ドクター・タナトス

 国際犯罪組織バイオネットの総帥副官を務める人物。実質上組織のNo.2。無口。
 「ドクター」の称号が示す通り、彼もまた科学者である。しかし、倫理と抑制を失った研究が異端視され、学会を追放される。時を同じくして放浪の身であった科学者、プロフェッサー・モズマとともに「バイオネット」に参画し、その政治力と謀略の数々を駆使して短期間のうちに組織の頂点へと上り詰めた。
 プロフェッサー・モズマがヴェロケニア共和国領内の秘密基地において死亡したため、現在は総帥代行としてバイオネットを組織している。専門分野は不明。
 なお、タナトスとはギリシア神話に登場する死の神の名でもある。夜の女神であるニュクスの息子で眠りの神であるヒュプノスとは兄弟に当たり、死者の魂を連れ去るなどとされており、古代ギリシアの詩人、ヘシオドスの叙事詩『神統記』によれば、背に翼を生やし鉄の心臓と青銅の心を持つ非情な神であるという。
 不吉な名であり、おそらくタナトスとは本名ではなく、組織内での通称、コードネームか、あるいは権威付けのための偽名であるのだろう。