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え ん ぴ つ 日 記 2005年
12/31 長編小説をちょうど読み終え、明日からはまた新しい本
の1ページを開こう。
2005年、この1年もたくさんの人に出会って、たくさん
の思い出をいただきました。ドン・カ・ジョンは本当に素敵
な人たちに恵まれているなあ、と思います。今年お世話
になったたくさんの人たちに、心よりの「ありがとう」。また
どこかで、きっとお会いできますように。
12/29 冬休みの宿題
芦屋で行われていたグループ展。無事終了しました。
同時にドン・カ・ジョンの今年のイベントも終了しました。
たくさんの作家さんが、その場で買えるプレゼントを展示
するというこの企画で、僕はポストの「WISHくん」だけを
置いて、その中にお客さんの「2006年に向けての小さ
なお願い事」を葉書きに書いて入れてもらい、後日その
お願い事を詩や絵にしてお送りするというものにしまし
た。それで今日、その葉書きたちが届きました。予想を
越えて、たっくさんのお願い事が届きました。みなさんの
お願い事を読んでいると、こちらがとても温かい気持ち
になるのはなぜでしょう。なかには、お友達へのプレゼ
ントとしてのWISHと宛名が書いてあったりで。
「手紙」という伝達方法を使っての表現は、まだまだいろ
んな広がりがありそう。いつか違う形でまたやってみた
いな。
これからの冬休み。1枚1枚ハートを込めて、小さなお願
い事、絵や詩にしていきます。1月中にお送りできたらな
と思っています。ほんとにたくさんのお葉書き、どーもあり
がとう。みなさんの願いが、少しでも星に届きますように。
WISH WISH。
12/26 ありがたいもので名古屋のお友達から、「ドン・カ・ジョンの
展覧会をやりましょう。」と誘っていただいて、今日はある
お店をご紹介していただきました。「ぱんとまいむ」という
喫茶店。ゆっくり時間が流れているようなお店とご主人と
それから犬。僕もくつろがせてもらいました。ひとつ「あら」
と思ったことがあって、それはお店の看板のマークが、帽
子の上に花が咲いている絵でした。ドン・カ・ジョンの演奏
会を観てくれている人はご存知かと思いますが、僕がよく
ステージでかぶる帽子もそんなデザインなんです。なんだ
か、つながってる。
展覧会は、来年7月の1ヶ月。演奏会ももちろんしたい
と思っています。名古屋での初めての展覧会。どんなふう
にしようかな。
12/22 すっかり雪で覆われた白い夜は、暗いはずなのにほん
のり灯りがともっているようで。寒い外が、少し温かくも見
えます。
早いもので、2月号の表紙絵の締め切りが迫っていて、
今日は絵の具まみれでした。12月に2月のことをイメー
ジしながら。「部屋の中の温かさとバレンタインデイ」。そ
んなイメージが絵になりました。これでOKが出れば、そ
のまま表紙絵になるんですけどね、どうかな。ペンキ塗り
たての絵、散歩カメラにUPしましたよん。
12/21 ここ2週間ぐらい、ドン・カ・ジョンはたくさん料理していま
す。ただただ食いしん坊なだけなんですけどね。特に雪
が降ると植木屋さんはお休みなので、朝昼晩とレシピ本
とにらめっこ。僕の弱点は和食。毎日ダシを取っていま
す。こう書くと、まるで料理が得意のようですが、包丁の
扱いさえ危なっかしいんです。
今日は、傷んだリンゴがあったので、リンゴジャム作り。
あつあつトーストにバターを溶かして、できたてリンゴ
ジャム。人工衛星から花火が打ちあがりました。真冬の
花火。おいしー。
12/20 ドン・カ・ジョン、2006年最初の演奏は、富田幼稚園さ
んです。今回もまた呼んでいただいて、とっても喜んで
います。前回、子供たちにプレゼントした「とんだよ とん
だ」という曲、あれから広がりができて、子供たちの描い
た「とんだよ とんだ」の大きな絵もあるようで、是非そ
れも舞台美術として観てみたいな。みんな一緒に「とん
だよ とんだ」歌いながら。
お客さんが子供さんというのは、相当真剣に下準備しま
す。だって、一番シビアなお客さんだから。彼らをずっと
集中させる演奏会だからね。こうして、あれこれアイデ
アを考えてるだけでも楽しい。いろんな思いが風船のよ
うに膨らんで、僕の頭の中も空にとんでいるようです。
富田幼稚園のみんな、今回もとびっきりの演奏会にす
るよー。
12/19 ここ愛知では、58年ぶりの大雪だそうで、っていうこと
は生まれて初めて経験する雪でした。犬のマウイは、
雪の上を走るというより、雪の中を泳いでいました。こん
な日には、ニコンFM2をぶら下げて散歩カメラ。フェア
グラウンド アトラクションの「A SMILE IN A WHIS
PER」でも口ずさみながら。長靴も「キュ キュ」と唄いま
す。雪は白色で本当によかった。これが、緑色でも赤色
でもいけない。世界を純白に塗り替えるのがいい。真っ
白になった世界は、少しだけ僕の気持ちを謙虚にしてく
れました。
12/18 日本列島をお皿の上にのっけて、冷凍庫の中に入れた
ような日。座り心地のいい椅子と1冊の本、それから湯気
のたったアールグレイティ。そんな1日。落ちてくる雪が
全部生クリームだったらいいのに。世界はHAPPY BIR
THDAY TO YOUって歌う。1日くらい全員おんなじ誕生
日があってもいい。
12/15 ジャック・ジョンソンのDVD「A WEEKEND AT THE
GREEK」を観ました。ジャパンツアーを観に行ったとき
もそうだったんですが、彼のライブはいつもお客さんが大
合唱になります。不思議。ボブ・ディランのライブではこう
はならないんですよね。耳を澄まして、ありがたく聴くこと
になります。きっとジャックの音楽は、何か特別なもので
なく、もっと生活の中にある空気のような、ゆったりした
ものがあるからなんだろな。日曜日の朝のコーヒーの匂
いのような。夜のドライブについてくるお月様のような。
来年の4月には、また来日するそうです。ジャック、日本
が好きなんやなあ。
12/14 朝、カーテンを開けて、世界が雪の化粧で真っ白に覆わ
れていたとき、それはいくつになってもジーンとするもん
です。だってこの魔法、スケールが大きすぎる。昨日、
愛知では、いちめん銀世界でした。ずっと見渡す限り。
前回の個展で、ドン・カ・ジョンは「まちあわせ」をテーマ
にいろいろ表現しました。で、会場でお話した方を中心に
結構たくさんの「まちあわせスプーン」というのを、その場
で描いてもらっていただきました。よくアイスクリームを
買うと付いてくるような木のスプーン。「今度お会いする
ときまでの、まちあわせスプーン。」なんて子供みたいな
こと言いながら。
それで、こないだ神戸に行ったときも、2、3人の方がポ
ケットからそのスプーンを出して見せてくれました。自分
でしたこととは言え、そのたびジーンとしていました。きっ
と家を出るとき、「ドン・カ・ジョンと会うから持ってこ。」って
思ってくれてるんですよね。そんな小さな気持ち、たまら
なくジーンとするのです。僕が配ったたくさんの「まちあわ
せスプーン」。たくさんの人に、小さな幸せを運んでくれ
ますように。ハレルヤ。
12/12 僕は、よく靴下を右左違う色で履きます。別に意味はありま
せんが、ただなんとなく。この履き方のポイントはただひとつ。
右と左の色をはっきり分けることです。右は赤、左は青、みた
いにね。
そんなことはどうでもいいんですが、大阪のあるところに歌
いに行くと、いつもOちゃんという方が観に来てくれます。Oち
ゃんは、見かけによらず詩集なんかが好きな文学青年で、
なんだか親しみを覚えるのです。それで前回行ったとき、
(そこは靴を脱いで入るところなので、靴下がよく見えます)
演奏が終わると、いつものようにOちゃんがやってきて、
「靴下の色が違いますね。」とおっしゃいました。僕は冗談
で、「ああ、間違えちゃいまして。」と言うと、Oちゃん。
「間違えますよね。僕も今日、間違えちゃいまして。」と。
ふと、Oちゃんの足元を見ると、確か黒と濃いグレーの靴下
をおめしになっておられました。(ああ、Oちゃん、ほんとに
間違えちゃったんだなあ。)僕は、やっぱりそんなOちゃんが
大好きなのです。ときどき、「林業やるんだ。」と言って、山へ
行っちゃうOちゃん。今度はいつお会いできるかな。
12/11 あれってなんて名前?あれ。
こないだナフシャさんでお話してたんですが、よく観光地にあ
る(神戸には南京町にある)、等身大で衣装を着た人とかが
描いてあって、顔のところだけくりぬいてあって、そこに顔出し
て記念撮影するんのんありますでしょ?あれ、なんて名前で
しょ?お友達の絵描きさんは、「顔ぬき」?とおっしゃってい
ましたが、本当の名前はなんでしょ。それで、その「顔ぬき」
をいろんな作家さんが作ってグループ展したら面白いなあ、
って盛り上がってたんです。お客さんも顔出して、記念撮影
できたりしてね。僕やったら、ピカソの「アヴィニヨンの娘た
ち」みたいのん作ってみたい。
それで、今行われているグループ展の搬入にいったとき、
A space−newnewの店主さんにもそのことをお話してた
ら、またまた盛り上がっしまい、「是非、うちでやりましょー。」
みたいになりました。そんなこんなで、アホアホパワー全快
のこの企画。ひょっとしたら、来年あたり行われるかもしれ
ませんね。
だけどあれ、なんて名前やろ、、、、
12/9 ART PARTY 感想文。
毎年、西宮で行われている障害者のアート展「ART PART
Y」。神戸に行く途中、寄って来ました。すごくよかったな。
特に印象的だったのが、内山智昭さんとマイアイドル・舛次
崇さん。内山さんは粘土造形で、女性の「おっぱい」と男性の
「おちんちん」を一緒に持つ体を何体も作っておられました。
その中のひとつがなんともよくって、立ち止まってしまいまし
た。両性具有のモチーフは、それほどアンダーグラウンドな
ものでなく、ギリシャ神話や日本の古典にもよく出てくるもの
ですが、この内山さんの「エロス」は、今に生きる神話ですね。
かっこいい。それから、舛次さんの新作も最高おしゃれやっ
たな。なかでも、お気に入りは「たまねぎ」。あんなおしゃれな
「たまねぎ」、観たことありませんでした。
舛次さんの新作カレンダーなんてのがあって、来年は画伯
の絵と一緒に一年を過ごすのです。
12/8 こないだ、ナフシャのみんなとお話していたとき、「もし自
分がテレビに出るなら、どんな番組がいい?」という話題に
なって、僕なら「ようこそ先輩 課外授業」がいいなあ、と答
えました。(あまり見てるわけでもないんですが。)
それで、昨日その番組があって、荒井良二さんが先生で
した。ちょうど僕も、子供たちに絵を描いてもらうイベントが
終わったばかりで、興味深く見させてもらいました。
「きれいに描かないでね」「汚してください」という荒井さん。
とってもいい作品がたくさんできてたなあ。ある子供さんが
最後に、「きれいに描かなくても、絵になるんだあ。」みた
いなことを言ってたのが印象的でした。きっと子供達は子
供達で社会の規範に自分を合わせようと、無意識の中で
がんばっているんですよね。でも、荒井さんのような大人
がやってきて、びやーって絵の具の海で遊んでいる感じ、
すごくよかったな。「気にしない、気にしない」って感じでね。
今度、荒井さんにお会いできるのはいつかな。また一緒
にギター弾きたいな。
12/7 昨日は、アン・サリーちゃんのライブに行ってきました。
めっちゃ、よかったよ。前半は、ガットギター1本と唄だけで。
後半は、ニューオリンズの地元ジャズメンをバックに、ひた
すら「黒く」、コテコテのニューオリンズジャズでした。(アン・
サリーいわく、全員がハリケーンで被災されたそうです。)
僕は、アン・サリーのニューオリンズのアルバムは、あまり
聴かずにCDラックの中にしまってあるんですが、生で聴い
たこのジャズバンド。ノックアウトでした。あの「後ノリのタイ
ム感」は、日本人にはないもんですね。かっこいい。
お医者さんでもあるアン・サリー。最近、子供さんを出産さ
れたそうで。彼女の子守唄が聴ける赤ちゃんって、なんて贅
沢なんでしょう。
12/6 堰をきってあげる
12/4のイベントはあいにくの雨となり、10mの絵を描く予定
でしたが、テント内でできるよう縮小して行われました。雨とは
いえ次から次へたくさんの子供たちがやってきてくれて、楽し
かったなあ。それで、「おもっきり描いてねー。」とは言うもの
のなかなか最初は優等生な絵を描き始める子供が多かった
ので、少しづづ絵の具を飛び散らしたり、手のひらで描いたり、
きっかけを作ってあげます。すると、すぐに「泥んこ遊び」のよ
うに絵の具と遊び始めるんですよね。そう、きっと何かを教え
るというより、子供たちの堰をきってあげることだけでいいんだ
な。あの小さな体の中には、とっても大きな自由が詰まってい
ます。最後は雨が強くなって長い間できなかったけど、たくさん
の子供たちの自由を観させてもらって、とっても幸せでした。
それから、お手伝いしてくれたたくさんの方、どうもありがとう。
最初は「全然ひとりで大丈夫。」と思っていたのですが、とんでも
ない思い違いで、皆さんのお手伝いがなければとても実現でき
ませんでした。自然とお手伝いしてくれるお友達が集まってくれ
て、ただただ感謝です。心を込めてありがとう。
12/2 「おもっきり」
毎週のように神戸なんですが、明日からまた行ってきます。
4日に、イベントで子供たちに大きな絵を描いてもらうんで
すが、僕がご指導させてもらうんやったら、やっぱりお行儀
のいい絵や、学校の先生が誉めてくれるような絵は描かな
くていいから、とにかく「おもっきり、びやー」って描いてほし
いなあ。不細工でいいから。初めてのご依頼で、どれくらい
子供たちが集まるのか、どんな感じになるのか、よく分かっ
てませんが、たくさんの「ちびっ子ピカソ」に出会えること、
楽しみにしています。お天気が心配ですが、雨天決行のよ
うです。もしお近くに寄られる方がいましたら、覗いてやっ
てくださいね。
そういえば皆さんって、このHPをトップページからご覧に
なっています?こないだも、いつもHOME(目次)のページ
から来てくれている友達がいて、「トップページなんてあった
ん?」という感じでしたので。HOMEからもトップページに
いけるようにしたので、よかったら覗いてやってください。ち
なみに、今はポストの「WISHくん」です。明日は、「WISH
くん」と一緒にドライブ。
11/30 12/9から始まるグループ展。もう、準備できそう。
展覧会前に内容を言っちゃうのもなんですが、このHPを
観てくれた方だけに。
今回は、手軽に買える贈り物をたくさんの作家さんが出
品されるという企画だそうで。僕のんは、準備ができたと
いはいえ、ただポストを作っただけです。「WISHくん」と
いうポスト。
僕の作品は、まず葉書きにお客さんの住所、氏名、そして
「2006年に向けての小さなお願い事」を書いてもらって、
「WISHくん」に入れてもらいます。そして、2006年になっ
たら僕がそのお願い事を、絵や詩にしてお便りするという
もの。それが僕からの贈り物です。僕の力で願い事が叶
うとは思わないけれど、一緒にお願いするという感じでね。
おひとり何枚でも構いません。もし、この日記を観て行か
かれる方がいましたら、「小さなお願い事」考えていって下
さいね。
ワークショップでも、たびたびしているように、僕はこんなふ
うに時間を経過して完結するような作品が好きなんです。
葉書きが届くまでの楽しみな時間も作品になるようなこと。
今回は、2006年を待つという特別もあるしね。うまく、皆
さんの願い事が叶いますように。WISH WISH。
11/29 雑誌の表紙絵、描きました。月刊誌なので、1ヶ月だけ先
の季節感を入れて描きます。1月。皆さんやったら、どんな
風景を思い描きます?僕は、平凡やから「雪」でした。「雪」
を入れたデザイン。実は編集の方に、本番の絵を描く前に
ラフスケッチをお送りするというお話をしていたんですが、
いきなりできた絵を送っちゃいました。ごめんなさい。僕の
場合、何を描くとも決めず、ただぐんぐん描いていくと何かが
生まれる、みたいな描き方をするので、やっぱり前もって
何かを決めるのは面白くないな。勝手ばかりのドン・カ・ジ
ョンなのでした。
11/28 最近のマーチン・スコセッシ監督は、どうしちゃったんでし
ょう。たくさんのブルースの映画を指揮したり、(その中で
も映画「PIANO BLUES」は、よかったなあ。)今度はボブ
・ディランの3時間半もあるドキュメンタリーですか。ああ、
ありがたや。
それで、犬のマウイと一緒に観ました、ディランのドキュメ
ンタリー。若き日のディランは、本当に色気に満ち満ちてる
なあ。60年代の映像、ギター1本と言葉だけで勝負する姿
は、墨一色で真っ白な紙に対峙する書道家のよう。それか
ら、アコースティックをエレキに持ち変えたばかりで、THE
BANDをバックに演奏する映像も、すごいブーイングだけど
クールなディラン、かっこええなあ。
ディランが、あんなに徹底的に言葉の可能性を追求した
詩が書けたのは、やっぱり当時、ニューヨークで頻繁に行
われていた詩の朗読会が出発地点にあるからなんだろな。
ギンズバーグがいてケルアックがいて。そんな「言葉」や
「詩」の力を信じる表現者たち、憧れるなあ。
11/26 インフルエンザがまた流行りそうで、皆さんもうがいなどな
さって、くれぐれもご自愛くださいね。僕はわりと冬だけでな
く、1年中うがいをします。「ガラガラー」っと声に出してします。
こうして声に出すほうが、喉の奥まで届くんだそうです。よか
ったらご帰宅の際、「ガラガラー」っとやってくださいませ。
11/24 ただいまー。
司会のお仕事。無事終わりました。今回は、ほとんどが障
害者の方がパフォーマンスをするというコンサート。こういう
市民参加型のイベントって、ベタな感じがしますが、とっても
いいコンサートだったな。障害者の方の表現を観ていると、
「まっすぐな気持ち」で何かに打ち込む姿が、とても感動的
で、何度も涙が出てきました。たくさんのことを教えられた
ような気がします。それは、うまいとか下手とか、プロとか
アマとか、そんなことじゃなくてもっと根源的なもの。きっと、
「まっすぐな気持ち」からしか、何も始まらないんですよね。
ダウン症の安田蓮美さんの舞踏では、足をピンっとあげると
きに出す「凛」とした静かな気迫。(基本的にダウン症の方
は、バランス感覚の関係、足を上げることはできないんだ
そうです。) それから、ジャンベチームの中には、高揚し
てくると、ジャンベを叩くのもそっちのけに踊り出すダウン
症の方がいらして、その喜びに満ちた踊り。かっこよかっ
たなあ。僕には、あんな「まっすぐな気持ち」がどれほどあ
るだろう。なんだか浄化されたようでした。
司会だけのお仕事のときは、気恥ずかしいのであまり詳
細を発表してないのですが、会いに来てくれた方もいらして、
うれしかったです。それから、つたない司会を支えてくれた
たくさんのスタッフの皆様、本当にどうもありがとうございま
した。
11/21 ピンポンと落書き
こないだ、レンタルCD屋さんを通りかかったとき、「そうだ、
映画ピンポンのサントラがあったら借りよう。」と思って入った
らあったので借りてきました。それで、家で歌詞カードを見て
みると、そのデザインがすごくかっこいい。普通の歌詞カード
の上に、なんだか現代美術家のCY TWOMBLYが描いた
ようなひっかいた絵がたくさんあって。でもよく観てみると、そ
れはあとから誰かが描いた落書きでした。きっと、以前この
CDを借りた方に赤ちゃんがいて、その子が落書きしちゃっ
たんだな。
子供って、いつのときでも最先端の現代アーティスト。とて
もかないません。12月の子供に絵を描いてもらうイベントで
も、どんな現代美術作家さんに出会えるかな。
明日からまた2、3日神戸に行ってきます。司会のお仕事。
留守にしますが、どーぞよろしくー。
11/20 突然ですが、最近ご飯を食べるとき、ひとくちに30回噛めた
らいいなあ、と思っています。本によると、体調の悪い人は50
〜100回噛んだ方がいいんだそうです。それでも、ひとくちず
つ数えてられないので、その時間を体感できたらいいなあ、く
らいに思っています。でも30回って結構長い。この長い時間
が体に適しているってことは、現代人の身体と心のネジがちょ
っとズレてきているのかなあ。太古の狩猟民族、農耕民族だっ
た頃の人にとっては、この時間は長い時間じゃなかったんだ
ろうな。食べ物ももっとシンプルだったんだろうけど。あまりに
急激に変わった物質社会、効率主義の中で、人の持つ本当
の時間っていうのを、この30回噛むという時間は、ちょっと
感じさせてくれるかもしれません。それは犬のマウイが、時々
家の中で遠吠えをしたとき、「お!かっこいい。草原を走って
いた頃のDNA。」って思うのに似て。
11/16 「新開地DE遊ぼう」というイベントで、子供たちに絵のご指導
をするというご依頼をいただきました。それは、商店街に長ー
い紙をひいて、子供達に思いっきり絵を描いてもらおう、とい
う企画だそうで、指導というよりは、僕も一緒になって絵の具ま
みれになりたいなあ、と思っています。12月4日(日)。新開地
商店街にて。1日2回絵を描くそうです。また詳細が決まり次
第UPしますね。
いつもはボーっと暮らしているドン・カ・ジョンですが、なぜか
ご依頼をいただくと、いろいろ重なってくるもので。グループ展
の作品も、雑誌の表紙絵も、気が付けば12月上旬締め切り
でした。来週は司会の仕事やし。ああ、ボーっとしてられない
な。
11/15 神戸に着いたその日。ちょうど太田朋ちゃんの展覧会最終
日やって、行ってきました。たまねぎ頭の人がたくさん絵の中
に描かれていて、「これは新境地。」と思って、ふと朋ちゃんを
観ると、たまねぎ頭でした。二人で笑いました。
神戸を出るその日。つよしゆうこさんの展覧会に行ってきま
した。階段を登ったところに、赤いヤカンが湯気を出している
絵があって、僕も一緒に「ぽっ」と湯気を出しました。
僕が参加させてもらったフェスタイン湊川は、震災後ずっと
続いているイベントで、今年で10年になりました。たくさんの
ことが変わりゆく10年の中で、つよしさんや朋ちゃんとお話し
ていると、何も変わらない温度感みたいなものが、僕にはと
ても温かく、うれしく思えました。きっとこれから10年経っても
ずっと変わらないもの。
11/14 ただいまです。
昨日のフェスタイン湊川。司会も、演奏も、ライブペインティン
グも、ぜーんぶ無事終了しまして、今はホッとひと息です。
中でもドラムのロイミーコフとご一緒したステージは、ほんと
に感無量でした。ミーコフとは、まだ彼女が高校を卒業するか
しないかくらいのときから、もう10年くらい、ほんとに妹のよう
に仲良くしてもらって、まさか一緒にステージに立つなんてね。
僕には、もうそれだけでOK、のステージでした。ほとんどぶっ
つけ本番だったので、演奏し足らなかったところもあったかと
思いますが、これも「初めの一歩」ということで、どうぞお許しく
ださい。できたらこれからも、「ゆるーいロック」をする機会が
あったらなあ、と思っています。バンドでやるときは「ドン・カ・
ジョンと月面スープ」という名前でいこう、なんて勝手に決めま
した。そんなことよりまだ「月面スープ」、ドラムしかいませんの
で、もしベースなどでご参加してくれる方がおられましたら、ど
うぞお知らせくださーい。
観に来ていただいた方、お世話になったスタッフの方、心よ
りのありがとう。
11/11 ネールアートをしているお友達から、今度日本庭園を爪に描
くので何か参考になるものないかな、というようなお電話があ
って。爪に庭園?おもしろそ。と、ゴソゴソ本棚を探していた
んですが、文章ばかりの庭の本はいろいろあっても、写真集
は一冊しかありませんでした。それは、川崎幸治郎さんという
もうお亡くなりになった作庭家のもので、僕が京都で少しの
間勤めさせてもらったところの方です。川崎さんは茶庭を多く
作られた方で、徹底的に足元を手入れされていたことが、
すごく印象に残っています。
日本の障子というのは、よく下半分くらいがガラスで透明に
なっています。部屋に入って、そのガラスから庭を観たとき
少しだけ切り取られた足元の庭が観られます。でも、その
「少し」は、観る側の想像力によって、ときに実際より大き
く豊かな庭を暗示するんですよね。それから、その「少し」
から苔が観えたら、長い時間を経て生きてきた苔の「今」を
切り取っているように観えるんじゃないかな。そんな「引き算
の美学」みたいなことを、絶えず考えておられたのかなあ、
と今になって思いました。
爪に描かれる庭園。どんな風になるのかな。
日曜日はイベントで歌いに行くので、明日から2、3日留守し
ます。みなさまも素敵な週末を。
11/9 カレーを作るのです。「甘くなーれ、甘くなーれ」と唱えながら、
たまねぎを炒めるのです。「きつね色になーれ、きつね色に
なーれ」と、骨付き鶏肉を炒めるのです。カレー粉は香りが
立つまで炒ったほうがおいしいんだそうで、そうしてみるので
す。トマト、ヨーグルト、それからしまってあった粉末のパプリ
カをどさっと入れて。ちょっとアジアンチックなカレー、出来上
がり。少々デコボコした味でも、やっぱり手作りカレーはおい
しいな。今夜もごちそうさま。
僕は、料理番組やレシピ本を観るのが結構好きです。この
カレーも、料理番組でやってたのんをヒントにして。番組も本
も、料理ってやっぱり物を作るって作業だから、その人その
人のセンスが全然違っておもしろい。
冬の匂いがしてきたこの頃、どうぞ皆さんも温かいもの召し
上がって、お体お気をつけ下さいね。
11/7 誰かとご一緒に初めて演奏させてもらうときって、最高うれ
しい。
今度ドラムを叩いてくれるミーコフさん。もう10年来のお友達
なんですが、実はまだミーコフがドラムを叩いてる姿を一度も
観たことがありません。それで、二人の都合をつけて練習日を
決めるところまでいったんですが、急の僕のわがままで、前日
にちょっと合わせるぐらいで後はぶっつけで行こ、というふう
にしてもらいました。初めて「バーン」って一緒に音を出すとき
って、やっぱり最高ワクワクする。子供が、初めて虹を観ると
きのように。だからその感じを、できるだけステージ上で出し
たいなあ、と思って。もちろん僕の曲なんで、ミーコフの方が
不安がたくさんで申し訳ないんですけどね。もし観に来られ
る方がいましたら、どーぞミーコフを応援してやってください。
どうなるかな。そうそう、ライブペインティングもするでしょう。
いいお天気となりますように。
11/5 久しぶりにアメリカの方に手紙を書きました。もう英語が出て
こない、出てこない。ああ、老人。
小説「海辺のカフカ」では、猫とお話ができる人がキーパーソン
だったり。カフェ・ナフシャの店主・麻里さんは、自称「猫とお話が
できる」とおっしゃっていたり。僕そんな人、すごーく憧れるんで
す。第六感を持ってるような人。でもふと、「あれ?マウイ(家の
犬)とやったら僕も毎日話してるなあ。」と思います。言葉を超え
てお互い感情を感じとることってできる。それは、相手の表情
からだったりするんでしょうが、知らないところで第六感的な対話
を共有しているのかもしれませんね。
英語も、文章で書くより話す方が気が楽なのは、第六感的な対
話を共有したほうが通じ合える、という無意識が働いているから
でしょうか。
11/4 本屋さんに行ったら、12月号の「たくさんのふしぎ」が植田正治
さんの写真やって、思わず買ってきました。それは、過去の植田
さんの何枚かの写真に、「かくれんぼ」をテーマにした言葉がそれ
ぞれつけてあるものでした。僕は、初期の写真集「童暦」ぐらいの
写真が特に好きなんですが、その辺りの古い写真も使われていて
とってもよかったな。観たことのない写真もあって。植田さんの写真
って、気配がプンプンしてくるなあ。
いい本が、また本棚に加わりました。
11/3 村上春樹の小説「海辺のカフカ」「ねじまき鳥のクロニクル」「神
の子どもたちはみな踊る」を読みました。
彼の作品は、なんだか玉ねぎみたい。中心に向かってどんどん
剥いていくんやけど、そこにはとびっきり素敵なことがあるわけで
も、金の卵があるわけでもなく、やっぱり玉ねぎ自身の芯がある
んですよね。だって玉ねぎなんですもの、、、。
11/2 今日は少し時間ができたので、地元の図書館へ行ってきまし
た。何10年ぶりに訪れた小牧の図書館。でも以外と昨日来た
みたいやったなあ。
神戸に住んでいたとき、近くにあった中央図書館に行って、少
しの時間を過ごすのが大好きでした。それは緑に囲まれた公園
の一角にあって、そこまで歩くだけでもいい時間。どうして図書館
ってあんなに落ち着くんだろ。購買意欲を競い合うような派手な
宣伝や言葉もないし、細胞の中まで入ってくるような効率主義の
めまぐるしさもなく、全ての人に平等に穏やかな時間が流れてい
るからかな。なんだか空気の密度がゆるくなったような気がしまし
た。
何冊かの本を借りて出口の階段を下りるとき、子供のときは
この階段がもっと長ーく感じたなあ。と思いながら歩いた11月の
夕暮れでした。
10/30 今日はちょっと堅いお話かもしれませんが。
僕は、宗教に関してはとても軽薄で、無宗教といってもいいです。
忘れた頃にときどき手を合わせたりするくらい。宗教に限らず、
何か大きなものに自分が属して安心するみたいなことが、少し
苦手かもしれません。自然の中にも神様みたいなのんは充満
してると思うし、美術や芸術の中にもそれは見出すことができま
す。逆に「この宗教を信じなければ報われません。」みたいな神
様は疑っちゃうし、どんな小さな存在も包み込むようなものに
惹かれるみたいです。だから、いろんな事柄や経験から自分に
合ったものを吸収して、最終的に僕だけの死生観なり思想が
できたらいいな、くらいに思っています。
それで、ドン・カ・ジョンは特定の思想、宗教の中で表現するとい
うことを、基本的には丁寧にお断りさせてもらっているんですが、
今回古くからのお友達からのご相談で、天理教の若い人向けの
ある雑誌の表紙絵のご依頼をいただきました。で、それは2つ
返事でお引き受けしました。人には無条件に気心を許し合える
お友達が、どれほどいるのか分かりませんが、僕にとってはそ
んなお友達からのご相談でしたので、喜んで描かせてもらうつ
もりでいます。もしかしたら、その雑誌をご覧になって、ドン・カ・
ジョンは天理教なのかな、と思われるかもしれませんが、上に
も書かせてもらったように、どこにも属していないということを、
ここに書かせていただきました。もちろん、天理教からも学ぶ
べきものはたくさんあると思うし、同じように西洋東洋のいろん
な思想から、もっと勉強できたらなと思っています。
10/28 芦屋にあるギャラリー・A space newnewさんから、グループ展
のお誘いをいただきました。ドン・カ・ジョンは、あまりグループ展の
経験がないのですが、お話をいただいたときに、「僕やったら、こん
な風にしたいな。」っていうイメージがパッと浮かんだので、今回は
やってみようかなと思っています。「冬のギフトサロン展」という企画
で、12/9(金)〜25(日)の金・土・日曜だそうです。その場で買え
るお手軽な冬の贈り物をたくさん展示するそうです。浮かんだイメ
ージは、まだ僕の中のお鍋でグツグツ温めていますので、また出来
上がったらお知らせしますね。思い出に残る贈り物が作れたらいい
な、と思っています。
10/27 時間ができたので、ゆっくりスパゲティを作ります。グレン・グー
ルドが弾いたモーツアルトのピアノソナタでも聴きながら。おみや
げにいただいたズッキーニを入れて、トマトソースもグツグツと。
考えてみると、モーツアルト自身が弾いたピアノソナタってのん
は残ってないんですよね、当たり前ですけど。でも聴いてみたい。
音楽っていう表現は、きっとどこまでいっても音符にはおこせな
いものじゃないかなと僕は思います。セロニアス・モンクの音楽を
楽譜通り演奏してもあまり意味がないように。セックスピストルズ
の音楽を、楽譜におこしてもあまり意味がないように。きっとモー
ツアルトが弾いたソナタも、特別なものだったんだろうな。
スパゲティとガーリックトーストを頬ばりながら、何百年も前のこ
とを考えていた夜でした。
10/26 今日は、司会のご依頼をまたいただきました。ふと今の予定
を見てみると、司会のお仕事ばかりということに気付きます。
自分では本業と思っていないんですけどね。不思議。それでも
こんな僕にもお手伝いできることがあれば、特に神戸の震災
のイベントにはできるだけ参加させてもらおうと思っています。
ドン・カ・ジョンは、たくさんの神戸の人に育ててもらいましたか
らね。
初めてお会いする人に自己紹介するとき、「歌を歌ったり、
絵を描いたり、植木屋さんをしたりしてます。」みたいに言って
いるのですが、「司会もしてます。」なんて、加えないといけな
いのかなあ、、、、。
10/24 以前乗っていたオンボロ車は、ゴルフといって半分日本車み
たいなもんですが、ドイツの車でした。今乗っているのは日本
の車で、こうして乗り比べると違いがはっきり分かるものです。
ゴルフは右ハンドルでしたが、左ハンドル用のものをそのまま
右にしてあるので、方向指示器やワイパーなどは日本車の反
対の位置についていました。機械音痴な僕は、すぐ順応でき
ないのでよく間違えます。ワイパーを動かすのに方向指示器
を点滅させたり、相手に「どうぞお先に。」とライトで合図しよう
と思ったら、ワイパーが「バシャ!」って下りたり、、、、ああ。
車ひとつにも国民性の違いがよく出るものです。アウトバー
ン中心のドイツ車は、高速用にずっしり重かったし、街の中
中心の日本車は、軽くて快適性を重視してる。質実剛健なド
イツ。まとめ上げる日本。こういうのんって、風土や環境が
すごく影響してるんでしょうね。それにしても、もっと機械に強
くならないとね、、、、とほ。
10/17 うわ。まだこんなんありましたん。セロニアス・モンクとジョン・
コルトレーンのカーネギーホールでのライブ盤なんて発売され
ました。57年録音。57年といえばこの二人、まだ夏に小さな
ライブハウスで一緒にやり始めたばかりなのにね。半年後に
はもうカーネギーホールでなんてやってたんやなあ。だから
演奏もみずみずしい。
モンクと共演するときのコルトレーンは、本当にご機嫌。吹き
まくるコルトレーン。それでも僕にとっては、どれほど超絶的な
フレーズを吹いても、やっぱりコルトレーンは大気圏の音楽。
モンクの音楽は宇宙の音楽。ときおり投げる隕石は、楽しげに
大気圏を打ち破ります。だからこそコルトレーンは、宇宙人モ
ンクに憧れを持ったんじゃないかな。それは、僕が子供や知的
障害の方の絵に憧れるのと似ているかもしれません。地球人
コルトレーンと宇宙人モンクが、よーく分かる1枚でした。
(僕はモンクファンなので、多少の肩入れがあることをお許し
ください。)
10/15 僕の部屋は2階なので、窓から見える屋根の湿り具合でどれ
だけ雨が降っているか分かります。無色透明な雨は、たくさん降
っていてもそれ自体は見えにくく、葉っぱが揺れる様子であったり
車が走る音であったり、屋根の湿り具合であったり、何かを通し
てよく分かるもんだな、ってふと思います。それは、僕たちの気
持ちに似て。
こんな雨の日は、時間があったらもう一度読もうと思って置いて
おいた小説を読みます。そうすると、僕の記憶力があまりに乏しい
のか、それとも自分の環境や体調によって本の印象が変わるもの
なのか、以前読んだことなど忘れてしまうくらい内容を覚えていない
ことに気付きます。まるで初めて読む本のように。雨音と一緒に過
ごした午後でした。
10/14 ほとんどの天気予報は外れ、意識が蒸発しそうなくらいの秋空で
した。木の高いところにいると、「暑いねー。」と声がしたので後ろ
を見ると、屋根に登ってペンキ塗りをしていたおじさんでした。し
ばらくすると「おーい、滑るなよー。」と、そのおじさんが声をかけ
ていた方を見ると、窓かなんかの掃除をしてらっしゃるホッカムリ
をしたおばさんが、やはり道をはさんだ家の屋根の上にいらっし
ゃいました。案外、屋根の上には人がいるもんです。こんな日には
みんな屋根の上に出てきて、一緒に意識を蒸発させるのです。
猫にしか見えない蒸気をあげて。
10/12 キンモクセイの匂いが鼻の周りに浮かんで、子供がリコーダーを
練習する音が路上に響き、ほんのりダイダイ色になった柿の実が
まるで柿の木についた灯りのようで、どこかのおじいさんがお孫
さんを自転車に乗せ「床屋さんに行くよー。」と走っていったり、、。
そんな1日。なんでもない1日。でも僕の1日は、こんな些細なこと
で埋め尽くされているんだな。ものすごいスピードで、小さな出来
事を忘れていく世界の中で。
10/10 10th Anniversary Nafsya
神戸で一番お世話になって、一番居心地のいいところ、カフェ・ナフ
シャさん。本日10月10日をもって10周年をお迎えになったそうで
す。おめでとう。震災後、何にも知らない僕を温かく迎えてくれたナ
フシャさん。ここで本当にたくさんの人に出会って、お話して、たくさ
んのことを学ばせてもらったように思います。それも店主の麻里さ
んのお人柄が、そのまま温かい空間になっているからでしょうね。
初代のスタッフさんから今のスタッフさんまで、スタッフの方にも本
当に仲良くしていただきました。僕がナフシャさんからいただいた
眼に見えないような事を、少しでも他の人に分け与えることができ
たら、なんだかそれがナフシャさんへの恩返しのような気がします。
今夜も、たくさんの人がお祝いにかけつけていることでしょうね。
10年間、本当にお疲れ様。遠い空から、おめでとう。
10/9 何度も何度も季節を繰り返しているのに、いつも季節の変わり目
には、懐かしい気持ちが「ふっ」と湧いてきます。それはあまりに
些細なことで、めまぐるしい生活の中でどんどん忘れていくことだ
けど、その何でもないことを少しでも書き留めておけたらな、とい
つも思います。部屋の日溜りの中、横になっていると、ちょうどこの
温度。この心地よさ。全く同じように、縁側で横たわっていた幼い
頃の僕を「ふっ」と思い出すのです。このまま時間の隙間にもぐり
こんで、出れなくなって、ただあの温度の中で眠っていたい、そん
な気持ちになるのです。
10/8 ホットサンド。
ホットサンド作りマシーンが着ました。昔シングルのレコードなんか
を聴くのによく使っていたポータブルのレコードプレーヤーに外見が
似て、どこかチープでかわいい。そんなわけでここのところ朝は、ホッ
トサンドです。マシーンからほのかな煙といい匂いがしてきたら、アツ
アツの朝です。最初は、クラブハウスサンドのようにお野菜をたくさ
ん入れて作っていたのですが、煮えたようになってしまうので、お野
菜はサラダにして別に添えます。タコスの具を作って、チーズをの
っけたら、無敵のおいしさです。ホット、ホット。
10/6 もしも僕が葉っぱだったら、こんな雨上がりの朝は何を歌おう。
雨上がりの植物たちは、まるで背筋をピンっと伸ばしているよう
で、清々しい。
植木屋さんをしていると、雨の日はお休みです。「雨が続くと、お
仕事に影響しますね。」とよく言われるのですが、実はそれもあり
がたいことで、植物にとっては至福のときなんですよね。特に昨
日のようにシトシト長く降る雨は、ゆっくりたくさんの水が土に浸透
していきます。いっきにたくさんの雨が降っても、流れてしまうん
ですよね。そんなわけで、昨日のような雨が降った次の植物たち
は、とってもいい顔していました。
10/3 知っている人だけ、ちょっと面白いこと。
今度出演するイベント・フェスタイン湊川には、いつもアコーディ
オンを弾いてくれるパンチャックのご都合が合わず、今年もひと
り「しょぼいドンカジョン」をしようかな、と思っていたのですが、
ロイミーコフさんがドラムを叩いてくれると言うんで、ご一緒する
ことになりました。ドラムとドン・カ・ジョン。おもしろそ。
それで、ロイミーコフさんというのは僕がつけた名前で、実は元
ナフシャの料理長・ユミちゃんです。今はドラマー「ロイミーコフ」
として、神戸のライブハウスなどでご活躍中なんです。
僕の中には、したい音楽がたくさんあって、ミーコフとやったら
「ゆるーいロック」をやってみたいなと思っています。今まで書い
た曲でそんな感じの曲を引っ張り出してきたり、アレンジしなおし
たり、新曲を書いたり、今はそんな作業をしています。今日は
「海がみえる坂」という曲を書いたしね。せっかくドラムとご一緒
するんやし、この際ベースとかも募集しちゃいましょうか。フレット
レスベースやウッドベースやったらいうことありませんが、贅沢
は言いません。「ゆるーいロック」、ご一緒してくれる方がいまし
たら、ご連絡くださいませ。他の楽器でもいいですよん。
9/30 今日は、アン・サリーのチケットを取ってきました。名古屋は
12月6日。楽しみだな。
家に帰ってから、1曲歌を書きました。「あれから地球はまわら
ない」という曲。作ったばかりだから、これからいろいろ変わって
いくと思うけど、やっぱり最初は「生まれたて」って感じです。明日
の朝、もう一度聴いてみよう。
9/29 フジロックなんかに好きなアーティストが来ても、なかなか観に
行けず残念なんですが、毎年TVで少しずつやってくれるので
楽しみにしています。クラシックな僕にとって、今年はなんといっ
てもポーグス。脱退していたシェインが復帰するというポーグス。
TVで2曲だけ放映してくれたんですが、太ったおじさん以外どこ
にもボーカルの人が見あたらなくて。うーん。ふと、その太った
おじさん、よーく観てみると、なげやりな歌い方、虚ろな表情。
え! まさかー!?そう、あまりに変わったシェインでした。
もう、びっくら。ブルース系の人などは、歳をとって太ったりし
ても、かえって渋くなったなあ、くらいなもんですが、パンキッシ
ュな人は、なかなかそうはいかないもんです。まあ、それでも
いいか。いまだにお酒飲みながら歌ってるんだものね。永遠
の酔いどれ天使も、酔いどれ太っちょおじさんになって、
「シェイーーーン。カムバーーーーック。」のポーグスでした。
9/27 今回は、たくさんの展覧会を観た神戸の旅でもありました。
ギャラリーぷれんとりさんでのJunichiさんをはじめ、ジャン・
コクトー、荒井良二さん、お友達の田谷美代子さん、そして
きもとさちこさん。この季節は、展覧会に向いているのかな。
最後に行ったきもとさんの展覧会は、パン屋の「花風」さん
ってとこでやっていて、すごくいい所でした。朝、きもとさんと田
谷さんを車に乗せ、わいわい山を越え、ぐんぐん山の向こう
へ。まるでピクニックに行ったような展覧会でした。手作りのパ
ンもめっちゃおいしくって、きのことチーズのパンをおかわりし
てしまいました。ヤム。パンの匂いとたくさんの器に囲まれて、
時間を忘れてお話していた昼下がりでした。ちょっと車でない
と行きにくいですが、パン好きな人にはいいですよん。きもと
さんの展覧会は10/9まで。水、木、日しかやってないので
お気をつけて。ドン・カ・ジョンのCDも置いてもらうことになりま
した。
9/26 たらいま。 秋の風と一緒に帰ってきました。
23日に行われた「武庫川ランプフェスティバル」には、地域のイ
ベントにも関わらず、たくさんお知り合いの方に来ていただいて、
心からの感謝です。どうもありがとうございました。
このイベントでは、なんといってもすずかけ作業所の西本尚美さ
んが、「半ズボン」という曲に合わせてライブペインティングしてくれ
たことが、僕にとっては宝物のような思い出になりました。
彼女は、知的障害者さんですが、キラキラ光る「華」があって、
太陽のように自ら光を発するパワーがあります。最高幸せなひと
ときでした。「半ズボン」が始まると、まず不思議な形が描かれ、
次に顔が描かれ、ギターが描かれ、右端に僕には読めない字が
描かれ、最後に左端に「すき」と描かれました。てっきり「僕の事
を描いてくれたのかなあ。」と思ったのですが、右端に描かれた字
は「近藤真彦」だそうで、マッチのことでした。恐れ入りました。
最高です。
9/22 彼岸花ってよくできた名前ですね。咲いてるなあ、と思えばもう
お彼岸ですもんね。だけど、観れば観るほどすごいフォルム。
じっと観ていると、まるで宇宙の深淵を覗いているような気分に
なりました。シンプルできれいに伸びた同心上の模様は、宇宙
の相似形。こんな小さな命も、宇宙の一部なんだな。
そんなわけでドン・カ・ジョンのお彼岸は、武庫川すずかけ作業
所さん前の公園で行われるイベントに出かけます。地域のお祭り。
明日から2、3日留守します。
9/20 友達の絵本作家さんがご結婚されて、神奈川県・藤野にお住
まいになるというお葉書きが届きました。羨ましいなあ。
日記にもよく書いていますが、藤野というところは、山や湖とい
った自然に囲まれていて、その中でたくさんのアーティストの皆
さんが共生されています。何かを表現する人にとっては、最高の
ロケーションかもしれませんね。僕も住んでみたいなあ。なかな
か表現活動だけで生活していくって大変なことだけど、藤野では
みんなで農業をしたり、足りないところをうまく補っているようで、
そんなバランスがすごくいいなあ、っていつも思います。そう、バラ
ンスってすごく大事。
今ごろ藤野の自然たちは、秋の絵の具をそこら中に塗り始め
ていることでしょうね。
9/18 「のど自慢」って番組が僕は少し苦手なんですが、それでも自
分の意志とは関係なく、観ざるをえない状況もあるものです。
それで以前観たとき、「ジーン」としてしまったことがあります。
アナウンサーから、「亡きおじいちゃんに捧げます。」と紹介さ
れ出てらしたのが小さなおばあちゃん。そのおばあちゃんが、
亡きおじいちゃんに捧げた唄は「山口さん家のつとむ君」でし
た。おじいちゃんと昔ふざけて唄った唄なのか、おじいちゃん
がよく口ずさんでいたものなのか、それは分かりませんが、
「この頃、すこし変よ〜♪」と唄うおばあちゃん。クギ付けにな
りました。こういうのんってブルースなんだな。このおばあちゃ
んにしか唄えないブルース。きっといい唄っていうのは、唄っ
たとたん、その人のそれまでの人生や生活が「ふあ」っと出て
くるもので、うまい下手とはあんまり関係ないんだな。
鐘1個ぐらいで退場されたおばあちゃん、僕にとっては最高
素敵な1曲でした。
9/17 この日記にもたびたび書いているように、僕はニューオリンズ
好きです。ジャズ、ブルース、ファンクといった音楽にとっても、
ニューオリンズは聖地みたいなもので、ニューヨークやシカゴを
ルーツに持つそれとは少し異なって、どこか祝祭的で泥臭い。
そんな憧れの場所・ニューオリンズに、僕も一度だけ訪れたこ
とがあります。
いつか、震災後の神戸・長田のイベントで歌いに行ったとき、
なぜか「色紙に何か書いて下さい。」とイベントの方に言われ、
「長田を日本のニューオリンズにしよう!」と書いたのを覚えてい
ます。GOOD MUSIC、GOOD FOOD、GOOD PEOPLE
の街。神戸や宮川村でも学んだように、今ニューオリンズが直面
している自然災害っていうのは、報道されなくなった後もずっと
ずっと長引くんですよね。憧れのミュージシャンが住む街、ニュー
オリンズ。持ち前の開放的なパワーで、少しでも早く元気になっ
てほしいですね。マルディグラやジャズフェスティバルの期間に
訪れるという僕の小さな夢も、まだ温めたままですから。
「BON TON ROULET!」
9/14 ボブ・ディランを聴きながら、軽トラックに乗って田んぼの中を
走ります。まだ柔らかい緑の稲は、海のように波うっていて、
その海の中を、若き日のディランと一緒に走ります。気持ちよか
った。
ボブ・ディランが作った「I WANT YOU」。トム・ウェイツが
作った「I WANT YOU」。違う曲ですが、2曲ともFAVORITE
SONGです。ディランが作ったにしてはあまりに可愛いらしい「I
WANT YOU」。トム・ウェイツが作ったにしてはあまりに可愛い
らしい「I WANT YOU」。2人ともこんなシンプルでストレート
なラブソングを作るときは、子供みたいになるんだな。僕もいつ
か作ってみたい、こんなラブソング。
9/13 ちょっとJAZZ話
今でも人気のアルバム、ソニー・クラーク・トリオ(ブルーノート盤)
は、僕も大好きな1枚ですが、最近このアルバムの1曲目が「BE
BOP」であることを知りました。えー、、。だって、僕の持ってるア
ルバムは「I DON’T KNOW WHAT TIME IT WAS」で、
ずっとそう思ってたから。でもいわれてみれば、1曲目「BE・BOP」
のほうが断然かっこいい。アルバムの曲順ってすごく大事やと僕
は思うんですが、JAZZってよーくレコード会社の人が曲順変えて
再発したりするんですよね。未発表テイクを何曲も入れたりして。
あれって、オリジナル盤もレコード会社の人が曲順決めてんのか
なあ。未発表テイクが聴きたくなるのも分かるけど、アーティストが
「このテイクでいこ!」って決めたら、僕はそのテイクだけでいい
のになあ。
今夜はソニー・クラーク。秋の夜長にコロコロ、ピアノが転がり
ます。
9/12 ポッカリ浮かんだ白い雲をながめながら、リンゴジュースを飲み
ます。高い木に登ったら、そこには鳩が卵を温めていて、思わず
鳩に怒られてしまい、「ごめん、ごめん」とそこは避けて木を切っ
てきました。なので、そこだけポッカリ葉っぱが茂った木になりま
した。最近、ポッカリな日々です。
9/11 久しぶりにポッカリ空いた休日。のんびり村上春樹の「海辺のカ
フカ」でも読んでいました。
こないだ、友達から新しいお豆腐の食べ方を教えてもらいまし
た。作ってみたら、簡単ですごくおいしかったから、ご紹介。
まず、お豆腐を「チーン」して水気を取ります。それから、お豆腐に
塩をふります。あとは、市販のザーサイをきざんでのせるだけだそ
うです。僕はザーサイがなかったから、オクラとミョウガをきざん
で、お醤油とごま油で和えてのっけました。んー、おいし!お豆
腐に塩だなんて、考えたこともなかったですが、こういう意外な組
み合わせがマッチすると、なんだかうれしいですね。
9/8 朝一番に木に登ってみると、世界がとてもクリアに観えました。
輪郭がとてもくっきりしていて、台風後の澄みきった空気の朝で
した。
ひょこっとドライブ。京都の後は少し神戸に。すずかけ作業所さ
んに打ち合わせがあったんで行ってきたんですが、「せっかくだ
から、給食もご一緒しませんか。」ということで、皆さんとご一緒
にハヤシライスも食べてきました。それにしても、みんな個性的
やなあ。僕達も、子供のときはあんなふうに個性的だったはず。
いいなあ。
それで、以前からこの日記によく書いているように、すずかけ
作業所さんには素敵なアーティストさんがたくさんいて、23日の
イベントでは、ご一緒にライブペインティングさせてもらうことに
なりました。といっても、やっぱりライブペインティングに向いてい
る性質みたいなのがあるので、今回は、いつも弾むように描い
てらっしゃる西本尚美さんとご一緒することになりました。うれし!
他にも、もうおひとりご一緒してもらえるかもしれません。
ああ、楽しみだなー。
9/7 新しい車に乗って京都、神戸方面へひょこっとドライブです。
京都は、僕が大学1,2年のとき住んでいた田辺方面に。
13年ぶりくらいに訪れたのに、「あっこの点滅信号をまわると、
右に駐車場があって、、、」みたいに、今でも住んでいるように体
が覚えていて、ほんとタイムスリップでした。以前住んでいたア
パートの近くには古い神社があって、雨上がりの石段を「こん
なに長かったかなあ。」なんて思いながら昇りました。神社の裏
には、13年前にタイムカプセルを埋めた場所があって、ささや
かな秘密の場所も見てきました。今思えば当時、「御飯の炊飯
器」がクラシックなのに近未来の形をしていたように見えて、そ
の中に思い出の品を入れて埋めたことを覚えています。
今度はいつあの場所に行けるかな。
9/3 マイアイドル、セロニアス・モンクの「MONK」を聴きました。
これは、ベスト盤とかじゃなくて、ちゃんとしたオリジナル盤。タイ
トルといいジャケットといい、とても地味ですが、なかなかご機嫌な
1枚でした。モンク後期のコロンビア時代は、メンバーがずっと一
緒だったりで、あまり評判がよくないんですが、僕は構わないので
す。モンクの残した音源なら、全部聴きたいくらい。1曲目「LIZA」
のモンクのピアノ・ソロ、ブルーノート時代のやんちゃな感じやった
なあ。結構モンクのオリジナルアルバムって多くて、まだまだ聴い
てないのがあって、楽しみ。
9/1 2ヶ月程前、アメリカからホームステイにいらしたスージーさん。
ひょんなことから、ブルースの話になりました。彼女の旦那さんは
ブルースが大好きだそうで、昨日、たーくさんのブルースCDを、
送ってきてくれました。その中の半分くらいは、アルバート・キング
が入っていて、僕もアルバート・キングが好きだったから、うれしか
った。LUCY(彼は、自分のギターをこう呼ぶんです。)の図太い
音色、いいなあ。あれはまるで、彼の大きなお腹の中から出てくる
音みたい。彼のギターのフレーズは、聴けば聴くほど同じリフが
多いんですが、まさにONE&ONLY。「私は、これで御飯食べて
きたんです。」って感じがよいです。僕は、どうしてもこんなアーテ
ィストに憧れるんですよね。
そんなわけで昨日の夜、とってもブルースな秋の夜長になった
のでした。
8/31 My 66
夏休みの終わり、やっと新しい車がきました。なんてことのない
フツーの車なんですけどね。それでも、人生の中で車買うなんて
ビッグイベントですもんね。うれし。いろんな機能がついていても
クラシカルな僕にはなかなか驚くばかりです。少しづつ学習、学
習。プレートナンバーから、この愛車を66と呼ぶことにしよう。
これからも、ギターを積んでたくさんの街に行ってみたいな。66
に乗って。
8/30 家に帰ったら小包がひとつ届いていました。神奈川県藤野に住
んでらっしゃる大好きな絵本作家・いまきみちさんから。こどもの
とも最新刊10月号で、できたてホヤホヤ・いまきさん作「ヒコリふ
ねにのる」でした。ここ2,3年、いまきさんは刺繍で絵を描いて
らっしゃっていて、今回は刺繍による絵本です。すごくいいよー。
糸の1本1本、布の感じ、みんなあったかい。それから今回は、
刺繍の上に淡く色がのせてあって、それがなんとも溶け合ってい
たなあ。
以前、僕がいまきさん達にお会いしに行ったとき、「風にのった
ゾウ」という歌を作ったんですが、その歌に合わせて刺繍の絵を
描いてくれたこともありました。その後も、いまきさんの刺繍への
取り組みを、何度か観させていただきました。きっと、ひとつの
作品に辿り着くまでに、実はいろんなストーリーが作家さんの中
にあって、その集大成が今僕たちの手の中にあるって、なんだ
かうれしいな。これからも、いまきさんのストーリーがどうなって
いくか、とっても楽しみです。
9月には、いまきさんと旦那さんの西村繁男さんの展覧会&
ワークショップが藤野であるそうで、その情報も掲示板に載せ
ておきますね。
8/29 見つけちゃいました。
愛知県のかわら美術館というところで、アウトサイダーアート展
というのをやってるってことを以前書きましたが、昨日もう一度
ゆっくり観に行って来ました。それで前回来たとき、美術館の方
や知人から、紫峰人形美術館ってとこが「とにかくすごいから」
って教えてもらって、今回はそちらにも行ってきました。いやあ、
ほんとにすごかった。ナイトスクープ的パラダイス。みつけちゃ
いました。
この美術館は吉浜人形店さんというところがやっていて、名前
の通り人形の美術館なんですが、江戸の文化、芸能、風俗を
表現しているとでも言いましょうか。まあ、そんなことよりもあの
センス。全面鏡張りの部屋に、ひしめく無数の人形達。踊る仕掛
け人形。あ〜、どうしちゃったんでしょう。光るミラーボール。
スナックに置いてあるようなビロードのソファ。ところどころにあ
る記念撮影コーナー。最初の1階を回っただけで、もうお腹いっ
ぱいやったんですが、それが5階まで。ああ、夢でしょうか。
日本昔話コーナーは、ちょっとした劇場のようになっていて、
第1話・花咲か爺さんが始まったと思いきや、そこにいる人形
達は花咲か爺さんの歌が終わるまで動かず、そのまま曲が終
わり第1幕終了。それが5話ぐらいまで。ん〜あ、壊れます。
美術館を出た頃には、なにか違う自分になったようでした。
今は、たいがいのものには驚きません。強くなった。うん。
もし愛知県、高浜市に行くことがありましたら、是非にどーぞ。
Are you EXPERIENCED?
8/27 以前にも少し書きましたが、7月のはじめにさせてもらったワー
クショップ「君にしか描けない絵がある」では、じゃんじゃん作品
ができあがって、みんなで150枚を越す葉書きができました。
そして参加者の皆さん同士、自然にその葉書きに住所を書き
あってお便りするようになったんですが、僕も気に入った葉書き
を送ってもらうようにしました。そうして、今でも忘れた頃にポツリ
ポツリとその葉書きが送られてきて、まるで夏の思い出が一枚
ずつポストに入ってくるようで、とっても楽しんでいます。葉書き
には、それぞれの方がその絵に対しての「詩」を作ってくれてい
て、思い思いの言葉も楽しく読ませてもらっています。こうして、
結果的に長い時間を経て完結するワークショップとなって、我
ながらいいワークやったなあ、なんてひとり喜んでおります。
送られてきた葉書きは、部屋の中に洗濯物のように吊るして、
一枚づつ増えていくのをうれしく眺めているんです。
8/26 暑うー。植木屋さんは外でのお仕事なので、今日はさすが「く
らー」っときましたね。そんなときは昔の人の知恵「頭寒足熱」。
タオルを濡らして、頭の上にちょこんとのせます。すると、頭の
芯からふーっと温度が抜けていくようで、ああ気持ちよかった。
まだまだ残暑厳しいようですので、どうぞ皆さんもお気をつけ
くださいね。寝るとき、どうしてもエアコンつけないといけないと
き、僕は靴下を履くようにしていまーす。
8/24 2枚目の「ファーストキッス」。
どんくさい僕は、大事なものほどよくなくしてしまうようで、お気に
入りのアルバム、フェアグラウンド・アトラクション「ファーストキッ
ス」も、2年程前になくしてしまいました。これだけ出てこないとい
うのは、きっと車のCDチェンジャーから出したとき、屋根に載っ
けてそのまま走ったに違いありません。大事なもの、車の上に載
っけて走るなんてね。とほ。
それで、こないだ中古CD屋さんで見っけたので、もう買っちゃい
ました。2年ぶりに聴いた「ファーストキッス」。やっぱりいいなあ。
8/23 今日はご依頼をいただいていた絵を描きました。「自然」に関する
テーマなので、わりとすっと出てきました。喜んでもらえるといいな。
ご依頼といえば、また詳細が決まったらお知らせしようと思ってい
たのですが、司会のご依頼も2つほどいただいていて、「話が下手
なこんな僕でいいのかなあ。」なんて思う反面、とてもうれしく思って
います。大好きな神戸にも行けるしね。秋の着替えをすました神戸
の街で、また会えたらいいな。
8/22 季節は、まるで「だるまさんが転んだ」をしているようで、ひと雨ご
とに秋が近づいてきますね。もうすぐそこまで。さらっとした風が頬
に触って、最高気持ちよかった。この風は、遠い街に住んでいる
みんなの頬にも触るんだろうな。
今日はクリフォード・ブラウンでも聴きながらクッキン。タコスラ
イスを作ります。元ナフシャの料理長・ユミちゃんから、こそっと
おせえてもらった一品なので、魔法のレシピを公表できないのが
残念ですが。今日はナスをトッピングして、ああ、おいしかった。
今夜も、ごちそーさまでした。
8/19 ジャック・ジョンソンな日。
彼が撮った映画「セプテンバー・セッション」と「シッカー・ザン・
ウォーター」を観ました。2本とも映画というよりは、サーファーの
映像に、ご機嫌な音楽を載せていくフィルムって感じかな。
僕は、サーフィンとかマリンスポーツについては、「I have no
taste」だったのですが、観ているとなんだか羨ましくなってきま
した。サーフィンって、おもっきり自然の真ん中で楽しむスポーツ
なんだなあ。海の動きにぴったりくっついて、自分が波になってし
まう感じ。いいなあ。海、行きたい。
それで偶然さっき、ケーブルテレビってのんで、ジャック・ジョン
ソンのライブをしていました。こないだ観に行った日本ツアーの
模様がたくさんでうれしかった。ジャック・ジョンソンは、いつも
ニュートラルな感じがいいなあ。
8/18 ひよどりが上手に虫を採って、「ヒューイ」と柿の木のてっぺん
に止まりました。よく観ると、まだお腹の産毛が柔らかいヒナが
いて、エサをあげていました。ヒナといっても、もう巣から出てい
て、今にも飛び立とうとする様子でした。きっとこのヒナが飛び立
ったとき、世界は秋になるのです。赤とんぼは、低空飛行をはじ
め、夜にはコオロギが、ヴァイオリンを弾きはじめました。
もう準備はととのったよ。「飛べ ひよどり」。
8/16 66。
庭になったプチトマトを食べると、太陽の味がしました。この夏
一回分の太陽の味。太陽は、僕の体内にゆっくり染みわたって
僕の体も少し赤くなったみたいです。
僕は車のことについてほとんど何も知らないんですが、今プ
レートのナンバーって、とても簡単に、しかもお安く選べられる
んですね。(希望の番号が他の人と重なったら、抽選になるら
しいですが。)それで、せっかくだから僕も好きな番号にしても
らいました。「66」。あとで考えたら、アメリカのドラマ「ルート66
」があるから、難しいかなとも思ったんですが、簡単に取れちゃ
いました。第2希望は「55」。トム・ウェイツが歌った「OL55」か
ら。でももし55になってたら、みんなにとってはトム・ウェイツを
連想するより、コント55号を連想されるかもしれないですよね。
「66」でよかった。よかった。早く「66」に乗って、海まで走りた
い。みなさんでしたら、何番にします?
8/13 展覧会中、絵描きさんのつよしゆうこさんも来てくれました。
そのときのお話がおかしかったから、今日はそのお話。
神戸には、僕にとって恩人のような方が何人かいらっしゃって
つよしさんもそのおひとり。まだ僕が歌い始めた頃から、仲良く
してもらっています。思えば、ナフシャさんに最初に呼んでもらっ
たのも、つよしさんの展覧会記念でした。ご結婚されてからは、
あまりお会いする機会も少なくなりましたが、それでも久しぶり
にお会いすると、みんなでずっとゲラゲラ笑っていた気がします。
「カジョンくん、お料理教室したらいいんよ。」とおっしゃるつよし
さん。そんなんしたら大変、と僕は思うんですが、つよしさんの頭
の中には、僕がトマト君になって、トマトの歌を歌いながら料理し
て、最後にはまな板に絵を描いて教室が終わる、というイメージ
があるそうです。おかしいな、つよしさん。「だったらつよしさんも
ライブペインティングして、その教室ご一緒にやりましょうよ。」
と言うと、「いやいや、私はプロデュースだけでいいねん。」と
おっしゃいます。どなたか「つよしさんとドン・カ・ジョンのお料理
教室」に一票入れてくれません?
つよしさんの絵は、一枚一枚丁寧に描き込むというより、その
ときの気持ちをそのまま線や色に解き放つ、みたいなところが
あるから、ライブペインティングとか向いていると思うんだけど
な。そのときはつよしさん、トマトさんになってね。
8/12 今日はお昼過ぎ、バケツというより海をひっくり返したような
大雨が降ってきて、お仕事中止で帰ってきました。おかげで
午後からは机の上に積まれた本を読むことができました。
展覧会最終日、「ああ、もう終わりだなあ。」と思っていた閉
店5分前。お友達の絵描きさん・久本直子さんがいらしてくれま
した。いつも物静かな久本さん、帰り際に出版されたばかりの
本をプレゼントしてくれました。「はりねずみとくしゃみ病」。久本
さんが挿絵をお描きになった本です。彼女が描く動物たちは
とってもいいな。おかげで、とてもゆるーい雨上がりの午後を
過ごすことができました。
8/10 おめでとう、荒井さん
ご存知の方は、もうご存知かと思いますが、児童文学のノー
ベル賞といわれるリンドグレン賞に、荒井良二さんが選ばれ
ました。「この人、面白いなあ」って思ってた人が、そうやって
受賞されると、なんだかうれしいですね。こないだも神戸に
いらしたとき、お食事をご一緒させてもらいました。こんな
時期なので、あまり人と会うのもお疲れかなあ、と思ったの
ですが、いつも通りの荒井さん。気さくでタフで。夜中の2時
になっても、「もう一軒行こう!」。やっぱり全部が若いなあ。
授賞式のエピソードはよく雑誌などに載っていますが、「こ
んにちは、アストリッド」という新曲を作ってスウェーデンの
TV生放送の中、しかもスウェーデン語を交えて歌われた
そうです。なんでもできちゃうんやなあ。すご。僕なんてそん
な機会に歌うことがあったら(そんな機会はまずないんだけ
ど)、体で覚えているような、一番歌い慣れた曲を選ぶと思
うんですよね。いつも荒井さんには遊びの部分があって、
プレッシャーがあっても、それを笑い飛ばしちゃうみたいな
懐の深さがあるんだな。僕たちの「荒井良二さん」から、世
界の「ARAIさん」へ。これからも応援していまーす。
9月は神戸のVIEさんで展覧会だそうです。
8/9 木に登っていたら、手の甲にセミがとまりました。そのつかま
ったセミの握力のか細さに、なんだか夏の終わりを感じました。
神戸に絵をたくさん持って出かけた7月のはじめ、ナフシャさん
の周りでは、1、2匹のセミが鳴いていただけだったのを覚えて
います。やがて、セミの声も合唱になり、まさに夏の真ん中の展
覧会となりました。お腹を振動させ、めいっぱい鳴きつづける
セミのように、僕の展覧会もめいっぱいうれしいものとなりまし
た。そんな僕の夏。たくさんの人に出会えた夏。手の甲にとまっ
たセミは、夕暮れの空の中へ飛んでいきました。
またお会いできますように。
8/7 神戸に行くと。
神戸のお好み焼きっておいしい。展覧会中も、たくさん食べた
なあ。時間があれば、長田のあるお店に行ってました。僕のお
気に入りはネギ焼き。スジコン(スジ肉とこんにゃくを煮込んだも
の)のネギ焼きで、お醤油だけでぺろりといただきます。うーん、
ヤムヤム。きっとこのスジコン・ネギ焼きってのは神戸のものじ
ゃないかなあ。
それから、ナフシャのスタッフさんには広島出身の方がいらし
て、一度ナフシャのみんなで広島焼き大会をしました。(広島で
は広島焼きと言わず、ただお好み焼きと言うそうです。)これが
びっくりおいしかったー。広島お好み焼きには、だいたいおそば
かおうどん、それからお餅が入っていて、カープソースでいただ
くそうです。僕が勝手に思ってた広島焼きは、ただの広島風お
好み焼きでした。恐れいりました。
そんなこんなで、ますますお好み焼きファンになりました。
8/6 毎日書きたいことばかりなんですが、今日は展覧会に行ってき
たので、そのことを。
今愛知県のかわら美術館というところで、「アウトサイダー・アー
ト展」というのをしています。僕がよくお世話になっている、西宮の
すずかけ作業所のアーティストさんも出品されていて、今日はわざ
わざ西宮からやって来てくれるというんで行ってきました。僕がリス
ペクトする舛次崇さんもご一緒。赤いTシャツに阪神帽。それから
舛次さんにとってのカーディガンは、なんと阪神タイガースの「はっ
ぴ」でした。きれいな美術館に飾られた舛次さんのモダンでおしゃれ
な絵達。阪神の「はっぴ」を着た舛次さんは普段のまま、穏やかに
歩いておられました。ああ、なんて幸せ。僕にとって、ピカソやゴッ
ホとなんら変わりない舛次さん。ただ違うとすれば、今同じ時間に
一緒にいられるということ。知的障害という障害は、心を自由に解
き放って表現するということには、なんの障害にならないんだな。
毎年、夏の甲子園高校野球の開会式に行かれるという舛次さん。
今日は残念ながら行けなかったけれど、柔らかくて素敵な笑顔が
忘れられません。
それから、すずかけさんからはもうおひとり、大量の絵の具を垂
れ流す竹村幸恵さんもいらっしゃいました。40歳になられたとい
う幸恵さん、まるで少女のように可愛らしかった。これからも、どん
どん垂れ流し続けてほしいな。
9月は、また歌いに行くね。大好きなすずかけさん。
8/5 今日は、車のお話。少し前、信号待ちしていたら、ついに止まって
しまいました、僕の車。そんなわけで、あまり興味もないのに車の
本を眺めたり、車屋さんに行ったり、、、で、決めました。新しい車。
今回は、乗り心地の良さ、実用性だけで選びました。メンテナンス
のことを、考えると外国の車はもうやめようと思ってね。だからな
んてことのない日本の車。全然おしゃれでもない。でも試乗してみ
ると、最高乗り心地いいんだな。トム・ウェイツが歌った「OL55」
みたいに、朝焼けのハイウェイを走ってみたい。どんとが歌った
「トンネル抜けて」みたいに、風にまかれて海まで走ってみたい。
実は今日、どんとの誕生日。生きていたらもう何歳かなあ。新し
い水色の車がきたら、どんとの歌を聴きながら海まで走ろう。
8/4 なにから話そう、楽しすぎた7月。少しずつお話しようと思っても、
やっぱりなにから話そう。とりあえず、一番印象に残っている演奏
会から話してみようかな。
30日。「6時にナフシャで演奏会」。いつもより少し早めに始まり
ました。今回は、新曲「ポポトロハイナーゼ」、「まちあわせ」のご披
露もありました。「ポポトロハイナーゼ」は無意識の中に住むピエロ
が現実の女の子に恋をする、おまじないの曲。「まちあわせ」はひ
とりで歌ったのですが、壁にかかったたくさんの時計の音と一緒に
唄いました。それから、絵描き歌も2曲。演奏会の最後に抽選会を
して、その大きな2枚の絵をプレゼントしました。
今回も小さな子供さんたちがたくさんいて、はずむように踊っていた
のがとても印象的です。感じたことをそのまま体現できるってのは、
やっぱりすごいな。羨ましい。
それから、演奏会が終わってから、おひとりずつ葉書きに絵を描
いていきました。少しでもお話ができてよかったな。前にも書いた
けど、どれだけたくさんの人の前で唄っても、「伝わる」というのは、
たくさんの人という塊に伝わるんじゃなくて、いつも「僕から君へ」
「君から僕へ」という関係なんですよね。だから、ああやってお話
ができてよかった。
あんな時間と空間が、またいつか実現しますように。きっとそん
な思いが「まちあわせ」の始まりなんでしょうね。改めまして、ご来
場いただきましたたくさんのお客さんに、胸いっぱいの「ありがとう」
8/2 ドン・カ・ジョン「3時にナフシャでまちあわせ展」。31日をもちまして
無事終了いたしました。本当にたくさんの方にご来場いただきまして
心よりの「ありがとう」です。
今回は「まちあわせ」をテーマに、誰かとお会いするまでの楽しみ
な時間、なにかまでのワクワクするような時間をたくさん描きました。
そんな絵たちと一緒に、お客さんたちが毎日のようにいろんな「まち
あわせ」していて、そんな光景がとてもうれしかった。こんな展覧会は
ギャラリーでなく、カフェ・ナフシャさんだからこそできた進行形のも
のでした。あるお客さんが、「おかげで素敵なまちあわせができました
。」っておっしゃったのが、とても印象に残っています。
展覧会は終わりましたが、僕が作った時計はこれからもずっと動き
続けます。きっとそれは、またお会いするときまでの時を刻む「まちあ
わせ時計」。季節を繰り返し、また「やあ」って出会える小さな喜び、
そんな「まちあわせ」をたくさんたくさん持っていたいな。皆様にも、
素敵な「まちあわせ」が訪れますように。