2007年2月 日本長生医学会旭川支部定例研究会公開講座の報告
テ-マ 〜口下手な治療師のための話し方講座〜

大村 和彦

日 時: 2月11日(日曜日) 午前10時30分〜12時 
会 場: 旭川市5条4丁目 「旭川市ときわ市民ホ−ル 402号室」
講 師: 本告 節子 (もとつぐ せつこ)先生


いつになく華やいだ雰囲気に包まれた会場。なるほど・・・出席者32名中、半数が女性です。  これだけ女性の多い研究会は、おそらく旭川支部39年の歴史の中で初めてかもしれません(笑)それもそのはず、公開講座の講師は、「FMりべーる」のマダム・ケロコさんです。

通常私たち研究会は、背骨の診断や矯正といった「技術」が中心ですが、今回は「話術」。なぜなら、術者と患者さんの適切なコミュニケーションが治療効果を左右するからです。

 

治療における会話の有効性は、ペンシルバニア大学のRobert J. DeRubeis, PhDの、うつ病には、会話療法が抗うつ剤より有効かつ再発率も少ないという論文や、ミネソタ大学内科のLawrence C.An博士らによる、禁煙治療は、薬剤療法や行動療法よりもカウンセリングで禁煙率が上昇するといった報告により、医学的に実証されつつあります。

しかし、どちらかと言うと偏屈タイプが多い臨床家にとって「人前で話す」という行為は最も苦手な分野かもしれません。今回は、治療における言語的コミュニケーションの重要性について、長生医学会会員の理解を深めようとするのが狙いでした。


講師のケロコさん(写真右)は、肩こりで治療所を転々とした自らの体験から、悪い印象を与える治療師を、術者の話し方を通し具体的に指摘されました。

その話は、治療者と患者の関係だけにとどまらず、夫婦関係、親子関係、友人関係、嫁姑関係にまでおよび、ケロコさんの本音とも冗談ともつかないトークはかなり衝撃的でした。


しかしその話は実にシンプルで、かつ分かりやすく、そこには「気取ることなんかないんだよ」という、ケロコさん流の確固たるメッセージがこめられていました。一番大切なのは話す技術ではなく、自分自身の気持ちの問題だったのです。

 

個人的には、カツゼツの悪さと、人前での緊張症がコンプレックスでしたが、ケロコさんの「意識過剰にならないように。誰も最初から最後まで真剣になんか聞いてないよ」というカラオケの法則には目から鱗の思いでした。

私の旭川支部長として最後の仕事がケロコさんの講演会だったことは、私にとってとても幸運でした。口ベタな会員にマダムケロコを最後の贈り物に出来たことを嬉しく思います。


実は、今回の公開講座参加者の半数が一般の方でした。
建築家、保健婦さん、看護師さん、ヨーガのインストラクター、お花の先生、公務員・・・・
参加者の真剣な眼差しには、私たち以上に、相手にものを伝えることの大切さを認識しておられるプロとしての誇りを感じました。

 

参加者の感想

  • おかげさまで、今日はとっても楽しかったです(*^_^*)
  • 「思いっきり笑ってスカッとしたね♪めちゃ面白かったわぁ」
  • 本告先生の軽妙なトークで会場は笑い声が絶えませんでしたね。有意義な時間をありがとう。○「楽しい時間をありがとうございました。おかげで肩も頭も軽くなりました♪」と感想と共によろしくお伝えください\('-'*)/
  • 大満足です!早速帰りの車で口を大きく動かして独り言を言うように努めました♪

和やかな中にも真剣な参加者

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

新 年 会

場所:旭川市4条8丁目買物公園通 すみれ堂ビル2F
イタリア料理の店「仁泰 KIMIHIRO」 午後12時30分〜
会 費:3,000円(子供 無料)


某老人医療の大家が「俳句をたしなむ人はボケない」と発言したことがあります。
まだ認知症という病名すらない時代ですが、脳の機能低下を防ぐには、情報を頭に入力するだけでなく、入力した情報を出力することが必要だということを端的に示した、ある意味名言ではないでしょうか。

本を読む、美しい景色を見る、映画やテレビを見る・・・それだけでなく、そうして見聞きしたものを絵や文章、音楽や言葉で表現する。そうした意味で俳句は最も手軽な頭の運動といえるかもしれません。

日本長生医学会旭川支部では1993年から、研究会の都度会員に返信葉書に俳句を募集し、優秀な句を表彰しています。

1999年に「あさひ句会」と命名された句会には、今年は60投句があり、日本長生医学会文芸部顧問大村基實先生による厳正な審査の結果、下記俳句が入選、新年会の席上で、大村選者から受賞者に直筆の短冊と副賞の図書券が手渡されました。

天賞   寄せ鍋の 妻の味には 言葉出ず   北川博雅先生
地賞   眩しさに 小春日和の 風流れ   平林数巳先生
人賞   祀堂道 散りゆく黄葉 風の音   赤川富子先生
入選   朝まだき 稜線はるか まだ白し   近藤俊之先生

新年会は「仁泰」のご好意で貸切りにしていただき本格イタリアンに舌鼓。会員のご家族と一般参加者交え宴は大いに盛り上がりました。美味しかったですよ♪

乾  杯   井出洋継先生      
閉会の辞  合田勝彦支新部長


日本長生医学会旭川支部  大村 和彦

⇒ 研究会報告・論文メニューへ

 

 

△ このページのトップへ