富山便りvol-8


氷見海岸事件

冬は寒ブリで有名な氷見海岸にいってみました。

行ったところは海水浴場ではなく公園で、なごむには良いところです。

この日の天気はあいにくどんより曇っていて、小雨もパラパラとちらつき、

しかも風がゴーゴーと音を立てていました。

車から出るのが嫌になってしまいましたが、せっかく来たのに車から出ないというのも

もったいないので、とりあえず車から降りて公園に向かって歩いていくと

真っ先に目にはいったのは砂浜に続く階段に座っている男の人でした。

日曜の昼間だというのに黒のスーツで身を包み、その上景色全体が灰色に見えるくらい

天気が悪いと言うのにサングラスまでかけている。

階段に、じかに一人で座っていて、かたわらにはラジカセをおいている。

「あの人なんやねんやろ」=(なんだろう、何者だろう)と思うのはきっと私だけではないと思う。

なんやろ、なんやろ、なんやろ、なにしてるんやろ、という気持ちが頭の中をぐるぐる回っていて

通りすぎる短い間に「特殊工作員かもしれん」とか「記憶喪失の外国人かもしれん」とか

自分でもわけのわからない思考がどんどんあふれてきた時

いきなりかたわらのラジカセから演歌が聞こえてきた。

しかも「そんなにボリューム上げたらラジカセこわれるで」というくらい大音響でである。

その瞬間に全身が震えるくらい笑いがこみ上げてきて、こらえるのに必死になってしまった。

通りすぎてから見たくて見たくてしかたがなかったが

変に感情を逆なでして刺されてもいやなので、ちらっ、ちらっと見るのが精一杯だった。

砂浜が途切れるあたりに堤防があり、そこから海が見えるのでとりあえず堤防によじのぼって

振り返ってみるとその人はもういなかった。

その後は水族館でしかみたことがなかったウミウシをながめていました。

ほんまになんやってんやろ???なにしとってんやろ???

どこにでも謎の人っていうんはおるもんやと思いました。

 


村祭り

大阪でも市外の新興住宅地に住んでいた私は、お祭りといえば

市民フェスティバルか夏の盆踊りくらいしか想像がつかない。

強いて言えば天神祭りは今でも楽しみにしていて去年はそのために

大阪に行ったくらいである。

私にとってお祭りとは参加型のイベント、もしくは出店や催し物を楽しむもの

というものであった。

今度の日曜日、お祭りなが、どうする?なんかする?」といわれたが

どうするもなにも私にとってお祭りは見に行くか、行かないかというもので

どうするもこうするもなく、特別に何をするとか思いつかないのである。

京都の祇園祭や大阪の天神祭りをはじめテレビで話題になるくらいのビッグイベントなら

「わーー、見に行きたいなー」と言ったかもしれないが、ただ「お祭り」といわれても

なんのことやらどうするものやらさっぱりわからないのである。

「どうする?なんかする?」といわれた時は返答に困り、「ふーーん」という

なんとも気の無い返事をし、特に興味をしめさないまま「お祭り」の当日を迎えたが

ここでいうお祭りとは本来の日本の伝統行事である「神霊祭」のことだった。

子供の頃「♪むーーらの鎮守のかーみ様のーーーー♪」という歌を習ったが

(題名は村祭り?)なんのことやらさっぱりわからないまま歌っていたし

実際、新興住宅地には近くに神社もないので実感がわかないのである。

お祭りは2日間あり、1日目は神社に御供えをし、2日目は村の青年団による

獅子舞があって、朝から夜にかけて1軒1軒の家を回るのである。

獅子舞がくると家族のものはみな玄関口に正座し、獅子舞をじっとみていていなければならない。

舞が終わると獅子にむかって深々とおじぎをし、ご祝儀を渡すのである。

祝い事があったときなどは(結婚、出産など)「花をうつ」といってさらに上乗せして

ご祝儀を渡すようである。

玄関には家紋のはいった提灯をさげ、本来なら友人や親戚などを呼んで

華やかに宴を催すのが慣わしのようである。

「どうする?なんかする?」っていうのは友達や親戚を呼んで宴会する?という意味だったのである。

そういう先祖代代からの行事がないところで生まれ育ったので

土地の古さを改めて感じてしまいました。

むーーらの鎮守のかーーみ様のーー♪と歌いながら獅子について行ってしまいました。

 


大門町にも春が来た、しかし・・・・

いやーーー、長かった、ほんまに冬は寒かった。つらかった。

最近ようやく春らしくなり、「あーーー、今日も部屋の温度6℃やーーー、さむーーー

という日はなくなり、朝と夜はストーブが手放せないものの、日中はお日様が顔を出す日が増えてきたし

あちこちで桜や野の花が咲き、毎日雨か雪、もしくは曇りという日々から開放されつつあります。

しかし、それと同時に私の天敵「」もわらわらと活動し始め、はやくもウヨウヨが

網戸にはりついていたりして、戦いの火蓋はきって落とされたという気がしないでもない。

今年の初めに台所のリフォームが完成したので、去年のように台所の中で

コオロギが鳴くということはないだろうとは思うが、春になったとたんに

ブーーン、ブーーンと羽音が気になるのである。

なんとか虫対策を考えなければと思う今日この頃です。

 

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