「もっと!け・ke・ケ・KE?」過去ログ

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生態系(帰化)関連


 小学校の教員です。以前より、コウゾから紙をつくる授業を仲間といっしょにやってきました。コウゾより簡単にでき、種から育てられるということで、ケナフにもちょっと興味を持ったのですが、やはりやる気になれない。ユーカリによる土壌の荒廃を彷彿させるのです。

 同じ学校の先生がケナフを植えだしたのですが、その成長ぶりを見るとあまりのどう猛さに恐怖を感じました。すぐ横の畑にクラスで河内綿を育てていたのですが、似たような花ながら、綿の可憐さとくらべ、何とも厚かましげに、他の植物の上にそそりたっています。まあ、実に、感覚的な嫌悪ですが、結構あたっているのではないかと思います。

 だいたい、植物にしてもその土地にあったものが一番で、まだわかっていないことが多い中で、安易なものに飛びつくのはたいへん危険であると考えます。やはり、コウゾのほうが正解だとおもいます。 (S・大阪)

*海外では、ユーカリの植林による土地荒廃が問題になっています。「ユーカリを植えた後には、雑草も生えない」と言われるほど、土地を荒らします。ケナフはユーカリ程では無いかも知れませんが、強い成長力が土地荒らすと言われているので(00/07/13、毎日新聞)注意が必要ですね。<は>


 当社はケナフパルプ輸入のパイオニアです。ケナフは木材紙に取って代わる物ではなく、ほんの部分的に補う物です。

 日本国内であちこちにケナフの種を蒔くのは反対です。2年ほど前にもあるケナフ団体が河川敷にケナフを植えたいとの事で種をほしいと言ってきましたが、反対し思いとどまっていただきました。その代わり学校の校庭に植える分は教材としての種を提供しました。

 種の配布は非木材普及協会がやっています。日本では非木材の紙の割合が外国に比べ非常に少なく、それは昔の非木材紙の質が悪かったイメージがあるためだと思います。そのような意味ではケナフ紙の知名度を上げ、普及するためには悪いことではないと思います。

 しかし、非木材紙の推進とケナフの日本での栽培とは別問題です。日本でケナフを商業ベースで栽培するのは気候とコストの面で不可能と思います。

 ケナフ反対派の日本の生態系を壊すからというのは全くその通りと思います。

 ケナフがブラックバスに成らないようにしてほしいですね。

*非木材紙普及協会の配布の目的は、「非木材紙のイメージアップ」ということですね。種子の配布時に、そういった但し書きを付けるのであれば、理解できます。しかし実際は、十分な説明がなされているとは言えません。「温暖化防止」「環境に優しい」などの文句とともに種を配布するだけの例があまりにも多すぎます。

 ケナフは、採算を考えれば海外から輸入するのが妥当でしょう。但し、現状のケナフ・ブームがあまり過熱すると、ケナフ畑の開発のために、輸出国の森林が破壊される可能性も出てきます。森林の代替えのはずが、森林破壊を引き起こしては本末転倒でしょう。私は、日本がその当事者になることは避けるべきだと思います。

 「ケナフがブラックバスに成らない」ためには、是非「正確な情報」をケナフを扱う側(企業・普及団体)からも流して欲しいですね。<は>


 ケナフがもてはやされ、単純に納得していた私ですが、ある自然観察会に参加したときに、その講師の先生がケナフについてはもっと慎重にすべきだということをいわれ、このホームページを読んでケナフについてよくわかりました。

 外来種はむやみやたらに繁殖させてはいけないわけ、日本の植物の生態系を守る大切さ、日本の植物の中で環境にやさしくするにはどうしたらをまず考える、等・・・・色々勉強になりました。

 わたしは植物園のボランティアガイドをしています。やはり植物園にもケナフはあります。これからはケナフのコーナーでは、環境の安全さについてもガイドしていきたいと思います。 (匿名希望)

*一人でも多くの人に、ケナフを植える是非を検討してもらえれば、と願っています。同時に、移入種に対する問題意識をもっと強くアピールする必要がありますね。HPに移入種に関するガイドラインを紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。<は>


 ケナフに関する大きな問題点のひとつは,マラソンでの種子配布の例にみられるように,外来の植物を無秩序に近い状態で導入している点です(在来の自然植生を刈り取って植えている例があるならば,それはもはや論外な非常識)。仮にケナフが帰化できないとしても,この点が問題であることには変わりありません。

 人間が持ち込んだ生物は完全に人間が管理すべきということは生態系を撹乱しないための基本原則です。これは,緑化に外来植物が大量に用いられている問題,ペット用に輸入された生物が飼いきれずに多量に野外に放される問題,釣りマニアがブラックバス等の外来大型魚を違法かつ大量に放流している問題などにも共通します。

 「帰化するか否か」を正確に把握することはもちろん重要ですし,一般の人にアピールするにはわかりやすい論点です。しかし,マスコミなどによってその論点だけ前面にでた結果,本質的な問題点が逆に見えにくくなってはいけません。HPでは問題の本質をよく説明できていると思いますが,マスコミは「わかりやすい論点」だけを取り上げがちなので注意が必要です。 (K・熊本)

*私が一番心配なのは、安易なケナフ導入による自然破壊です。帰化問題はその中の一部と見なしています。ただ、ケナフが外来種である以上、導入に際し帰化の可能性の検証は避けて通れないものだと思います。ですから、推進団体には科学的に(もし検証能力が無いのであれば、専門機関に依頼するなどして)帰化についてきちんと検証し、結果を公表して欲しいと思っています。これから植える人に、「帰化さえしなけりゃいいんだろ」と開き直られても困りますしね(笑)。<は>


 愛知県在住です。先日、花屋でケナフの苗(高さ約50cm)と種を販売しているのを見かけました。特に帰化についても書かれておらず、ただ、環境にやさしいとだけ。

 この辺りは田舎で、空地や藪、田畑も多く、帰化には最適な環境だと思います。普段からも、植えたはずのない見かけない花が自宅庭で咲いていたりしますしね。数年後が心配になりました。(愛知・A・女性)

*ついに花屋にも登場しましたか(^^; まあ、これまでに散々流されたケナフの”毒”を中和するのには、まだまだ時間がかかると言うことでしょう。<は>


 生物学には素人ながら、若いころから趣味の絵の資料に動植物の図鑑を見ることも多く、国内の生態系を守ることには少し関心があります。ケナフのことも気になっていたところ、朝日新聞の人欄(00/5/8)を拝見し、やはり問題があるのだと知りました。

 その後の短期間に市内のホームセンターで種を配っていたり、堺市報の小学生の作文コーナーにケナフをもっと植えようという文が掲載され、朝日新聞の声欄(00/5/30、6/10)でも賛否両意見が載りました。新聞で読んだだけの知識でホームセンターや市に何か言うのもと思いますし、皆善意でやっているだけに、もっといろんな見方や情報が早く広まって欲しいと感じています。

 ホームセンターの種は2週間程して行った時にはもう見当たらず、すべてもらわれたのか、撤去したのか分かりませんが、大和川の河川敷などに蒔く人がいなければいいけれどと思います。(S・大阪)

*大阪は、ケナフの植栽に熱心な自治体が多いですね。狭山市でも、ケナフ・ロード(!)を作ろうという動きがあるようです。
 「ひと」欄に関しては、これまで私が行ってきた問題提起を真摯に受け止めていただいた結果だと思います。朝日新聞の掲載に感謝しています。<は>


 サッポロビール千葉工場にビオトープ園を設置(1999年08月27日 (→サッポロビールHP→当サイト関連記事)について,質問したところ,次のような解答がありました。

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 弊社千葉工場のビオトープ園は、ケナフ畑と隣接はしているものの別ゾーンであり、このことを十分ふまえて設計し、区分管理を行っております。

 当地はもともと海面を埋め立てたところであり、自然の少ないこの土地に池を造り草木を植え、小さな生き物を生育させ、その空間をビオトープと呼びたいという気持ちはご理解いただけるものと存じます。

  ビオトープ園は造園して完成ということではなく、むしろそこからの維持管理、調査を積み重ねていくことに意義があると考えております。埋立地ということより、復元という観点だけでなく、共生ということもふまえ、今後の植生や運営について考えて参りたいと考えております。

 外来種のケナフの繁殖力あるいは侵食性などにつきましては、環境庁なども91年から試験栽培を行い、また「ケナフ協議会」を設置し産学協同でケナフ利用の推進を検討しているとのことであります。

 弊社としては各地の「ケナフの会」のメンバの方から情報をいただき、社内で検討を行った結果、これまでの実績、知見からその安全性に問題はないと判断し、採用に至ったものであります。ただしこの問題につきましては、今後栽培管理を十分に行いながらさらに詳しく調査を行っていく所存です。

 以上のことよりご理解を賜りますようお願い申し上げます。 お客様相談センター

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…だそうです。環境庁は,ケナフを現在どう判断しているのでしょう。 (I・北海道)

*大阪朝日新聞の記事(00/6/1付)によれば、「環境庁でも10年前、性質などを調査研究したが、不明な点が多く、環境効果の結論は得られなかった」 ということです。それなのに、環境庁とつながりの深いケナフ協議会では、「ケナフは環境にやさ しい」といううたい文句を否定していませんね。不思議です。

 以下、「回答」の内容についての私の感想です。

>「ビオトープ園は、ケナフ畑と隣接はしているものの別ゾーンであり・・・」
「別ゾーン」であっても、ビオトープ園の目玉であることを宣伝しているのですから、「客寄せ」に変わりないと思いますが?

>「当地はもともと海面を埋め立てたところであり、・・・・・・埋立地ということより、復元という観点だけでなく、共生ということもふまえ、今後の植生や運営について考えて参りたい」

海面の埋め立て地のビオトープなら、干潟の復元でしょう。自然を壊して、その上に全然異なる生態系の箱庭を持ち込んで、「共生」ですか?

>「これまでの実績、知見からその安全性に問題はないと判断し・・・」
「安全性」が「ケナフが日本の生態系へ与える影響」についてのものなら、未知数です。少なくとも、「環境アセスメント」の判断材料であるデータの供出先は、利害関係のない第3機関のものであるべきですが、現在の所(帰化を含む)日本の生態系への影響をきちんと研究している公的機関はありません。

残念ですが、上記の回答内容では、到底「理解」できません。<は>


 HPに「コンビニでケナフ栽培セット販売」という情報がありますよね。→what's new

 広島県の某財団では、ケナフ栽培セットシュロガヤツリ栽培セットを配布しているそうです。販売ではなく配布です。小さいポットがセットになっており、「大きくなったらどこかに捨てて下さい」ということなのでしょう。 (M・広島)

*シュロガヤツリはマダガスカル原産の外来種で、「水質浄化に有効」ということで、広島県の自治体をはじめ、各地の自治体・小学校で栽培されているようです。しかし、シュロガヤツリは株で簡単に増える植物です。しかも、すでに小笠原諸島で帰化が確認されています。安易な配布は絶対にやめるべきです。<は>


 日本人は、「土=土地」の使い方を忘れたのです。土地は担保物件、不動産、としか考えなくなった。それ以外の利用法が判らぬからゴルフ場を作り今度はケナフですか?日本が米を自給できるようになったのはオリンピックの前年昭和38年('63)ですよ。戦後すぐからの「タンボ作り」の政策が今でもムツゴロウを殺しシジミを苦しめています。

 私はブラジルにコーヒー用の土地を持っています。が、既に地味が落ち、牧草をうえて牛を飼っています。牛は同じ道筋だけ通ります。牧草の根は切れます。スコールで牛の通い道がそのまま深いミゾになり、土地をモザイク状に分割してしまいます。人間にとって都合の良い植物が自然、天然、ありのままの世界にとって良いわけはありません。コーヒー用の土地破壊だけでもすごい。

 ブラジルはコーヒー産地です。輸送の為には袋が必要です。その袋の為に日本人がジュートアサを開発しました。これがなければブラジルコーヒーは世界一にはなっていません。ジュートは草というより木ですがその茎の中を送る根から天辺までの一本のセンイが袋用に使われます。ジュートはブラジルですが、フランスはサイザル麻をアフリカ(マダガスカル島)で栽培しました。これは主に、大型船のロープ用でした。19世紀以降の帝国主義、植民地支配、単一植物栽培(モノカルチャー)の"土地からの収奪"の跡がウンザリする程です。

 ケナフは日本で栽培する必要はないのですよ。休耕田利用、過疎地対策なんて考えた人は、ゴルフ場にケナフを植えよう、とは想像すらしなかった。

 ケナフは余程「手」をかけなければ「自生」しないと思いますが、やはり日本で作らず、北半球と南半球の途上国で育ててもらいましょう。何でも自分の所で作りたがる日本人の島国根性はまずしいです。 (T・大阪)

*プランテーションのモノカルチャーによる環境破壊は、大変深刻な問題だと思います。タイでは、すでにケナフ畑の過剰開発が問題になっており、日本のケナフ・ブームがそれを後押ししているようです。<は>


 SMOKYといいます。広島ケナフの会掲示板でよく書き込んでいます。(http://www.kenaf.gr.jp/bbs/)現在、ケナフを含めた作物の帰化に絞った論議が展開され、大いに盛り上がっております。(2000年5月時点)

 ケナフ推進者側から見た、「ケナフが帰化しにくい」は以下のようなものです。

 ・ケナフは作物であり、帰化の可能性は0ではないもののかなり低い。
 ・日本で育てたケナフから種子を採取するのは困難だ。
 ・たとえ種子が採れたとしても、それが育たずに腐ってしまう可能性が高い。
 ・仮にその種子が発芽したとしても、風に耐えられるだけ根付いてはいないだろう。


 一方、アンチケナフ的な意見としては・・・、これはこのHPに掲載されているので不要ですね!

 さて、両者の隔たりはかくもあるのですが、それは植物の移入に際しての判断基準が無いから、とも思えます(普及者がデータをきっちり示していない、ということもあるでしょうが・・)。どのような実験に基づき、それから得られたデータをどの様に判断すれば良いか?これが今求められているとも思えます。

 そこで、その基準ではありませんが、以下のようなガイドラインが考えられます。

 1.種子の広がりが容易で、帰化する可能性の高い植物は、一部の実験地や植物園などの管理地を除き、国内で栽培してはいけない。
 2.種子の広がりは難しいが、国内で種子を収穫でき、また定着することのできる植物(ケナフなど)は、農地などの管理地以外(つまり河川敷など)で栽培してはいけない。
 3.もちろん、法で定められた品種については持ち込んではならない。


 「フロリダで帰化」のニュースにもありますが、土壌の荒れやすい河川敷などでは、一般の栽培地(農地)に比べてケナフなどの植物が帰化しやすい恐れがあります。ケナフに限ったことではありませんが、そのような場所での栽培は避けるべきです。特に、善意でケナフを植えようと考えたとき、皆が栽培に適した土地を所有しているわけではないということを考えれば、河川敷のようなところで栽培することは十分に考えられます。

 ですから、ケナフの種を配布するなら、そのときに「栽培適地」とそうでない場所についてきっちりと説明すべきではないでしょうか?また、森林保護と温暖化防止を叫ぼうとするなら、種の配布の際には当然そのことを説明しなければいけませんが、本当に出来ているのでしょうか?最後に、ケナフを取りまく活動が「環境を守ること」を目的とするなら、生態系についても出来るだけ守ろうという姿勢で取り組んでいって貰えたら、と願います。 (SMOKY:京都・30代・男性 super_smoky@zdnetmail.ne.jp )

*八丈島や沖縄では、発芽能力を持った、完全なケナフの種子が採れるそうですから、推進派の「日本で育てたケナフから種子を採取するのは困難」という主張は疑問です。帰化問題に関して言えば、やはり、公的機関がきちんと調査しなければ収まらない(わたしも収めるつもりはない(笑))と思います。

 某ケナフの会掲示板(爆)の生態系論争は、いつもハラハラドキドキしながら見ています(笑)。当サイト立ち上げ時には、ケナフのマイナス情報(ケナフに過度の期待をしない、温暖化防止説への疑問等)は全く示されていませんでしたので、その点は評価しています。<は>


 葦の代わりに、ケナフを植えると、カヤネズミが繁殖できないと書かれていますが、葦では、オオヨシキリチュウヒといった鳥類も繁殖します。ですので、これらの鳥も繁殖できなくなる恐れがあります。

 オオヨシキリは現段階でRDB(レッドデータブック)には掲載されていませんが、チュウヒ絶滅の可能性が高いと記載されています。 葦の復元ではなくて、ケナフを植えるというのは野鳥のためにもプラスにはならないですね。

 また、私が住んでいる石川県では、ケナフの再利用をうたう記事ばかりが多いですが、需要がどれだけ見込めるのかや、ケナフ加工のコストの事など、肝心なことがおろそかになっているような気がしています。(石川・男性)

*最近のケナフ普及活動は、「なぜ普及するのか」という目的があいまいで、単に「普及のための普及」になっているように感じます。コスト面や環境負荷(生態系への影響を含む)をきちんと検討した上で、本当に「環境に優しい」ケナフ栽培をして欲しいものです。<は>


 現況の環境に対し、外来種を安易に用いる施業は、もはや時代遅れかつ非常にリスクの高い行為であると感じます。

 私は以前、鉱煙害跡地に緑化樹として植栽され成立した北米原産のマメ科木本群落の組成および構造について調査を行ない修論を作成しました。鉱煙害のひどかった大正〜昭和中期には、耐乾性が高く成長の早い北米原産のマメ科木本を用いた荒廃地緑化はある程度の成果を上げたのですが、そのきわめて強い萌芽性が災いし、現在でも林分の取り扱いに苦慮しているケースが見られました。この件に関して、当時は一刻もはやく裸地化した山地を緑化する必要性があり、樹種選定および導入後の管理法についての検討時間が十分もてなかったための、やむをえないケースなのかな、と感じたのですが、ケナフの導入については疑問符がいくつも付きました。

 推進派の意見もいくつか拝見したのですが、盲目的にケナフ導入のメリットばかりを歌い文句として、外来種を日本のハビタットに侵入させるリスクを全く考慮に入れていない姿勢には、怖さを覚えました。例えとしては 相応しくないかもしれませんが、ルアーフィッシングを楽しむためだけに行なう、魚食性の強い外来魚の勝手な放流を連想させますよね。 (山形・N)

*日本でケナフを自然植生の代替えとすることには、わたしも非常に疑問です。ケナフはあくまで栽培作物としての利用に限定すべきだと思います。<は>


 わたしは鹿児島県の奄美大島に住んでいます。ケナフ は、こんなへんぴな離島でも、そこここで見られるようになりました。自治体の前庭の植え込みとか、教育関係機関の花壇など。

 かねて興味があった、その実物に触れてびっくりしました。鋭いトゲがあるんですね。本体にも、実にも。危険です、この植物の流行は。

 いくら世の中のためになることでも、普及するためにはもっと穏やかな、性格円満な植物でなければいけないと思います。あんなトゲで武装した植物では、子どもや目の悪い人にかぎらず、ほとんどの日本人には未知の植物ですから、みんな知らずに触ってけがをします。国土の緑化にいいからとサボテンを植えるようなものです。新たな厄介を抱え込む「愚行」だと思います。トゲによってこの植物の流行に首を傾げる意見をこれまで目にしたことがなかったので、一度声を上げておきたかったのです。

 奄美からアンチ・ケナフHPにメールを送るには、それなりの理由があります。それは、生態系の破壊に関してわが奄美が典型的事例を示しているからです。

 沖縄や奄美には毒蛇ハブが、太古の昔からすんでいます。天然記念物アマミノクロウサギもすんでいます。豊かな自然の島で、それまで仲良く共生していたのです。

 が、戦後の高度成長期を経験して、強気になった人類は、猛毒ハブを開発の敵として百害あって一利なしときめつけ、これを撲滅すると称して東南アジアからマングースを野に放ちました。有効な治療薬がなかった時代には、年に何人もがハブ毒で死んだり体を傷つけられたのですから、単純に「純粋な善意から」というニュアン スが強かったかもしれません。

 しかしその後の事実が証明しました。利口なほ乳類マングースは、楽に捕まえられるものを食べます。のんびりと地上を歩くクイナ系、クロウサギそのほか、奄美の貴重な固有種が胃袋に収まっているらしいのです。なにもヒトのために、危険を冒してまでハブを狩る義理など初めからありません。

 いま、奄美の森林では外来種マングースが食物連鎖の頂点に立ち、もとの生態系の破壊という深刻な事態に至っています。

 安易に、特効薬のように、それだけが唯一の解決のように思いこんで、一つの手段を強力に人為で推し進めることには、慎重でなければなりません。

 ケナフは、マングースとよく似ているように感じました。ケナフは鋭いトゲを持ち、マングースも立派な牙を持っています。 (鹿児島・K)

*環境問題に特効薬はありません。でもみんな、わかりやすい、すぐに成果の現れる解決策を欲しがるんですね。「マニュアル」と言い換えても良いかも知れません。マニュアルを盲信して、自分の頭で考えない。現在の「ケナフ・ブーム」の最大の問題は、この点にあるのかも知れません。<は>


 先日高崎市にあるホームセンターセキチューというところで、ケナフの種子を販売しているのを発見しました。販売元はサカタのタネで、2ml入りで180円(販売価格)でした。

 栽培しやすい環境保全植物といううたい文句で、裏書きには問題になっている文言がずらずら書かれています。インド産だそうです。

 私もケナフの一件、たいへん心配しています。生産力や生態系へのインパクトに関しては、まだまだはっきり危険性を指摘できるほどのデータが蓄積されていないように思えますが、群馬県内でも学校で植栽して環境教育だとのたもうところが増えているそうで、教育上おかしなことだと思っています。

 ちなみに紙の材料としての生産力について、知り合いにきいたところ、ケナフは表皮を紙に使うのみで、心材は使わない、使うと紙の質が非常にわるくなる、ということだそうですね。木材との単純比較はできないと思いました。 (群馬・I)

*タキイ種苗は昨年から取り扱っていますが、サカタのタネもですか。で、産地はインド!?
 実は最近、あるケナフ推進団体の関係者から聞いた話ですが、
 「日本の企業が、コストを理由にケナフ買い付けをタイからインドに変更したので、タイで収穫された大量のケナフが焼却処分された」
ということです。 ゆゆしき事態です。<は>


 2、3年前から温暖化防止・森林の保護に役立つと言われているケナフと言う植物に興味を持ち、最近種を入手しました。詳しい栽培・利用方法を探しているうちに、このページにたどり着いたのですが、野菜の栽培と違って管理にはじゅうぶん気を付けなければならない事を知りました。

 自分でも自然環境の事については、気を配っていたつもりでしたが、うかつでした。

 僕の趣味はフライフッシングなのですが、水棲昆虫に似せたフライを巻く場合、針に鉛の糸を巻きます。鉛の害についてもここ何年か問題になっており、害の無いものになんとか代替え出来ないか悩んでいます。環境の事を色々考えると、自分の存在が悪ではないかと思ってしまいます。今使っているパソコンの基盤やフロッピイ・CDには大量の化学洗浄剤が使われ、川が汚染されている事だろうし、自分も大量の汚水を流して川を汚し趣味の釣り場をなくしている・・・。

 話が支離滅裂になってしまいましたが、とにかく、ケナフ栽培に関しては注意を払って行おうと思います。 (S・男性)

*「知ろうとする努力」はとても大切だと思います。現在ではインターネットという、強力なツールがありますから、キーワード検索をかけるだけで、多くの情報を手に入れることが出来ます。ただし、氾濫する情報の中で、「どれが正しいか」を判断するのはコツがいります。1つの事象には、いろいろな面があります。「プラス面」ばかりの情報は、疑ってかかった方がいいですね(笑)。<は>


 HPの中で、「ケナフが日本で増えることによって在来の野生生物に少なからぬ影響を与えるのでは?」とありましたが、僕も同感です。

 現在わたしは、生態学の分野で研究をしていまして、特に、「昆虫と植物の関係」を研究テーマにしています。その研究から言える事として、「多くの昆虫は、植物と密接な関係を結んでいること。その関係は、植物側からの影響を強く受けていること。つまり、植物の質的(餌資源としての)な変化、植物フェノロジー(いつ花を咲かせ、いつ葉や枝を生長させるかとか)、ある地域での昆虫が利用できる植物の種数や量、などがその地域に生息する昆虫に対して大きな影響力を持つ事が分かってきています(bottom-up effects)。」

 これらのことから、もし、ある地域に全く未知の植物が侵入して来て、もし、他の在来植物の生息に対して影響を与える(種数・量の減少、生長の阻害)事があれば、「在来の野生生物にまちがいなく影響を与える」でしょう。

 多くの人がこの問題を軽視している原因として、「同じ生き物であるにも関わらず、昆虫を含めた動物を上位に、植物を下位に」という発想が未だに根ずよく残っているからだと思います。「新しい植物が一つくらい侵入した程度だったら、問題なんかないだろう。返って、植物の種類が増えて多様になるんじゃないか?」とか言う人がいるかもしれ ませんが、これは大きな勘違いです。植物の影響力を軽視していると思います。

 上述したように、植物は多くの昆虫に対して影響を与えています。これは昆虫以外の生物にも当てはまると思います。植物は、ただ「ポン」と生えているのではなく、そこに生息している多くの生物に影響を与えているのです。「多様」というのは、ただ種が多ければいいのではなく、そこに生息している植物を含めた生物との関係・影響まで考える必要があると思 います。

 このような考えが一般の人々にも広まるためにも、従来の生態学では、動物と植物は別々に研究されてきましたが、これからの生態学では、「動物と植物の関係」、「植物による動物に対する影響」といった研究が必要だと思います。 (野沢亮吉・北大・低温研)

*私の研究しているカヤネズミも、同様です。修士の2年間の研究で、カヤネズミの営巣と植物のフェノロジーには、密接な関係があることがわかってきました。そう言った意味で、カヤは「昆虫的」で、多分に限定された環境に依存しています。ケナフの様な適応力のある植物の侵入は、もっとも懸念すべきことがらです。<は>


 ケナフの日本での自生について否定しがたいと思います。和歌山は結構温暖ですし、露地での発芽、結実が確認されている以上、自生の可能性はあると思います。うちの子どものクラスで栽培したケナフには、1株あたり最高28個の種が取れたそうですから。

 小学生の手によってでも簡単に栽培できるケナフが、人の手がないと育たないひ弱な植物”とはどうしても思えません。商品価値がない程度でも、自生する可能性はあると思います。(和歌山・N)

*ケナフの自生の可能性についてのご意見を、メールから一部抜粋しました。<は>

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温暖化(森林伐採)関連


 東京でルポライターをしているものです。ルポライターになったのは、ボルネオ島の熱帯林伐採の取材がきっかけでした。そのボルネオ島の開発も今は、単なる伐採から、森の木全てを切り倒し、一本残らず同じ木を植えていく「油ヤシプランテーション」へと移行しています。そして、日本では、その油ヤシから搾油されるパーム油から作られる商品、例えば、石鹸や洗剤などを「地球に優しい」「環境に優しい」などのコピーと共に売るものが増えてきています。

 私は、「地球に優しい」という言葉は、生産・流通・消費の初めから終わりまでを全て見た上で判断されるべき言葉だと思っています。その意味で、パーム油の場合は生産現場では労働者は搾取され、児童労働や農薬被害も日常化し、一ヶ所3000haという広大な土地を必要とするため、村人を強制的に立ち退かす等の「地球に優しくない」日常があります。

 ところで、ケナフでも、一つ気になるのは、一般の人々が「ケナフは地球に優しい」との言葉を妄信的に信じている例が多いことです。あちこちのHPを見ると、「熱帯林を救う」だとか「温暖化を防止する」「CO2を吸収する」とかの言葉が「神話」のようにいつもセットになっていますね。

 ケナフ栽培が、学校の環境教育や、自分たちの庭や畑でする限りは、それをきっかけに市民と市民どうしの結びつきが生まれたりの副次効果はあると思うので、それほど目くじらを立てることはありません。ただ、その活動動機で、紙とは関係ない「熱帯林を救う」だとか(紙のほとんどは北米などの北洋材が原料)、日本で年間約3億5000万トンも排出されるCO2のどれくらいをケナフが吸収するのかの根本計算もないまま、ただ「地球に優しい」だけの言葉だけで行っている活動に本物でないものを感じるのです。そもそも、多くのケナフ市民は約3億5000万トンという数字すら知らないかもしれない。先日、某推進団体の代表からケナフで温暖化を防ごうと思ったら、日本全国に植えても足りない事がちょっとした計算でわかりました」と、これからどうしたらいいか途方にくれている話を聞きました。

 それに、熱帯林の間違いを大目に見たとしても、森を守るって「木が少なくなる」だけと思っていないかな?どれだけの動物がいなくなり、どれだけの先住民が闘い逮捕され、川がどれほど汚されたかを全く知らないのでは?

 もし、日本国内で、自然の植生を刈り取ってまでケナフが植栽されたり、近い将来、油ヤシ同様、森林を伐採してケナフプランテーションが作られ、労働者が搾取されるようなことがあった場合、ケナフ推進グループはそれでも「地球に優しい」を唱え続けるのでしょうか?

 人間は成長します。ケナフをやるにしても、「ケナフだけじゃ足りないね。もっと根本的な運動をやりたいね」という人が現われて、新たな運動へのきっかけになるのなら大歓迎です。例えば、フロン回収、紙のリサイクル、国内の森づくり、CO2発生源の大元の一つ、火力発電所へのアンチテーゼとしての自然エネルギーの導入等々。とはいえ、多くのケナフ運動の根本動機が「神話」や「観念」で進められている現状を思えば、それはまだまだ遠い将来かなと感じています。 (東京・男性)

*「天然素材」というと、環境にやさしそうなイメージがあって、消費者には原産地の環境破壊までなかなか考えが至りません。CO2排出量の数字にしても、知らない人の方が多いでしょうね。
 海外でのケナフ栽培は、発展途上国の文明化に際して必要な紙資源を自給自足できる意味では有効かも知れませんが、日本がその消費国となるような図式は避けるべきだと思います。アブラヤシプランテーションだけでなく、過去同じ経緯で経済作物の栽培の為に、広大な面積の森林が破壊されてきました。ケナフの場合も、気が付けば、大規模な森林破壊が行われていたということにもなりかねません。
 なお、「アブラヤシプランテーション」の問題については、「サラワクキャンペーン委員会」というサイトで詳しく扱っています。当サイトからもリンクしていますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。<は>


 CO2の固定とはいかなることか、1年草の特性、使途(紙など)とそのためのエネルギーとコスト、栽培適地の問題など、ケナフで地球は救えません。

 私の地元にもケナフのチョー愛好家が何人もいます。彼らはまさに「ケナフ教」であります。イベントあればケナフで飾った“祭壇”を設け、“教義”を説いた説明書とタネを配り、傍らには紙漉きの実演コーナーが・・・。その紙漉きコーナーで用いるアイロンの電気使用がどれだけCO2の増加に貢献し、紙漉きの“カス”がどれくらい水質汚濁を招いているか、彼らには無縁のようです。

 極めつけは、「日本はケナフ紙の使用が少なすぎてけしからん」と。チョット待ってヨ!品質とコスト、エネルギー消費量を考えれば、ケナフよりも古紙再生紙の活用に力を入れた方がどれだけ社会的に意味があるか。

 ケナフで地球は救えません。生態系を乱し、地力を落とすだけです。植えて育てる暇があったら、森の手入れ(間伐など)をする方がよほどCO2の吸収に貢献すると思います。

 私はケナフに反対です。 (H・愛知)

*同感です。まじめに検討すれば、「ケナフが地球を救う」などという結論にはなり得ません。ケナフ栽培による環境負荷についての正確な知識を曖昧にしたまま、普及を進めてきた推進団体の姿勢には、強い不信感を持っています。<は>


 5月頃にお知らせした生協のケナフ栽培セットの件について、生協からその後の対処の連絡がありましたのでお知らせします。生協からの回答は以下の通りです。

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 「生協で問題の栽培セットを扱っている業者(学習教材屋さん)とクレームの内容を協議した結果、広告にあった「地球環境の救世主」「室内浄化になります」という表現裏付けのない誇大な表現であると判断されたため、この商品は今後は生協では扱わないことになりました。

 ただ、広告には示してありませんでしたが、この商品の目的は自宅でケナフを使って紙づくりをして、紙がどのように作られるのか体験してもらうことだったので(方法も商品に添付してありました)、その点はご理解下さい。業者の方でも今後は広告の表現を改めるそうです。」

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 私が出したクレーム以外にも「地球環境の救世主」という表現に「生協が、これさえあれば救われる、みたいな非論理的なことを言わないで下さい」という意見が出ていたそうです。(Y・新潟)

*誇大広告を認めた点、思い切った対応で、とても評価できると思います。こういうスマートな対応が、民間の企業からも出てくることを期待したいですね。<は>


 私の住む新潟県上越市では一昨年から市民に呼びかけてケナフの栽培を勧めています。具体的には市の環境イベントでケナフの種を配ったり、成長したケナフやケナフの製品を展示したり、市内の公園などでケナフの栽培を行ったりです。昨年は市民が育てたケナフの回収も行っていました。

 その結果、平成11年度の上越市のケナフ栽培の実績は以下のようになりました。なお、この情報は上越市の広報資料と、市の担当者への問い合わせで得られたものです。

・ケナフの栽培面積
 市内の公園で2500m2(ケナフ約12500本)で栽培しました。
 その他、市民に配った種が全部植えられたと仮定すると、1m2あたり5粒の計算で4500m2でケナフが栽培されたことになります(合計7000m2)。

・回収されたケナフ
 10月に市民に参加を呼びかけて公園でケナフの刈り取りイベントがありました。
 また、市の広報でケナフの回収を行う案内が出され、市民や団体が栽培していたケナフも公園に集められました。

 刈り取り後の公園で支柱を組んで天日乾燥させた後、富山県のパルプ工場でチップ化して計測した結果、2tのケナフチップが得られました。このケナフチップからは400kgのケナフ紙が作られ、一筆箋、画用紙、名刺などに加工されました。(私も春の自然観察会でメモ用紙を一冊いただきました)

・結果:新潟県ではケナフはどれくらい育つのか
 本当は面積あたりの収穫量を出してケナフの能力評価をしてみたいのですが、回収されたケナフには公園で栽培したものと市民が持ち込んだものの区別がされていないので、正確な栽培面積が分からないため、計算できません。

 回収されたケナフがすべて公園で栽培されていたと仮定すると、上越市ではケナフはヘクタールあたり8t(乾燥重量)の収穫があったことになります。 実際には公園のケナフの束がだんだん増えていくのを目撃していますので、この数値はもっと低いはずです。

 いずれにしても世間でいわれているようなヘクタールあたり10t以上の収穫は新県上越市では得られませんでした。このくらいの生産量なら、この地域ではヨシの方が生産量=二酸化炭素の固定量は大きいようです(注)。

・ケナフ栽培を考えている方へ
 もし、ケナフの二酸化炭素固定能力に期待して栽培を考えていらっしゃるのなら、ご自分の地域ではケナフがどのくらいの能力を発揮するのか、ぜひ一度確かめてはいかがでしょうか。全国ケナフの生産量地図ができれば、どの辺がケナフの栽培に適しているのか分かります。

 方法は簡単。収穫するときに1mかける1mの広さを計り、そこに生えているケナフを他とは取り分けて乾燥し、重さを量るだけです。10000倍すると1 ヘクタールあたりの生産量になります。

 ただ、ケナフの成長がよいところでは発芽能力のある種もできやすいので、その辺に広がらないように注意が必要です。二酸化炭素固定源としてのケナフの価値は、収穫されて紙や炭に加工されるところにあるため、収穫されないところに生えても意味がありませんから。

(注)他の植物の生長量は?
 新潟県の標高約750mの低層湿原のヨシ原で、ヨシの刈り取りを行ったところ、高さ2.5mでヨシが優占していると10月には平方メートルあたり1kg以上になりました(実測値、60度で乾燥)。これをヘクタールあたりにすると、なんと10t以上です。(刈り取りは4年間連続して行いましたが、収量はむしろ増加気味です。)

 上越市より標高の高い地域でこの値ですから、市内を流れる関川の河川敷のヨシ原ではどれくらいの収穫が得られるのか?興味深いことです。もっとも、河川敷にはヨシ原が好きな生物がたくさんいますから、全面を刈り取るわけには行きませんが。 (山本:e-mail syama@md.neweb.ne.jp

*ケナフ推進派WEBには、地域によるケナフ生産量の違いなどは書かれていませんね。日本は南北に長い国なので、地域によって気候・土壌条件が大きく異なります。当然植物の生育状態も異なる訳で、この点をはっきり書かなければ、ケナフの生産量について、正当な評価をしているとは言い難いですね。
 ケナフ栽培は、施肥・水やり・刈り取り・運搬等、化石燃料を消費します。新潟辺りでは、ケナフを植えるよりヨシ原を維持する方が、CO2固定の面からも、エネルギーコストの面からも「環境に優しい」ですね。<は>


 少なくとも新聞で見る限り、横浜市のように「成長が早い=炭酸ガス固定能力大=環境に優しい植物」という単純な図式はいかががと思います。what's new

 私の専門(一応)の緑化土壌の観点から見ても、別にケナフである必然性はほとんどないと思います。

 さらに、一般論としては、東名高速の中央分離帯(中分)における調査経験等から判断しても、中分は特殊な環境で、土壌条件もきわめて劣悪です。したがって、そこにおける植物選択は、土壌、気象(微気象)等の点を中心にして行うことが第一です。単に生育速度が速いというだけで植物選択することは非論理的です。

 そして、より重要と思われる点は、炭酸ガスの減少を中分の樹木に依存することそれ自体です。中分植栽の目的は、防眩機能やドライバーに対するやすらぎ的な心理効果が中心であり、それを満足するために、いかに低管理で機能を維持するかに技術者の腕が問われます。

 単に、炭酸ガスを減少させるなら、ほんの少し制限速度をコントロールして渋滞を減らし、走行車両の燃料消費量を減らす方が、数十倍、数百倍効果があるはずです。論理のすり替えはいけません。 (K・神奈川)

*中央分離帯の植栽に、どこも同じような植物を使っているのは、上記のような理由があったんですね。

 それにしても、「中央分離帯にケナフ」??測定値が出る前に、風で倒れてしまいますよ?道路をふさいだケナフを撤去するのは大変でしょうね。事故が起きなければいいですが。それから、事業費330万円・・・公共事業としては、破格に安い方ですが、帰化しなければ(爆)毎年植栽しなければいけませんから、手間もお金もかかります。なぜサツキなどの街路樹じゃいけないんでしょうね。<は>


 日本製紙連合会など主要なパルプメーカーの場合、ケナフなどの非木材紙には往々にして否定的なのですが、その背景にはとりわけ海外の森林資源の確保に長年、資金を投入し(莫大な海外森林資源の保有や輸入契約がある)、また木材パルプ生産のための設備投資などもおこなっているために、「非木材原料より、木材資 源利用のほうが環境保全上も好ましい」という立場に立っています。

 ただしこうした製紙連合会の見解の多くは単に現状を肯定するだけで、彼ら自身が抱えている問題の本当の解決策を提示しているわけではありません。

 日本社会の今日の紙パルプ消費は当然ながら本来日本社会を支える日本の国土の限界をはるかに超えたものとなっており、国土の何倍もの土地や生態系を大規模に利用することではじめて成り立つもので、そのあり方自体が厳しく問われねばならないものです。

 日本のような紙パルプの巨大消費国におけるパルプ産業というものは、巨大な資本と権力を背景としてはじめて成り立つもので、国内においても海外においても、そうした産業、社会装置が原料としてターゲットになった地域の社会、人々、生態系はその土地がもはや自分たちだけでは決定できず、東京がその決定者になるような現実に直面する場合が多々あります。そのような背景の中で様々な社会の人々、土地、生態系、動植物が大変な状況に投げ込まれることが多く、深刻な紛争につながることが往々にしてあることも見ていただければと願っています。

 地球的な規模での生態系や生物多様性の保全は、大変複雑な問題で、自然科学、社会科学の様々な分野の専門家やマスコミ、NGO関係者、産業界などの間での討論が欠かせないと思います。しかしながら現状ではそうした議論はきわめて不十分で、視野の狭いものが多いのも事実です。

 とりわけ日本のように海外の土地、生態系を大規模に使っているにもかかわらずその実態を究明する努力は残念ながら極めて不十分で、現実と知識のギャップを感じざるを得ません。

 私は最終的には日本社会の「自然の消費」のスケール自体の限界を見極めなければならないと考えています。つまり消費量や生産システム自体の行きすぎを見直さなければ、本当の解決策は見えてこないと考えています。リサイクルや代替パルプ原料その他様々な試みは必要としても、全体の様々な問題を解決しようとすれば生産・消費の全体のスケールやその内容を根本的に問わざるを得なくなるということです。

 温暖化問題にしても、生態系、生物多様性問題にしても、本当はばらばらに考えるのではなく、ひとつながりの問題として理解していかないと危ういと思いますが、現状では縦割りのバラバラな科学(NGO活動も同様)として、議論されていることは問題と思います。総合的に考える方向も今後は必要になってくると考えています。 (黒田洋一:熱帯林行動ネットワーク)

*残念なことに、「紙の消費を押さえよう」という運動は、なかなか根付きませんね。
 一件無関係に思える事象の数々は、全て根っこではつながっているように思います。「ケナフ・ブーム」は、その一端の発露でしょう。わたしが「ケナフ」にこだわるのは、直接的な生態系破壊の危険性だけでなく、教育・政治・経済など現代日本が抱えるさまざまな問題が内在しているからです。HP立ち上げ時に、「問題」となる材料を提示しました。あとは、時間をかけて、みなさんとともに考えていきたいと思います。<は>


 生協のケナフ栽培セットについて担当者から連絡がありました。言われてはじめて問題のチラシを確認したとかで、

 「指摘された問題は理解した。確かにこのキャッチコピーには問題がある。ごみにしないためには回収しないといけないが、生協ではとても回収までできない(取り組んだら赤字になる。牛乳パックだけでも重荷なのに)。まだ結論はでていないが、雑貨担当と協議して、チラシの文面を今後改めるなり、何らかの対応をとりたいと思います。

 だ、そうです。この素早い対応、さすが生協と感心した次第です。 (新潟・Y)

*ご報告、ありがとうございました。良い方向に向かいそうで、嬉しいです。
 「ケナフ・ブーム」は、たくさんの問題を抱えています。そして、多くの人にこの問題の重要性を認識させるためには、いろいろな立場から、出来るだけ多くの人が声を上げることが必要です。当サイトが、そのきっかけとなれば、幸いです。 <は>


 利用している生協(共同購入タイプ)の今週の注文票でケナフ室内栽培セットを発見して仰天しました。

 「室内の浄化に役立つ」とか「森林伐採問題のために」とか、最近のケナフの会ではもう売り文句にしなくなった言葉が飛び交っているのにもあきれてしまいましたが、ここは「地球環境のためには栽培したら回収して加工する必要があるが、そこまで責任を持つ気があるのか(ないなら商品の取り扱いは考え直して欲しい)」という一点に絞って意見文を書いてみることにしました。

 結局文章を仕上げたら指摘する点は3点になりました。

 1.室内で育てられると誤解する表現がある。
 2.成長したケナフを回収する気があるのか。
 3.森林伐採問題と関係づけるのは過大評価だ。

 「室内の浄化に」などと書いてあるので、すっかり室内栽培セットだと思ったのですが、よく説明を読んだら「大きくなったら庭に移して下さい」と、小さな字で書いてありました。見事にだまされました。

 ケナフ栽培は、幸いといってはなんですが、いくつもの問題点を抱えています。生態系への配慮については生態学の素養のある人には重要であることが分かっても、一般の人に分かってもらうのは大変です。

 種を配る企業も、環境イメージのために深く考えないで走っているのでしょうから、まずこの暴走を止めることが先決です。そのためには本当に環境にやさしいケナフ栽培をするには、最低条件として回収、加工まで保証する必要があることを伝えれば、企業イメージと投資コストを秤に掛けて、ケナフの配布からは撤退してくれるのではと期待してます。

 まじめに回収を考えたら、ケナフ栽培なんて持ち出しが多くてやってられないはずですよね。 (新潟・Y)

*生協は、ケナフ製品に熱心なようですね。「環境にやさしい」製品を積極的に取り入れようとする姿勢は良いと思いますが・・・。
 企業の場合、イメージ戦略でやっている部分が大きいでしょうね。でも消費者がそのイメージを支持するなら、多少コスト高でも宣伝費と割り切る可能性もあります。ですから、企業へのアクションと同じくらい、一般の人への啓蒙活動も、重要だと思います。<は>


 私の会社で展開している、『薬用植物栽培プロジェクト』の現地のパートナーであるマレーシア国立ゴム研究所に、日本大使館の紹介でケナフ普及のNGOが栽培を依頼に来たということです。『日本ではケナフパルプの需要が高まっているので商業栽培しましょう』という話だそうです。大使館の紹介を受けて来た、というあたりが現在のケナフの状況を象徴しているようですね。

 ゴム研究所ではゴムの小規模農園の救済を目的にゴム以外の作物をパラゴムノキと混栽する研究を進めています。弊社の事業はその一環ですが、ケナフに関しても需要さえあれば受け入れますよ、というのがゴム研究所の姿勢です。

 作物としての栽培ですので、どうこういう気はありませんが、ちょっとした懸念もありますのでスペースを与えていただいているアジア系のHPのコラムでちょっと触れてみました。お時間がありましたら寄ってみて下さい。
http://portalasia.com/column/Nimura/008.html
(二村・マレーシア在住)

*HP拝見しました。webに書かれているご意見、

  >『環境に優しい植物』ということでその耕地を増やすことが無条件で奨励されるようになったら、
 >マレーシアあたりゴムも油やしも、いずれは自然林もケナフ農地への転換が行われるのでは?

 この点は、私も非常に懸念しています。現在でも「琵琶湖のヨシの代わりにケナフを植えよう」なんて意見が推進派サイ ドから飛び出す状況ですから。栽培作物が自然植生の代替えにはなりえません。<は>


 小学校の教員をしています。私の勤務する学校でも、電力会社(東北電力です)が寄付してくれたケナフを生徒が栽培していました。ところが、ケナフを使って紙漉をする段になったときです。ケナフの紙漉は、4時間以上ゆで続けなければならないのだそうです。16個のガスコンロで4時間以上、数日間ガスをつけっぱなしでゆでていました。

 これって、すごい環境破壊じゃないですか?ずいぶん矛盾しているなあと思いました。(新潟・U)

*まあ、環境破壊というより、エネルギーの浪費ですね。<は>

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環境教育関連


 先日、全国の環境教育などに携わっている人が集まる会議がありました。その中で「どのような情報を保持し、配布して行くべきか」という議題の際に、「情報の取捨選択に細心の注意を払うべきで、ケナフのように一時良いと流行して今になってアレはちょっと、というものを扱うのも後に問題となりかねないので云々」という意見が出されました。

 環境関係の施設では、本質的な効果を学べないための脱ケナフが進んでも、公民館のような一般社会教育施設では、まだ「一定の開発されたプログラム」に沿ってやるだけやってみる段階のような気がします。 (長野・H)

*ケナフの教育効果について、一般認識が徐々に変わってきたことを実感します。「とりあえずやってみる」という事に、価値が無いとは言いませんが、ただ与えられたプログラムをこなすことで、どれだけ効果が得られるのか疑問です。

 そもそも、自分たちの地域の環境をまず良く知り、それを守ることが大切で、一足飛びに「地球環境を守ろう」となってしまうことが問題なのではないでしょうか。「理想は高く、実行は足元から」が基本だと思います。<は>


 私は,ケナフの栽培については,ある程度中立でいたいと思っています…。

 是非についての判断には,未だ研究の余地があると考えるからです。多くの懸念は払拭された訳では無く,議論の余地が多く残っています。従って,その未だ是非が問われている段階での,市民や企業の見切り発車的普及活動には危機感を感じます。

 製紙関連企業が,業務上の目的に研究を続けるのなら未だしも,現段階で製紙業とは直接は無関係の市民に対して,ケナフの定かでは無いイメージを押し付け,環境教育の材料として利用したり,これに便乗した地域活性化のシンボルにするべきではないと思います。

 市民,特に子供達には,むしろ移入動植物の持つ危険性についてこそ,知らしめるべきでしょう。 (I・北海道)

*「環境にやさしい」というのはイメージで語ってはいけないのではないでしょうか。市民の環境に対する関心の高さを逆手に取った「環境ビジネス」は、許されるべきではないと思います。<は>


 ケナフ推進者が教育に役立つと述べているので,一言。

 教育とは,私たちの社会の仕組みを正しく理解し,自分たちの行動が最終的にどのような結果を招くかを想像できる能力を身に付けさせることではないだろうか。森林を作らないエノキ,やせ地に生育するアカマツやヒノキの光合成速度と比較してみせるような不当表示で子供をだましてはいけない。

 富栄養条件下で成長が良いというケナフの特徴を生かした栽培と利用のシステムを考えさせるべきである。 (T・茨城)

*推進派のwebページを見ると、いまだに「ケナフは地球環境の救世主」といった「不当表示」といえる表現が目に付きます。
 ところで、「環境会議」9月号の推進派の意見、未だに「キュウリやトマトと一緒で、ケナフも栽培植物だから帰化しない」論を展開しているのに、少々あきれました。(^^; <は>


 昨今の教育改革「総合的な学習」の新設でやはり、というように昨年あたりからケナフブーム(?)が各地の学校に伝染しているようですね。私は本校の総合的な学習担当者なのですが、企画にあたって貴HPを参考にケナフには反対の姿勢を貫いている所です。

 というのも、私は趣味が川釣りであり、無差別放流による外来種の生態系への影響を常々危惧していると同時に、先を見ずに、宣伝を鵜呑みにしてすぐに飛びつく教師体質にも大きな心配をしているのです。

 先日、試しに教材業者にケナフの種はあるかと聞いてみたところ、満面の笑顔で「今売れてるんですよー」との返答で、さてどんなパッケージになってるのかと気になり、一袋注文してみました。案の定「地球に優しい」等の表記です。

 また、川にニジマスを小学生が放流する新聞記事があたかも美談のごとく取り上げられますが、ニジマスも同様に外来種であり、ヤマメやイトウなどの在来種に多々影響を及ぼす事実が、残念ながら北海道ではまだまだ受け入れられていません。

 貴HPは、今の教育改革において危険な進路を修正する素晴らしいサイトだと思います。 (北海道・教員)

*少なくとも、教材会社の中では、未だ「ケナフ=地球に優しい」という、従来のステロタイプな認識がまかり通っている訳ですね。
 それから、外来種の放流は本当に深刻な問題です。北海道に限らず、「環境教育」と銘打った安易な放流が、全国各地で頻繁に行われています。<は>


 岩手県知事あて「提言」です。

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 このところ「環境」が世の人々に意識され、いろいろな取り組みが進められています。これは長く自然に係わり、植物に興味を持ち続けた者にとって驚 きと同時に嬉しい限りです。各人が自分の周囲を見回し、見つめなおす、そして環境をよりよい状態で保持できるよう、一人一人ができることから行動する。本当に素晴らしいことだと思います。

 しかし、善意から発した行動も、場合によっては大切な「自然」に困った影響を与えかねない危険をはらんでいるように思えます。その一つとして、数年前から各地で取り上げられはじめた「ケナフ」の栽培があります。

 すでにご案内のとおり、この植物は生長が早く、二酸化炭素を多く吸収するとされ、更にパルプの原料として活用できるとあって「環境教育の目玉商品」、先日も盛岡で学校関係者を対象に栽培講習会が開かれたそうですが、気になるのはその扱いです。

 特定の畠や花壇などで栽培し、実験材料にされるのはよろしいのですが、種子や苗が、空地や河川敷などに移植されたり逸出すると、それが本来そこにあるべき自然植生にどんな影響を与えるのか、充分な科学的解析ができているとは言えない今日、慎重すぎるくらい慎重な姿勢が求められるのではないのでしょうか、「講習会」の席上どのような説明があったのかは知る由もありませんが、報道で見る限り「良いこと をしている」ムードが先行しているように思え危惧を感じた次第です。

 この懸念について、栽培講習会で十分説明されているのであればメディアが報道する際にそのことを付け加えるように要請するべきでしょうし、仮に環境に対する懸念が注意されていないのであれば、早急に改善するべきものと考えます。
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(M・岩手)

*特に環境教育の一環として行う場合は、どういう目的でケナフを普及させるのか、きちんと示すべきでしょう。 <は>


 ケナフについて知事宛にお節介をした返事が届きました。

-------(ここから)----------
  ケナフの栽培について「愛ランド いわて」県民運動協議会では、今年度、県内の小学校において、ケナフの栽培を通じて、栽培や紙づくりといった「体験学習」、ケナフや環境について調べる「調べ学習」、環境について自分たちはどうしていくのかを検討する「考える学習」などを行っ ていただくため、ケナフ植栽運動を展開することとしています。

 ご指摘のありましたケナフの栽培方法については、他の植物の生態系に影響を与える懸念があることから、栽培場所は花壇などの学校で管理できる範囲とし、道路や河川敷などでの栽培は行なわないよう、講習会で説明するとともに、各学校へ文書で注意を喚起しています。 生活環境部 総務生活課

-------(ここまで)----------

 ご覧のとおりです。一応筋は通っています。ここで安易に鵜呑みしてはイジワルがすたります。だから今後は「各学校」の取り組みをシッカリと見るつもりです。7月は県の出先機関が行う環境学習会を野次馬する予定です。 (M・岩手)

*回答は、「生態系へ影響を与える懸念」「道路や河川敷などでの栽培は行わ ないよう、注意を喚起」等、ポイントを押さえた内容で、嬉しいです。
 とは言え、自治体への継続的な監視は重要だと思います。もしかすると、「言いっぱなし」かも知れませんしね。<は>


 コウゾなどの繊維植物を資源生物学的な観点から保存育種なんてしてないものなのでしょうかね。

 やっぱり日本の環境から日本の文化としての和紙が生まれた、という方が思わぬ副産物のあるかもしれない、効率一辺倒から導入の外来植物よりもより教育的である気がしますねえ。 (H・長野)

*高知県は非木材紙産業が盛んなので、やってるかも知れませんね。同じ紙作りにしても、その土地・気候に根ざした植物を利用することの意義は大きいと思います。<は>


 わたしは、数年前から、某団体A(以下、「A」と略す)の有機農産物の宅配システムに入っています。そこで、ツリーフリーペーパーというものを推進しているのを思い出して、AのHPに行ってみました。AのHPには、ケナフは一応名前と写真は出ていましたが、「成長が早いので注目されている」といった程度の説明だけで、特に他の材料にくらべて力を入れているようではありませんでした。

 Aとしてのケナフへの見解を、事務局のほうへお尋ねしたところ、回答が得られましたので、お伝えします。

 現在、Aでは、バカスというさとうきびの搾りかすを使って紙を作る方法を取り入れているそうです。ただ、バカスとケナフのどちらが良いかという点については、お答えできる立場にございませんので、とのことでした。ケナフについては、非木材紙普及協会などへお問い合わせください、とのことです。

 ・・でも、もしさとうきびの搾りかすなどが使えるのなら、わざわざケナフなどを育てなくても良さそうに思えます、私個人としては(^^;

 ケナフを子どもの環境教育教材にするなら、やっぱり、帰化したときの問題なども含めて教えるのでないと、片手落ちな気がします。ちょうど、けさのニュースでは、輸入小動物の帰化が取り上げられていました。タイワンリスとか。よく覚えていないのですが、確かハチなども、農業に使うために輸入して、それが帰化した結果、在来種の存在を脅かすようになった例があったように思います。植物も、同じだと思うんですけれど・・ (S・神奈川県)

*バガスは廃材利用ですが、ケナフの場合はわざわざ耕作することになります。その分余計なエネルギー(植え付け・施肥・刈り取り・運搬等)を消費しますね。<は>


 私の町でも、ガッチリと教育委員会と組んで、子供達に4月の始めに、プリントで「種を差し上げます」と学校で配布しています。

 私達のグループは、学校に農薬を散布しないで下さいと言う事を今年も、要望し、その中で、「学校にビオトープを」という要望も盛り込んでいます。だから、前々から、ケナフについては、とても気になっていました。

 これから、私達もまず勉強して、異議ありの声をあげたいなあーと考えています。 (大阪・K)

*教育委員会が主導で普及するパターンは多いですね。実際のプリントを拝見しましたが、やはりというか、管理上の注意書きはありませんね。種子を配布するなら、回収まで責任を持って欲しいですが、それが出来ないなら、せめて栽培場所の配慮を呼びかけるべきだと思います。<は>


 >東京都下水道局 小学生と一緒に「ケナフ」を栽培 →what's new

 早速,電話をして,状況をうかがってみました.
 私の質問(Q)とその答え(A)を要約すると,下のとおりになります.

1. Q:生態系を撹乱するなど,ケナフ栽培の問題点が指摘されているのはご存知ですか.
  A:はい.朝日新聞で最近読んだことがあります.

2.Q:ケナフを植える場所は,どんなところでしょうか.種子が広がりそうな場所でしょうか.
  A:下水処理場の屋上のようなところで,広さは100m2程度です.まわりに河原が広がっているというようなところでありません.

3.Q:環境に対する理解をより深めていただくために,参加した小学生に,ケナフを植えることによって生態系に悪影響が及ぼす可能性があることも,教える予定になっていますか.
  A:協力する秋島の市民団体の方がそのような指導をすると思います.


 といったところでした.さっそく,岩波‘科学’6月号を応対していただいた職員の方にお送りいたしました.もちろん,科学時事を読んでいただくためです.(H・東京)

ご報告の文章を見る限りでは、自然植生を犠牲にしているのではないようですね。でも、「・・・指導をすると思います.」ですか?事業主体であり、尚かつ「市民に指針を与える立場」の発言にしては、ちょっと無責任ですね。<は>


 息子(小3)のクラスでもケナフを植える計画が進んでおります。ケナフを植える前に、至急担任の先生にもケナフの「負の部分」を知っていただき小学生にもケナフは万能でないことを伝えてもらう必要があろうかと思い、HPの資料をもって先生に会ってきました。

 減反されて放置されている田を使って栽培しよう(つまり農作物としてきちんと管理する)としている立場、環境保全に役立つと考えて管理地に栽培する立場、ケナフは万能だからとにかく増やそうとする立場、三者が入り乱れて、資料の提示の仕方もデータの比較も、客観性にかけるような気がします。

 そこで担任の先生と私ととりあえず出した結論というのが、子供にはケナフの利点と危険性とを両方説明する、客観的なデータがそろうまでとりあえず管理できない土地には植えないように説明する、ということになりました。きわめて平凡な線ではありますが・・・

 なにしろ自分で調査もできない人間は、「データ待ち」という悲しいポジションに陥るわけですが、とりあえず注視していようということになったわけです。

 アフリカ原産のケナフが日本で爆発的に増えることはないだろうということが言われてもいますが、植物は生き延びるため何らかの変化を遂げることはありえるわけで(ジュラシック・パークののりです)、現にフロリダで帰化したのなら、日本もありえるぞ〜と素人ながら思ったりもしています。 (M・女性)

*一日も早く、「客観的データ」が出されることを期待します。この場合データの出所は、利害関係の無い、第三機関である必要がありますね。<は>


 小学校の教員をしています。私の住んでいる市でも、総合学習の研究発表校が「ケナフ」を取り上げ、授業公開をしていましたが、その取り上げ方が、とても気になってました。(ケナフを栽培すれば環境にやさしい。バラ色の未来・・・、というような感じでした)ですから、HPを読んで、とても頷けることが多かったです。

 私の参加している研究会でも、環境に関わる授業プランが出されているのですが、やはり、環境問題に関しても、科学の大本に戻っての授業をしてこそ、考えていけるのではないかと思いました。〈ケナフ〉の教育は、善意の押しつけ教育のこわさについても考えさせてくれました。 (T・男性)

*環境教育にケナフを導入しようとするなら、負の面についても、十分な検討が必要でしょう。
 環境問題は幾つもの要素が絡み合って生じています。答えが簡単に出ないのが「環境問題」です。「ケナフを栽培すれば、バラ色の未来」などという、安易な解決方法を与えられた子どもの中から、本当に環境問題に取り組める子どもが育つのでしょうか。<は>


 私も、うちの大学でケナフを配ったり栽培したり、果ては授業の課題で栽培させられたりして、ケナフの良い面はまあはっきり言ってこの際どーでもよくて、本当に大丈夫なのかと思っていました。

 授業で配られた際にも、栽培に関して注意を受けることもありませんでした。しかもその授業は共通科目で、理学部の生徒だけではない上に、理学部でも生物や生態に関して無知に等しい物理/数学/化学科の生徒など、過半数が生態学に関してこれまでまともに学んだことの無い人達でした。

 この授業で私の脳味噌が???で埋め尽くされたことは言うまでもありません。(笑)

 先日は、釣りに行く際に、通りがかった学校でも栽培されていました。およそ4mぐらいになっていました。それにしても、人が持ち込んだ外来種の広がりは多いですね。ブラックバスも似たようなもんでしょうか。 (静岡・T)

*大学でも、ですか?管理の注意もなく、プラス面だけ学生に教えた上に、ただ単にケナフを配って栽培する、ということに何の意味があるんでしょう??安易な普及はやめて欲しいですね。
 ケナフは幸いにもまだ帰化していませんが、「地域の生態系に存在しなかった種を、自然を破壊しながら広める」行為を続ければ、それは「帰化」しているのと同じ意味合いになります。この点では、ケナフもブラックバスと同罪です。<は>


 おそらく、学校では、帰化その他については、全く、問題意識などないのではないでしょうか。目に見える成果(ケナフが育ち、種が取れ、記録に残し、インターネットで交流し、環境に良いと言われていることをしたという事実)が大事なのであって、その結果、実は環境に負荷がかかるかどうかまでは考えていなかったのでしょう。(むしろ、実践した結果、そういう問題点もある、ということに子ども達が自ら気づいた----素晴らしい教材!!という解釈になるのかもしれません。)

 学校では、今年度から総合的な学習の時間が創設されましたが、何をどう扱っていくのか、先生達は四苦八苦のようです。一応、情報教育・国際理解教育・福祉教育・環境教育などが中心になるようですが、現場では、蓄積がないために、研究校での実践例などはひっぱりだこのようです。

 しかも、教員の評定が年々きびしくなる中、結果の見えやすいケナフ栽培などは、学校全体で栽培しつつ、各学年に応じた作業があり、地域にも広げられ!、環境にやさしい! ------まさに環境教育としてピッタリ??!!ということになるのではないでしょうか?

 さらに、鳴り物入りで導入したコンピューターを使うのにも、画像有り、インターネット交流有り、調べ学習(おまけに、反対意見を述べているサイトへのリンクもできて公平性も保ちながら?!)有りで、まさに、先生にとって夢のような教材にも思えます。

 さて、もしも、研究指定校だったら、、、研究主任だったら、、、帰化のことなど、全然、考える余裕などないでしょうし、ましてや、生態系のことなど、生物の多様性???(遺伝子の???)、、、知識の面でももちろんですが、学校というシステムを考えても、、、しかも、今後、毎年、総合的な学習の時間は繰り返されるわけですから、 日本全国の、小中高・・・・・

 早急に、生態学を専門に研究していらっしやる方々から、ケナフ栽培を環境教育として扱うことの誤りと、帰化の危険性を指摘していただき、ケナフ栽培が環境教育の定番にならないよう、警鐘を打ちならしていただければと思います。(もちろん、今までも、主張しておいでですが、総合的な学習の時間の創設により、さらに、緊急度が増したように思います。)

 従来は、学校では、一応、十分に吟味された教科書の内容を教 えれば良かったわけですが、総合的な学習では、教材そのものを選ぶことも教師に任されるわけですから、それに関して、多くの人たちの協力が必要不可欠と思われます。より良い協力関係を築いていってほしいと思っています。よろしくお願いします。(N)

*Nさんが心配されている、「問題意識もなく、目に見える成果優先で、環境教育にケナフを導入する方たち」にとって、アンチ・ケナフサイトの問題提起は「対岸の火事」なのだと思います。しかし、「当事者意識を持たない」ことは、いざ問題が起こったときに「誰も責任を取らない、取ろうとしない」姿勢に容易に転じる危険性があります。
 環境学習に限らず、教育には「振り返り」が重要です。先に挙げた方々には、是非一度ご自分の行動を振り返って欲しいですね。<は>


 小学校の現場で、環境教育の教材としてケナフが使われていますが、自分の子どもが体験したケナフ学習の実状からすると、その”環境教育”という学習目標をとうてい達成できるようなレベルではないと思いました。

 ”ケナフという植物は、環境にいい”という固定的な考え方をまず提供した上で、体験学習としてケナフ栽培をし、ケナフ紙を作っただけで ”製紙”という産業の実状(木材製紙をも含めて)や、森林破壊の主な原因、生態系の中での二酸化炭素の循環のしくみなど、”ケナフは環境に優しい”といわれていることに絡んでいる諸事情について実際的な問題には何ら触れられていないし、科学的な掘り下げもない。これではケナフで紙漉をやったことも、図画工作的体験イベントに過ぎないものに思われます。

 心情的に環境を大事にしようとか森を守ろうとかいう意識を子どもに付けさせることはできたかもしれませんが、これだけではわざわざケナフを使った意味がないのでは?(牛乳パック再生紙で充分達成できる学習内容だと思います)ケナフを環境教育に使うなら、もっと深く掘り下げて使う必要があると思います。こちらのHPで訴えられているように生態系と外来種の問題とか、上に述べたような諸事情、環境問題(特にこの場合地球温暖化)の実状、ケナフ製紙のこれからにむけての課題など、もっと多角的な視点から見て取り扱うべきではないかと思います。まさに総合的な学習として取り扱うべき素材だと思います。

 そこまでできてこそ、ケナフが環境教育に貢献できるのではないでしょうか。(和歌山・N)

*そうそう。一時流行った、「牛乳パックで紙漉き」はどこにいったんでしょうね。ところで、ケナフ紙って、再生出来るんですかね。再生できないなら、「使ってしまえばただのゴミ」。リサイクル可能な木材パルプと、比べるべくもありませんね。<は>


 本日(3月9日)の朝日新聞に、熊本県の大矢野町立大矢野中学校の生徒が、3月12日に開催される天草パールマラソンで、「大量に二酸化炭素を吸収し、環境にやさしい植物の種子」としてケナフの種子を全国から参加者3700人!に配るという記事が掲載されていました。この活動は、できれば来年以降も続けて配付数を増やす予定とのことです。

 中学生が環境問題に関心をもつのはすばらしいことなのですが、今回の行動がケナフが外来の植物で生態系を撹乱する可能性があることを理解した上でのこととは思えません。環境問題への関心から中学生がする活動に水をさしたくはないのですが、少なくとも配付するケナフの種子には、「庭など管理できる場所で育てるようにし、河川等には蒔かないようにする」という注意書きはつけるべきでしょう(それで十分とは思えませんが)。また、来年以降も続けていくというところに危機感をおぼえます。 (熊本・K)

*同感です。「種まきの際には、河川等に蒔かないようにして欲しい」という内容で、参加者に呼びかけて貰うよう、関係者にお願いしました。<は>


 私は、小学校の教員です。ある研究会に行ってきました。そこでは環境教育についての提案があったのですがやはりケナフについての取り組みがありました。そして思ったとおり、「ケナフは環境保全の救世主だ」的考えが発表されていました。

 なかでも子どもたちの感想の中で、ケナフを世界中の人が植えていけば、森林破壊はなくなると思う・・・というような感想には、あまりに短絡的なものがあると感じました。

 出席者の中にも、「うちの学校もケナフの栽培を熱心にやっています。」なんて得意げに発言する人がいました。それで、わたしも、ケナフを通して環境を考えることは大切ではあるけれど、ケナフ=万能という考えには問題があるということを発言しました。(O)

*「環境教育」と銘打っている割には、多くの学校の取り組みに、生態系保全の視点がすっぽり抜け落ちていることにいらだちを感じています。私のサイトが、その辺りの注意を喚起できれば、と思います。<は>


 私は,社会科の教員であり,「ケナフ」や環境教育については素人といってよい状況です。しかし,2002年度から施行される学習指導要領に「総合的な学習」が取り入れられ,環境や国際理解を教科とは別に(選択授業や特別活動のような形態で)扱うことが必要になっています。近年各学校で「ケナフ」がさかんに栽培されるようになった理由の1つはここにあります。

 私自身の考えでは,「ケナフを教材化すること」=「ケナフを通して環境や生活を考える」ということです。この点においては「ケナフは有効である」と思っています。ケナフが環境に優しいとは単純にはいえないという結論に生徒が達するような授業を行いたいと考えています。

 しかし,私のこの話には大きな問題があります。それは環境に悪いという可能性があるものを学校が育ててもよいのかという点です。校内で栽培してもよいのか,どの程度までならよいのか,方法や注意すべきことは何か答えは見えていません。このような点について,学校は専門的な立場から意見を聞く必要があると感じています。

 昨年,「ケナフの会」のHPの掲示板に,ピーマンやトマトを例にして,「ケナフを畑作物として栽培する限り,生態系に影響を与えない」という意見が書かれていました。私がケナフを栽培することのよりどころとしているのはこの意見だけです。

 今後,「総合的な学習」の実施に伴い,ケナフも小学校などではますます栽培が増えるであろうと予想しています。小中学生ならば,地球に優しいということをそのまま信用し,校外や家庭でも栽培が行われることになるでしょう。そうなれば畠さんが心配されていることが現実となるかもしれません。小中学生が種子や苗をどこに植えるかは予想できません。

 植物や生態系の専門的な立場からの意見があれば,二酸化炭素の吸収量や水浄化のことが誇張されているということは比較的容易に理解できると思います。しかし「代替パルプとして利用することで森林の保護につながる」という主張を否定するための反論は,「生産・流通のコストがかかる」では不十分ではないでしょうか。生態系への影響や,林業や古紙回収などの関連産業への影響など様々な点から検討される必要を感じています。(京都・T)

*情報というものは、すべて情報発信者の見方で切り取られています。マイナス面も含めた全ての情報を開示し、消費者(情報を享受する側)に判断をゆだねるのが理想ですが。現実は「ケナフ問題」によく現れているように、消費者は、あまりにも情報に対し無警戒で信頼を寄せすぎています。そういった一方的な情報の提示に疑問を持って貰うことが、このサイトのねらいの一つです。<は>

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ゴミ・リサイクル関連


 先週のラジオ番組の相談コーナーで「家で育てていたケナフ2株が大きくなったがどうすればよいか?」という質問があり、視聴者からの回答では紙漉、食べる、ペット敷きわら、といった利用法がありました。結構多くの人がCO2吸収という話で栽培し、かつ用途が無く育って手に余らせているようですね。 (H・長野)

*上記の報告は、普及サイドがいかに「説明責任」を放棄しているか、という点で象徴的です。「環境に優しい」はずが、かえってゴミを増やしていては本末転倒ですよね。<は>


 私は、ケナフが救世主の扱いを受ける事に、大きな危惧を持っています。しかし、最近の状況はまさに「救世主をもっと広めよう!」ということになっているようです。

 ケナフの推進は、現在の紙の消費を減らさなくてもよい、という免罪符になるかも知れないですね(非木材紙普及協会の”JELBA”にはケナフの紙コップの広告が載っています。私は使い捨てのものを無くしていくことの方が重要だと思うのです)。

 同じような考えを持つ人達と、「ケナフって、本当のトコはどないやねん?」というテーマでの対話の場を作ろうと考え中です。できるだけ視野を広げて考えるために、静脈の経済・古紙回収の現場の方とも話しをしてみようと考えています(ケナフについての恐れの中には、ケナフが普及すると、現存の古紙市場を圧迫する、ということが挙げられる、と考えています)。(京都・monji→monji@dab.hi-ho.ne.jp

*全く同感です。パルプ資源の保護には、まず紙の消費を押さえることが重要です。
 自分なりの環境に対する問題意識をしっかり持っていれば、「ケナフ=救世主」というような、浅薄なケナフ・ブームなど起きないでしょうね。<は>


 群馬県でマスコミ関係の仕事をしています。実は今、ケナフを記事にするのに、混乱しています。ニュートラルなスタンスで「ケナフってなあに?」を表現するには、どうしたらいいか、模索しています。

 とっかかりは、ケナフに関わっている人たちが元気なので、市民の文化活動の一環として紹介しようという「のうてんき」な発想でした。ところが、取材をすればするほど、迷路にはまっています。

 群馬県の小中学校でも、栽培学習の一環でケナフを育て、その生命力の強さ、すばらしさに感動しているこどもがたくさんいます。ところが、環境にやさしいつもりが、紙漉の工程で薬品を使う、収穫したたくさんのケナフは燃やしてしまう。

 ケナフが悪いのではなく、「環境」の考え方に配慮が足りないと感じます。ただ、それを記事にする際に、「おまえら間違ってるよ」と高飛車に出るのは避けたい。

 実は、人によっては、ケナフはまだ評価も定まらないし、なに書いても、どっちかからつつかれるから、扱わないほうがいいよ、とアドバイスする人もいます。でもそんな様子見じゃ「地域にねざした」にならないと思っています。おそらくこの春も、群馬県で多くの人たちがケナフの栽培にかかるでしょう。その際に、「もうちょっと、配慮して」と伝えたいわけです。

 ケナフに感動するこどもの笑顔と、特別予算の計上を見合わせた高知県の判断の間をなんとか埋められないものだろうかと、悩んでいます。 (群馬・N)

*Nさんの悩みを、そのまま素直にお書きになれば良いのではないでしょうか。良いか悪いかはマスコミが判断するのではなく、読者一人一人です。<は>


 財)日本環境協会のエコマークではケナフは

@連作障害
A途上国での無計画な栽培

などが指摘されもう少し様子を見ましょうということになっているようです。また

B紙にする場合も、シリカが成分としてふくまれるので、シリカを取り除く器械を組み込む必要がある

という面倒な部分もあるようです。また、ケナフを使う限りは白い紙信仰から脱却できないですしごみ問題の解決にもならないでしょう。

 たとえばマクドナルドは今パッケージやナプキンにケナフを使っていますがそのちょっと前まで再生紙利用を検討していたのですね。その時点で環境にいい方向性を探ったと思うのですが究極のところ「白い紙」提供からはずれない折衷案を選択してしまったように思い残念です。

 でも一方で新興スターバックスコーヒーは漂白していない再生紙を堂々と使い←問題点はアメリカからの輸入だということですが
マイカップ持ち込みを20円引きにするというサービスを実施しています。

 こういう時代に先駆けた思い切ったサービスを提供しないと長期的には企業も生き残っていけないと思います。 (東京・S)

*環境に良いことをするのはいいことだ、という意識は、ずいぶん社会に浸透しました。しかし、何だか今では「自分も(自分たちの会社も)、何でもいいから環境に良い事をしなければ」という、社会全体が強迫観念めいたものにとりつかれているような気がします。

 豊かな暮らしは捨てたくないけど、このままでは地球環境が破綻してしまう。何か自分もしなければいけない。できればライフスタイルは変えず、しかも成果がすぐに現れる、わかりやすい方法で。「ケナフ・ブーム」は、その意識の端的な現れだと思います。<は>


 あちこちで栽培してますが、やっぱり、収穫後、「あんたその後どうすんだ!ゴミにするだけかい?」というケースが多いようです。賢い自治体は、きちんとケナフを管理して、限定された場所に用途を決めて栽培すべきと思います。(埼玉・I)

*自治体や企業の事業規模は、市民レベルと比較にならないくらい大きいし、市民の意識に与える影響も大きいです。軽はずみなことはしてほしくないですね。<は>

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その他


 先日、ケナフ関係の集まりに行ってきました。大学教授、元農水省技術官、文化放送エコライフキャスター、中学校教諭、現職市議会議員などなど、さまざまな人が出席し、なかなか興味深い催しでした。催しの中では、フォークソング「ケナフ賛歌」やミュージカル「ケナフの森」などが実演され、何と表現して良いのか…とにかく背中が痒くなるような印象をぬぐえません。

 フォークソングの合唱やミュージカルはその人の好き好きですから、とやかく言ってはいけないのですが、問題はやはり、自分の行っていることに固執し、客観的な判断を放棄しているのではないかと思われる部分です。とにかくケナフは植えても大丈夫なんだと思い込もうという姿勢が感じられました。(匿名氏)

*いやはや・・・。ご報告を拝見する限り、殆ど新興宗教の集会のノリですね(苦笑)。<は>


 そもそも、どこのどなたが「ケナフはいいよー。」って言い出したのでしょうか?むかし、だれかが「コスモスはいいよー。」って言い出して、河川沿いにみんなコスモスを植えた自治体があったと聞いたことがあります。これと良く似た話でしょ?

 一般に、企業の経営戦略として今注目を浴びているのが「環境」・「介護」・「情報」です。このいずれかに首をつっこんでいれば、その会社は「伸びる」とさえ言われています。そもそも今の企業体質として、「社会に貢献しよう。」とか「人材を育てよう。」とかいうポリシーは、プロパガンダの材料でしかなくなってしまいました。ケナフ推進派の各団体も必ずきっと上層部でいろんな利権がからんでいるはずなので、HPは、そんなトップに知らない間にあやつられている多くの草の根の人たちに疑問符を投げかける意味で、大変に有意義なものだと思います。 (京都・T)

*日本の「環境問題」は、「環境ビジネス」ですからね。ケナフなんか、いい金儲けの道具です。<は>


 わたしの仕事である工業デザインの世界では、仕事上「ケナフ」を扱った事はありませんが、いっしょに仕事をしている企業の名刺等でお目にかかる素材です。

 平凡社新書「都市緑化新世紀〜街づくりは「盆栽の発想」から〜」(著書:江刺洋司(日本樹木種子研究所所長)/2000年1月20日発行)冒頭の「まえがき」文中には、

 「日本各地の都市における模倣的な街路樹の植栽と、その衰退を安易に大気汚染公害に結びつける状況に接してみると、私には日本の都市景観の貧しさの一因が、植物の生の営みの原理も理解しないままに欧米の街づくりの手法を模倣してきた結果にほかならいように思えてならない。」

 というくだりが出てきて、「結果的に緑が増えればよし」とする安直な緑化に対 しての警告を発しているところに興味を引かれました。 確かに緑化の必要は大有りです。とはいえ、あなたもWEBで書かれていますが

 「問題なのは、在来の動植物、およびそれをとりまく環境に与える影響を全く考慮せず、「環境に優しいケナフのすばらしさ」を無批判に受け入れている姿勢だ。」

 これと同じような状況はわたしの周りでも、「緑化」の問題に限らず見受けられます。「結果優先でプロセスは無視」という風潮をなんとかしなければと思いながら、日々デザインをしています。 (N・工業デザイナー)

*「結果」も大事だと思います。ケナフの場合、「プロセス」が引き起こすであろう「結果」が、非常に危険性をはらんだものであるということを、推進団体・自治体・企業などの実行者がもっと認識すべきです。<は>


 ケナフについては温暖化防止とか森林伐採の減少とか市民団体でいわれていますが、農家的には、露地野菜より手間がかからずに金になるなら、遊休地に適した植物と考えます。

 どこの遊休地でも食べ物(稲や野菜)を栽培して、都市生活者のイメージする農業らしい農業ができればいいのですが、コストパフォーマンス上難しい面も多々あります.。そのため、草ぼうぼうの荒地よりもケナフ植えた方がマシと思っています。

 ホントは、同じ「麻」として有名な大麻(おおあさ)を栽培できるのが一番です。ケナフは外来種だけど、大麻は、日本在来種。(注:大麻は縄文時代から栽培されていますが、在来種ではありません。<は>大麻というと麻薬(マリファナ)と混同されますが、マリファナ効果のない産業用大麻という品種もあるので、うちの農園でそちらを栽培できればいいなと考えています。

 ただし、大麻取締法上、マリファナのない大麻でも都道府県知事の栽培免許が必要なので、これが手続き面倒な上、許可がなかなかおりないくせものである。 (ケナフ(洋麻)もヘンプ(大麻)も取り扱う百姓見習いより)

*産業用大麻は、帰化しないのでしょうか。この点がクリアできればいうこと無しですが。

 ケナフの場合、「温暖化に優しい」といった余分な付加価値を付けているために、本来の利用価値の何倍も良い植物であるかのように印象づけられています。ただの栽培植物として扱ってもらいたいものです。<は>

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