Opera City でクレーと




今日を決意の日とすることができるのは
未来を孕んでいると信じる継続



稲妻も雨も風も
そのうち星に変わるということが証された日



ウェイトレスが優しかったと染み入った日
残高が底をついてしまっても
それでもここでエスプレッソを飲んで
この本を買いたかった



明日は水だけを飲んで過ごさねばならないだろうと
予測できた日
空腹を癒すより
二箱の煙草のほうが重要だった



夢に生きていても美しくて
許されていた幸福な日



(つま)しさは終わる
けれど今日の高潔な涙は永遠
物語と現実がシンクロして
試されていることに気づいたりした




これは未来を孕んでいるか
これは未来を孕んでいた




紡いだ日々で未来を孕み
身を( は )めて消費する
これは魂を縮めない法則



つい探してしまう
此処ではない何処かの
言葉の羅列に終わらない降る雨を
識るのではなく智るのだ



「階段の上の子供」にも
「黄金の魚」にも
わかる言葉で
わかる涙で

 

 

 

 

 

 

雪中愛花 / Photo by Iori


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