多次元諜報潜水艦艦首部に搭載された先行偵察兼緊急脱出用小型ジェット飛行機。
多次元諜報潜水艦はその任務上様々な機密情報を保持しており、GGG諜報部にとってこれを失ったり、敵対勢力に奪われたりすることは絶対に避けねばならない事態である。そこで万が一多次元諜報潜水艦が撃沈、もしくは拿捕されるような事態に陥った場合、乗員およびメインコンピュータとデータバンクを緊急に脱出させる必要から搭載されたのがこのフライ1である。多次元諜報潜水艦の艦首部に合わせて設計されており、平板な楕円形状のリフティングボディ飛行機である。リフティングボディ飛行機とは揚力を翼ではなく胴体を含む機体全体で生み出す飛行機のことで、翼が小さくて済み、胴体を広くすることで機内空間を大きく取れるという利点がある。この形状は機体のステルス性を高める意味もあるようだ。緊急時には乗員収容の後、これを爆裂ボルトの爆発力によって射出した後、ジェット噴射で加速、飛行速度を得る。なおこのジェットエンジンは水流ポンプジェット複合ターボジェットが採用されており、水中からでも大気中からでも同様の運用が可能である。分離射出時のGは極めて大きいが、船体構造上滑走路を確保できなかったがための苦肉の策である。
通常フライ1は多次元諜報潜水艦艦橋であるI・Bルームの直上に当たる位置に搭載されており、メインコンピュータルームとして使用されている。
運用試験でも良好な成績を収め、脱出用としてでだけでなく、偵察任務にも用いる計画も発案されたが、実際に使用されることは一度もなく、対EI−27戦において多次元諜報潜水艦と共に自爆している。なおこの際、諜報部の保有するすべての情報は発進直前にGGGメインコンピュータへと移されており、多次元諜報潜水艦の自沈による情報の喪失は一切存在しないとのことである。