夕焼けがトルコの大地を染める頃,
バスはカッパドキアに到着した。
「ここで写真タイム、5分で〜す。」
ガイドさんの声にみんなそそくさとバスを降りた。
なんという景観、誰もが息を呑む瞬間だった。
それからはもうみんな興奮しまくり、写真を撮りまくり。
当然、5分の制限時間など守れるはずもなかった。
しかし、この不思議な景観は、
ほんの序章に過ぎなかった。
あくる日に見た壮大な自然の世界遺産は、
すべてを圧倒していた。
この不思議なきのこ岩群を目の前にした時、現実の世界とは思えなかった。
ちらほらと見える人影ときのこ岩を比べて見ればその大きさも想像できると思う。
ふと見れば、トルコのうら若き女性がふたり...。
と、見えますか?
これ、ツアーの女子学生さんお二人。
土産物屋で買った衣装でトルコのいでたち。
後ろから見たらどう見ても、トルコの人。
もちろん、その後、彼女たちがツアーの
アイドルになったことは言うまでもありません。
遠くから見ると、とんがりぼうしのような岩ばかりが目につく。
しかし、カメラの望遠レンズで見てみると、そこに確かに
人が住んでいる街があることがわかる。
えらいぞ、デジカメ10倍望遠レンズ。
少しづつ近づいてみましょう。
ツアーのおばちゃん。「まるで蟻の巣みたいやねぇ。」
ガイドさん「???」
トルコ人のガイドさんに「蟻」が通じない。
おばちゃん「蟻やんか、ア・リ。ありんこ。
ありんこの巣みたいやんか。」
あのぉ〜、ありんこなんて言ったら
余計に通じないと思うんですけど...。
結局、他の人が英語でant.、これで決着。
おばちゃんたちがどこでも日本語で押し通してしまう
たくましさがとっても微笑ましかった。(笑)
岩窟住居なんて言葉より、確かに、巨大な地下都市。
まるで蟻の巣のように、地下へ地下へと洞窟が掘られている。
地下8階まであるが、地下5階までが見学可能。
迷路のような通路を歩いていると、気分は、蟻...。
紀元前400年頃にはすでに存在したという。
この地下都市には、教会や寝室、食料室などがあり
大規模な生活が営まれていたという。
このカイマルクの地下都市では2万人が暮らしていたというから驚き。
出発前の30分ほど、ホテルの近辺を散策。
カッパドキア特有の砦のような岩山も近くに見えたので、近くまで行って見ることにした。
途中、民家の軒下にぶどうの木の棚があり、おじさんが立っていた。
私たちを見つけると、なにやら、言って、ぶどう棚から色づいたぶどうを採ってくれた。
「えっ?」
こうゆう時にうかつに受け取って、後で、お金を要求されることは海外ではよくあること。
しかも、おじさん、苦虫をかみつぶしたような表情である。
私たちが躊躇して受け取らないと、柵の上に置いて、
次のぶどうの房を採って、また差し出してきた。
これはもう受け取るしかない。
おじさんは、満足そうな表情を少し見せたが相変わらずの表情。
私が娘と一緒に写真を撮らせて欲しいと頼むと、うなずいてくれた。
その写真だけは、少し微笑んでいる。あぁ、よかった。
細い路地を下っていくと、二人の女性にあった。
「ギュナイドン(おはよう)」と声をかけると、
若い方の女性が、手招きして、建物の内部に入っていく。
恐る恐るついて入ると、そこには子牛が。
そっか。これを見せたかったんやな。