富山便りvol-12


立山おろし

北陸の冬は寒い。骨の髄までしみそうな寒さである。

もともと寒いのは嫌いだから寒さが厳しいと憂鬱である。

あまりに暑いと動くのがだるくなってだらだらしてしまうが

それでもまだ畑仕事にでてみたり、洗車してみたり、体を動かす事ができるが、

冬は寒くて体が動かなくなる。まるで冬眠中の動物のようである。

関西でも神戸の北の方は六甲おろしが吹き、寒い。

大阪にいる時芦屋に勤めていた頃があるが、北から風が吹き        

私の頭の中では北風イコール冷たいというイメージがある。

童話の「北風と太陽」にもあるように北風が寒い風の代表のような

イメージがあるのではないだろうか。

南風ときくと私の頭の中ではリゾート地のさわやかな風というイメージがあったのだが

大門町にきてからそのイメージは一気に崩れた。

私の家から見て富山の誇る立山は南側にあり、その立山から冷たい風が降りてくる。

南風イコール立山おろしなのである。

立山に行くには車で一時間は走らないとつかないが、それでも強烈な風が吹いてくる。

台風がきているわけでもないのに家が揺れるくらいの強風が吹くのである。

家からガレージまで歩いて1分くらいなのだが、その1分でさえ

立山おろしに身をさらしていると、服を着ている部分はいいが

顔はもちろん毛根まで死んでしまいそうなくらい冷たいのである。

我が家は夏を基本に風が通ることを前提に作られていて、

床はわざと隙間をあけてあり、そのうえに畳がしいてある。

そして部屋のしきりはふすまなので、廊下からも隙間風が入り、

床下からも冷たい冷気が入ってくる。

暖房をつけていてもなかなか暖まらないし、暖房を切ったとたんに

部屋の中は冷蔵庫化する。

布団は乾燥機をかけ、温かくしているのだが、部屋の気温が下がるので

夜中に頭が冷たくて目がさめる事がある。

「頭がさむいー」とふとんのなかにもぐると息が苦しい。

帽子を被って寝ると髪の毛がぺっちゃんこになってしまう。

なにか良い手はないだろうかと日夜思案してる今日この頃である。

 


 

 

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