ベルガマ...かつてはペルガモンと呼ばれヘレニズム時代最大の芸術都市だった。

詳しいことなど、何も知らなかった20数年前。
東ベルリンにある「ペルガモン博物館」に行ってみたいと、ただそれだけで、
西ベルリンから、地下鉄で国境越えをして、東ベルリンに入った。
「西側」の国から「東側諸国」に入るにはそれなりの覚悟が必要な時代だった。(と私は思っていた。)
殺風景な街が今でも印象に残っている。ベルリンの壁が厳然と立っていた。
たどり着いた「ペルガモン博物館」。感動のあまり思わず、展示してあったレンガの壁を
そっとさわろうとして、監視の女性に注意された。あっ、ごめんなさい。

それが今、目の前にある。ドイツに運び出されたものはなくても、「ペルガモン」はここにある。
まさか20数年の時を経て、ここで、再会できるとは思ってもみなかった。
ベルガマのアクロポリスは、眼下に街を一望できる小高い山の上にある。
アテナ神殿は今は礎石だけが残っている。
こうして、山の上に神殿を建てた人々と神との距離は
どのくらいだったのだろう。

山の上には、心地よい風が吹いていた。
正面の山の頂上に見えるのが、「トラヤヌス神殿」。

ここは、石柱が並ぶ古代の大通り「聖なる道」。
このあたり一帯は「アスクレピオン」と呼ばれる古代の総合医療センターだったところ

トンネルを通って、この「診療所」に入る。トンネルは「俗の場」と「神の場」の境界。
ここで神のお告げを聞き、病に対処したそうだ。
トラヤヌス神殿
ベルガマ(ペルガモン)遺跡