幼稚園。劇団「かくれんぼ」さんのかわいい
      人形劇のあとの演奏です。1曲目からノリノリのちびっ子達。幼稚園が
      バウンドしていました。今回は、みんなに「とんだよ、とんだ」という曲を
      プレゼントしました。想像力という翼があれば、どんなものでもどんな所
      へでも飛んでいける、そんな歌です。それから、新作絵描き歌をしてか
      ら、子供たちに童謡「雪」を歌ってもらいながらライブペインティング。
      雪だるまがコタツに入ってる絵になりました。爆発するかのような子供
      たちの歌声。最高やったなあ。
       これからたくさんの大人たちが、「りっぱな大人」になるように、いろん
      なことを教えてくれるだろうけど、僕はやっぱり「りっぱな子供」になって
      ほしいな。想像力という大きな翼、いつまでも背中に持ったまま。
       幼稚園の演奏が終わってから、ある子供造形教室に連れて行っても
      らいました。その日のお題は「お弁当を作る」やって、発泡スチロール
      や木の枝などでお弁当を作っていました。僕の子供魂にも火がついて
      負けじと作りました。おもしろかった。



1/24  ドン・カ・ジョンは、明日からまた大阪・神戸へ出かけます。少しの間
      留守にしますが、どうぞよろしくお願いします。
       旅の支度がいっこう進まなくて。ああ、冬は荷物がかさばるなあ。
      関西に行くと必ず食べるのは、おうどん。おいしい。早く「だし文化圏」
      に行きたいなあ。明日のお昼は、おうどん。決定。



1/22  29日の神戸でのイベント「ボランタリースクエア21」。ドン・カ・ジョン
      は司会のみの出演となりました。演奏を楽しみにされていた方がいら
      っしゃいましたら、どうも申し訳ありません。
       まだドン・カ・ジョンとして唄い始めた頃、ステージ上ではひと言もしゃ
      べらなかったのに、今では司会だけのお誘いをいただくようになったな
      んてね。不思議やなあ。
       それでも29日は、毎年お誘いしてもらっている震災関連のイベント
      なので、少しでもお手伝いできて、うれしいな。



1/21  あっというまに、もうすぐ幼稚園の演奏会。それで、冬の童謡をなに
      か1曲、とリクエストをいただいていて、パッと思いついたのが「雪や
      こんこん」。せっかくだから、子供たちと一緒に何かしたいなあと思っ
      て、じゃあ子供たちに歌ってもらって、それに合わせてライブペインテ
      ィングしていこっかなあ、と今思っています。
       でもよく考えれば、「雪やこんこん」の歌詞ってどんなんだっけ?
      いくら考えても1番しか出てきません。というより、この歌の題名って
      「雪やこんこん」?それで調べてみると、僕が思っていた記憶なんて、
      なんてでたらめで間抜けだったことでしょう。ああ、トホホな記憶。
       まずこの歌のタイトルは「雪」。それから、そもそも僕が1番だと思っ
      ていた歌詞は2番でした。それからさらに、「雪やこんこん」ではなく、
      「雪やこんこ」が正解。「こんこ」とは古い言葉「こうこ」からきていて、
      「来い」という意味だそうです。だから「雪よ、もっと降れ」という歌詞な
      んですね。「こんこん」という言葉が、雪が降る様子を表すように思わ
      れてそのまま定着しちゃった、というのもやっぱりあるそうです。
       もし僕同様、トホホな記憶をお持ちだった方に、下のんが童謡「雪」
      の歌詞です。作者は不明だそうです。

       @ 雪やこんこ 霰やこんこ 降っては降っては ずんずん積もる
         山も野原も 綿帽子かぶり 枯木残らず花が咲く

       A 雪やこんこ 霰やこんこ 降っても降っても まだ降りやまぬ
         犬は喜び庭駆けまわる 猫はコタツで丸くなる




1/19  「TIME WAITS TIME」
      2月11日から、芦屋のギャラリーnewnewさんで行われる「MY FA
      VORITE BOOK展」。僕の作品、作り終えました。自分の好きな本
      を装丁するならどんなふうにするか、というグループ展で、僕はやっぱ
      り稲垣足穂の「一千一秒物語」にしました。作品の中に本の題名を入
      れない、というお決まりがあるみたいで、「TIME WAITS TIME」と
      いうタイトルにしました。結構気に入っているんです。よろしかったら、
      また会場で観てやってくださいね。



1/18  CDレビュー。
      セロニアス・モンク「DISCOVERY」を聴きました。最近、JAZZで申
      し訳ありません。
       モンクのことが書いてある本やライナーノーツを読むと、1957年に
      NYのファイブスポットで、5ヶ月間だけジョン・コルトレーンと一緒に
      行った演奏がすばらしかった、というのが伝説のようによく書かれて
      います。でも、公的にレコーディングされたものがなくて、ずっと語り
      継がれてきただけなんですが、近年その録音テープが出てきたそう
      です。それもコルトレーンの奥さんから。それがこのアルバム。
      噂には聞いてたけど、ものすごく音が悪い。きっと奥さんがテーブル
      の上にチープなテープレコーダーを置いて録音したもので、話声や
      雑音がいっぱい。こんなん、CDにしていいの?でも、なるほど火花が
      散るような演奏。特にコルトレーン、吹きまくる。なにがなんだかよう
      分からんくらい、吹きまくる。奥さんも「これなら、世に出したい。」と
      思ったんでしょうね。
       JAZZってこんなエピソードがいっぱいあるから、おもしろい。



1/17  「世界が明日終わりになろうとも、私は今日リンゴの木を植える」
      星野道夫さんの本の中にあった言葉です。僕が神戸の友達を思う
      とき、この言葉がなんだかしっくりきます。10年目の今日も、昨日も
      いつのときでも、このリンゴの木を植える人のように、前向きで気さ
      くな友達たち。
       1月17日。毎年、このえんぴつ日記に震災のことを書くことを躊躇
      します。言葉にしたとたん、陳腐なものになってしまいそうだから。
      でも、僕だけの10年を思ってみると、間接的ではあるけど、震災って
      いうものが、ものすごく大きな影響を与えてきたことに、ふと気付きま
      す。神戸の人たちが大好きで、遂には神戸に移り住むようになって。
      神戸にいるときは、小さな地震があるたびにおびえて。
       昨日の夜。外に出て星を観ました。あの同じ星の下、神戸の友達
      がいるんだなあ、って。たくさんの星を観るというのは、僕たちが、ひ
      とつの星の上に一緒にいるんだ、っていうことも感じさせてくれます。



1/16  10年位前、アメリカ・シアトルに住む彫刻家ケン・ハスリックさんと
      いうおじいちゃんの家に、少し滞在したことがあります。そのおじい
      ちゃんが教えてくれたことを、今、ふと思い出しました。
      「雪だるまは、急には大きくならない。最初は小さな玉だけど、転が
      し続ければどんどん大きくなって、立派な雪だるまになる。大事なこ
      とは、転がし続けることであって、信じたことをずっとやり続けなさい」
      みたいなこと。
       最近書いた、田島征三さんや横尾忠則さん、そしておじいちゃん。
      みんな、それぞれ長い時間の中から産み落とされた言葉だから、
      重みがあるなあ。同じようなことを伝えるにも、生きてきた環境や経
      験によって、その人自身の言葉がある。僕もそんな「自分の言葉」
      を持つことができるまで、あとどれくらいかかるだろな。



1/15  教育番組でよくやっている「ようこそ先輩 課外授業」。
      田島征三さんが出られるというんで観てみました。近年、体調が悪い
      とお聞していたのですが、いつものようにエネルギッシュに描いてお
      られました。
       子供に教えるとき、「紙に気付かれないように描く。」という表現をし
      てた。つまり、誰かが描いた絵を紙は知っているし、今まで自分が何
      度も描いた絵も知っている。紙にも予測できない、新しいものを描く、
      という意味で。僕も子供と接するとき、「誰にも描けない、その子にし
      か描けないもの」を引き出すってことを、頭では分かっていても、なか
      なか伝えて、導いてあげることって難しいんですよね。どうしたら、そ
      れがうまくできるか、僕なりにいろいろ考える機会になりました。



1/14  ある本に書いてあった、横尾忠則さんの言葉です。
      「どんどん自分をつきつめて自分になって、そしてそれを表現してい
      くと、その表現は神の言葉になる。」
       この感じ、すごく共感するなあ。僕もどこかで信じていて、伝えたい
      と思うこと。自分の外にあるんじゃなくて、中にあるもの。きっとこう
      いう考えって、東洋的で、善悪2元論じゃないからしっくりくるんだろ
      うな。表現や芸術って、ある人には意味のないようなことだけど、あ
      る人にとっては、とっても大事なことなんですよね。



1/13  以前、ナフシャの麻里さんとお話してたとき、「人って自分にないも
      のに憧れるよねえ。」って話題になり、「服装で言えば、スーツが似合
      う人に憧れるなあ。」っていうお話になりました。僕がスーツがかっこ
      いいと思う人は、クラシックのピアニスト、グレン・グールド。あと、ボ
      ブ・ディランも似合うなあ。服装っていうのは、きっとその人の生活や
      人生がにじみ出てるものが、本当にかっこいいと思うんですが、ヨレ
      ヨレのTシャツのような生活をしている僕には、やっぱりスーツは似
      合わない。
       今度神戸のイベントで、司会のご依頼をいただいているんですが
      授賞式があるそうで、フォーマルな服装を着ないといけないみたい。
      それでも、礼服を着るだけで、ネクタイを3回は締め直さないと締め
      られないトホホな僕には、フォーマルな服が全くない。だから、「ドン
      ・カ・ジョンらしいフォーマルさで、お願いします。」というふうにお願い
      してもらっているんです。



1/12  幼稚園から演奏会のご依頼をいただくと、僕の中で「ちびっ子に向
      けた演奏会の組み立て」っていうのが、最近できてきて、今度の大
      阪の幼稚園も、「よーし、いつもの組み立てでいこう。」ってすぐ思う
      のです。でも、よく考えてみれば、昨年も行かせてもらった幼稚園
      なので、ちびっ子の半分くらいは、前回の演奏会を体験しているん
      ですよね。そうすると、同じ組み立てじゃ面白くないし、特に「絵描
      き歌」なんて、同じのん描いたって退屈だもんね。なので、新しい
      絵描き歌と新曲を書きました。これがまた、自分で言うのもあつか
      ましいんですが、いいー作品なんだ!作っているとき、「いいぞ、い
      いぞ、ドン・カ・ジョン!」なんて勝手に思ってました。でも、いい曲
      が書けたからって、いい演奏ができるわけでもないので、これから
      うまく唄えるように練習するのです。
       大阪のちびっ子達!とびっきりの演奏会にするよー!



1/11   ここ2,3ヶ月、JAZZにすっかりはまってしまいました。生活の隙
      間にはいつもJAZZがあります。もともとJAZZが好きだったという
      わけでなく、セロニアス・モンクという人に興味があっただけなんです
      けどね。
       ソニー・ロリンズ「ヴィレッジヴァンガードの夜」を聴きました。
      ドラム、ベース、サックスのシンプルなトリオの演奏ですが、ノリノリ
      豪快なロリンズ。かっこいいなあ。
       そういえば10年くらい前、アメリカでソニー・ロリンズのコンサート
      に行きました。もう頭は白髪で染まってたけど、その夜もトリオの演
      奏で、ノリノリご機嫌やったなあ。足首がやわらかくて、そのリズムの
      とり方がかっこいかったのを、よく覚えています。
       特にJAZZは、録音した年やメンバーなどで、全然演奏が違うから
      「ヴィレッジヴァンガードの夜」のように、絶好調時のライブ録音が
      残っているって、ありがたいな。



1/10  ユング心理学の河合隼雄さんが、読書のことで「つんどく」っていう
      言葉をよく使われます。僕の本の読み方もまさに「つんどく」で、机や
      本棚に読みかけの本を、何冊も積んどくだけにしてしまいます。で、
      お正月休みは少し時間ができたので、読みかけの本をゆっくり読む
      ことができて、机の上は大分すっきりしました。それでも、言ってる端
      から1冊2冊と「つんどく」がまた始まってしまうんですよね。このクセ
      治らないかもなあ。



1/9  お正月休みは、よく食べたり飲んだりするので、体調を崩しやすいで
     すね。僕は昨日クラス会なんてあって、ほとんど飲まないんですが、そ
     れでも頭がボーっとしています。さっきも食べたんですが、そんなとき
     お薦めのお鍋をひとつご紹介。これは、神戸の絵描きさん・つよしゆう
     こさんに教えてもらったもので、確かつよしさんは、ギャラリー草の店主
     さんに教えてもらったものだと思います。
      雪見鍋(2〜3人分)。まず鍋に昆布をひきます。それから、大根を
     2本、ひたすらおろします。大胆でしょ。これができたらほとんどの作業
     終わり。あとは昆布の上に、大根おろしをあけてグツグツ煮ます。
     煮だったら、豚(もしくは鳥)ミンチを200gぐらいのせて、ほぐし、その
     上にきざんだネギをたっぷり載せます。ふたをして煮だったら出来上が
     り。お好みで、ミンチの上に白菜(ひとくちサイズに切るのがポイント)
     や、しいたけを入れてもおいしい。ミンチのところに豚のこま切れや
     ソーセージでもいいですね。食べるときは、小皿にとって、その上に
     適量ずつポン酢をかけて食べます。ここもポイント。大根おろしたっぷ
     りなので、汗が出て、ポッカポカになります。体調崩しているお方がい
     たら、是非お試しください。僕のまわりにも、風邪をひいている人が結
     構いるので、どうぞお気をつけくださいね。



1/8  いつも冬は、のんびりぼんやり過ごすドン・カ・ジョンですが、なんだか今
     年はたくさんご依頼をいただいて、少しでも時間があるときに絵も描かな
     くちゃ、と今朝はコーヒーを飲みながら描いていました。
      お恥ずかしながら、ドン・カ・ジョンは初めてネットショッピングなんてして
     みました。廃盤になったアルバムが欲しくて。ネットショッピングってすごい
     な。めっちゃ安いし、すぐに送ってくれるんやね。みんなハマるのが、よく分
     かりました。それでも、やっぱり僕みたいなクラシカルな人間は、どこかに
     違和感を感じながら、これからも利用していくんだなあ、と思いました。



1/7  昨日、子供服屋さんの前を通ったら、HOW LOVELYなニットの帽子が
     外から見えて、「かぶってみたい。」と、お店の中に入ってみました。店員さ
     んに、「すみませんが、これかぶらせてもらっていいですか?子供用じゃ
     小さいですかね。」と聞いてみたら。店員さんが「あ、それだけ大人用なん
     です」って。わ!まるで魔法のお店。こんなこともあるんだなあ。かぶって
     帰ってきました。
     それは、黒いニット帽で下の折曲がっている部分が、ピアノの鍵盤になっ
     ていました。
      ああ、ますます部屋は帽子屋さんだ。



1/6  29日に神戸に行くことになりました。毎年恒例の「ボランタリースクエア」。
     震災関連のイベントです。例年通り司会のご依頼なんですが、演奏のほう
     がまだ未定だそうです。今回はいろいろ様変わりしていて、場所もクリスタ
     ルビル(JR神戸駅のすぐ南)になりました。今年も神戸の震災のことに、
     少しでもお手伝いできてうれしいな。



1/5  昨年聴いたなかで、とびっきりよかったCD・第2弾。セロニアス・モンク
     「BLUE NOTE YEARS」。以前にも少し書きましたが、このアルバム
     は、ブルーノートでモンクが録音したものを集めた作品で、一見オムニバ
     スのようですが、実は彼がブルーノートで録音したのは、合計でもたった
     7日間しかなくて、うち1日はソニー・ロリンズのゲストでちょっと顔を出し
     ただけなので、実質6日間録音しただけだそうです。そしてその音源は
     3つのアルバムに散りばめられていて、その散りばめられたものをまた
     寄り集めたような形になっているので、結構ありがたい22曲なんです。
      モンクの作品の中では、中期の「ブリリアントコーナーズ」がいいって
     言う方が結構いらっしゃいますが、僕は断然このブルーノート録音。
     JAZZのアーティストって成熟してくると、メンバーを有名なミュージシャン
     で固めて、みんな順番にソロをまわして、1曲が平気で10分くらいに
     なっちゃうのが多いけど、このブルーノート録音はほとんどが2,3分で
     終わる。短い中にギュッと凝縮されていて、いさぎよい。無名だったモン
     クは、この録音で始めてリーダーになったこともあって、次から次へ
     楽しくてしょうがないように聴こえるなあ。モンク以外の人のソロはひと
     まわしくらいで終わるから、メンバーの演奏も気合い入ってるし、
     モンクのピアノも、最高スリリング。なんといっても、どのアルバムより
     気持ちが入っているように、僕は感じるな。



1/4  昨年は飛び抜けてよかったCDが2枚あったので、そのことでも書いて
     みようかな。と言っても、2枚とも去年発売されたものでなく、モノラル録
     音のものですが。
      その2枚は、レイ・チャールズ「HALLELUJAH I LOVE HER SO」
     とセロニアス・モンク「BLUE NOTE YEARS」。今日はそのうちの1枚
     のこと。
     昨年は、レイ・チャールズという巨星を失った年でした。残念やったなあ。
     それを機に改めて聴いて、最高かっこいかった1枚。1950年代の彼の
     演奏が好きな人やったら、「ジョージア」の成功って、いいことだったかど
     うかはきっと意見が揃うと思うな。50年代のレイは、ほんと神がかってる。
     特に「HALLELUJAH〜」では、レイ・チャールズが本当のブルーズマン
     であることがよく分かる。かっこいいー。CD屋さんでレイ・チャールズの
     ベスト盤を買うより、「HALLELUJAH〜」と「WHAT’D I SAY」を買う
     ほうが、よりベストだと思うな。「WHAT’D〜」はソウル寄り。「HALLE
     LUJAH〜」は、レコードでいうA面はコテコテのブルース。B面はノリノリ
     ソウルナンバー。駄作は1曲もありません。バンドも、レイの声も、曲作り
     も最高。かなりディープなぶん、こういうアルバムって何回聴いても飽きな
     いなあ。ほんと、去年の夏は何回聴いたか分かりません。
      これだけ書けばもうお分かりと思いますが、ドン・カ・ジョンの音楽とは
     まったく違います。



1/1  新年あけましておめでとうございます。今年も、みなさんにとって素敵な
     お年となりますように。お年賀もたくさんいただきまして、ありがとうござい
     ました。演奏会をしていると、DMを書く機会が多くなって、そのうちお年
     賀を書かなくなってしまいました。怠け者ですみません。
      歌は、ひとりでも聴いてくれる人がいるから歌っていけるし、このHPも
     ひとりでも観てくれる人がいるから書いていけます。ほんといつも「ありが
     とう」がいっぱいです。今年もどうぞよろしくお願いします。
      ドン・カ・ジョンの2005年初めは、外へ出て冬の星座を観ていました。
     きれいやったなあ。いつもより星たちが近くにいたようで。何億光年も旅
     してきた光に出会う喜び。きっと今年、また出会うであろうたくさんの人や
     事柄も、この冬の星座のようにキラキラ光ったままどこかにあるんだろな。





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