戯言録(雑記)
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2002年6月 | 次のページへ |
16日(日)その2 映画字幕というもの |
現在、日本国中でサッカーの話題が熱いですが、私の中では「字幕問題」の話題の方が熱かったりします。 「字幕問題?なんじゃそりゃ?」とお思いの方もおられるかもしれませんね。 『第一部:The Fellowship of the Ring』の字幕は戸田奈津子という方がされているんですが、これがかなり問題ありな内容で、原作ファンはもちろんのこと、英語を聞き取りできる人や、この映画から『指輪物語』を知った方など作品世界をきちんと受け止めようとしている方々からクレーム付きまくりなんでございます。 「字幕の誤訳なんて当たり前」とか「原作マニアの重箱の隅つつき」とか言ってる人も少なからずいるのですが、はっきり言って今回のはそんな可愛らしいもんじゃないんです。 字幕が物語の内容を改変している。それを観た一般人(原作を知らないまっさらな方々)は、当然それがこの映画の内容だと信じます。 そして言うわけです。 「この映画、ストーリーが安っぽい上に3時間なんて長いだけ長くてつまんないじゃん!“欧米諸国で絶賛”なんて信じらんない!!」 ‥‥ストーリーが安っぽいですか。 原作も読んでる私に言わせれば、それこそ「信じらんない」ですよ?(苦笑) そして、そんな誤解を招く字幕にファンが殺意を抱いても、一体誰が責められましょう。 これは字幕制作担当者だけではなく、配給会社である日本ヘラルドと松竹、果ては日本の映画業界全般の在り方についてまで言及されるような、非常に大きな問題なのかもしれません。 ウェブ上でも、この字幕問題を扱ったサイトが幾つも作られました。 そのうちの1つ『魅惑のFotR日本字幕版』では署名運動が行われ(もちろん私も署名しました)、この間その回答が、サイトの主宰であるS・バギンズさんの元に届いたそうです。 その効果なのか今現在、日本のLOTR公式サイトに行くと『「ロード・オブ・ザ・リング」字幕翻訳に関する発表』という小窓が現れます。 けれど。 この文章には“字幕にクレームがついた”旨は全く書かれてないんですね。 「2002年9月21日にレンタルが開始されます第一部のビデオ(VHS、DVDなど)の日本語字幕スーパー版は、戸田奈津子氏の原稿を使用しておりますが、劇場とは違い、文字数の制限が多少緩和されるため、上記の原稿にビデオ版としての手直しを施しております。」 (公式サイトの文章より抜粋。太字は私が強調しました) ‥‥あくまでそう言うか日本ヘラルド。 今までの、公式サイトのBBSに書き込みした字幕に関するクレームがことごとく削除されたことといい、第一部ラストのクレジット前に挿入された『第二部:二つの塔』の特別フッテージ映像でも早速トンデモな誤訳があったことといい、今回の全然潔くない発表といい、どうにもこの会社は信用ならないというか煮え切らないというか。 「手直し作業には、原作「指輪物語」の共訳者の一人であられる田中明子氏(ご参考までに、もう一人の共訳者であられる瀬田貞二氏は既に亡くなられております)と、版元である評論社の方々に、ご協力を頂いております。」 「今後の第二部、第三部の字幕翻訳作業におきましても、戸田奈津子氏の翻訳原稿に関し、田中明子氏、評論社にご協力頂く予定です。」 (公式サイトの文章より抜粋) とありますが、今回の映画字幕でも田中明子女史が監修として参加していたという噂を聞いた気がするんですけど‥‥。 しかも(繰り返しますがあくまで噂です)固有名詞など田中女史に訊いた部分はあったものの、その他に関しては「田中女史は字幕制作に関しては素人だから、と戸田氏が意見を聞かなかった」とか「戸田氏のワガママで田中女史は監修を降ろされた」とも聞いたのですが本当なんでしょうか。 田中女史が途中で監修を降ろされた裏付けになるかは分かりませんが、確かに上演された字幕版にも映画のパンフにも「監修:田中明子」の文字は見受けられません。また映画前半より後半の方がトンデモな誤訳が至る所に見受けられます(内容のせいかもしれませんが)。 今回の公式サイトの発表、ひねくれた受け取り方をするなら「小煩いマニア達を一時期おとなしくさせるための目くらまし」と読むこともできますね。 真相は日本版DVDの発売と次作『第二部:二つの塔』の封切りまでお預けですが、いくら公式サイトであんな発表があったとはいえ、ファンは安心できません。 これはあくまで私の想像ですが、もしかしたら映画配給会社は戸田氏に頭が上がらないのかな? 配給会社や公式サイトの一連の行動(BBSの書き込みを削除したり煮え切らない発表をしたり)も、「戸田氏にごねられると後が大変だから」という考えで行われてるように見えなくもありません。だとすると今後のLOTRの字幕も、たいして問題解決されないんじゃないでしょうか。 この心配が杞憂であることを切に願います。頼むよホントに‥‥。 なぜそんなに字幕で熱くなるのか理解できないという方は、試しにS・バギンズさんのサイトをご覧になってみてください。 正直な話、私も始めて映画を観た時「随分内容がアレだなあ」と感じた一人でした。でも、とある掲示板でS・バギンズさんの投稿を読み、目から鱗が落ちると同時にピーター・ジャクソン監督に感謝を、字幕に怒りをおぼえたのです。 単純に「原版ではどんな意味の台詞を言ってたのか」というので読んでも楽しめると思います。 実は私もあちこちのサイトさんを訪ねて初めて知ったのですが、趣き深いセリフ回しが至る所にある映画なんですねー。 マジでこの作品が好きです。好きになってほんとに良かったと思う。しみじみ。 だから余計、字幕の酷さが悲しいんです。 今回の日本での字幕問題を取り上げ、なんと署名運動までしてくださった海外サイトもあります。ですが送付のため署名をクローズしたとのことなので、リンクは張りませんでした。(私は署名しました。PJに届けこの想い!) |
16日(日)その1 DVD情報 |
去年は2月からいきなり9月に飛んだけど、今年は6月だ! 少しは進歩したかな?(←してません。) 今回から副題を付けてみました。ちょっと気分転換。 近場での『第一部:The Fellowship of the Ring』の上映も終わり、自分的LOTR熱も多少は冷めてきたみたいです。と言っても粗熱がとれた程度のものですけど(笑) (勢い余って「The Lord of the Rings Fan Club」に入会しちゃったのは抜群に秘密だ!) とりあえず報告を。 総映画観賞回数は字幕・吹替合わせて20回くらいになったと思います。途中から数えるの止めちゃったんで、実際はそれ以上観てるかもしれませんが‥‥。 「それってヤケになってない?」と言われればそんな気もしないでもないですけど(^^;) でも私は(自分で言うのもなんだけど)好き嫌いのハッキリした人間です。例えヤケでも嫌なら観に行きません。安くはない金を払い、しかも3時間も拘束されるなんて冗談じゃないです。私は“自分の時間が一番大切”な人種なんですから。 さらに私の場合、3時間座りっぱなしでいるためには、半日くらい前から水分断ちをしなくちゃならないんです。こんなこと、好きでなきゃ絶対やりません。 さすがにこれだけ観てると「お腹いっぱい」な感じですが、それでもDVDの発売が今からとても楽しみだったりします♪ 英米では8月6日に『第一部:The Fellowship of the Ring』のDVD&ビデオが発売されます。11月には30分余りの追加シーンの入ったバージョンも。この追加版にはさらに「コレクターズボックス」というのがあって、アルゴナス像を象ったブックエンド他、特典がいろいろ付くそうです。ちなみに「コレクターズボックス」というのは英国版の呼称で、米国版は「スペシャルギフトセット」。呼び方は違っても内容は同じみたい。(内容の詳細はこちら※英語のサイトです) 日本版はレンタルが9月かららしいですが、セル版の発売日はまだ発表されてません。思ったより早いのですが、一抹の不安があるので喜べない‥‥。そんなに早く出して、字幕直してる時間があるんだろうか?ι そして映画の字幕に強い不満を感じてる私は、英国版DVDを2バージョンとも(もちろん片方はコレクターズボックスだ!)既にAmazon.co.ukで予約済みなのだった。 海外版のDVDは日本版のそれとはリージョンが違うので普通のDVDプレイヤーでは再生できないのですが、米国版のはリージョンフリーのプレイヤーで、英国版のはパソコンのDVDドライブで再生可能らしいです。 なので、この夏はDVDマシンを一発組む予定。今の窓Sマシンのスペックがちょっとつらく感じてきてたので(何せゲーム用マシンですからι)丁度良いかなと。 ああ、こうやって人は「指輪破産」への途を歩んでゆくのですね‥‥ |