2014/10/20   第351号 

私の友人が福島県のある温泉に家族4人で1泊旅行をしたそうです。毎年の恒
例行事で、どこに行くのか探すのも楽しいそうです。旅館の検索サイトを利用し
て、今回紅葉で有名な観光地を回るのに、地理的に便利の良い場所を条件として、
利用客からの評価の高い旅館を探しました。何軒かの候補の中に、ちょうど8年
前に利用した旅館があったのでそこに決めました。

紅葉を十分楽しんだ後に旅館に着きました。宿に着くと抹茶のサービスがあり、
種々のサービスの説明を受けました。前に利用した時と比較して、新たなサービ
スが記憶に残りました。夕食前にお風呂に入り、夕食までの時間つぶしにラウン
ジに行くとワインのサービスがあったそうです。ちょっと景色を見ながらのワイ
ンに舌鼓を打ったとか。

夕食も量が十分で、季節の料理をお腹いっぱい楽しめ、家族で見た紅葉の話や
日常の出来事など、満足ゆくほど話ができたそうです。食事の後も就寝までの時
間に、もし小腹がすいたら、ラウンジで温泉卵を無料でサービスしていますと教
えてもらいました。8年前と比較しても、サービスが増えたと感じ、とにかく食
べることに関しては十二分に満足したそうです。

翌朝チェックアウトする時に、ロビーで見送りを受けました。確か8年前は、
スタッフが荷物を乗用車まで運んでくれて、そこで見えなくなるまで見送ってく
れたのに。物を受けるサービスは確かに増えてうれしいけど、それぞれの場所で
のスタッフの数は足りないようで、人との触れ合いが少なくなった気がする。そ
れだけが心残りと話していました。

もしかしたら、その日たまたまスタッフがいないため、そうなったのかもしれ
ませんし、車まで運んでほしいと頼めばやってくれたのかもしれません。お客は
受けたサービスだけで判断するでしょうから、人との関わりが少なくなったと感
じると、さびしいと思うでしょうね。サービスの流れの中で、お迎え、見送りな
どポイントはきちっと押さえておかないと印象を悪くするかもしれませんね。

皆さんはいかがですか。



2014/11/2   第352号

先日、ソファを買い替えようと思い、家具店を4軒回りました。ブランド物を
扱っている店から廉価なものを扱ってる店までまちまちです。それぞれの店で説
明してくれた接客者を比較すると面白い傾向がありました。

高級志向の店の接客者は、言葉遣いもしっかりしていて敬語も最上級の言葉を
間違いなく使います。また質問したことに関して、メーカーの特徴、素材、製法
などをわかりやすく説明してくれました。自分で分からないことは奥に行って調
べて説明してくれました。

それに比較して、廉価なものを扱っている店の接客者は、説明の部分で物足り
なく感じました。まず知識がありません。質問に対して分からないままで、分か
らないものは調べようとしません。

他の2軒の店の接客者は、メーカーの特徴、素材、製法など質問に対してはよ
く知っていて答えてくれます。ところが片方の店の接客者は話をしていても品が
あって説得力がありますが、一方の店の接客者はなんか品がなく、信頼感がない
ように感じました。

なぜかな、と思いましたが、敬語はどちらもそこそこ使いますが、ところどこ
ろになれなれしい言葉遣いになっています。どちらも説明力はあるし、言葉遣い
も同じようです。でも感じ方が違います。

よく観察していたら、声の出し方が違っていました。片方は声も通るしメリハ
リがあって説得力のある話し方になっていました。信用力が低いと感じた人は、
声も通らないし、話し方が一本調子で少し高い調子で話をします。話し方にメリ
ハリもないためそう感じたのでしょう。

怖いですね、同じような言葉遣い、説明力であっても、声の出し方によって感
じ方が違ってくるのです。声をチェックすることも必要ですね。

皆さんはいかがですか。



2014/11/16   第353号

夜にスマートフォンを充電中、ちょっと使おうとしてスリープ解除ボタンを押
しても画面が出てきません。どうしたのかなと思いながら、そのまま寝てしまい
ました。

翌朝、いくらやっても画面が出てきません。おかしいなと思い、スリープ解除
ボタンの長押ししてみましたが電源が入りません。故障したのかな、使えないと
困ると思い焦りました。たまたま午前中に時間が取れたので、店が始まる時間を
待って、購入した携帯電話販売店に行きました。

最初のお客でした。担当の男性接客者に、「昨夜から電源が入らないで困って
るんだけど。どうしたんだろう」と事情を説明しました。「ちょっと貸していた
だけますか」とスマートフォンを手に取り、電源を入れました。すると「入りま
すが」と言いながら私の顔を不思議そうにじーっと見ています。電源が入って画
面が出てきたのです。「えーっ、なんでもないの」と言いながら、「なんでだろ
う」と考えながら私の頭の中はパニックです。おかしいそんなわけない。確かス
リープボタンを長押ししても電源が入らなかったのに。

昨夜、充電した後に画面が出なくなった。いくらやっても画面がでない。長押
しして電源を落として、その後に再度やって電源が入らない。何度説明してもか
えってくる言葉は「わかりませんね」の言葉。帰ってくる言葉数が少なく、じー
っと見てられると、「説明してることをきちっと聞く気がないな。こんな基礎的
なこともわからないんだからと思って馬鹿にしてるんだろうな」と感じとても不
快でした。

話の中でスマートフォンは「何かの影響でリセットするときがあるので、その
時は長押しが必要」ということを教えてくれました。接客者は馬鹿にする気がな
く、いつものように言葉数少なく対応していたのかもしれません。でも言葉もな
く見つめるものですから、馬鹿にしてるなと勝手に思えました。例えば「こうい
うことはたまにありますよね」とか「電源が入らないとびっくりしますよ」「機
械本体が何ともなくてよかったですね」なんて、慰めるような言葉があればそれ
ほど不快にならなかったでしょう。ちょっとした言葉のやり取りが大切ですね。

皆さんはいかがですか。



2014/11/30   第354号

今年もあと1か月を残すのみになりました。この時期には年賀状欠礼の知らせ
が届きます。

知り合いの母親が亡くなりました。その方は和服が好きで、買いそろえること
が趣味だったようです。100枚ぐらいの数があるため、故人が本当に好きだった
着物は思い出に何枚か残して残りは処分することにしました。

HPなどで和服の引き取り業者を調べ、呼んで見積もってもらうと、和服は簡
単に見るだけで、それより貴金属はないかと、他のことを要求することが多く、
信用ができなかったようです。

そこで、かつて母親に着物を販売していた営業マンを思い出し、電話して引き
取り業者の紹介を依頼しました。するとその営業マンは、快く紹介し、その業者
が見積もりに来る前に、家に来て見積もりしてもらう時の心構えを教えたようで
す。

着物をチェックしたら、きちんとたたんでもらうこと、業者の中にはいいかげ
んなたたみ方をして、折しわを作る人がいる、それができると価値が下がるから
気を付けるように。また、この箱に入ったものは金額が高いから、きちっと査定
してもらうように等など。あまり和服の知識のない家族に、丁寧に教えたようで
す。

今までは、その営業マンが一人暮らしの母親にうまく取り入って和服を売りつ
けているように思っていました。今回わざわざ家まで来て、そのように親切にす
るのはなぜか、聞いたそうです。すると、「お母さまには大変お世話になりまし
たから、少しでも何かお役にたてればと思いまして」と答えました。そうした対
応から、その営業マンへの不信感が少し変わったようです。

確かに、多くの着物を買ってもらったという感謝の面もあるでしょうが、今後
家族が新しい顧客になるかもしれない期待もあるかもしれません。そうすれば、
両方から見て、WIN WINの関係になります。そうした関係は、行動の原動力にな
りますね。

皆さんはいかがですか。



2014/12/14   第355号

毎日寒い日が続きますね。風邪が流行ってるようですが、私も風邪を引いて
しまいました。結構長く2週間近くになりますが治りません。

かかりつけの医者に診てもらい薬をもらっています。たまたまのどの痛みもひ
どくなったので耳鼻科の医院にも行って診てもらいました。

待合室から受付のカウンターがよく見えます。患者が多いのですが、そんな中
80歳を過ぎているでしょうか、年配の女性が入ってきました。受付でのやり取り
が聞こえてきました。
患者「すみません、〇〇ですけど、診察券を忘れちゃったんですけど。わかりま
すかね?」
受付「それでは保険証はありますか」
患者「前に来たとき渡してるでしょ」
受付「保険証は必ず見せていただいた時は、お返ししていますが」
患者「そーお、じゃーちょっと探してみますね」

その女性は、椅子に座って、カバンの中をごそごそ探しています。独り言を言
いながら「急いでいたから、診察券をテーブルに出したけど、出かける時に忘れ
ちゃったんだよね」「おかしいな、保険証も重ねて置いて診察券と一緒に持って
こないのかな」5分程探していましたが結局ありません。
患者「ないけどわかります?」
受付「はい」 

10分程してから
患者「家に電話させてもらえますか」
受付「こちらからかけて、ことづけしましょうか」
患者「私がかけられない」
受付「はい、そちらに電話機が届きませんし、こちらからお家にかけてことづけ
しますよ」
患者「・・・・」
受付「どうしますか」
患者「じゃー言ってください。ストーブを消し忘れてきたか、わからないので見
て欲しいと」

受付「電話を何度かしましたが出ませんが」
患者「おかしいわね、そんなことないんだけど」
しばらくして
受付「つながりまして、その件はことづけしました。後で迎えに来るとおっしゃ
っていました」
患者「あっそう、お世話様」

そのやり取りを聞いていて、とても親切な受付だなと思いました。医療技術に
関係がありませんが、その医院の好感度が上がりました。患者も年配者などがい
れば、いろいろな要求をされるかもしれません。そしてそのやり取りは待合室に
聞かれます。その対応が冷たく感じれば医療技術に関係なく医院の評価が下がる
かもしれません。周りに聞かれている、見られていることの影響は大きいですね。

皆さんはいかがですか。



2014/12/29  第356号

各地の食品街は、年末になると正月用の生鮮食品などを買い求める人で混み、
テレビやラジオで年の瀬の風物詩として紹介されています。ちょっとした会話の
やり取りで必ずしも必要ないものを買ってしまうことがありますね。

先日もある魚屋の店先を通りかかった時に、呼び込みがダミ声で鮭を売ってい
ました。広告に1300円に×印がしてあります。その前に鮭がたくさん盛ってある
皿があります。店員が「1皿1000円、1000円だよ、持っていかない」と道行く人
に声をかけまくっています。

声をかけられたので皿を見て、数えてみました。「1,2,3、・・・・あっ
10匹ぐらい入ってる」というと「さー。安いよ、どーお一皿?」と盛んに勧めま
す。「多いな」「例えば冷凍にして4人家族なら2回に分けてしか食べられない
から、多くないよ」とお客と掛け合って説得して売ろうとしています。

興味がなかったものを、声かけられてちょっと興味がわいてきましたから、交
渉してみました。「じゃー100円安くしてよ、買うから」すると「そんな客いら
ない、他の店行って」と冷たく打ち切られました。何か上から目線で言われてい
る感じがしました。「じゃーいらない」と言って帰りましたが、なんか腹の虫が
収まりません。

全然買う気がなく、興味がなかったのに、呼び込みに声をかけられ、言葉を交
わすことで興味がわき、さて交渉しようかなという気になった矢先です。呼び込
みからお客に話しかけて対応しているなら、言葉を使ってお客に販売交渉をした
ことになります。それを一方的に切るやり方。不満が残りました。

例えば、コピー機の営業マンが「ちょうどモデルチェンジの時期でいつもは〇
〇円のところ、××円で販売できますのでいかがですか」とある会社に勧誘に来
たとき「△△円にしてよ」と頼んだら「そんな客とは取引できません。他にあた
ってください」なんて言われたら、その会社には出入り禁止になるでしょう。

自分から呼び込んで仕掛けたのですから、言葉を工夫しないと怖いですね。
あの時も興味が湧いてきて、衝動買い寸前になっていましたから「すみません、
できればいいんですけど、これが目いっぱいなんです」なんて言われれば、買っ
てしまったかもしれません。

呼び込みは一種のお客との言葉のゲーム。お客の心理を考えて言葉を工夫しな
いと、知らないところで不快にしているかもしれません。

皆さんはいかがですか。

今年も「接客バンザイ」を読んでいただき、ありがとうございました。
皆さま、良いお年をお迎えください。



2015/1/11  第357号

皆さんは、初詣はどこにいらっしゃいましたか。

私は地元の氏神様に初めて行きました。今まで一度も行ったことがありません。
元旦に行くと地元の消防団など関係者がお世話をして、お神酒の接待などがあっ
て賑やかという話は聞いていたのですが、ちょっと距離もあるので今までは遠慮
していました。

3日の日に行ってみようかなという気になりました。時間は午後3時ぐらいで
す。行くと初詣の人は誰もいません。いるのは私たちだけです。ちょうど3日の
午前中まで接待をしていたのでしょうか、関係者が4,5人、社の中をかたずけ、
またテントを畳んだりしていました。

さい銭箱のそばまで行って、2名作業していたのですが「お参りしていいです
か」と尋ねると、「どうぞ、お接待の片づけをしているだけですから」と言いま
す。そこで社の正面に向かい、さい銭箱の前に立ってお参りをしようとすると、
片づけていた2名が途中で作業をやめてその場をいなくなりました。お参りした
後、見るとその人たちは、ずーと離れたテントの片づけ作業を手伝っていました。

気配りがあるなと思いました。もし、お参りしている時に隣で作業されていた
ら、あわただしく神聖さもなくありがたみもないでしょう。この時間にお参りに
来る人はほとんどいないのでしょう。ですから、そうならないように配慮したよ
うです。私たちがその場を離れたらすぐ持ち場に戻って作業を開始していました
から。

この関係者はもしかしたら、サービス業に従事している人かもしれませんね。
常に相手がどう感じるのかなという視点で対応できていますから。

皆さんはいかがですか。



2015/1/25   第358号

私の友人が兄弟の家のホームパーティに呼ばれ、ワインを何本か土産に持って
行ったそうです。ちょうど下車するJRの駅のそばにソムリエのいるワインショッ
プがありまして、いつも利用するそうです。今回も料理に合うワインをいろいろ
選んでもらい買ってゆきました。家までちょっと距離があるのですがバスを利用
して早く飲みたい一心で持って行ったそうです。

兄弟の家族と料理を食べながら、ワインを楽しみ、会話もはずんで賑やかな時
間が過ぎました。買って行った最後のワイン開けたら途中でコルクが折れてしま
いました。どうしても取れないので、購入した店に電話をしたそうです。

たまたま電話に販売した接客者が出たそうで、どのワインを購入したかわかっ
ていたので話がスムーズに進みました。
そしてコルクが折れたことに対しては
「いいワインですと、そういうことが起きるのです。申し訳ありませんがご了承
ください。」
「これは開けられないの」
「心配ありません。開けられますので私が開けますよ」
それを聞いたときに「これから店に持って行って開けてもらってもな、面倒だな」
と思い、それを言おうとしたら「私がこれから伺って開けますよ」と言ってくれ
ました。その言葉を聞いて、驚いて「えー、わざわざ来てくれるの」「はい、す
ぐ伺います」

しばらくして、やってきてソムリエナイフを使ってきれいにあけてくれました。
「ソムリエナイフはテコを使うから開けやすいです。でも難しいですから、それ
用の使いやすいオープナーが市販されていますので使われるといいと思います」
と丁寧に説明してくれました。

わざわざ家まで来て開けてくれた行為に感動し、話をすると購入した後運ぶの
に重い場合は配達もしてくれるなど、知らなかったその店のサービス内容を理解
し、もっと利用するんだと熱く語っていました。

思いがけないサービスは感動を引き起こし、絶対的なフアンを作りますね。
皆さんはいかがですか。



2015/2/9   第359号

先日、ある大型書店で接客者に尋ねました。
「〇〇っていう本ありますか」
「はい、ビジネス関係はこちらです」と私を連れて行って「ちょっとお待ち願い
ます」と言って陳列されている本を覗きながら一生懸命探してくれました。
「申し訳ありません、ただ今在庫がないようで、お取り寄せになるのですが」
「それではいいです」と帰ってきました。
懸命に探してくれている姿を見ていましたから断るのは悪かったのですが、本の
中身を確認してから購入したいと思ったので断りました。でも一生懸命探す姿勢
が印象に残りました。

同じように、書店で本を尋ねたことがあります。その時は、その場に待たせて
接客者が一人で探しに行きました。遅いなと感じましたから、ずいぶん時間がか
かったように思いました。同じように求める本はありませんでした。でも「探す
のが遅いな」と感じた記憶があります。

時間的には同じかもしれませんが、相手の行動が見えないと時間がかかってい
る感じがしますね。商品を買って、包装をお願いするときも、目の前で包装する
のを見る場合と、いないところで包装をされるのでは待たされる時間の感じ方が
違うかもしれません。

お客のために行う行動でしたら、お客に見せるということは時間を短く感じさ
せる工夫になるでしょうね。

皆さんはいかがですか。



2015/2/22  第360号

TVで今年のDJポリスのコンテストが行われたと伝えていました。もう2年前
になりますか、サッカー日本代表がW杯出場を決めた夜、JR渋谷駅前に集まっ
た群衆をソフトなアナウンスで誘導した機動隊員が話題になりましたね。警察も
群衆相手に高圧的に命令するのではなく、ソフトに協力を呼び掛けるアナウ
ンスを研究しているんだなとその時初めて知りました。

先日、東海地方のあるテーマパークにイルミネーションを見に行きました。
「豊かな自然、美しい景観をモチーフに、最新の特殊イルミネーションで壮大な
景色や移ろいを色鮮やかに表現していて、冬の風物詩として、好評を博している」
という歌い文句に誘われて行ったのです。

平日の夜でしたが、入場者も多かったのですが、会場も広いため混雑という感
じはなく、光のトンネルをくぐって醸し出される演出に満足しました。会場内に
は高い所から見える施設も作られていて、そこに上がると光の演出の全景が見え
ます。

そこに上がる階段は一方通行になっています。おそらく混雑時でも安全に移動
できるようにルールを決めているのでしょう。階段の上にガードマンがいて一方
通行になるようにチェックしています。

ただその人の言い方がきついのです。
階段を登りながら、後ろを振り向いて光の演出を見ているお客に
「途中で止まらないでください」
「登り切ってから写真をとって下さい」
「ここは一方通行なので降りられません」
丁寧語で話していますが、語調がきつくて、命じられている感じです。

ギューギュー押されるような混雑時でしたら、そんな感じはしないかもしれま
せんが、平日で人がそれ程いない時です。非常にきつく感じられます。そのせい
でしょうか、年配の女性のグループが「止まってないじゃないの」と文句を言っ
ていました。

警備の方も状況に応じてクッション言葉をつけたり、語調を意識するなどソフ
トに感じる工夫をしないと、反発が出る可能性がありますね。

皆さんはいかがですか。



2015/3/8   第361号

普段は自動車での移動が中心で、あまり地下越などの交通機関を利用する機会の
ない友人の話です。
 
駅を降りるときに切符を自動改札に入れて通ったら切符が再び出てきたそうで
す。おそらく他線への乗り換え用の自動改札だったのでしょう。切符を持って改
札口の事務室の窓口で駅員さんを呼びました。

「切符が出てきちゃったんだけど」
「出たのをそのまま持って出てください、」
切符が出てきたので、自動改札が故障をしているのかもしれない、教えてあげよ
うという気持ちでしたから意味が分からなかったそうです。
「えっ、」
「〇〇線の乗り換えのために出たんだから、そのままもって出て下さい。」
「乗り換えないけど」
「そのまま持って出てください」

語調がきつく、ものすごく面倒くさそうな嫌な顔をして対応していたそうです。
ムカッとして文句を言おうかとも思いましたが、時間を急いでいましたからその
まま行ったそうです。後で乗り換え用の自動改札は切符が出ることを知り、別に
機械のトラブルでもなかったんだと納得したそうです。

駅員さんからすると、機械が通常の動きをしてるのに、このお客は何を言って
るんだろうという気持ちがあったので、語調がきつくなり、その気持ちのままの
表情が出たのでしょうね。

お客はいろいろです。その施設の機械を十分熟知している人もいれば、今回の
例のように初めての経験の人もいます。そしてそういう人は数も少ないのです。
忙しく仕事をしていると、通常のお客の感覚で対応してしまいますから、そうで
ない人に遭遇した場合は、「当たり前のことも知らないのか」という気持ちがつ
い出て対応すると、クレームに発展する場合がありますね。

仕事をしていて、初めての人もいるんだ、教えてあげようという気持ちを忘れ
ないようにしないと、お客を不快にする可能性がありますね。

皆さんは、いかがですか。



2015/3/22  第362号


先日、焼肉店で2人で飲んでいました。終わりころに、接客者に「水ください」
というと、「はい」と元気に返事をして、しばらくしてグラス一つを運んできま
した。「あれ、二つ欲しいんだけど」というと、「はい」といって運んでくれま
す。

違う店でしたが、3人で行った時も、同じように水を頼むと一つだけ持って来
ました。注文を受けたときに確認しないから、再度持ってこなければなりません。

最初に料理の注文を受けた時、あるいは途中で注文を受けた時は必ず「繰り返
させていただきます。〇〇がいくつ、△△がいくつ、××がいくつですね」とき
ちっと復唱します。でも、水の注文ですと、復唱しないで一人だけに持ってくる
ことが多いのです。

注文時の復唱は間違い防止のため、お客の要求を正確に理解する行為です。で
も毎日同じように仕事をこなしていますと、間違い防止、お客の要求の理解とい
う本来の意味を忘れて、ただマニュアルに書かれてるから、なんとなく習慣でや
ってしまうようになりがちです。そうなると、水の注文の時は、お客の要求を理
解するための復唱を忘れて、注文をしたお客だけに持ってくるということが起き
るのでしょうね。

お客に対するサービスは、その行為、言動が何のためにやるのかという意味を
きちっと理解して行うようにすれば、不注意な対応がなくなるでしょうね。

皆さんはいかがですか。



2015/4/5  第363号

 関東地方は桜の時期です。桜で有名な場所には多くの人が見物に来ています
ね。桜だけを楽しむのもいいですが、どうせ見るなら、お酒とお弁当、あるい
はお茶とお菓子というように、桜を見ながら喉を潤し、口を動かすのも楽しみ
の一つです。ですから、そうした名所のそばのコンビニは見物客で混雑してい
ますね。

 今までの記憶ですと、混雑しているお客に早く間違えずに会計するために、
真剣にややもすると怖い顔で、テキパキと対応する接客者が目につきました。
また、割り込んだりしたお客には「お客様、そこに並んでください」と語調き
つくお願いしている様子が思い出されます。忙しくて大変だなと思っていまし
た。

 先日、やはり桜の名所近くのコンビニに入った時、男性接客者ですが、多く
のお客に対して、感じよく対応していました。レジを待つ間に並びながら見て
いると「ありがとうございました」の後に、「行ってらっしゃいませ」「お酒
に合いますよ」「袋重くなりますのでお気をつけください」と必ず一言かけて
いるのです。そしてお客に言葉をかけるから、表情もやさしくなって、感じが
いいなと思いました。

 接客時にお客には「速度」「正確度」「好感度」を意識することが必要です
が、混雑時どうしても「速度」と「正確度」だけに気持ちが集中しがちになり
ます。そうすると「好感度」が忘れがちになり、表情が硬くなったり、語調が
強くなります。お客もそのような対応を見ながら順番待ちをしますと、気持ち
よく待てず時間が長く感じます。

 私が目撃した接客者は、まず「好感度」を意識したんでしょうね。一言添え
ても、2,3秒のことです。でもお客に気持ちが行きますから雑な対応になりま
せん。またいつもの「速度」「正確度」が伴ってきます。お客も気持ちよく順
番を待てれば時間も早く感じます。

 接客時における要素の中で、「好感度」を基本に考えた対応が大事ですね。
皆さんはいかがですか。



2015/4/20  第364号

私の友人にかつて軽い脳梗塞を起こしたため、血液サラサラになる薬を常用し
ている男性がいます。日常は健康でスポーツマンでもあります。1か月前に山登
りをした時に滑って頭を打ったそうです。一応病院でCTを取って調べた結果、頭
に異常はなかったといいます。

そのことをかかりつけの循環器系の医者に話すと、血液サラサラの薬を飲んで
いると、毛細血管から血液がじわじわ出て将来認知症の発症が起きる可能性があ
るので、1か月ほどしたら頭の検査をした方がいいとアドバイスを受けました。

そこで彼は地元では評判がいい脳外科に行って調べることになりました。診察
前に看護師に現在頭が痛いなどの病状があるか聞かれ、何の病状もないことを告
げ、CTを取りました。それから診察の時間が来ました。院長に診てほしいと告げ
ていましたが、院長は病状の重い人を見るため違う担当医になるといわれていま
した。自分の番になって、診察室に入ると、30代ぐらいでしょうか、若い医者で
した。

若い医者は会うなり「頭打って一ヶ月経ってるんでしょ、なんでもないです。
終わり。」時間にして3秒ほどの診察。病院に行って半日も時間をかけているの
に患者の気持ちを全然配慮していない。「終わりってなんだ、この対応は」と唖
然としました。これで帰るわけにいかないと、循環器の医者から必ず受けるよう
に言われ今日来た、と事情を伝えると、医師も少し会話をして説明を始めました。
「CTを見る限り頭を打ったことの影響はないし、そこから今後出血することはな
い、循環器の医者だからそういったんでしょ。」という対応。

それにしても、事前に話した血液サラサラの薬を飲んでることも理解していま
せん。何のために最初に看護師に話したのか、きちっと医師が聞かなかったのか。
それともCTの結果、問題は何もなく、現在病状が出てないことを前もって言った
いたため、軽い対応になったのでしょうか。若い医者は気が付いていませんが、
彼はもうこの病院は利用しない、どこか脳外科を探さなくてはと言っていました。

問題ないから、簡単な対応にしたのでしょうが、患者の心情を考慮した言葉を
工夫しないと、知らないうちに患者に拒否反応を起こさせる可能性がありますね。

皆さんはいかがですか。



2015/5/10   第365号

皆さん、GWはお出かけになりましたか。多くの観光地で大勢の人が楽しんだこ
とと思います。

先日ある観光地で遊覧船に乗りました。遊覧船も人が多いんだろうなと思って
いましたら、たまたま乗船を予定していた観光バスのお客が時間に間に合わなく
なり、次の便の乗船ということになり、私たちには運がよくガラガラでした。一
緒に乗り合わせた我々のような一般客も「ラッキー」と喜んでいました。

天気にも恵まれ、潮風の中を進む船、船から見る景色、遊覧船のスピーカーか
ら流れるその地域の歴史、地理の解説を聞きながら満喫しました。遊覧が終わっ
て下船すると、順路としてお土産店に入るか、歴史展示館に入る流れになってい
ます。

まずは歴史展示館に入って周辺の歴史を学び、展示物を見学して、土産店に入
りました。するとお客が誰もいないのです。他にお客がいないと土産店を見て回
りにくいですよね。なんとなく試食でもすると買わざるを得ない雰囲気になりや
すいので。

我々の姿を見ると、中年の女性接客者が寄ってきて、えびせんべいなどが入っ
ている容器のふたを開けて、「どうぞ召しあがってください」と勧めます。タイ
ミングがいいんです。なんとなく手を伸ばす雰囲気にしてしまいました。「おい
しいね」などと相づちを打つと、間髪を入れず「これ召し上がってください」と
新しい袋を開けてケーキを試食させます。「このレモンのケーキは、お値段が高
いので、味がわからないとなかなか購入していただけないので、お客様に味見し
てもらうようにと、メーカーから試食品が多く来ているんですよ」と新しい袋を
開けるのに、お客の精神的な負担にならないような言葉を話しながら出します。

つい手を差し出してしまうタイミングでした。商品の知識が豊富で、説明しな
がら勧めますので、なんとなく断るのが悪い気がして、購入しました。たまたま
昼食前でしたので、会計をしながら尋ねました。「この辺でお昼を食べるのに、
魚がおいしいところありますか」すると、土産店の周りには飲食店が多いのです
が、「ここをまっすぐ行って、通りに出ましたら左に曲がって30mぐらい行った
右側に〇〇というお店があります。ここは新鮮なお魚がお手頃な値段で召し上が
れます。今〇〇や△△がおいしいですよ。店の前に料金が書いてありますので安
心して入れますよ」と説明してくれました。その後その店に入りましたが満足で
きました。

勧めるタイミングがうまく、つい買ってしまいましたが、商品情報もしっかり
していて、またこちらの希望情報もきちっと教えてくれ、買ってよかったという
気にさせた接客者でした。きちっと裏付けのある情報とタイミングは重要ですね。
皆さんはいかがですか。



2015/5/24   第366号

先日夜7時ごろにJRに乗りました。帰宅時間にぶつかっていますから車両は混
んでいました。場所はちょうど車両の端です。3人掛けの優先席の前に立つ形に
なりました。

座席に目をやると、20歳前半ぐらいでしょうか、同じスーツを着た女性が3人
座っています。皆スマホのゲームに夢中です。時折ゲームの状況を話しているの
か、スマホを見せながら何か笑顔で会話しています。若い社会人なのに堂々と3
人が一緒に優先席に座っている姿にびっくりしました。

最近では優先席に若い乗客が堂々と座っているのは珍しくありません。また携
帯電話禁止の案内があるのに、平気で携帯を操作している人がほとんどです。
彼女たちも気にすることなく、ゲームに興じていました。

彼女たちは、一見すると同じスーツで、髪は後ろに束ねてますので、私服でな
くユニフォームなのかなと感じました。ホテルのフロントのようだなと思いなが
ら、3人の真ん中に座っている人の胸元を見ると名札が付いています。きっと
外し忘れたのでしょう。

気になります。混雑時間帯、20代前半の女性3人、堂々と優先席に座ってゲー
ムに夢中。どこの会社かなと思い、見るとホテル〇〇〇〇と書いてあります。知
名度のあるホテルチェーンです。ある駅に着くと全員がおりましたから、寮に帰
るのでしょうか。研修の帰りなのかもしれません。

彼女たちは、好感度を増す接客を教育されているのでしょう。お客様には感じ
の良い対応をするのでしょうが、ホテルの名前がわかってしまうと気持ちの入っ
ていない口先だけの対応なんだろうなと勝手に想像してしまいました。

会社名がわかる状態で、外に出た場合、常に自分の対応が会社の評価につなが
ることを意識しないと怖いですね。皆さんはいかがですか。



2015/6/8    第367号

先日、仕事で地方に行きました。新幹線の停車駅から在来線に乗って30分ぐら
いかかります。ところが、電車が1時間に1本しかありません。そのため乗り継
ぎがスムーズにいかず、やっと目的の駅に着きました。25分ほど時間があったの
で食事をすることにしました。たまたま1軒ファミリーレストランがあったので、
入りました。昼時で込んでいます。

入ると、二人席に案内された。ボックスシートがあったので「ここがいい」と
いうと、「それではここでお待ちください。片づけますので。その間にお選びく
ださい」と椅子席に案内されメニューを渡されました。

メニューを受け取りながら、「時間がなくて25分ぐらいで出なければいけない
んだけど、何が早く出来ますか」と尋ねると、厨房に聞いてきて、「ランチメニ
ューでしたら早くできます。」

私はメニューの最初に書いてある「茶そばとイワシ寿司」のセットにしました。
連れは「イワシはちょっと」と違う料理が欲しいようで、時間かけてみています。
「時間がないからはやく決めれば」と催促すると、やり取りを聞いていた接客者
は、「大丈夫ですよ、お好きでないとおっしゃっていたから、かわいそうですよ」

決めるのにちょっと時間がかかりましたが、注文をすると、「急いで作るよう
にいいますね。」全然嫌な顔も表情もしません。感じがいいと思いました。その
後食事をして、予定通り店を出ることができました。

メニューを決める時に、遅いとイライラしているのを態度で見せ黙って対応す
る接客者が多い中、逆に安心させる言葉をかけることは、印象に残りますね。
皆さんはいかがですか。



2015/6/21   第368号

 皆さん、こんな経験ありませんか。
複数人で飲食店に入り、途中で「お水ください」と頼むと、ひとつ持ってきて「あ
れ、ひとつ?全員分を持って来て」と再度頼みなおすことが。誰でも経験したこ
とがあるのではないですか。

 なかなか言葉って伝わりにくいですね。伝わらないと相手のせいにして「なん
で確認しないんだろ、気が利かないな」なんて文句言っていませんか。

 もちろん復唱して確認すれば間違わなかったでしょうから、気が利かない接客
者も悪いですが、きちっと伝わらない話し方をした我々も悪いですよね。

 要は言葉って簡単に話していたら、伝わりにくいことを意識しなくてはなりま
せんね。

 私の友人が、お昼に焼肉屋さんに入ったそうです。ランチメニューを注文して、
待っている間にテーブルの上を見ると、タレが各種ありそれぞれ器に入っていま
す。器にはタレの種類や甘い辛いなどの味覚も書いてありました。その中に、ス
プーンが入った器があり「混ぜてご利用ください。美味しいですよ」と書いてあ
ります。

 そのうちセットメニューができて持ってきました。
「お待たせしました」
「あのさ、このタレどれと混ぜるとおいしいの?」
「えっ」
「ここに混ぜるとおいしいって書いてあるでしょ。」
「はー」
「どれと混ぜるといいの」
「あのー、それかき回してから皿に入れてほしいんですが」
「えっ、あーかき回すのね」
コントみたいな話ですが、勘違いがあったそうです。
すごく恥ずかしかったと友人が語っていました。

 話すにしても、書くにしても、誤解されないように注意深く伝える工夫、聞き
取る工夫をすることは重要ですね。

 皆さんはいかがですか。



2015/7/5   第369号

 地方に出て、新幹線の時間待ちをしている時に、時間つぶしに土産店を見るの
は面白いものです。先日、ある売店に入って土産物を見ていました。すると大声
で女性接客者が商品を売っています。「水ういろうはいかがですか。」水ういろ
うは珍しいと思いながらそちらに目をやると、商品が細かく切られて楊枝がさし
てあります。何人ものお客がつまんでいるので私も一つもらいました。冷たくて
美味しいんです。私はういろうはいままであまり興味がありませんでしたが、試
食品を食べてみて、ちょっと興味が起きました。

 接客者は言葉を続けます。いつもこの店に置いてある商品でなく、今回たまた
ま3日間販売をしています、次は3ヶ月後に3日間販売をする旨を説明しながら、
商品の食べ方まで教えてくれます。「ういろうは冷蔵庫に保管してはダメですよ。
お餅だから。常温で保管してくださいね」今まで、土産を買うと悪くならないよ
うにと冷蔵庫に入れるのが習慣でしたから、その言葉に耳を引きました。

「この水ういろうも食べる、1〜2時間前に冷蔵庫に入れて、冷たくして召し上が
ってください。ヒヤッとしておいしいです。」実際に試食して本当に美味しいと
感じました。いままでも、土産に買いますが、ういろうはそれ程美味しいと思っ
たことがなかったので、興味が出て質問しました。

「通常のういろうも常温で食べたほうが美味しいの」
「はい、お餅ですから」と言ったと思ったら、その接客者はいなくなりました。
しばらくして、通常のういろうを小さく切って試食用に出してきました。

 ひとつもらって試食したらやっぱり美味しいんです。その後、そのメーカーの
ういろうは歴史があることや、パンフを渡してお店の説明をしてくれました。う
いろうは興味がなかったため、ちょっと冷やかしで覗いただけでしたが、結局水
ういろうと通常のういろうを買ってしまいました。

 美味しく食べるための情報を出しながら、その場で試食させる工夫で買う気に
なりました。またそのメーカーのういろうに興味を持ち、次回からは、ういろう
はそのメーカーのものを買おうと思いました。まさにコミュニケーションの力で
すね。

 皆さんはいかがですか。



2015/7/20   第370号

関東地方も梅雨が明けました。いよいよ夏の行楽シーズンに入ります。新幹線
を利用して観光地に行く人が多いでしょう。

東京駅で新幹線の時間待ちをしていると、車内清掃のスタッフが作業をして、
短時間で終わらせ車内から出てゆく姿を目にします。作業工程が効率的で素晴ら
しく世界から注目を浴びているとニュースで見たことがありますが、テキパキと
動く姿が印象的です。

終わったスタッフが車内から降りる時のスタイルが、JR東海とJR東日本では
ちょっと違っています。

JR東海の新幹線では、作業が終わったら、スタッフがばらばらに扉から出てい
きます。そのまま次の仕事に向かうようです。JR東日本では、作業が終わったス
タッフが、扉から出たら、車両の前に一列に並びます。そしてリーダーの合図で、
皆がお客のほうへお辞儀をして、それから次の仕事に向かいます。並んでお辞儀
をする工程が一つ入るだけで見ていて感じがいいものです。

接客ってお客に対する行動が加わるとそれだけ好感度が増しますね。私は皆で
お辞儀をする姿を見ていて、もし目が合えば、お辞儀を返そうと思っているので
すが、目があったことがありません。そのためお辞儀が気持ちが入ってなく、た
だお辞儀だけしてる感じに見えてしまいます。残念です。

どうせお辞儀をするなら、近くのお客を見て「お待たせしました」なんて言葉
を出しながら、お辞儀をすればもっと、気持ちの伝わるお辞儀として印象づける
ことができるのではないかなと思いますが。

皆さんはいかがですか。



2015/8/10   第371号

先日、知人にお菓子でも贈ろうと、都内のデパートに寄りました。時期が外れ
ているので、上層階には特別贈答品売り場はないと思い、お菓子は地下売場かな
と地下階に行きました。エレベーターを降りて、そばにいた若い男性店員に「贈
答品はどこへ行ったら買えますか。もう時期外れだから中元の催事場は終わった
でしょ」と尋ねました。

彼は「少々お待ちください。」と答えると、そばにいた人に聞こうとしたよう
です。しかし、その人は何か電話を使用中でした。あまり時間がかかっているの
で、「いいです、行ってみますから」「申し訳ありません、今わかりますから、
少々お待ちください」と答え、電話で問い合わせてもらい、「まだ催事場は8月
3日までやっております」と教えてくれました。そして「すみません、店内のこ
とをもう少しわかっていればいいのですが。申し訳ありません」と感じよく対応
してくれました。

催事場へ移動する際、その男性接客者の扱っている商品を見たら「米沢牛のお
弁当などの」販売でした。その売り場の常駐の接客者でなく、この販売のために
米沢から来ている弁当メーカーの接客者のようでした。そこで、「ここの人じゃ
ないんだ、ごめんね、知らなくて当たり前だよね」と話すと。「勉強不足で申し
訳ありません」と答えました。

この接客者は、販売のため来ているので「知らない」と言ってもよかったのに、
わざわざ調べてくれました。その対応にすごく感じが良かった記憶があります。
その弁当メーカーの指導かデパートの指導かわかりませんが、お客に対する要望
には、できる限り努力して対応しようという気持ちが伝わってきました。

皆さんはいかがですか。



2015/8/23    第372号

仕事で地方に行くと、楽しみはその地方の料理とお酒をいただくことです。特
に日本酒に合う肴がうまい店を探すことが多いですね。新潟県のある町の新幹線
駅ビルに入っている居酒屋が気に入っています。いつもは仕事の帰りに1時間30
分位、カウンターに座り地酒と料理を楽しんでいます。

今年の3月に行ったときに、カウンターが一杯でした。しかたなく奥のテーブ
ルに座り、料理を注文してお酒と会話を楽しみました。私は、美味しいなと思う
と、料理名をメモしておき、次回に注文する参考にします。イカのたまり漬け、
いごねり、クリームチーズの酒盗などとその時もメモに書いてあります。また年
配の接客者ですが、料理の説明も上手ですし、肴に合うお酒の勧め方がうまかっ
たので、「確かにこの酒は合うね」と会話の話材になりましたので「渋谷さん」
とついでに書いておきました。その時また次回来たときはテーブルで飲むよと軽
く約束をしました。その時名前を聞かれたので名乗ってきました。

先日、約半年ぶりにその店に行き、やはりカウンターが一杯だったので、テー
ブルに座りました。料理を運んでくる人の中に、見覚えのある顔があります。声
をかけました。
「渋谷さん?前に来て渋谷さんのこと、記憶にあって」と言うと。
「あっ小倉さんですか?」
「えっ覚えているの?」
「7月にいらっしゃるとおっしゃってましたから、来ないなと思っていました。」
名前を覚えていてくれたのには、びっくりすると同時に嬉しかったですね。
例えばメモなどに書いてあって、あとで確認に行って名前を呼んでくれる接客者
は結構いますが、とっさに名前を言われたのには感動しました。特に私は名前を
覚えるのが苦手な方ですから、よけい感じます。

彼女は、天才的に名前の覚えのいい人かもしれないし、もしかするとそろそろ
来るかもしれないと、定期的にメモを見ていたかもしれません。いずれにしろ、
お客の立場からすると、何気ない記憶の中に自分の名前が入ると、大事にされて
るような特別なものとして価値が上がりますね。来月またその地方に行く予定が
あるのですが、席の予約をしてしまいました。

皆さんはいかがですか。



2015/9/6    第373号

滋賀県のある観光都市、通り全体が黒を基調にして、デザインも江戸時代の雰
囲気に統一した観光ストリートがあります。土産物店や飲食店が立ち並び観光客
が思い思いの店で楽しんでいます。

私達も何軒かの販売店に入り、商品や販売方法を興味を持って見てきました。
その日は暑い日で、歩き疲れたのでかき氷を食べながら休憩しようと店を探しま
したが、店頭に「氷」の旗が出ている店がなかなかありません。やっと1軒、喫
茶店が見つかり入りました。

店内はカウンターとテーブル席が5つほどあります。時間が午後4時を過ぎて
いましたので、お客が1組いて、カウンターの中で年配の女性が調理をしていま
した。

席に着くと、年配の女性が水を持って来て注文を取りました。氷を頼んで待っ
ていると、店と居住空間との仕切りの戸が開いていて、そこから店内にさーっと
何か小さな黒いものが入ってきました。同行者がそれに気づき、とっさに「あっ、
猫。かわいい」と声を上げました。

家族が犬を散歩から連れ帰って家に入ったのですが、仕切りの戸が開いていた
ので、店内に走って入ってきたのでした。30代後半ぐらいの女性が「だめ、だめ
と家に戻そうとしたのですが、「かわいい」という声を聞いたからでしょうか、
その動物を胸に抱きながら入ってきて「これ犬なんですよ、よく猫に間違われる
んです」と返事しました。
「犬なんですか、猫だと思って」
「ミックスなんですが、足が長いからよく猫みたいと言われます」
と言いながら、抱きながら店内に入ってきて、カウンターの横の籠に入れながら、
手で体をなぜていました。ほめられたのがうれしかったのでしょう、その後も話
しかけてきて、チワワとトイプードルとダックスフンドのミックスだとか、年齢
とか性格のことを話してくれました。

そのうち、氷ができると、その人は犬をさんざん撫でた手で、氷を運んできま
した。内心まいったなと思いましたが、話をしながら氷に舌鼓を打ちました。

途中水が欲しくなり、カウンターの中の年配の女性に「お水ください」と声を
かけると、まだカウンターの端にいた女性が「はい」と言ってピッチャーを持っ
て来て、テーブルのグラスを持って水を入れました。

しかも、犬を撫でていた手でそのまま、グラスの上部を親指と人差し指でぐる
っと握ります。グラスを置くときに、親指と人差し指がかからなかった部分を確
認しておき、そこから水を飲みました。

私も子供のころから、猫や犬を飼っていて一緒に育ちましたから、動物は好き
ですが、そのままの手で提供されたのには参りました。声をかけたのを後悔しま
した。

自分の行動がお客の気持ちにどう影響するか、客観的に考えないと怖いですね。
皆さんはどう思いますか。



2015/9/20   第374号

先日、名古屋の地下街を歩いていました。飲食店や土産物、食品の販売店が並
んでいます。その中で呼び込みをしている女性接客者の声が聞こえました。

「天むすはいかがですか。5個〇〇円です」と店前を歩く人に声をかけています。
非常に通る声ではっきり聞こえてきます。その接客者に目をやると、マスクをし
ていました。

珍しいと思いました。いろいろな店でたまたま接客をした人がマスクをしてい
ると、話す内容が聞きにくい人がいます。マスク越しに声をかけるので、声がこ
もってしまうのです。聞き取りにくくて、聞き返すなんて言うこともあります。

ですが、この接客者の声は、マスクをかけている感じがしません。はっきり聞
こえてきます。つい気持ちがそっちに行って言葉をかけました。
「お店はここだけ」
「本店は〇〇にありまして、他にデパートにも出店しています」
はきはきした受け答えです。新幹線の中で食べようかなという気持ちになって
買ってしまいました。

これから、寒くなってくると、マスクをして販売する接客者が多くなりますが、
彼女のようにはっきり通る声で対応してもらいたいですね。そのためには、日々
の発声訓練は大切ですね。

皆さんはいかがですか。



2015/10/5   第375号

知人に卵に凝っている人がいます。殻を割って出した時の黄身の色や、盛りあ
がりの高さ、味など、色々スーパーで買って比較した結果、気に入った養鶏所の
卵がありました。ずーっとスーパーで購入していたのですが、ある時から陳列さ
れませんでした。そこで事情を聞こうと養鶏所へ直接電話をかけました。

「賞味期限をちょっと打ち間違えたら、取引停止になってしまいました。なん
でもないのに厳しいんですよ」と説明したそうです。実際はどうなのかわかりま
せんが、買えなくなってしまいました。調べてみると養鶏所が経営する直売所が
車で1時間ほどのところにあります。美味しいと評価していたものですから、そ
れ以来1か月に1度のペースで、直売所へ直接買いに行くようになりました。

養鶏所では、卵以外に地元の野菜とか、菓子などの食品も販売しています。車
で1時間ぐらいかかりますが、休みの日に遊びを兼ねて行けば結構楽しいと定期
的に通うようになりました。それでも、知人にとって理想的な卵を購入できます
から、遠方まで買いに行く手間も苦にはなりませんでした。 

直売所で販売している接客者は、接客がきちっと教育されていないようです。
休みの日はお客も多くいますが、品出しの時はお客を邪魔扱いしたり、レジでお
客が待っていても、常連の顔見知りとおしゃべりしたり、今では信じられないよ
うな対応が見られると話してくれました。

ある時、レジにパックされた卵を出した時に「賞味期限はいつまでになってい
ますか」と尋ねると「中に入っている紙に書いてありますよ。十分平気ですよ。
いまの人は賞味期限にうるさいから」と答えたようです。皆、賞味期限を心配す
るけど、少しぐらい過ぎたって平気と言われているような感じの対応でした。

その対応に、前に会社に電話したことを思い出しました。この会社は一度賞味
期限で失敗しているのに、いまだに賞味期限は重要でないと思っているのではな
いかと。会社の消費者に対する姿勢が見えたようで、その会社の卵に対する対応
に不信感を持ち、気持ちが醒めたと話してくれました。その後買いに行っていな
いようです。

会社の商品に対するポリシーをきちっと接客者に伝えないと、何気ない接客者
の会話からどのようにお客に伝わるかわかりませんね。皆さんはいかがですか。



2015/10/18   第376号

地方に車で行くと、道の駅や高速道路のパーキングエリアに休憩で寄って、つ
いでにその地域の珍しい商品を見て購入するのは楽しいものです。

先日、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県、埼玉県、東京都を車で回りました。
茨城県のある道の駅、休息に立ち寄り、商品を見ると、地元の新鮮な野菜や加工
品がいろいろ並んでいます。量も多く安いので野菜や加工品をつい買ってしまい
ました。レジの接客を見ても教育が行き届いていて感じがいいのです。

「この野菜この辺でとれたものなんでしょ。」
「はい、この辺の朝獲れですから、新鮮ですし美味しいですよ」
「安いね」
「この辺の産地のものですから」
素敵な笑顔で対応してくれます。
接客が感じがいいと、いいものを購入したという満足な気持ちになります。

それからしばらくたって、やはり休憩で今度は高速道路のあるパーキングエリ
アに寄りました。お客も多く、飲食したり売店で土産物を探して楽しんでいます。
売店の漬物コーナーに寄った時です。多くのお客がどれにしようかなと漬物を探
していました。側で接客者が箱から商品を並べていました。身体の大きい人で周
りに気を使っていませんから、お客が通るのに邪魔になるのです。それでも意に
介さず平然とゆっくり商品を並べています。お客がその接客者を一瞥して、邪魔
そうに傍らを歩いています。

「どれにしようかな」と周りで話しながら商品を迷っているお客がいますから、
「これおいしいですよ」などとアドバイスしたらお客の気持ちも変わるのに。無
言で品出ししていますから、ただ邪魔なだけです。

その店の従業員か、外部の搬入者かどうかわかりませんが、どのような立場で
も、店内にいるなら、お客を意識して仕事をしないと怖いですね。お店の評価、
パーキングエリアの評価が落ちますから。

皆さんはいかがですか。