波羅密
paramita




そんな場所から発信されるものを
安否の指標としているあなた
光の管の中を走り廻っても
整列している言霊は
あなたには一粒の宝石でもない



()られてゆく日付だけが
あなたの頼みの綱だ
様子を伺い 動向を入手し
そこから紡ぎ出す懸念は
あなたの根拠となる




対峙(たいじ)することを忘れたあなたが
いつまでも
懸案事項をかかえているからだ



あなたはあなたの心でもって
肩を叩くことが
もはやできない




あなたに差し延べられた
幾つもの手の
その(ぬく)みを



互いに無縁なところで
追い立てられる
拝承と排除を



忍辱(にんにく)の衣を纏い
空を越えて
国境(くにざかい)を越えて



わたしは ふたつとないのに
あなたも ふたつとない
その真価を



もっと
もっと目を見開いて
何故
識別しないのか



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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