<続報>釜野徳明神奈川大理学部教授、著作中でアンチ・ケナフ批判

 釜野氏が、著作(「ケナフはどのように生態系にかかわっているか?」、ユニ出版、500円)の中で、

1.当サイトの「フロリダの帰化情報」は「誤報」と批判した件
2.
私の顔写真を無断使用した件

について、時事通信社が釜野氏本人に取材したところ、「オオハマボウと取り違えたのは完全にこちらのミス。再版では修正するとともに経緯を説明したい。」と回答し、写真の無断使用についても、私に対して謝罪の意志を持っているということでした。

 実は、私が時事通信社から上記の報告を受けたのは昨年(2000年)の8月なのですが、今のところ、釜野氏からそのような連絡は一切受けていません。

 1年待ちましたが、今後釜野氏が私に何らかの形で謝罪をする可能性は極めて低そうです。釜野氏の著作出版後、読者から「本に『フロリダの帰化は誤報』と書かれてあったが本当か」という問い合わせもあり、これ以上釜野氏の怠慢により、当サイトの信用をいたずらに貶められることは本意ではありませんので、今回HPで公表します。 (01/07/28)

*今回のジュンク堂書店(東京・池袋)のトークショーで、改訂されていない著作が販売されているのを見かけられましたら、是非お知らせ下さい。
 なお、報告の開示については、事前に時事通信社の担当記者から了解を得ています。<は>


釜野徳明神奈川大理学部教授、著作中でアンチ・ケナフ批判

 先日、「ケナフはどのように生態系にかかわっているか?」釜野徳明神奈川大理学部教授、ユニ出版、500円)という本を入手しました。情報を寄せてくださった方にご迷惑がかかるといけませんので、入手経路は明らかに出来ません。あしからず。

 全13ページの小冊子なのですが、内容を見て驚きました。作者が取り上げられた朝日新聞ひと欄(00/05/08)の記事が作者に無断で掲載されていました。勝手に私の顔写真を載せて、肖像権を侵害しています。

 特に重要なことは、当HPで警告しているフロリダの帰化情報について、釜野氏が調べたところ(注:釜野氏はどのような手段で調べたのか一切明らかにしていません)作者がケナフの帰化と言っていることは実はオオハマボウ(H. tiliaceus)のことだった、人騒がせなことだ、と断じていることです。

 オオハマボウがフロリダで帰化している話は有名です。ケナフが日本の生態系を破壊する?にも書いていますが、Florida Exotic Pest Plant Council の年次学会(1999年 5月)でも発表されました。むろん、私がフロリダ州政府筋から報告を受けたのはケナフの帰化です。オオハマボウではありません。これも、フロリダ州マイアミでケナフが帰化のKathy Bark氏のメールにケナフの学名で示されています。

 釜野氏は、どのような手段で「フロリダの帰化」情報を調べたのか、とても知りたく思います。(「環境会議」の誌上でミシシッピ州立大学に問い合わせて「帰化の報告はない」と言っていた、ケナフ協議会もしかり。)情報の真偽を確かめるだけなら、情報の発信元に直接問い合わせれば済むことです。そのために、フロリダ州政府のHPにリンクしているのですから。

 情報提供者のKathy Bark氏は、フロリダ州環境保護部門の帰化植物管理セクションに所属する植物学者です。帰化植物の本も出版されており、帰化植物について高い見識をお持ちです。彼女とは英語でやりとりしていますから、種名は学名で確認しています。例えば、日本語で「カヤ」と言えば、「オギ」「ススキ」等の総称なので、誤解も生じるかも知れませんが、学名はその種のみを表す世界共通のものです。私も一応研究者として、その程度の知識は持っています。誤解が生じる余地などありません。

 釜野氏は、自身の著作中で情報を調べた手段も明らかにせず、私のHPもろくに読まず、私に問い合わせすらせず、許可なく顔写真入りの記事を掲載し、営利目的の公共の出版物で一方的に私を批判し、情報の信憑性を無くさせています。彼の姿勢に強い怒りと不信感を覚えますし、研究者としての資質を疑います。

 HPを立ち上げて以来、推進派の数々の反論を受けました。しかし、なるほどとこちらが納得するような理路整然とした指摘は、これまでお目にかかったことがありません。もしそのような有益な指摘があれば、私のHPの内容を訂正するつもりでいましたが、個人の誹謗中傷や曲解ばかりで、有識者と言われる方々にも大変失望しています。<は>

(2000/08/08)


「エコパートナー21」、ケナフ種子配布の件で回答

 エコパートナー21(森正代表、奈良市)から、ケナフ種子配布の件で当サイトが提示した質問に対し、回答がありました。質問は電話で、計3回のやりとりがありました。なお、Q&Aは、要点をまとめたものです。「ねつ造」じゃありませんよ、念のため(笑)

Q:種の入手先は。
A:ケナフ協議会だ。ウチは会員なので。

Q:ジャスコを通じて配布した種の総数は。
A:(学校用に)100粒×100袋、(個人用に)10粒×5,600袋配布した。今後も希望があれば、配布を続ける。

Q:配布の目的は。
A:日本が海外の森林資源を消費し、環境破壊していることを訴えたい。(作者注:少なくとも、新聞記事には、この点について一切ふれていませんでした。)環境教育の一環として(配布は)有効だ。

Q:配布の際に、管理上の注意書きは添付したか。
A:していない。1袋10粒なので、(栽培地以外に蒔くなどの)心配はないと思う。

Q:インターネットの掲示板で、「ケナフのゲリラ植えをしよう」と呼びかける人が現実にいる。管理上の注意書きもなく、「環境にやさしいケナフ」というふれこみで配布することは、善意の自然破壊につながる危険性がある。その点については。
A:あり得るが、当方としては、そんなつもりで配布しているのではない。

Q:今後、管理上の注意点を配布種子に添付、あるいは活動報告冊子等に記載する予定はあるか。
A:あなたのようなことを言う人もいるから、検討する。

Q:前向きな返答と受け取って良いか。
A:とにかく検討はするということです。

(2000/05/27)


中村理科工業株式会社、販売用ケナフ種子に「注意書き」添付へ

 中村理科工業株式会社は、今後、ケナフの種子を販売する際には、以下の注意書きを添付されるそうです。

「ケナフは環境条件によって、帰化することがありますので、 耕作地や校庭など、必ず管理できる場所で栽培してください」

 当サイトの趣旨をご理解いただき、感謝します。今後、このように生態系への配慮もされる、推進団体・企業・自治体・学校等が増えることを願っています。 (2000/04/20)


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